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鋳型、鋳鋼の製造方法及び鋳型の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P160013580
掲載日 2016年12月28日
出願番号 特願2011-270321
公開番号 特開2013-121601
登録番号 特許第5858382号
出願日 平成23年12月9日(2011.12.9)
公開日 平成25年6月20日(2013.6.20)
登録日 平成27年12月25日(2015.12.25)
発明者
  • 藤井 敏男
  • 河村 博
  • 旗手 稔
  • 長原 雄一
  • 中河原 圭司
出願人
  • 広島県
  • コトブキ技研工業株式会社
  • 学校法人近畿大学
  • 日本銀砂株式会社
発明の名称 鋳型、鋳鋼の製造方法及び鋳型の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】鋳鋼の鋳造手段としてフルモールド法を適用できる鋳鋼の鋳造技術を提供すること。
【解決手段】消失模型を埋設した鋳物砂内に湯道を通じて溶融した鋳鋼を注湯して鋳鋼製の製品を鋳造する鋳型であって、密封構造の鋳枠と、排気管を介して鋳枠の下部に連通し、鋳込み時に消失模型の消失により発生する分解ガスを吸引して鋳枠外へ排気可能に設けた負圧発生源と、消失模型の上部に配置し、鋳枠内へ外部気体を供給する送気管と、全体を鋳物砂に埋設して消失模型の上部に設けた排気ダクトとを具備し、前記負圧発生源を通じて鋳枠を減圧しながら、前記送気管を通じて消失模型に高温の外部気体を供給可能に構成した。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


消失模型(発泡プラスチック材料から作製される模型)を鋳物砂内に埋設し、溶湯(溶融金属)を注湯して消失模型を消失させながら鋳物製品を鋳造するフルモールド法は、中子を用いることなく複雑な形状であっても高い寸法精度で製造できるといった特徴を有している。



これまでのフルモールド法では、溶湯の湯熱を利用して消失模型を消失させているが、消失模型が熱分解する際に分解ガス、炭化物、タール状の残渣等が発生する。溶湯に分解ガスを巻き込むとガス欠陥として残留したり、炭素成分が付着して鋳肌を荒らしたり、局所的に浸炭して炭化物の欠陥を生じる。



これらの難点を解決する手段として、特許文献1(特開2008-221288号公報)には、鋳枠の下部、側部、および上部にそれぞれ独立した所定の個数の吸引部材を配置し、これらの吸引部材を通じて分解ガスを吸引することが開示されている。
特許文献1に記載された鋳造法では、消失模型の表面に塗布されたガス透過性の悪い塗型によって分解ガスの排出が阻害されるため、円滑で迅速なガス抜き効果が得られていない。



特許文献2(特開2006-192442号公報)には、消失模型の上部と鋳型外部とを連通する排気管と、鋳砂に穿設した消失模型と鋳型外部とを連通する排気孔とを通じて、分解ガスの排気を推進して、溶湯への気泡の混入や残留等に起因した鋳造品の表面欠陥を抑制することが開示されている。
特許文献2に記載された鋳造法では、注湯により消失模型が下部から順次消失していく過程において、溶湯、発生ガス層、残留消失模型の3相が存在することから、実用上では、垂直方向に多くの排気孔を設けることになって、実用的ではない。



特許文献3(特開平5-261470号公報)には、消失模型に対して縦横方向へ向けて複数の通気孔を穿設し、消失模型表面にこれらの各通気孔と相互に連通する通気路を形成し、鋳造時にこれらの各通気孔および通気路に接続した吸引装置を通じて鋳枠内を減圧することが開示されている。
特許文献3に記載された鋳造法では、消失模型から発生したガスを、塗型を通じて吸引することが困難であるため、鋳枠内の全域を十分に排気できる圧力まで減圧することが難しい。
さらに特許文献3に記載された鋳造法では、消失模型の熱分解や分解ガスの体積膨張による圧力で排気することになるため、発生したガスを完全に排気口から排出することは容易でない。特に、減圧の圧力が低くなるほど、ガス抜けが悪くなって一部のガスが残留する可能性が高くなる。



特許文献4(特開2003-334634号公報)には、貫通孔が形成されている消失模型を使用し、排出通路を介して鋳造の際に発生する分解ガスを鋳型の外部に誘導し、誘導した分解ガスに空気や酸素等の酸化性気体を供給して燃焼させることで、鋳枠外へ排出されるすすや異臭を低減することが開示されている。
特許文献4に記載された鋳造法は、鋳枠外へ排出される分解ガス中の有害物質を除去できるものの、鋳枠内に発生する分解ガスや炭化物等の排出効率を高めることに役立たない。



