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マススペクトル解析システム,方法およびプログラム UPDATE

国内特許コード P160013571
整理番号 S2015-0961-N0
掲載日 2016年12月28日
出願番号 特願2015-078992
公開番号 特開2016-200435
出願日 平成27年4月8日(2015.4.8)
公開日 平成28年12月1日(2016.12.1)
発明者
  • 吉村 健太郎
  • 城野 悠志
  • 舟山 慧
  • 川井 将敬
  • 森 優喜
  • 竹田 扇
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 マススペクトル解析システム,方法およびプログラム UPDATE
発明の概要 【課題】質量分析装置から出力されるスキャン生データに基づいて,適切な代表マススペクトルを自動的に作成するマススペクトル解析システムを提供する。
【解決手段】質量電荷比,イオン強度および測定時間の3次元測定データを入力し,入力測定データの指定された質量電荷比に関し,イオン強度の総和が最大となる時間帯を算出し,検出された最良時間帯の入力測定データのイオン強度に基づいて代表マススペクトルを作成する。検出された最良時間帯および作成された代表マススペクトルは表示装置に表示される。また,作成された代表マススペクトルにラベル情報(サンプルに関する情報,分析条件等)を付加して記憶する。
【選択図】図10
従来技術、競合技術の概要


質量分析技術には飛行時間型,四重極型,イオントラップ型などさまざまなタイプがあるが,いずれにしてもイオン化されたサンプル(試料)を質量電荷比(m/z)の違いにより分離する。したがって質量分析装置からは質量電荷比を横軸にとり,縦軸にイオン強度をとったマススペクトルを表わすことのできる基礎となるデータが生データとして出力される。



質量分析装置のメーカはさまざまなタイプの質量分析装置を製造,販売しているが,一般には一連のマススペクトル生データを出力することにとどまる。ひとつのサンプルを質量分析している過程においてもマススペクトルは刻々変化するので,どの時点またはどの時間帯のマススペクトルデータが好適か,適切な質量電荷比の範囲はどの辺かを判断して,利用目的に合致した代表マススペクトルのデータを生成することが必要となるが,この機能を,多くの質量分析装置は保有していないし,代表スペクトルをユーザが見える形で描画することもできない。さらに進んで大量のマススペクトルデータを管理,編集する機能を持たない。仮にこれらの機能があったとしてもメーカに特化したものであり,汎用性に欠け,その後の統計解析との親和性が低い。たとえば,質量分析装置から出力される生データは装置側で付与した識別番号を伴っているが,ユーザには分りにくい。質量分析の対象のサンプルに関連したユーザの分る言葉,数字で表わされる識別符号をつけた方が,ユーザには分りやすい。そうすれば後日,特定のサンプルのマススペクトルデータを抽出したり,多量のデータを分類したりすることが容易となる(データの管理,編集)。



質量分析装置から出力されるマススペクトルデータによって表わされる各ピークは,既存のマススペクトルデータベースと比較され,これに基づいてサンプルとの同定が行なわれる。



マススペクトルデータの利用は単にサンプルの同定にとどまらず,検体のさまざまな統計解析において利用される。たとえば,特定の薬を投与をしたウサギ群と投与しないウサギ群との間で,または特定の疾患のあるマウス群と同疾患のないマウス群との間で,マススペクトルに有意差のあるピークが存在するか(有意差検定),そのようなピークが存在する場合,該ピークは薬の投与の有効性,疾患の特定等の指標(マーカ)として有効に使えるか(判別分析と検証),などの統計解析の基礎データとしても利用される。



特許文献1には,マススペクトル解析法,とくにピーク位置を検出する方法が記載されているが,この方法は適切に処理された後のマススペクトルデータの存在を前提にしているように思われる。



また,特許文献2には,健常者グループとがん疾患患者から採取した検体のマススペクトルに基づいて,脂肪酸の差異を多変量解析して,特定のがんの診断を行う検査方法が記載されている。これは多変量解析手法を用いたがんの診断に特化したものである。

産業上の利用分野


この発明は,マススペクトル解析システム,方法およびプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
質量電荷比,イオン強度および測定時間の3次元測定データを入力する測定データ入力手段,
入力測定データの指定された質量電荷比に関し,イオン強度の総和が最大となる時間帯を算出する最良時間帯検出手段,ならびに
検出された最良時間帯の入力測定データのイオン強度に基づいて代表マススペクトルを作成する代表マススペクトル作成手段,
を備えるマススペクトル解析システム。

