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ロボティックウエアを用いた同調制御による起立動作支援方法、起立動作支援用コンピュータプログラムおよびロボティックウエア コモンズ

国内特許コード P160013481
整理番号 N16036
掲載日 2016年11月4日
出願番号 特願2016-171104
公開番号 特開2017-047210
出願日 平成28年9月1日(2016.9.1)
公開日 平成29年3月9日(2017.3.9)
優先権データ
  • 特願2015-173333 (2015.9.2) JP
発明者
  • 橋本 稔
  • 大矢 卓摩
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ロボティックウエアを用いた同調制御による起立動作支援方法、起立動作支援用コンピュータプログラムおよびロボティックウエア コモンズ
発明の概要 【課題】装着者が違和感あるいは拘束感を覚えることなく自身の意図する起立動作に沿った動作形態で起立動作支援を行う、ロボティックウエアを用いた起立動作支援方法を提案すること。
【解決手段】ロボティックウエアを用いた起立動作支援方法は、装着者Pの股関節の両側にアシスト力が作用する状態に、当該アシスト力を発生する股関節アクチュエータ4L、4Rを有する股関節ユニット2L、2Rを備えたロボティックウエア1を用いる。装着者Pの起立動作に同調して股関節アクチュエータ4L、4Rが起立支援動作を行うように、当該股関節アクチュエータの動作制御を、神経振動子モデルを用いた同調制御を行う制御装置20により行う。
【選択図】図1.3
従来技術、競合技術の概要


現在、日本の総人口における65歳以上の高齢者の割合は、25.1%にまで達し、今後は介護者の不足や生産活動に参加する人口の減少などの問題に直面すると考えられる。これらの高齢化の問題を解決する手段として、近年、残存能力を維持しながら起立動作補助を行う装着型ロボット、非装着の装置などの開発が盛んに行われている。



起立動作アシスト装置としてはエアバッグ式椅子やばね付椅子(非特許文献1)、起立着座支援機能を有するリハビリ歩行器(非特許文献2)などが知られている。どちらも装着の手間がないという長所があるが、持ち運びには適していないとう短所がある。



装着型のアシスト装置としては、空気圧式ゴム人工筋を用いた装着型下肢支援装置(非特許文献3)、HAL(Hybrid Assistive Limb)(非特許文献4)、WPAL(Wearable Power0Assist Locomotor)(非特許文献5)などが知られている。これらは全て起立動作支援を行うことができる装置であるが、全て健常者の起立動作のパターンによって起立が行われるために、自身で、ある程度起立が行える使用者に対しては、拘束感に繋がってしまう。



一方、本発明者等は、これまでにリハビリテーションを目的とした拘束感の少ない非外骨格型のロボティックウエアの研究とその同調制御の研究を行ってきた。そして、装着者の運動機能の補助、歩行アシスト等を好適に行うために、神経振動子モデルを用いた同調制御により駆動されるロボティックスーツ、および、当該同調制御を適切に行うためのロボティックスーツの制御方法を提案している(特許文献1、2)。また、ロボティックスーツとして、人体の骨格を利用した非外骨格型のロボティックウエアを提案している(特許文献3)。

