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エマルション流の制御方法 NEW

国内特許コード P160013491
整理番号 14005
掲載日 2016年11月10日
出願番号 特願2014-264792
公開番号 特開2016-123907
出願日 平成26年12月26日(2014.12.26)
公開日 平成28年7月11日(2016.7.11)
発明者
  • 長縄 弘親
  • 柳瀬 信之
  • 永野 哲志
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 エマルション流の制御方法 NEW
発明の概要 【課題】重力による相分離を待つことなく、迅速にエマルション流を消滅させる方法を提供することにある。
【解決手段】エマルション流の発生する混合部が水相分離部の側方に位置し、有機相分離部と混合部との間の開口部から流出したエマルション流が、水相分離部の水相と接触することなく、水相分離部と有機相分離部との間に設置された仕切り板の上を移動し、なおかつ、該仕切り板の端に位置する水相分離部と有機相分離部との間の開口部において初めて水相分離部の水相と接触する際に消滅するようにエマルション流の発生と消滅を制御する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


水相と有機相から成る2液相系は、液液抽出(溶媒抽出)による目的成分の分離・精製、製薬・食品・化学工業における化学合成での生成物の分別回収などに用いられ、様々な産業分野において重要な役割を果たしている。たとえば、液液抽出法は、金属の精製、廃水中の有害成分の除去、有価成分の回収・リサイクルなどに用いられている。



水相(多くの場合、重液相)と有機相(多くの場合、軽液相)を混合してエマルション化(乳濁化)するとき、一般に撹拌、振とうなどの機械力が用いられる。たとえば、剪断刃先端を持つシャフトの回転による機械的撹拌を行うホモジナイザーがよく知られている。一方、機械力によってエマルション化された水相と有機相は、乳化剤を含まない場合は、機械力を停止して静置すれば重力によって分離し、水相と有機相に分離する。また、重力分離を待たず迅速に分相したいときには、一般的に遠心力による遠心分離が行われる。



工業的に液液抽出を行うには、このような2液相の混合と分離を連続的に行う手法が必要である。現在、最も普及している工業的液液抽出の手法は、ミキサー部においてインペラー撹拌によって2液相を混合して発生させたエマルションを、セトラー部に導いて重力による2液相の分離を待つミキサーセトラー法である。また、分相に遠心力を用いて迅速処理を可能とする遠心抽出法も開発されたが、装置構造が複雑でコスト高になり、かつ、装置内に付着した固形成分の除去などで定期的なオーバーホールを要することから、ミキサーセトラー法のようには普及していない。



一方、最近開発されたエマルションフロー法は、撹拌、振とうなどの機械的外力を用いることなく、ポンプ送液のみで2液相を混合してエマルション化し、かつ、重力分離を待つことなく、かといって遠心力のような機械的外力を用いることもなく、ポンプによる定量送液を利用してエマルション化した2液相を迅速に分離することができる手法である(特許文献1-3)。また、装置構造は極めてシンプルで簡便に操作できる。たとえば、図1に示す向流方式の装置は、有機相の微細液滴を下から噴出させて、上から導入した水相と向流接触させる仕組みを持つ。この装置は、中央の混合部(2液相がエマルション化する部位)と、その上下に位置する相分離部(分離後の両相が別々に集まる部位)から成る、極めてシンプルな構造の装置である。

産業上の利用分野


本発明は、撹拌、振動、遠心力などの機械的な外力を用いることなく、ポンプなどによる送液のみによって、エマルション流(水相と有機相が混合して乳濁した状態の流れ)の発生と消滅を制御する方法に関するものである。具体的には、水相、有機相の少なくとも一方を、ノズルヘッドで微細化した液滴として、もう一方の液相の中に噴出させることで、エマルション流を発生させ、同時に、エマルション流が通過する部位の断面積が急激に増加する容器構造を利用することで、重力による相分離を待つことなく、迅速にエマルション流を消滅させる方法を、より高度化するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
重液相と軽液相の2液相から成るエマルション流の発生と消滅について、重液相、軽液相の少なくとも一方を、ノズルヘッドで微細化した液滴として、もう一方の液相の中に噴出させることで、2液相が混合したエマルション流が発生する混合部が、2液相が分離した後の重液相が集まる重液相分離部に対して側方に位置し、2液相が分離した後の軽液相が集まる軽液相分離部と前記混合部との間の開口部から流出したエマルション流が、前記重液相分離部の重液相と接触することなく、前記重液相分離部と前記軽液相分離部との間に設置された仕切り板の上を移動し、なおかつ、該仕切り板の端に位置する前記重液相分離部と前記軽液相分離部との間の開口部において初めて前記重液相分離部の重液相と接触する際にエマルション流が消滅するように制御するエマルション流の制御方法。

【請求項2】
請求項1に示す重液相分離部、軽液相分離部、及び混合部について、重液相分離部が、軽液相分離部の下方かつ混合部の左右いずれか、あるいは左右両方もしくは周囲に位置し、軽液相分離部が、混合部の左右いずれか、左右両方もしくは周囲、あるいは混合部と重液相分離部の上方にまたがって位置するところの、請求項1に記載のエマルション流の制御方法。

【請求項3】
請求項2に示す重液相分離部、軽液相分離部、混合部の配置において、筒を二重に重ねた構造を持つところの、請求項1に記載のエマルション流の制御方法。

【請求項4】
請求項1に示す混合部を縦方向に区分けする平面あるいは曲面の仕切り板を設置し、混合部の該仕切り板で区切られたそれぞれの区分に、1個もしくは複数個のノズルヘッドを設置するところの、請求項1に記載のエマルション流の制御方法。

【請求項5】
請求項1に示す混合部で発生したエマルション流が、該混合部の側方に向かって移動する先に張り出し部位を設けることで、水溶液中の固形成分を該張り出し部位に連続的に集積させるところの、請求項1に記載のエマルション流の制御方法。

【請求項6】
軽液相分離部が、混合部の左右いずれか、あるいは左右両方もしくは周囲に位置する場合において、上方に向けて過度に発達したエマルション流が、混合部と軽液相分離部との間に設置された仕切り板の上方に位置する開口部からオーバーフローして、該混合部から側方に向かって移動するエマルション流と合流するところの、請求項1に記載のエマルション流の制御方法。

【請求項7】
軽液相分離部が、混合部の左右いずれか、あるいは左右両方もしくは周囲に位置する場合において、ノズルヘッドの最大径を混合部上部の直径と近づける、混合部上部の器壁と仕切り板に突起物を設ける、あるいはこれらの両方によって、エマルション流の通過経路を狭めることで、混合部において過度に発達したエマルション流の消滅を促進するところの、請求項1に記載のエマルション流の制御方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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