【請求項2】
入力された測定データの中から,最良時間帯を検出するための対象となるデータ範囲を定める条件を設定する条件設定手段をさらに備える,請求項1に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項3】
検出された最良時間帯および作成された代表マススペクトルを表示するマススペクトル表示手段をさらに備える,請求項1または2に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項4】
作成された代表マススペクトルにラベル情報を付加して記憶するマススペクトル蓄積手段をさらに備える,請求項1から3のいずれか一項に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項5】
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されている代表マススペクトルから内標作成のための特定の第1群のマススペクトルを指定する第1の指定手段,
指定された第1群のマススペクトルに基づいてイオン強度が高くかつ変動の少ない1または複数のピークを選定する内標候補作成手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されている代表マススペクトルから評価対象とすべき第2群のマススペクトルを指定する第2の指定手段,および
前記内標候補作成手段によって作成された内標候補のうちの1または複数のピークを内標として前記第2群内の各マススペクトルの良否を判定する良否判定手段,
を備える請求項4に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項6】
多数の作成されたマススペクトルを蓄積しているマススペクトル蓄積手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されているマススペクトルから内標作成のための特定の第1群のマススペクトルを指定する第1の指定手段,
指定された第1群のマススペクトルに基づいてイオン強度が高くかつ変動の少ない1または複数のピークを選定する内標候補作成手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されているマススペクトルから評価対象とすべき第2群のマススペクトルを指定する第2の指定手段,および
前記内標候補作成手段によって作成された内標候補のうちの1または複数のピークを内標として前記第2群内の各マススペクトルの良否を判定する良否判定手段,
を備えるマススペクトル解析システム。

【請求項7】
複数種類の有意差検定法を選択可能に表示するとともに選択された有意差検定法についての所望の有意水準を入力可能な統計解析法入力手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されているマススペクトルから,選定された有意差検定法を適用すべきデータセットを指定するデータセット指定手段,および
前記統計解析法入力手段に表示される複数種類の有意差検定法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された有意差検定法を指定されたデータセットに対して実行する統計解析実行手段を備え,
この統計解析実行手段は,群間で有意差があると判断されたピークを選出するものである,
請求項4に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項8】
前記統計解析法入力手段は,さらに,複数種類の機械学習法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記統計解析法入力手段に表示される機械学習法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された機械学習法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセット,または前記統計解析実行手段によって群間で有意差があると判断されたピークに対して,実行するものである,
請求項7に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項9】
前記統計解析法入力手段は,さらに,複数種類の次元縮約法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記統計解析法入力手段に表示される次元縮約法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された次元縮約法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセット,または前記統計解析実行手段によって群間に有意差があると判断されたピークに対して実行し,その結果得られるスコアに関するデータに対して前記選択された機械学習法を実行するものである,
請求項8に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項10】
前記統計解析法入力手段は,さらに,少なくとも一つの交差検証法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記選択された機械学習法の学習結果を,前記選択された交差検証法により検証するものである,
請求項8または9に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項11】
複数種類の機械学習法を選択可能に表示する統計解析法入力手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されているマススペクトルから,選択された機械学習法を適用すべきデータセットを指定するデータセット指定手段,および
前記統計解析法入力手段に表示される機械学習法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された機械学習法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセットに対して,実行する統計解析実行手段を備える,
請求項4に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項12】
前記統計解析法入力手段は,さらに,複数種類の次元縮約法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記統計解析法入力手段に表示される次元縮約法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された次元縮約法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセットに対して適用し,その結果得られるスコアに関するデータに対して前記選択された機械学習法を実行するものである,
請求項11に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項13】
前記統計解析法入力手段は,さらに,少なくとも一つの交差検証法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記選択された機械学習法の学習結果を,前記選択された交差検証法により検証するものである,
請求項11または12に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項14】
多数のマススペクトルのデータを記憶するマススペクトル蓄積手段,
複数種類の有意差検定法を選択可能に表示するとともに選択された有意差検定法についての所望の有意水準を入力可能な統計解析法入力手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されているマススペクトルから,選択された有意差検定法を適用すべきデータセットを指定するデータセット指定手段,および
前記統計解析法入力手段に表示される複数種類の有意差検定法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された有意差検定法を指定されたデータセットに対して実行する統計解析実行手段を備え,
この統計解析実行手段は,群間で有意差があると判断されたピークを選出するものである,
マススペクトル解析システム。

