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貴金属の回収方法 NEW

国内特許コード P160013532
整理番号 S2015-0823-N0
掲載日 2016年11月29日
出願番号 特願2015-063337
公開番号 特開2016-183371
出願日 平成27年3月25日(2015.3.25)
公開日 平成28年10月20日(2016.10.20)
発明者
  • 小西 康裕
  • 斎藤 範三
  • 岸田 正夫
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 貴金属の回収方法 NEW
発明の概要 【課題】 還元剤を使うことなく酸性下にある貴金属イオンを含む溶液中から、迅速かつ極めて簡単な方法によって、貴金属イオン、好ましくは他の非貴金属イオンと分別して、その還元体である貴金属として回収する手段を提供する
【解決手段】 本発明に係る方法は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の貴金属イオンを含むpH4以下の液体中で、サッカロマイセス・セレビシエなどのサッカロマイセス属酵母と前記貴金属イオンを接触させる工程と、接触開始後好ましくは8時間、さらに好ましくは4~5時間以内に前記酵母を分離する工程と、前記液体中から分離した酵母を焼成する工程とを有する。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


低品位鉱物や工場排水、携帯電話のような廃棄製品などから貴金属を回収するために、酸性下にある溶液中から酵母を用いて貴金属を回収することが試みられている。例えば、非特許文献1にはpH1の溶液中で酵母と各種金属イオンを接触させたところ、金イオンやパラジウムイオン、白金イオンが酵母に吸着されることが示されている。また、非特許文献2には、金イオンを酵母で吸着した後、水素化ホウ素ナトリウムで還元すると、酵母菌体の表面に金属の析出が観察されたことが開示されている。



非特許文献3には、酵母の培養上清液と金イオンを接触させたところ、pH2~4の培養上清液において、540nmのプラズモン吸収が観測され、還元体である金のナロ粒子が生成されたことが報告されている。また、特許文献1には、乳酸菌やサッカロマイセス・ブーラルデイのようなプロバイオティクス微生物と金属イオンを接触させて、細菌膜上で金やパラジウムなどのコロイド金属を製造する方法が記載されている。さらに特許文献2には、ニッケルイオンを含む廃材と水と接触させてニッケルイオンを吸着した酵母を水と共に回収した後に、回収した水のpHを2以下又は6以上にして酵母を沈殿させ、当該酵母を焼成することでニッケルイオンを濃縮する方法が記載されている。



しかしながら、非特許文献1や2では酵母が金イオンを吸着することしか開示されておらず、還元体である金の金属とするためには、非特許文献2に開示されたように吸着により回収した金イオンを還元剤で還元する必要がある。また、非特許文献3に記載された方法では、酵母の培養上清液と金イオンを接触することで金属である金粒子を得ることができるが、十分な量の金属を得るためには6時間以上の接触時間が必要となる。さらに特許文献1では、塩基性下で乳酸菌と接触させた結果、金ナノ粒子が形成されたとの実施例があるが、酸性下で酵母と接触させた報告はなく、酵母による金ナノ粒子の形成については真偽不明である。さらに、これらの貴金属イオン以外の非貴金属イオンとの共存下においては、貴金属のみを選択的に回収できるかどうかまでは分からなかった。また、特許文献2では、酵母を含む液体のpHを調整することで酵母を沈殿させることが記載されているが、この操作は接触後の酵母を集菌する方法であって酸性下において酵母と接触させる技術とは異なる。また、集菌した酵母を焼成することが記載されているが、ここにはニッケル成分が濃縮した無機残渣を得たことしか記載されておらず、焼成によりニッケルイオンが還元を受けて、還元体であるニッケルが得られるのかどうかは不明である。



特許文献3には、鉄還元細菌を作用させて、金属酸化物や金属水酸化物から金属を回収する方法が記載されている。この方法では、鉄還元細菌の菌体内に金属(還元体)として回収できる。しかしながら、この方法は鉄還元細菌の鉄還元作用を利用する方法であるので、培地には電子供与体が必要となる。また、鉄還元細菌の菌体は小さいので溶液からの細菌の回収が困難であるという問題もあった。

産業上の利用分野


本発明は貴金属の回収方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
貴金属イオンを含むpH4以下の液体中で酵母と前記貴金属イオンを接触させる工程と、
前記液体中から分離した酵母を焼成する工程と、
を有する貴金属イオンを含む液体からの貴金属回収方法。

【請求項2】
酵母との接触開始後4~5時間以内に酵母を分離する請求項1に記載の貴金属回収方法。

【請求項3】
酵母との接触開始後1時間、好ましくは30分以内に酵母を分離する請求項1に記載の貴金属回収方法。

【請求項4】
前記液体はさらに非貴金属イオンを含み、貴金属イオンを選択的に回収する請求項1~3の何れか1項に記載の貴金属回収方法。

【請求項5】
貴金属イオンを含むpH4以下の液体中で酵母と前記貴金属イオンを接触させる工程と、
酵母との接触開始後4~5時間以内に酵母を分離する工程と、
を有する貴金属イオンを含む液体からの貴金属回収方法であって、
前記液体はさらに非貴金属イオンを含み、前記貴金属イオンを選択的に回収する貴金属回収方法。

【請求項6】
前記貴金属イオンは、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の貴金属イオンである請求項1~5の何れか1項に記載の貴金属回収方法。

【請求項7】
前記接触させる酵母は、サッカロマイセス属の酵母、好ましくはサッカロマイセス・セレビシエである請求項1~6の何れか1項に記載の貴金属回収方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015063337thum.jpg
出願権利状態 公開
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