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新規癌マーカーおよびその利用 新技術説明会

国内特許コード P160013443
整理番号 (2012-002)
掲載日 2016年11月2日
出願番号 特願2014-542013
出願日 平成25年9月26日(2013.9.26)
国際出願番号 JP2013076123
国際公開番号 WO2014061419
国際出願日 平成25年9月26日(2013.9.26)
国際公開日 平成26年4月24日(2014.4.24)
優先権データ
  • 特願2012-230245 (2012.10.17) JP
発明者
  • 小西 登
  • 島田 啓司
出願人
  • 公立大学法人奈良県立医科大学
発明の名称 新規癌マーカーおよびその利用 新技術説明会
発明の概要 本発明は、尿路上皮癌の診断に有用な新規癌マーカーを提供する。本発明は、尿路上皮癌(腎盂癌、尿管癌、膀胱癌)の癌マーカーとしてユビキリン2を用いる。尿試料中のユビキリン2を検出することにより、尿路上皮癌の可能性を簡便且つ正確に診断することができる。本発明は、扁平上皮癌(食道癌、子宮頸癌等)の診断にも適用可能である。
従来技術、競合技術の概要


尿路上皮癌(腎盂癌、尿管癌、および膀胱癌)の診断は、放射線画像診断とともに尿管鏡や膀胱鏡を用いて採取した病変の病理組織診断によるところが大きい。しかし、前者の放射線画像診断は非侵襲性の診断方法ではあるが、非浸潤性腫瘍の検出が困難であったり、結石や炎症性病変と癌との鑑別が困難であったりするという問題点がある。一方、後者の病理組織診断は、診断精度が高いものの、侵襲性の診断方法であり、尿道から内視鏡を挿入するため、患者に与える苦痛が大きい。また病変組織を内視鏡で見つけだし、これを採取する必要があるため、内視鏡の操作や病変組織の判定にはかなりの熟練を要する。さらに内視鏡を体内に挿入したとしても、最終的に病変組織を見出すことができなければ、正確な診断を行うことができない。



そこで、尿路上皮癌(「尿路系腫瘍」ともいう。)における臨床検査法としては、侵襲性が低い尿細胞診が極めて重要な位置を占めてきている。尿細胞診は、尿中に出現する癌細胞を観察して診断する方法である。尿細胞診をはじめとする各種細胞診については、例えば非特許文献1-3に記載されている。



尿細胞診は、患者が自然に排泄する尿を試料とする、いわゆる非侵襲性の診断であるため、患者に対する苦痛を伴わない。また試料を容易に入手できるため、何度でも検査を行うことができる。しかし、尿細胞診では、試料中の細胞数が少ない場合や、異型の乏しい癌細胞の形態的判定には限界があり、癌細胞であるか否かの判断にはかなりの熟練を要する。このため、試料中の細胞数が少ない場合や、悪性と判断するに足りない程度の細胞形態であった場合、癌であるにも関わらず、癌でないと診断してしまう恐れがある。また、炎症などによって正常細胞が異型を示す場合があったり、反応性尿細管上皮細胞にいたっては癌と見間違うほどに異型を示す場合があったりする。このため、癌細胞でないのにも関わらず、癌細胞であると診断してしまう恐れがある。よって、現行の尿細胞診は、特異度は高い(癌細胞でないにも関わらず癌であると診断する確率は低い)ものの、診断精度(感度)が低いという致命的な問題があるといわれている。さらに尿細胞診において試料として使用する尿検体は変性し易く、尿検体の取り扱いによっては正確に診断を行えない場合がある。



したがって、患者の痛みを伴わない非侵襲性で、且つ診断精度の高い尿路上皮癌の診断システムの開発が求められている。なお、癌マーカーが癌診断の上で有用とされているが、尿路上皮癌の診断に有効な癌マーカーは未だ見出されていない。



本発明者らは、これまで尿路上皮癌の分子病理学的研究を行い、(i)尿路上皮癌細胞は、正常細胞と異なり活性酸素種(ROS)を過剰に産生すること、(ii)ROSを標識することにより、癌細胞を正常細胞から識別できることを見出した(非特許文献4を参照のこと。)。



ところで、筋力が徐々に衰えていき、最終的に全身麻痺に至る筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は、ユビキリン2の異常が原因で起こることが明らかにされた(非特許文献5を参照のこと。)。このユビキリン2は、神経細胞内の欠陥または損傷のあるタンパク質の再生利用を促す役目を持つが、これが正常に働かないと、神経細胞内に損傷したタンパク質が堆積し、神経細胞を著しく破壊してしまうといわれている。



ユビキチン2はユビキリンファミリーメンバーに属し、ユビキリン2の他にユビキリン1,ユビキリン3,ユビキリン4が知られている。特許文献1および2には、ユビキリン1が前立腺癌、肺癌、または乳癌の腫瘍抗原として利用可能であることが示されている。また特許文献3には、腫瘍、癌、新生物及び悪性腫瘍有害もしくは異常な細胞の増殖又は過増殖疾患を治療する方法が記載されており、その標的細胞としてユビキリン1を発現する細胞が例示されている。また、特許文献4には、結腸直腸癌の発症に対する素因を検出する方法における一つの指標として、ユビキリン4の発現量を測定することが開示されている。また特許文献5には、ユビキリン結合活性およびトポイソメラーゼII阻害活性を有する小分子を有効成分として含有する抗癌剤が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、尿路上皮癌(腎盂癌、尿管癌、および膀胱癌)の診断に有用な新規癌マーカーおよびその代表的な利用例に関する。本発明にかかる新規癌マーカーは、扁平上皮癌(食道癌、子宮頸癌等)の診断(検出)にも適用可能である。