産業上の利用分野


本発明は、高齢者、障害者等の動作支援を行うロボティックウエアに関する。さらに詳しくは、起立動作を適切に支援することのできるロボティックウエアを用いた同調制御による起立動作支援方法、起立動作支援用コンピュータプログラム、および当該方法により起立支援動作を行うロボティックウエアに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
装着者の股関節および膝関節のうち、少なくとも股関節を中心とする動作を支援するアシスト力を発生する股関節アクチュエータを備えたロボティックウエアを用いて、当該装着者の起立動作を支援する起立動作支援方法であって、
装着者の起立動作における当該装着者と前記股関節アクチュエータの出力部材との間に生じる相互作用トルクを所定のサンプリング周期で検出し、
前記股関節アクチュエータの起立支援動作を、前記相互作用トルクに基づき、神経振動子モデルを用いた同調制御によりフィードバック制御することを特徴とするロボティックウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項2】
請求項1において、
前記アシスト力が作用しない状態での前記装着者の前記起立動作の速度に、前記股関節アクチュエータの前記起立支援動作の起立速度が一致するように、前記神経振動子モデルの自励振動の周波数を設定するロボティックウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項3】
請求項2において、
前記装着者が前記起立動作を行った場合において、前記股関節アクチュエータの無負荷状態での角度変化と、当該股関節アクチュエータの出力部材に作用する前記相互作用トルクとを計測し、
計測結果に基づき、前記相互作用トルクの最小値から最大値までの時間を算出し、
当該時間が、前記起立支援動作の開始から終了までの時間の半分の時間に相当するように、前記起立速度を設定するロボティックウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれか一つの項において、
前記神経振動子モデルを用いた同調制御では、前記神経振動子モデルの出力に所定のオフセット値を加えて、前記股関節アクチュエータの出力部材の目標角度を生成し、
前記装着者の起立動作における屈曲動作の間は、前記オフセット値を0に設定し、
前記装着者の起立動作における伸展動作においては、当該伸展動作の進行に伴って、前記オフセット値を0から所定の値まで漸増させるロボテッィクウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれか一つの項において、
前記神経振動子モデルを用いた同調制御では、前記相互作用トルクに基づき得られる外部入力に対する前記神経振動子モデルの同調性を、
前記装着者の起立動作における屈曲動作の間は、相対的に高く設定し、
前記装着者の起立動作における伸展動作の間は、相対的に低く設定するロボティックウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項6】
請求項4または5において、
前記装着者の起立動作における股関節角度を検出し、
検出した前記股関節角度に基づき、前記伸展動作の開始時点を認識するロボティックウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれか一つの項において、
前記同調制御における前記神経振動子モデルを、以下の非線形1階連立微分方程式により規定し、






ここで、
xi:i番目の神経素子の内部状態を示す係数
g(xi):i番目の神経素子の出力
fi:i番目の神経素子の疲労状態を表す係数
Si:i番目の神経素子への定常入力
bi:i番目の神経素子の疲労係数
aij:i番目の神経素子からj番目の神経素子への結合係数(神経素子間の重み係数)Ta,Tr:時定数
Input:外部入力
Output:出力
であり、
前記相互作用トルクをτ_mutualとし、前記神経振動子モデルの入力信号を増幅することで当該神経振動子モデルの自励振動が入力信号に同調する度合いを調節するゲインを同調ゲインCとすると、前記神経振動子モデルの前記外部入力Inputは、前記相互作用トルクτ_mutualおよび同調ゲインCを用いて、
Input=C*τ_mutual
ただし、0 ≦ C ≦ 1
で表されるロボティックウエアを用いた起立動作支援方法。

【請求項8】
請求項7に記載の方法により前記ロボティックウエアの前記股関節アクチュエータを制御するロボティックウエアを用いた起立動作支援用プログラムであって、
前記装着者の起立動作における当該装着者と前記股関節アクチュエータの出力部材との間に生じる相互作用トルクを所定のサンプリング周期で取得し、取得した前記相互作用トルクに基づき、神経振動子モデルを用いた同調制御により、前記股関節アクチュエータの前記起立支援動作をフィードバック制御する同調制御機能を、コンピュータに実行させることを特徴とするロボティックウエアを用いた起立動作支援用コンピュータプログラム。

【請求項9】
請求項8において、
前記同調制御機能は、
前記相互作用トルクを、前記同調ゲインを用いて調整して、前記外部入力を生成するゲイン調整機能、
調整後の前記外部入力に同調する出力を算出する前記神経振動子モデルを用いた解析機能、および、
前記解析機能によって得られる出力に基づき、前記股関節アクチュエータの前記起立支援動作を制御するPID制御機能
を含むロボティックウエアを用いた起立動作支援用コンピュータプログラム。

【請求項10】
装着者の股関節の部位に起立動作を支援するアシスト力を伝える股関節アクチュエータと、
前記装着者の起立動作における当該装着者と前記股関節アクチュエータの出力部材との
間に生じる相互作用トルクを所定のサンプリング周期で検出する検出部と、
前記股関節アクチュエータによる起立支援動作を、前記相互作用トルクに基づき、神経振動子モデルを用いた同調制御によりフィードバック制御する同調制御部と
を有していることを特徴とするロボティックウエア。

