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凍結保存可能な細胞足場材料

国内特許コード P160013467
整理番号 (S2012-1114-N0)
掲載日 2016年11月4日
出願番号 特願2014-533128
出願日 平成25年8月30日(2013.8.30)
国際出願番号 JP2013073395
国際公開番号 WO2014034884
国際出願日 平成25年8月30日(2013.8.30)
国際公開日 平成26年3月6日(2014.3.6)
優先権データ
  • 特願2012-191634 (2012.8.31) JP
発明者
  • 松村 和明
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
発明の名称 凍結保存可能な細胞足場材料
発明の概要 本発明は、三次元的な細胞培養を可能とする、凍結保存剤を提供する。本発明は、アミノ基及びカルボキシル基を同一分子中に有する両性電解質高分子であって、アミノ基に対するカルボキシル基の比率(カルボキシル基/アミノ基)が、0.45/0.55~0.95/0.05の範囲にある、両性電解質高分子が、生理的溶液中で、分子間架橋されて、生理的溶液が分散媒として固定されてなる、ハイドロゲルを提供する。
従来技術、競合技術の概要


再生医療分野において組織の再生は特に二次元形状の皮膚や角膜、心筋などで一定の成果を収め、一部では商業化も始まっている。また、幹細胞を三次元的に培養することで分化を制御する技術が開発され、三次元構造を持った再生組織の開発が研究されている。このような三次元的な細胞培養を可能にする足場材料として、例えばコラーゲンゲルが用いられている。



一方、再生医療分野において、細胞や組織の再生や分化の制御技術が確立されたとしても、再生した細胞や組織を長期に保存したり輸送したりすることができなければ、再生医療の産業的な普及は難しい。そのために想定される有望な技術が、細胞や組織の凍結保存技術である。



しかし、細胞や組織をそのまま凍結保存すると、通常は簡単に破壊されてしまい、解凍しても、生きた細胞や組織を回収することが難しい。例えば、上述のコラーゲンゲル中に包埋された細胞をそのまま凍結保存しても、その生存率は非常に低い。そのために、このような三次元構造体の凍結解凍は、特に困難であると考えられている。



従来より、細胞や組織に凍結保存を可能にするために、細胞の凍結保存剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの低分子化合物を凍結前に添加することが提案されている。特にこのDMSOは、凍結保存剤として広く認められている分子である。



しかし、本発明者の検討によれば、このような浸透性の低分子は、細胞への毒性や分化への影響が懸念されるという欠点があり、さらに、そのためにいずれ除去が必要となるといった欠点がある。そこで、本発明者は、細胞の凍結保存剤として、ポリリジン誘導体を使用する技術を提案してきた(特許文献1:WO2009/157209号、特許文献2:特開2011-30557号)。

産業上の利用分野


本発明は、アミノ基及びカルボキシル基を同一分子中に有する両性電解質高分子が架橋されてなるハイドロゲルからなる、細胞を凍結保存することが可能な細胞足場材料に関し、さらに、該細胞足場材料に好適に使用可能な新規な両性電解質高分子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アミノ基及びカルボキシル基を同一分子中に有する両性電解質高分子であって、アミノ基に対するカルボキシル基の比率(カルボキシル基/アミノ基)が、0.45/0.55~0.95/0.05の範囲にある、両性電解質高分子が、
生理的溶液中で、分子間架橋されて、
生理的溶液が分散媒として固定されてなる、ハイドロゲル。

【請求項2】
分子間架橋が、
両性電解質高分子の分子、又は両性電解質でない高分子の分子、に導入されたアジド基と、
両性電解質高分子の別な分子、又は両性電解質でない高分子の別な分子、に導入された炭素炭素三重結合部分とのトリアゾール環形成反応によって生成された分子間架橋(ただし、アジド基が導入された分子と炭素炭素三重結合部分が導入された分子のうち、少なくともいずれかの分子が、両性電解質高分子である)、
又は
両性電解質高分子のアミノ基と、マルチアームPEGのN-ヒドロキシコハク酸イミドの基とのアミド結合形成反応によって生成された分子間架橋、
である、請求項1に記載のハイドロゲル。

