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前立腺癌と前立腺肥大を識別するための方法およびキット 新技術説明会

国内特許コード P160013440
整理番号 (S2012-0900-N0)
掲載日 2016年11月2日
出願番号 特願2014-540871
出願日 平成25年10月9日(2013.10.9)
国際出願番号 JP2013077495
国際公開番号 WO2014057983
国際出願日 平成25年10月9日(2013.10.9)
国際公開日 平成26年4月17日(2014.4.17)
優先権データ
  • 特願2012-226489 (2012.10.12) JP
発明者
  • 大山 力
  • 米山 徹
  • 飛澤 悠葵
  • 畠山 真吾
  • 鈴木 隆
  • 左 一八
  • 山口 真帆
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
  • 静岡県公立大学法人
発明の名称 前立腺癌と前立腺肥大を識別するための方法およびキット 新技術説明会
発明の概要 本発明の課題は、少ない分析試料で高感度に再現性よく前立腺癌と前立腺肥大を識別する方法を提供することである。その解決手段としての本発明の前立腺癌と前立腺肥大を識別する方法は、前立腺特異抗原(PSA)を含む分析試料と抗フリーPSA抗体を固定化した担体を接触させて担体に固定化した抗フリーPSA抗体にフリーPSAを結合させた後、固定化した抗フリーPSA抗体にフリーPSAが結合した担体と末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するモノクローナル抗体を接触させて担体に固定化した抗フリーPSA抗体に結合したフリーPSAに末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するモノクローナル抗体を結合させ、末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合したN型糖鎖を有するフリーPSA量を測定し、得られた測定量を予め設定された前立腺癌と前立腺肥大のカットオフ値と比較することにより、カットオフ値よりも多い場合は前立腺癌であるかその蓋然性が高く、少ない場合は前立腺肥大であるかその蓋然性が高いと判定することによる。
従来技術、競合技術の概要


前立腺癌(prostate carcinoma:以下「Pca」と略す)は男性の主要な死亡原因であることは周知の通りであり、前立腺特異抗原(prostate specific antigen:以下「PSA」と略す)はPcaに対する最も重要な腫瘍マーカーとして認識されている(非特許文献1)。PSAは約34kDaの糖蛋白で、糖鎖はその約8%を占める。Pcaの早期診断に対する血清PSAテストの有用性は既に多くの文献に記載されているが、Pcaに罹患している男性と前立腺肥大(benign prostate hyperplasia:以下「BPH」と略す)に罹患している男性の間にはグレーゾーン(gray zone)と呼ばれるPcaともBPHともどちらとも言えない領域がある(非特許文献2)。そこで2つの病変を正確に区別するための試み、例えば、PSA密度、PSA勾配、フリーPSA/トータルPSAの比などを指標にした試みがこれまで実施されてきた。しかしながら、こうした方法では2つの病変を正確に区別することは困難である。そのため、現在の血清PSAテストはPcaに特異的ではなく、感度と特異度を共に満足させる適切なカットオフ値がないことが世界的な問題となっている。



このような背景のもと、本発明者である大山らのグループは、精嚢液から精製したPSAをN-Glycosidase Fで処理し、PSAのN型糖鎖を切り出してmatrix associated laser desorption/ionization time-of-flight(MALDI TOF)mass spectrometry(MS)によって解析することで、PSAの糖鎖として19種類を同定し、PSAの糖鎖が非常に多様性に富んでいることを明らかにした(非特許文献3)。それ以前にStameyらのグループは、PSAの糖鎖としては2本鎖で末端にシアル酸がα(2,6)結合でガラクトースに結合したN型糖鎖のみが発現していると報告していたが(非特許文献4)、末端のシアル酸はα(2,6)結合でのみでなくα(2,3)結合でガラクトースに結合しているものも約10%存在することが大山らのグループによって明らかになった。その後、大山らのグループは、PSAを糖鎖のみでなく、PSAのペプチド配列を含む状態でMS-MSによって解析することで、PSAのN型糖鎖の末端シアル酸残基は、癌化に伴い、α(2,6)結合でよりもα(2,3)結合でガラクトースに結合するものが増加することを明らかにした(非特許文献5)。



以上の知見に鑑みれば、末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合したN型糖鎖を有するPSA量を指標にしてPcaとBPHを識別することが可能であると考えられ、実際に、本発明者である大山が特許文献1において提案した末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するイヌエンジュレクチンを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、PcaとBPHを識別できることが確認されている。しかしながら、イヌエンジュレクチンを用いたアフィニティークロマトグラフィーによってPcaとBPHを識別する方法は、これまでに提案されてきた方法と全く異なる方法として注目されるが、末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合したN型糖鎖を有するPSA量はトータルPSA量のわずか1~2%と極微量であるため、精度の高い識別を行うためには分析試料として血清を大量(10ml程度)に必要とするという問題がある。また、使用するイヌエンジュレクチンは天然物からの抽出物であるため、ロット間での品質のばらつきが認められるという問題もある。

産業上の利用分野


本発明は、前立腺癌と前立腺肥大を識別するための方法およびキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
前立腺癌と前立腺肥大を識別するための方法であって、前立腺特異抗原(PSA)を含む分析試料と抗フリーPSA抗体を固定化した担体を接触させて担体に固定化した抗フリーPSA抗体にフリーPSAを結合させた後、固定化した抗フリーPSA抗体にフリーPSAが結合した担体と末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するモノクローナル抗体を接触させて担体に固定化した抗フリーPSA抗体に結合したフリーPSAに末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するモノクローナル抗体を結合させ、末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合したN型糖鎖を有するフリーPSA量を測定し、得られた測定量を予め設定された前立腺癌と前立腺肥大のカットオフ値と比較することにより、カットオフ値よりも多い場合は前立腺癌であるかその蓋然性が高く、少ない場合は前立腺肥大であるかその蓋然性が高いと判定することによる方法。

【請求項2】
PSAを含む分析試料が、血清、尿、前立腺組織抽出液、精液、膀胱洗浄液からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1記載の方法。

【請求項3】
抗フリーPSA抗体が抗ヒトフリーPSA特異的モノクローナル抗体(コンプレックスPSAと反応しないもの)である請求項1記載の方法。

【請求項4】
担体が磁性粒子である請求項1記載の方法。

【請求項5】
抗フリーPSA抗体を固定化した担体と、末端シアル酸残基がα(2,3)結合でガラクトースに結合した糖鎖を特異的に認識するモノクローナル抗体を少なくとも含む前立腺癌と前立腺肥大を識別するためのキット。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2014540871thum.jpg
出願権利状態 公開
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