特許請求の範囲 【請求項1】
試料中のユビキリン2を検出するための試薬を含むことを特徴とする、尿路上皮癌および扁平上皮癌の検出キット。

【請求項2】
上記ユビキリン2を検出するための試薬が、ユビキリン2特異抗体を含む、請求項1に記載の検出キット。

【請求項3】
上記ユビキリン2特異抗体は、下記(1)または(2)に記載のポリペプチドを用いて誘導され、かつ当該ポリペプチドに特異的に結合する抗体である、請求項2に記載の検出キット:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)上記(1)の部分ポリペプチド。

【請求項4】
上記ユビキリン2を検出するための試薬が、下記(3)~(5)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の検出キット:
(3)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(4)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドのアンチセンス鎖;および
(5)上記(3)または(4)の部分塩基配列からなるポリヌクレオチド。

【請求項5】
上記尿路上皮癌は、腎盂癌、尿管癌、および膀胱癌から選択されるいずれか1つ以上であり、上記扁平上皮癌は子宮頸癌および食道癌から選択されるいずれか1つ以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の検出キット。

【請求項6】
試料中のユビキリン2を検出するためのユビキリン2検出部を備えることを特徴とする、尿路上皮癌および扁平上皮癌の自動診断装置。

【請求項7】
上記ユビキリン2検出部は、ユビキリン2を検出するための試薬で処理された試料からの発色、発光または蛍光を検出し得る、請求項6に記載の自動診断装置。

【請求項8】
上記ユビキリン2を検出するための試薬が、ユビキリン2特異抗体を含む、請求項7に記載の自動診断装置。

【請求項9】
上記ユビキリン2特異抗体は、下記(1)または(2)に記載のポリペプチドを用いて誘導され、かつ当該ポリペプチドに特異的に結合する抗体である、請求項8に記載の自動診断装置:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)上記(1)の部分ポリペプチド。

【請求項10】
上記ユビキリン2を検出するための試薬が、下記(3)~(5)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む、請求項7に記載の自動診断装置:
(3)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(4)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドのアンチセンス鎖;および
(5)上記(3)または(4)の部分塩基配列からなるポリヌクレオチド。

【請求項11】
上記試料は生体から取得された試料である、請求項6~10のいずれか1項に記載の自動診断装置。

【請求項12】
上記尿路上皮癌は、腎盂癌、尿管癌、および膀胱癌から選択されるいずれか1つ以上であり、上記扁平上皮癌は子宮頸癌および食道癌から選択されるいずれか1つ以上である、請求項6~11のいずれか1項に記載の自動診断装置。

【請求項13】
生体から取得された試料中のユビキリン2を検出することを特徴とする、尿路上皮癌および扁平上皮癌の診断のためのデータ取得方法。

【請求項14】
ユビキリン2を検出するための試薬を用いて試料中のユビキリン2を検出する、請求項13に記載のデータ取得方法。

【請求項15】
上記ユビキリン2を検出するための試薬が、ユビキリン2特異抗体を含む、請求項14に記載のデータ取得方法。

【請求項16】
上記ユビキリン2特異抗体は、下記(1)または(2)に記載のポリペプチドを用いて誘導され、かつ当該ポリペプチドに特異的に結合する抗体である、請求項15に記載のデータ取得方法:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)上記(1)の部分ポリペプチド。

【請求項17】
上記ユビキリン2を検出するための試薬が、下記(3)~(5)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項14に記載のデータ取得方法:
(3)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(4)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドのアンチセンス鎖;および
(5)上記(3)または(4)の部分塩基配列からなるポリヌクレオチド。

【請求項18】
上記生体から取得された試料は尿である、請求項13~17のいずれか1項に記載のデータ取得方法。

【請求項19】
上記尿路上皮癌は、腎盂癌、尿管癌、および膀胱癌から選択されるいずれか1つ以上であり、上記扁平上皮癌は子宮頸癌および食道癌から選択されるいずれか1つ以上である、請求項13~18のいずれか1項に記載のデータ取得方法。

【請求項20】
被験物質を接触させた尿路上皮癌細胞または扁平上皮癌細胞のユビキリン2の発現量と、被験物質を接触させていない尿路上皮癌細胞または扁平上皮癌細胞のユビキリン2の発現量とを比較し、
ユビキリン2の発現量を減少させる効果を有する被験物質を選択することを特徴とする、尿路上皮癌および扁平上皮癌に対する抗癌物質のスクリーニング方法。

【請求項21】
ユビキリン2の発現を阻害する物質を含む、尿路上皮癌および扁平上皮癌に対する抗癌剤。

【請求項22】
上記ユビキリン2の発現を阻害する物質が、ユビキリン2遺伝子またはその部分ポリヌクレオチドのsiRNAである、請求項21に記載の抗癌剤。

【請求項23】
尿路上皮癌および扁平上皮癌の抗癌剤と共に用いられ、該抗癌剤に対する癌細胞の感受性を高めるための抗癌剤用添加剤であって、
ユビキリン2の発現を阻害する物質を含むことを特徴とする、抗癌剤用添加剤。

【請求項24】
上記ユビキリン2の発現を阻害する物質が、ユビキリン2遺伝子またはその部分ポリヌクレオチドのsiRNAである、請求項23に記載の抗癌剤用添加剤。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開


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