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核酸検出方法 NEW

国内特許コード P170013602
整理番号 S2015-0967-N0
掲載日 2017年1月13日
出願番号 特願2015-085377
公開番号 特開2016-202037
出願日 平成27年4月17日(2015.4.17)
公開日 平成28年12月8日(2016.12.8)
発明者
  • 川瀬 三雄
  • 伊藤 隆広
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 核酸検出方法 NEW
発明の概要 【課題】
複雑な装置を必要とすることなく、標的核酸を簡易かつ高精度に検出するための方法及びそのためのキットを提供すること。
【解決手段】
標的核酸特異的な配列を末端に含み、その間にタグ配列と相補な配列を含む一本鎖核酸を標的核酸にアニールさせ、ライゲーションして環状化する工程;増幅プライマーと鎖置換型ポリメラーゼを用いて相補鎖合成を行う工程;合成された一本鎖核酸に、修飾物質を含む修飾プローブを作用させる工程、タグ配列に相補な配列を含む検出プローブを作用させ、標的核酸を検出する工程、を含む核酸検出方法、及び前記核酸検出方法のためのキット。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


従来より、複数の遺伝子配列の同時解析や、ウイルスや細菌等の存在を網羅的に検出、同定、定量する方法が提案されている。こうした方法においては、予め標的配列に関連付けられたプローブを準備しておき、増幅した標的領域を含む核酸断片にプローブをハイブリダイズさせることで、プローブ又は核酸断片に予め結合させておいた標識物質で標的核酸を検出する。



標的核酸は、通常検出に先立ってPCRで増幅するが、PCRによる増幅工程は厳密な温度サイクルの制御が必要であり、そのための高価な装置も必要となる。この問題を解決するために、等温条件で実施可能な核酸増幅法として、SDA法(特許文献1)、LAMP法(特許文献2)、ICAN法(特許文献3)、RCA法(特許文献4)等が開発されている。これらの方法では、鎖置換型ポリメラーゼを用いることで、増幅産物を鋳型核酸から解離させつつ、相補鎖合成を行うため、熱変性等による一本鎖核酸の再生工程を必要せず、複雑な温度サイクルも必要としない。



一方、標的核酸の検出においては、増幅産物を熱変性やアルカリ変性により一本鎖としてプローブとハイブリダイズさせるが、変性した増幅断片は、徐々に二重鎖に戻るため、ハイブリダイゼーション効率が低下する場合がある。また、熱変性過程はDNA合成酵素の活性を低下させ、増幅効率の低下につながる。



この問題を解決するため、DNA二本鎖の核酸5’末端に一本鎖(以下、タグ鎖ともいう)を有するDNA部分二本鎖を、核酸増幅反応の増幅産物をとして得る方法が考えられる。この方法では、熱変性することなく、DNA部分二本鎖の一方のタグ鎖をプローブとのハイブリダイズに用い、他方のタグ鎖を標識プローブとのハイブリダイズ等に用いることができるが、タグ鎖の塩基配列の設計難易度が高い。すなわち、一方のタグ鎖は、当該標的核酸と特異的にハイブリダイズする配列とする一方、他方のタグ鎖は、当該標的核酸とはハイブリダイズせず、前記一方のタグ鎖と標的核酸とのハイブリダイズとを阻害しない(干渉しない)配列とする必要がある。また、同時に多数個の標的核酸の検出を意図する場合、双方のタグ鎖を、他の標的核酸と干渉しないようにしたり、双方のタグ鎖が互いにハイブリダイズしないように塩基配列を設計する必要がある。



さらに、この方法では増幅には寄与しない余分なタグ鎖をフォワードとリバースの両プライマーにそれぞれ結合させる必要があるため、増幅条件の設定の困難性が極めて高くなる。



発明者らは、こうした従来のプローブハイブリダイゼーションにおける問題を解決する標的核酸の検出方法として、STH-PAS(Single Tag Hybridization - Printed Array Strip)という遺伝子検出方法を開発した(特許文献5)。この方法では、標的核酸のPCRプライマーに一本鎖DNAタグを結合させてPCR増幅し、その増幅産物を、タグと相補なオリゴDNAをライン上にプリントしたメンブレンストリップ(PAS)に展開し、一本鎖タグDNA同士のハイブリダイゼーション反応でPCR増幅産物をトラップ検出することで、複数の標的核酸を同時検出することができる。しかし、前述のように、PCR増幅には温度サイクルの制御のために高価な装置が必要となる。

産業上の利用分野


本発明は核酸検出方法に関する。より詳細には、標的核酸を増幅するための1本鎖環状プローブ並びにこれを利用した核酸検出方法及び核酸検出用キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
標的核酸を増幅するための環状プローブの作製方法であって、前記標的核酸において5’側から3’側に向かって隣接して存在する配列F1及びF2について、前記F1及びF2と相補な配列をそれぞれR1及びR2とするとき、
a)配列R1及びR2を、それぞれ5’末端及び3’末端に含み、かつ、その間にタグ配列と相補な配列を含む一本鎖核酸を合成する工程;及び
b)前記一本鎖核酸を標的核酸にアニールさせ、ライゲーションして、環状プローブを合成する工程、を含む方法。