【請求項11】
請求項10において、
前記装着者の前記起立動作の速度に、前記股関節アクチュエータの前記起立支援動作の起立速度が一致するように、前記神経振動子モデルの自励振動の周波数が設定されているロボティックウエア。

【請求項12】
請求項11において、
前記装着者が前記起立動作を行った場合において計測された、前記股関節アクチュエータの無負荷状態での角度変化と、当該股関節アクチュエータの出力部に作用する前記相互作用トルクとに基づき、前記相互作用トルクの最小値から最大値までの時間を算出し、当該時間が、前記起立支援動作の開始から終了まで半分の時間となるように、前記起立速度が設定されているロボティックウエア。

【請求項13】
請求項10ないし12のうちのいずれか一つの項において、
前記同調制御部は、
前記神経振動子モデルの出力に所定のオフセット値を加えて、前記股関節アクチュエータによる股関節の起立動作の目標角度を生成し、
前記装着者の起立動作における屈曲動作の間は、前記オフセット値を0に設定し、
前記装着者の起立動作における伸展動作においては、当該伸展動作の進行に伴って、前記オフセット値を0から所定の値まで漸増させるロボテッィクウエア。

【請求項14】
請求項10ないし13のうちのいずれか一つの項において、
前記同調制御部は、
前記相互作用トルクに基づき得られる外部入力に対する前記神経振動子モデルの同調性を、前記装着者の起立動作における屈曲動作の間は相対的に高く設定し、前記装着者の起立動作における伸展動作の間は相対的に低く設定するロボティックウエア。

【請求項15】
請求項13または14において、
前記装着者の起立動作における股関節角度を検出する検出部を有し、
前記同調制御部は、前記股関節角度に基づき、前記伸展動作の開始時点を認識するロボティックウエア。

【請求項16】
請求項10ないし15のうちのいずれか一つの項において、
装着者の膝関節の部位に、起立動作を支援するアシスト力を伝える膝関節アクチュエータと、
前記装着者の起立動作における当該装着者と前記膝関節アクチュエータの出力部材との間に生じる膝側相互作用トルクを所定のサンプリング周期で検出する膝側検出部と、
前記膝関節アクチュエータによる膝関節に対する起立支援動作を、前記膝側相互作用トルクに基づき、神経振動子モデルを用いた同調制御によりフィードバック制御する膝側同調制御部と
を有していることを特徴とするロボティックウエア。

【請求項17】
請求項10ないし16のうちのいずれか一つの項において、
前記同調制御における前記神経振動子モデルは、以下の非線形1階連立微分方程式により規定され、



ここで、
xi:i番目の神経素子の内部状態を示す係数
g(xi):i番目の神経素子の出力
fi:i番目の神経素子の疲労状態を表す係数
Si:i番目の神経素子への定常入力
bi:i番目の神経素子の疲労係数
aij:i番目の神経素子からj番目の神経素子への結合係数(神経素子間の重み係数)Ta,Tr:時定数
Input:外部入力
Output:出力
であり、
前記相互作用トルクをτ_mutualとし、前記神経振動子モデルの入力信号を増幅することで当該神経振動子モデルの自励振動が入力信号に同調する度合いを調節するゲインを同調ゲインCとすると、前記神経振動子モデルの前記外部入力Inputは、前記相互作用トルクτ_mutualおよび同調ゲインCを用いて、
Input=C*τ_mutual
ただし、0 ≦ C ≦ 1
で表されるロボティックウエア。

【請求項18】
請求項17において、
前記同調制御部は、
前記相互作用トルクを、前記同調ゲインを用いて調整して前記外部入力を生成するゲイン調整部と、
前記外部入力に同調する出力を算出する前記神経振動子モデルを用いた解析部と、
前記解析部の前記出力に基づき、前記股関節アクチュエータの前記起立支援動作を制御するPID制御部と
を備えているロボティックウエア。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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