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トリパノソーマ感染症の検出方法 UPDATE

国内特許コード P160013558
整理番号 S2015-0891-N0
掲載日 2016年12月21日
出願番号 特願2015-070777
公開番号 特開2016-191581
出願日 平成27年3月31日(2015.3.31)
公開日 平成28年11月10日(2016.11.10)
発明者
  • 藤井 仁人
  • 金子 聡
  • モーゼス マチル ムワウ
  • サムソン ムウオ ンゾウ
出願人
  • 国立大学法人 長崎大学
  • ケニア メディカル リサーチ インスティテュート
発明の名称 トリパノソーマ感染症の検出方法 UPDATE
発明の概要 【課題】アフリカトリパノソーマ症を迅速、簡便かつ高感度に診断するための手段を提供する。
【解決手段】配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原を含有するアフリカトリパノソーマ症の診断薬、固相と前記抗原とを含み、該抗原は該固相に結合してなる、アフリカトリパノソーマ症の診断用キット、ならびに(1)被験者由来の生体試料と前記抗原とを接触させ、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程;および(2)工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程;を含む、アフリカトリパノソーマ症の検出方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)、すなわち、アフリカ睡眠病は、トリパノソーマ原虫による感染症である。トリパノソーマは、キネトプラスト類に分類される原生生物であり、ヒトに病原性を示すのは、アメリカ大陸のシャーガス病を引き起こすTrypanosoma cruziと、アフリカ大陸でアフリカ睡眠病を引き起こすTrypanosoma brucei gambiense (T.b.g)とTrypanosoma brucei rhodesiense (T.b.r)である。アフリカ睡眠病は、ツェツェバエが媒介するが、病原体トリパノソーマは、その表面抗原(variant surface glycoprotein:VSG)を変異させることにより、ヒトの免疫機構を回避し、血中に存在している。VSGは変異により無限に近い種類を包含することが可能であるが、感染原虫はその内1種類のみを発現している。ヒトの免疫が成立して原虫は破壊されるが、免疫が成立する前に微量の変異体が現れるため、新たなVSGを持つ原虫は増殖することができる。一方、シャーガス病では、トリパノソーマは細胞内に寄生することで、免疫機構を回避している。



アフリカトリパノソーマ症は、感染後、発熱等の急性期(第1期)と、その後睡眠が不確定になり最終的には昏睡状態となる後期(第2期)に分けられる。gambiense型トリパノソーマでは、急性疾患発症後数カ月から数年で中枢神経系症状が現れるが、rhodesiense 型トリパノソーマでは、急性疾患発症後数週間から数カ月以内に中枢神経系への侵入が起こる(非特許文献1)。そのため、なるべく早期に診断を行う必要がある。



アフリカトリパノソーマ症の診断方法として以下の検出方法が用いられている。
1)原虫検出法
疾患初期には、生標本またはギムザ染色した末梢血薄層または厚層塗抹標本中、または腫脹リンパ節からの吸引液中のトリパノソーマを顕微鏡観察により検出することにより診断する。進行期においては、トリパノソーマが遠心分離した脳脊髄液中のみで検出されることがある。この方法は、原虫が一定数増殖した場合に有効であり、早期発見は難しい。しかし、アフリカトリパノソーマ症の確定診断には、患者の血液または脳脊髄液中に寄生するトリパノソーマ原虫を顕鏡で検出することが一般的である。
2)抗原検出法
血清学的検査(免疫蛍光検査、ELISA、ウエスタンブロット、カード凝集反応など)を用いて抗原を検出するが、抗原性が高い表面抗原VSGを測定対象とする場合は、変異に対応できず、検出感度が低くなる。
3)遺伝子検出法
PCR法またはLAMP法を用いてトリパノソーマ遺伝子を検出する方法は、検体中のトリパノソーマDNAを高感度に検出できるが、当該検出方法の実施には安定的な電力供給や実験室の設備に加え、高価な装置や試薬、分子生物学的実験技術の習得が必要である。したがって、熱帯地方のフィールド診断法としては普及が困難である。



シャーガス病を引き起こすTrypanosoma cruzi感染の検出および診断方法としては、4つの組換えポリペプチドを使用する方法が知られている(特許文献1)。
また、ヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)の診断のため、HAT患者から得たIgGとTrypanosoma brucei brucei(T.b.b.)のLysateを用いたプロテオミクス実験でいくつかの抗原が同定されている(非特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、トリパノソーマ感染症の検出方法に関し、ヒトアフリカトリパノソーマ症の血清診断の分野に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原を含有するアフリカトリパノソーマ症の診断薬。

【請求項2】
該抗原がISG64、ISG65およびFCaBPの3種、またはISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種である、請求項1に記載の診断薬。

【請求項3】
抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有する、請求項1または2に記載の診断薬。

【請求項4】
該抗原が固相に結合している、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断薬。

【請求項5】
該抗原および該抗体が固相に結合している、請求項3に記載の診断薬。

【請求項6】
固相と、配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを含み、該抗原は該固相に結合してなる、アフリカトリパノソーマ症の診断用キット。

【請求項7】
該抗原がISG64、ISG65およびFCaBPの3種、またはISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種である、請求項6に記載のキット。

【請求項8】
抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有してなる、請求項6または7に記載のキット。

【請求項9】
抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体を検出する試薬をさらに含有してなる、請求項6~8のいずれか1項に記載のキット。

【請求項10】
該検出試薬が該抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体に結合している、請求項9に記載のキット。

【請求項11】
下記の工程:
(1)被験者由来の生体試料と、
配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを接触させ、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程;および
(2)工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程;
を含む、アフリカトリパノソーマ症の検出方法。

【請求項12】
工程(2)が抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体を用いて、複合体中の該抗原に対する抗体を検出する、請求項11に記載の検出方法。

【請求項13】
工程(2)が抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体の2種の抗体を用いて、複合体中の該抗原に対する抗体を検出する、請求項11に記載の検出方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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