特許文献5(特許第2854814号公報)には、鋳枠に設けられた排出管を通じて鋳枠内を吸引しながら、消失模型に連通して設けられた吸気管を通じて外部気体を鋳型内に導入し、外部気体とともに分解ガスを吸引排出することが開示されている。
特許文献5に記載された鋳造法では、溶湯の熱で消失模型を熱分解することから、注湯中における溶湯の最上層が発生ガスに直接触れ続けることとなって、鋳造製品の内部または表面に加炭部が残りやすい。
さらに特許文献5に記載された鋳造法では、ガス透過性の悪い塗型によって分解ガスの排出が阻害されるため、十分な減圧ができずに分解ガスの吸引性が低いといった問題がある。

産業上の利用分野


本発明は消失模型を使用したフルモールド法の適用を可能にした鋳型、鋳鋼の製造方法及び鋳型の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
消失模型を埋設した鋳物砂内に湯道を通じて溶融した鋳鋼を注湯して鋳鋼製の製品を鋳造する鋳型であって、
密封構造の鋳枠と、
排気管を介して鋳枠の下部に連通し、鋳込み時に消失模型の消失により発生する分解ガスを吸引して鋳枠外へ排気可能に設けた負圧発生源と、
消失模型の上部に配置し、鋳枠内へ外部気体を供給する送気管と、
全体を鋳物砂に埋設して消失模型の上部に設けた排気ダクトとを具備し、
前記負圧発生源を通じて鋳枠を減圧しながら、前記送気管を通じて消失模型に外部気体を供給可能に構成したことを特徴とする、
鋳型。

【請求項2】
前記鋳枠の底部に通気性を有する仕切板を設け、該仕切板と鋳枠の底面との間に減圧補助室を形成し、排気管を介して該減圧補助室に前記負圧発生源を接続したことを特徴とする、請求項1に記載の鋳型。

【請求項3】
前記消失模型は複数の通気孔と排気孔と、前記通気孔および排気孔を連通する連絡孔を穿設し、前記通気孔の延長線上に送気管を設け、前記排気孔の延長線上に該排気孔より大径の排気ダクトを設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の鋳型。

【請求項4】
溶湯と外部気体の流れる向きが同じ方向となるように、前記通気孔を湯道の近傍に設けることを特徴とする、請求項3に記載の鋳型。

【請求項5】
前記送気管の露出端に給気管を接続し、該給気管に加熱手段を配設し、該加熱手段により外部気体を鋳枠内へ圧送可能に構成したことを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の鋳型。

【請求項6】
鋳物砂内に消失模型を埋設してなる鋳型に溶融した鋳鋼を注湯して鋳鋼製の製品を鋳造する消失模型鋳造法であって、
前記請求項1乃至請求項4に記載した何れかの鋳型を使用し、
負圧発生源を通じて、消失模型を通過するように密封構造の鋳枠内に強制的に一方向へ向けた気体流を形成して鋳枠を減圧し、
送気管を通じて消失模型に外部気体を供給して消失模型を熱分解し、
前記送気管を通じて供給される外部気体と共に、消失模型の分解ガスを負圧発生源の負圧吸引力により鋳枠外へ排気することを特徴とする、
鋳鋼の製造方法。

【請求項7】
鋳物砂内に消失模型を埋設してなる鋳型に溶融した鋳鋼を注湯して鋳鋼製の製品を鋳造する消失模型鋳造法であって、
前記請求項5に記載した鋳型を使用し、
負圧発生源を通じて、消失模型を通過するように密封構造の鋳枠内に強制的に一方向へ向けた気体流を形成して鋳枠を減圧し、
給気管に配設した加熱手段により加熱した外部気体を、送気管を通じて消失模型に供給して消失模型を熱分解し、
前記送気管を通じて供給される外部気体と共に、消失模型の分解ガスを負圧発生源の負圧吸引力により鋳枠外へ排気することを特徴とする、
鋳鋼の製造方法。

【請求項8】
消失模型を埋設した鋳物砂内に湯道を通じて溶融した鋳鋼を注湯して鋳鋼製の製品を鋳造する鋳型の製造方法であって、
有底構造の箱体からなる鋳枠内に鋳物砂を充填しながら消失模型を埋設し、
前記消失模型の上面に送気管と排気ダクトとを搭載し、
前記送気管の上部を鋳物砂の上面から突出させるとともに、前記排気ダクトを消失模型とともに鋳物砂に埋設し、
前記鋳物砂内に前記消失模型を貫通した湯道と逃がし孔とを形成し、
前記鋳枠の上口を非通気性のシート又は密封蓋で覆って封止することを特徴とする、
鋳型の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011270321thum.jpg
出願権利状態 登録


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