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船艇用モータの制御装置、制御方法、及び制御プログラム

国内特許コード P170013604
整理番号 S2015-1409-N0
掲載日 2017年1月13日
出願番号 特願2015-087669
公開番号 特開2016-208665
出願日 平成27年4月22日(2015.4.22)
公開日 平成28年12月8日(2016.12.8)
発明者
  • 清 水 悦 郎
  • 大 出 剛
  • 東 畑 匡 哉
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
  • トーハツ株式会社
発明の名称 船艇用モータの制御装置、制御方法、及び制御プログラム
発明の概要 【課題】船艇ユーザの要求に応じて加速特性を適切に制御することが可能な、船艇用モータの制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る船艇用モータの制御装置は、操作指示量に関する情報を示す指示量データ、及び船艇の走行状態に関する情報を示す走行データを取得するデータ取得部と、船体及びプロペラに関する属性情報を含む設定データ及び前記走行データに基づいて、船体及びプロペラの特性情報を含む特性データを生成する特性データ生成部と、船艇の運動曲線に関する情報を示す運動曲線データから特定される目標加速度と前記走行データから特定される実加速度との差分である差分加速度、及び前記特性データに基づいて、前記指示量データに対応する入力トルク指令を補正し、前記船艇のモータに対する出力トルク指令を生成するトルク制御部と、を備える。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


内燃機関推進式の船舶においては、特に大型船では内燃機関の性質上一定のトルクまたは一定の回転数で運転するのが好ましい。このため、外洋を巡航する際などに、内燃機関を一定の回転数(または一定のトルク)で回転するように制御することが広く行われている。



一定の回転数で内燃機関を回転させると、船舶においては潮流・風・波等の影響により一定の速度とはならないため、一定の速度を保つように内燃機関の回転を制御する技術も開発されている。



また、モータボートに代表されるような小型船艇の内燃機関推進の船舶においては、内燃機関の回転数を変化させることが比較的容易ではあるものの、加減速等の短い時間内で内燃機関のトルクを制御することは行われておらず、スロットルの開度を調整して加減速を行っているのに過ぎない。



ところで、技術の進歩により、船体に搭載した電池によって電動機(モータ)を駆動し、プロペラを回転させて推進する電気推進船が出現している。この電気推進船の分野では、プロペラにおける流体動的特性やキャビテーションの発生を考慮して、加速の際にプロペラ回転速度を制御する技術が提案されている。例えば特許文献1及び特許文献2に記載されているように、船艇における推進用モータの制御として、速度指令に基づく回転数制御が一般的に行われている。



なお、電気自動車の分野では、運動特性に応じたモータのトルク制御が一般的に行われている。特許文献3及び特許文献4では、アクセル開度に対してトルク指令値をリニアに設定せず、所定の変化率を適用することによって加速感を向上させる技術や、省エネルギー性を高める技術が提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、船艇用モータの制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
操作指示量に関する情報を示す指示量データ、及び船艇の走行状態に関する情報を示す走行データを取得するデータ取得部と、
船体及びプロペラに関する属性情報を含む設定データ及び前記走行データに基づいて、船体及びプロペラの特性情報を含む特性データを生成する特性データ生成部と、
船艇の運動曲線に関する情報を示す運動曲線データから特定される目標加速度と前記走行データから特定される実加速度との差分である差分加速度、及び前記特性データに基づいて、前記指示量データに対応する入力トルク指令を補正し、前記船艇のモータに対する出力トルク指令を生成するトルク制御部と、
を備えることを特徴とする船艇用モータの制御装置。

【請求項2】
前記トルク制御部は、
前記入力トルク指令を取得する入力トルク指令取得部と、
前記走行データに基づいて実加速度を算出する実加速度算出部と、
前記運動曲線データに基づいて、前記目標加速度を特定する目標加速度曲線を生成する目標加速度曲線生成部と、
前記差分加速度及び前記特性データに基づいて補正トルクを算出し、前記補正トルク及び前記入力トルク指令に基づいて前記出力トルク指令の値を決定する出力トルク指令生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項3】
前記運動曲線データは、加速度の時間変化を無次元化したモデル加速度曲線を含み、
前記目標加速度曲線生成部は、前記入力トルク指令に対応する加速度及び前記入力トルク指令を補正する補正実行時間に基づいて、前記モデル加速度曲線を有次元化することにより前記目標加速度曲線を生成することを特徴とする請求項2に記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項4】
前記運動曲線データは、加速度曲線を示すデータであることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項5】
前記設定データは、異なる走行モードに対応した複数の加速特性から選択された加速特性を特定するデータを含むことを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項6】
前記運動曲線データは、前記入力トルク指令をステップ入力した場合の過渡特性を一次遅れ系で近似し、前記設定データ及び前記特性データを用いて生成した伝達関数に基づいて船速の時間変化を表した理論運動モデルにより生成されたものであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項7】
前記特性データは、前記モータの特性情報を示すモータ特性データを含み、
前記入力トルク指令は、前記モータ特性データに基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項8】
前記特性データは、前記プロペラの特性情報として、前記プロペラの回転によって発生するプロペラ推力を算出するためのプロペラ係数を含み、
前記トルク制御部は、前記プロペラ係数を用いて前記入力トルク指令を補正することを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項9】
前記特性データは、前記船体の特性情報として、船速と船体抵抗との関係を表す抵抗カーブを含み、
前記トルク制御部は、前記船体抵抗を用いて前記入力トルク指令を補正することを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項10】
前記トルク制御部は、前記入力トルク指令に基づいて加速操作が行われたか否かを判定し、加速操作が行われていると判定した場合には前記入力トルク指令を補正することを特徴とする請求項1から9いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項11】
前記トルク制御部は、前記走行データに基づいて滑走状態か否か及び船速が定常値に達しているか否かを判定し、滑走状態と判定した場合及び船速が定常値に達したと判定した場合には、前記入力トルク指令に対する補正を終了し、前記入力トルク指令を前記出力トルク指令とすることを特徴とする請求項10に記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項12】
前記特性データは、前記特性情報として、前記船艇の質量、前記プロペラの直径、前記船艇の抵抗、前記プロペラのプロペラ係数、及び前記船艇の速度を含み、
前記トルク制御部は、式(1)により前記入力トルク指令に対する補正量を算出することを特徴とする請求項1から11いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。
【数1】


