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人工生体粒子およびその製造方法

国内特許コード P160013452
整理番号 (K035P26)
掲載日 2016年11月4日
出願番号 特願2014-511000
登録番号 特許第5591418号
出願日 平成25年11月8日(2013.11.8)
登録日 平成26年8月8日(2014.8.8)
国際出願番号 JP2013080219
国際出願日 平成25年11月8日(2013.11.8)
優先権データ
  • 特願2012-253031 (2012.11.19) JP
発明者
  • 田中 秀明
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 人工生体粒子およびその製造方法
発明の概要 ボルト(2)のウェスト(8)を構成するMVP(3)のN末端のそれぞれにロイシンジッパー(4)が組み込まれたことを特徴とする人工生体粒子(1)、ならびに、ロイシンジッパー遺伝子をMVP遺伝子のN末端となる側に組み込み、発現させる人工生体粒子(1)の製造方法により、ドラッグデリバリーシステム(DDS)などへの応用が可能なナノカプセルとして用いられ得る、その大きな内部空間を有効に利用することができるボルトを用いた新規な人工生体粒子およびその製造方法が提供される。
従来技術、競合技術の概要


ボルト2は、粒子サイズが40nm×40nm×67nmの卵型の巨大な生体粒子であり、細胞内で最大の分子量を有する核酸-タンパク質複合体である(図2を参照)。生体内に存在するボルト2は、3種類のタンパク質(MVP(Major Vault Protein)、VPARP(vault poly(ADP-ribose)polymerase)、TEP1(telomerase-associated protein-1))と1種類のRNAで構成されている。ボルト2は、主成分である分子量約100kDaのMVP3が39個集まってお椀型の半分のボルト(各部位はキャップ5、ショルダー6、ボディ7およびウェスト8と称される)を形成し、それら2つがお椀の縁と縁を合わせるように、ウェスト8において会合することで卵型粒子の外殻が形成される。MVP以外の成分については、外殻により形成された内部空間に存在する。



ボルト2の外殻を構成するMVP3は、逆平行βシートで形成される9つの繰り返し構造(3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i)と、ショルダー6、キャップヘリックス9およびキャップリング10の計12個のドメインで構成されており(図3)、キャップヘリックス9のドメイン間の分子間疎水結合が、お椀型をした半分のボルトの形成に重要である。2つの半分のボルトは、MVP3のN末端同士を会合することによって卵型のボルト粒子を形成し、その会合はイオン結合と短い分子間βシートだけという非常に弱い相互作用のみで形成されている。このようなボルトの構造情報および粒子形成のメカニズムは、本発明者が2009年にラット肝臓由来ボルトの全体構造決定に成功し、明らかにされた(たとえば、Hideaki Tanaka et al.,「The Structure of Rat Liver Vault at 3.5 Angstrom Resolution」、Science、 Vol.323、 pp.384-388(2009)(非特許文献1)を参照。)。



ボルトは、その主成分であるMVPを昆虫細胞で発現させると、生体内と同じ卵型の粒子が形成されることは以前から知られていた(たとえば、Andrew G.Stephen et al.,「Assembly of Vault-like Particles in Insect Cells Expressing Only the Major Vault Protein」、The Journal of Biological Chemistry、 Vol.276、 No.26、 pp.23217-23220(2001)(非特許文献2)を参照。)。ボルトは、その特徴的な形のため、ナノカプセルとして利用することによるドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が進められている(たとえば、Valerie A. Kickhoefer et al.,「Engineering of vault nanocapsules with enzymatic and fluorescent properties」、PNAS、 Vol.102, No.12、 pp.4348-4352(2005)(非特許文献3)、Valerie A. Kickhoefer et al.,「Targeting Vault Nanoparticles to Specific Cell Surface Receptors」、ACS nano、3(1):27-36.doi:10.1021/nn800638x(2009)(非特許文献4)を参照。)。



また、たとえば特表2013-509202号公報(特許文献1)では、MVPならびに融合タンパク質かつmINTおよび関心対象のタンパク質(サイトカイン)を有する組換え粒子であるボルト粒子を、細胞もしくは腫瘍または対象への関心対象のタンパク質の送達のために用いることが開示されている。その他、たとえば特表2007-508846号公報(特許文献2)では、ポリペプチドでパッケージングされた、ポリヌクレオチドを送達するための組成物であって、ポリヌクレオチド結合領域としてロイシンジッパーを有する技術が開示されている。



従来の方法では、薬剤の粒子内部への取り込みに、ボルトの構成成分で粒子内部に存在するVPARPのC末端160残基(INTドメイン:MVPと結合する)をタグとして利用している。これは、粒子内部に薬剤を保持させておくためでもある。しかしながら、この方法では、ボルトの大きな内部空間を十分に活かしきれていない。

産業上の利用分野


本発明は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)などへの応用が可能なナノカプセルとして用いられ得る、ボルト(Vault)を用いた新規な人工生体粒子およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ボルトのウェストを構成するMVPのN末端のそれぞれにロイシンジッパーが組み込まれた人工生体粒子であって、
PのN末端とロイシンジッパーとの間にリンカーが介在されている、人工生体粒子。

【請求項2】
前記リンカーが、3~6個のグリシンである、請求項に記載の人工生体粒子。

【請求項3】
ロイシンジッパーが酵母の転写活性化因子GCN4由来である、請求項1に記載の人工生体粒子。

【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の人工生体粒子を製造する方法であって、
ロイシンジッパー遺伝子をMVP遺伝子のN末端となる側に組み込み、発現させる、人工生体粒子の製造方法。

【請求項5】
MVP遺伝子とロイシンジッパー遺伝子とを、制限酵素サイトを介さずに、リンカーをコードする遺伝子で連結させることを特徴とする、請求項に記載の人工生体粒子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ ナノシステムと機能創発 領域
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