【請求項2】
前記一本鎖核酸が、配列R1及びR2の間にさらに制限酵素認識配列と相補な配列を含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記F1及びF2がそれぞれ15~30塩基長であり、前記環状プローブが80~150塩基長であり、前記タグ配列は、標的核酸とは無関係な10~50塩基長の配列からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記一本鎖核酸がさらに標的核酸とは無関係な15~30塩基長の配列Pを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
標的核酸の検出方法であって、前記標的核酸において5’側から3’側に向かって隣接して存在する配列F1及びF2について、前記F1及びF2と相補な配列をそれぞれR1及びR2とするとき:
1)配列R1及びR2を、それぞれ5’末端及び3’末端に含み、かつ、その間にタグ配列と相補な配列を含む一本鎖核酸を標的核酸にアニールさせ、ライゲーションして環状プローブを得る工程;
2)前記環状プローブに、当該環状プローブ上の任意の領域に相補的な配列を含む増幅プライマーをアニールさせ、鎖置換型ポリメラーゼを用いて相補鎖合成を行う工程;
3)合成された核酸に、前記環状プローブ上の任意の領域と同一の配列と修飾物質とを含む修飾プローブを作用させる工程;および
4)前記タグ配列に相補な配列を含む検出プローブを作用させ、標的核酸を検出する工程、
を含む方法。

【請求項6】
標的核酸の検出方法であって、前記標的核酸において5’側から3’側に向かって隣接して存在する配列F1及びF2について、前記F1及びF2と相補な配列をそれぞれR1及びR2とするとき:
1)配列R1及びR2を、それぞれ5’末端及び3’末端に含み、かつ、その間に制限酵素認識配列及びタグ配列とそれぞれ相補な配列を含む一本鎖核酸を標的核酸にアニールさせ、ライゲーションして環状プローブを得る工程;
2)前記環状プローブに、当該環状プローブ上の任意の領域に相補的な配列を含む増幅プライマーをアニールさせ、鎖置換型ポリメラーゼを用いて相補鎖合成を行う工程;
3)合成された核酸に、前記制限酵素認識配列に相補な配列と修飾物質とを含む修飾プローブ及び制限酵素を作用させ、前記一本鎖核酸を切断して核酸断片にする工程;および
4)前記核酸断片を、前記タグ配列に相補な配列を含む検出プローブを固定した固相担体に展開させ、標的核酸を検出する工程、
を含む方法。

【請求項7】
前記工程4)において、前記修飾物質に特異的に結合しうる修飾物質結合分子と蛍光、発光又は発色分子との複合体を添加し、目視検出することを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。

【請求項8】
前記修飾物質と修飾物質結合分子が、ビオチンとアビジン、抗ジゴキシゲニンとジゴキシゲニン、又は抗FITCとFITCである、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
複数の標的核酸に対して、それぞれ異なるタグ配列を有する環状プローブと検出プローブを用意し、複数の標的核酸を同時に検出することを特徴とする、請求項5~8のいずれか1項に記載の方法。

【請求項10】
前記F1及びF2がそれぞれ15~30塩基長であり、前記一本鎖核酸が80~150塩基長であり、前記タグ配列は、標的核酸とは無関係な10~50塩基長の配列からなることを特徴とする、請求項5~9のいずれか1項に記載の方法。

【請求項11】
前記環状プローブがさらに標的核酸とは無関係な15~30塩基長の配列Pを含み、増幅プライマーが配列Pに相補な配列を含む、請求項5~10のいずれか1項に記載の方法。

【請求項12】
鎖置換型ポリメラーゼが、φ29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、DNA ポリメラーゼIのクレノウ・フラグメント、Vent DNAポリメラーゼ、Vent(Exo-)DNAポリメラーゼ、DeepVent DNAポリメラーゼ、DeepVent(Exo-)DNAポリメラーゼ、96-7 DNAポリメラーゼ、Aac DNAポリメラーゼ及びCsa DNA ポリメラーゼからなる群から選ばれるいずれかである、請求項5~11のいずれか1項に記載の方法。

【請求項13】
核酸検出用のキットであって、標的核酸中5’側から3’側に向かって隣接して存在する配列F1及びF2について、前記F1及びF2と相補な配列をそれぞれR1及びR2とするとき、
i)配列R1及びR2を、それぞれ5’末端及び3’末端に含み、かつ、その間にタグ配列と相補な配列、標的核酸とは無関係な配列Pとを含む1本鎖核酸、を含む核酸検出用キット。

【請求項14】
前記1本鎖核酸が、配列R1及びR2の間にさらに前記制限酵素認識配列に相補な配列を含む、請求項13記載の核酸検出用キット。

【請求項15】
さらに、下記ii)~v)から選ばれるいずれか1又は2以上を含む請求項14記載のキット:
ii)前記配列Pに相補的な配列を含む増幅プライマー;
iii)前記制限酵素認識配列と修飾物質を含む修飾プローブ;
iv)前記タグ配列に相補的な配列を含む検出プローブを固定化した固相担体;
v)前記修飾物質に特異的に結合する分子と蛍光、発光又は発色分子との複合体を含む検出試薬。

【請求項16】
前記F1及びF2がそれぞれ15~30塩基長であり、前記環状プローブが80~150塩基長であり、前記タグ配列は標的核酸とは無関係な10~50塩基長の配列であり、前記配列Pは標的核酸とは無関係な15~30塩基長の配列である、請求項13~15のいずれか1項に記載のキット。

国際特許分類(IPC)
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