【請求項3】
両性電解質高分子が、アミノ基及びカルボキシル基がデキストランに導入されてなるアミノカルボキシルデキストランであり、両性電解質でない高分子がデキストランである、
又は
両性電解質高分子が、カルボキシル化されたε-ポリ-L-リジンである、
請求項1~2のいずれかに記載のハイドロゲル。

【請求項4】
両性電解質高分子が、生理的溶液中に1~60質量%含まれている、請求項1~3のいずれかに記載のハイドロゲル。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のハイドロゲルに、細胞又は組織が包埋されてなる、細胞包埋ハイドロゲル。

【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載のハイドロゲルに、細胞又は組織が包埋されてなる、凍結保存用細胞包埋ハイドロゲル。

【請求項7】
請求項6の凍結保存用細胞包埋ハイドロゲルを凍結保存する、細胞又は組織の凍結保存方法。

【請求項8】
アミノ基及びカルボキシル基を同一分子中に有する両性電解質高分子であって、アミノ基に対するカルボキシル基の比率(カルボキシル基/アミノ基)が、0.45/0.55~0.95/0.05の範囲にある、両性電解質高分子を、生理的溶液中で、分子間架橋して、ゲル化する工程、を含む、ハイドロゲルを製造する方法。

【請求項9】
分子間架橋して、ゲル化する工程が、
両性電解質高分子の分子、又は両性電解質でない高分子の分子、に導入されたアジド基と、
両性電解質高分子の別な分子、又は両性電解質でない高分子の別な分子、に導入された炭素炭素三重結合部分とのトリアゾール環形成反応によって分子間架橋して(ただし、アジド基が導入された分子と炭素炭素三重結合部分が導入された分子のうち、少なくともいずれかの分子が、両性電解質高分子である)、ゲル化する工程、
又は
両性電解質高分子のアミノ基と、添加されたマルチアームPEGのN-ヒドロキシコハク酸イミドの基とのアミド結合形成反応によって分子間架橋して、ゲル化する工程、
である、請求項8に記載の製造方法。

【請求項10】
両性電解質高分子が、アミノ基及びカルボキシル基がデキストランに導入されてなるアミノカルボキシルデキストランであり、両性電解質でない高分子がデキストランである、
又は
両性電解質高分子が、カルボキシル化されたε-ポリ-L-リジンである、
請求項8~9のいずれかに記載の製造方法。

【請求項11】
両性電解質高分子が、生理的溶液中に1~60質量%含まれている、請求項8~10のいずれかに記載の製造方法。

【請求項12】
請求項8~11のいずれかに記載の製造方法において、分子間架橋して、ゲル化する工程の前に、
生理的溶液中に、細胞又は組織を、両性電解質高分子とともに、分散又は浸漬する工程、
を含む、細胞包埋ハイドロゲルを製造する方法。

【請求項13】
請求項12に記載の製造方法において製造された細胞包埋ハイドロゲルを、凍結保存する工程、
を含む、細胞又は組織の凍結保存方法。

【請求項14】
請求項8~12のいずれかに記載の製造方法において、分子間架橋して、ゲル化する工程の前に、
生理的溶液中に、細胞又は組織を、両性電解質高分子とともに、分散又は浸漬する工程、
分散又は浸漬された細胞又は組織を、凍結保存する工程、
を含む、細胞又は組織の凍結保存後に、細胞包埋ハイドロゲルを製造する方法。

【請求項15】
アミノ基及びカルボキシル基がデキストランに導入されてなる、アミノカルボキシルデキストランであって、
アミノ基に対するカルボキシル基の比率(カルボキシル基/アミノ基)が、0.45/0.55~0.95/0.05の範囲にある、アミノカルボキシルデキストラン。

【請求項16】
請求項15に記載のアミノカルボキシルデキストランに、トリアゾール環形成反応が可能な、アジド基が導入された、アジド導入アミノカルボキシルデキストラン。

【請求項17】
請求項15に記載のアミノカルボキシルデキストランに、トリアゾール環形成反応が可能な、炭素炭素三重結合部分が導入された、炭素炭素三重結合導入アミノカルボキシルデキストラン。

【請求項18】
請求項15~17のいずれかに記載のアミノカルボキシルデキストランからなる、細胞凍結保存剤。

【請求項19】
請求項15~17のいずれかに記載のアミノカルボキシルデキストランが、
生理的溶液中に、1~60質量%の濃度で溶解されて含まれる、細胞凍結保存用溶液。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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