【請求項15】
前記統計解析法入力手段は,さらに,複数種類の機械学習法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記統計解析法入力手段に表示される機械学習法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された機械学習法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセット,または前記統計解析実行手段によって群間に有意差があると判断されピークに対して,実行するものである,
請求項14に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項16】
前記統計解析法入力手段は,さらに,複数種類の次元縮約法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記統計解析法入力手段に表示される次元縮約法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された次元縮約法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセット,または前記統計解析実行手段によって群間に有意差があると判断されたピークに対して実行し,その結果得られるスコアに関するデータに対して前記選択された機械学習法を実行するものである,
請求項15に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項17】
前記統計解析法入力手段は,さらに,少なくとも一つの交差検証法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記選択された機械学習法の学習結果を,前記選択された交差検証法により検証するものである,
請求項15または16に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項18】
多数のマススペクトルのデータを記憶するマススペクトル蓄積手段,
複数種類の機械学習法を選択可能に表示する統計解析法入力手段,
前記マススペクトル蓄積手段に蓄積されているマススペクトルから,選択された機械学習法を適用すべきデータセットを指定するデータセット指定手段,および
前記統計解析法入力手段に表示される機械学習法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された機械学習法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセットに対して,実行する統計解析実行手段を備える,
マススペクトル解析システム。

【請求項19】
前記統計解析法入力手段は,さらに,複数種類の次元縮約法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記統計解析法入力手段に表示される次元縮約法を実行するプログラムルーチンを有し,選択された次元縮約法を,前記データセット指定手段によって指定されたデータセットに対して適用し,その結果得られるスコアに関するデータに対して前記選択された機械学習法を実行するものである,
請求項18に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項20】
前記統計解析法入力手段は,さらに,少なくとも一つの交差検証法を選択可能に表示するものであり,
前記統計解析実行手段は,前記選択された機械学習法の学習結果を,前記選択された交差検証法により検証するものである,
請求項18または19に記載のマススペクトル解析システム。

【請求項21】
質量電荷比,イオン強度および測定時間の3次元測定データをコンピュータに入力し,
コンピュータにおいて,入力測定データの指定された質量電荷比に関し,イオン強度の総和が最大となる時間帯を算出し,さらに
検出された最良時間帯の入力測定データのイオン強度に基づいて代表マススペクトルを作成する,
マススペクトル解析方法。

【請求項22】
複数種類の有意差検定法を選択可能に表示するとともに選択された有意差検定法とそれについての所望の有意水準の入力を受付け,
マススペクトル蓄積手段に蓄積されている多数のマススペクトルから,選定された有意差検定法を適用すべきデータセットを,その指定に応じて選択し,
表示される複数種類の有意差検定法を実行するプログラムルーチンのうち,選択された有意差検定法に関するプログラムルーチンを,選択されたデータセットに対して実行し,
群間で有意差があると判断されたピークを選出する,
マススペクトル解析方法。

【請求項23】
複数種類の機械学習法を選択可能に表示するとともに,選択された機械学習法の入力を受付け,
マススペクトル蓄積手段に蓄積されている多数のマススペクトルから,選択された機械学習法を適用すべきデータセットを,その指定に応じて選択し,
表示される機械学習法を実行するプログラムルーチンのうち,選択された機械学習法に関するプログラムルーチンを,選択されたデータセットに対して,実行する,
マススペクトル解析方法。

【請求項24】
質量電荷比,イオン強度および測定時間の3次元測定データをコンピュータに入力し,
コンピュータにおいて,入力測定データの指定された質量電荷比に関し,イオン強度の総和が最大となる時間帯を算出し,さらに
検出された最良時間帯の入力測定データのイオン強度に基づいて代表マススペクトルを作成するようにコンピュータを制御する,
マススペクトル解析プログラム。

【請求項25】
複数種類の有意差検定法を選択可能に表示するとともに選択された有意差検定法とそれについての所望の有意水準の入力を受付け,
マススペクトル蓄積手段に蓄積されている多数のマススペクトルから,選定された有意差検定法を適用すべきデータセットを,その指定に応じて選択し,
表示される複数種類の有意差検定法を実行するプログラムルーチンのうち,選択された有意差検定法に関するプログラムルーチンを,選択されたデータセットに対して実行し,
群間で有意差があると判断されたピークを選出するようにコンピュータを制御する,
マススペクトル解析プログラム。

【請求項26】
複数種類の機械学習法を選択可能に表示するとともに,選択された機械学習法の入力を受付け,
マススペクトル蓄積手段に蓄積されている多数のマススペクトルから,選択された機械学習法を適用すべきデータセットを,その指定に応じて選択し,
表示される機械学習法を実行するプログラムルーチンのうち,選択された機械学習法に関するプログラムルーチンを,選択されたデータセットに対して,実行するようにコンピュータを制御する,
マススペクトル解析プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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