ここで、ΔQ:前記入力トルク指令に対する補正量、D:前記プロペラの直径、M:前記船艇の質量、Δa:前記差分加速度、R:前記船艇の抵抗、v:前記船艇の速度、Kp:前記プロペラのプロペラ係数である。

【請求項13】
直流電力を供給する動力源ユニットをさらに備え、
前記動力源ユニットは、前記モータが要求する大電力の出力を瞬時に供給可能な蓄電ユニットを含むことを特徴とする請求項1から12いずれかに記載の船艇用モータの制御装置。

【請求項14】
操作指示量に関する情報を示す指示量データ、及び船艇の走行状態に関する情報を示す走行データを取得するデータ取得ステップと、
船体及びプロペラに関する属性情報を含む設定データ及び前記走行データに基づいて船体及びプロペラの特性情報を含む特性データを生成する特性データ生成ステップと、
船艇の運動曲線に関する情報を示す運動曲線データから特定される目標加速度と前記走行データから特定される実加速度との差分である差分加速度、及び前記特性データに基づいて、前記指示量データに対応する入力トルク指令を補正し、前記船艇のモータに対する出力トルク指令を生成するトルク制御ステップと、
を備えることを特徴とする船艇用モータの制御方法。

【請求項15】
前記トルク制御ステップは、
前記入力トルク指令を取得する入力トルク指令取得ステップと、
前記走行データに基づいて実加速度を算出する実加速度算出ステップと、
前記運動曲線データに基づいて、前記目標加速度を特定する目標加速度曲線を生成する目標加速度曲線生成ステップと、
前記差分加速度及び前記特性データに基づいて補正トルクを算出し、前記補正トルク及び前記入力トルク指令に基づいて前記出力トルク指令の値を決定する出力トルク指令生成ステップと、
を備えることを特徴とする請求項14に記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項16】
前記運動曲線データは、加速度の時間変化を無次元化したモデル加速度曲線を含み、
前記目標加速度曲線生成ステップでは、前記入力トルク指令に対応する加速度及び前記入力トルク指令を補正する補正実行時間に基づいて、前記モデル加速度曲線を有次元化することにより前記目標加速度曲線を生成することを特徴とする請求項15に記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項17】
前記運動曲線データは、加速度曲線を示すデータであることを特徴とする請求項14から16いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項18】
前記設定データは、異なる走行モードに対応した複数の加速特性から選択された加速特性を特定するデータを含むことを特徴とする請求項14から17いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項19】
前記運動曲線データは、前記入力トルク指令をステップ入力した場合の過渡特性を一次遅れ系で近似し、前記設定データ及び前記特性データを用いて生成した伝達関数に基づいて船速の時間変化を表した理論運動モデルにより生成されることを特徴とする請求項12から16いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項20】
前記特性データは、前記モータの特性情報を示すモータ特性データを含み、
前記入力トルク指令は、前記モータ特性データに基づいて決定されることを特徴とする請求項19に記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項21】
前記特性データは、前記プロペラの特性情報として、前記プロペラの回転によって発生するプロペラ推力を算出するためのプロペラ係数を含み、
前記トルク制御ステップでは、前記プロペラ係数を用いて前記入力トルク指令を補正することを特徴とする請求項14から20いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項22】
前記特性データは、前記船体の特性情報として、船速と船体抵抗との関係を表す抵抗カーブを含み、
前記トルク制御ステップでは、前記船体抵抗を用いて前記入力トルク指令を補正することを特徴とする請求項14から20いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項23】
前記トルク制御ステップでは、前記入力トルク指令に基づいて加速操作が行われたか否かを判定し、加速操作が行われていると判定した場合には前記入力トルク指令を補正することを特徴とする請求項14から22いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項24】
前記トルク制御ステップでは、前記走行データに基づいて滑走状態か否か及び船速が定常値に達しているか否かを判定し、滑走状態と判定した場合及び船速が定常値に達したと判定した場合には、前記入力トルク指令に対する補正を終了し、前記入力トルク指令を前記出力トルク指令とすることを特徴とする請求項23に記載の船艇用モータの制御方法。

【請求項25】
前記特性データは、前記特性情報として、前記船艇の質量、前記プロペラの直径、前記船艇の抵抗、前記プロペラのプロペラ係数、及び前記船艇の速度を含み、
前記トルク制御ステップでは、式(2)により前記入力トルク指令に対する補正量を算出することを特徴とする請求項14から24いずれかに記載の船艇用モータの制御方法。
【数2】


ここで、ΔQ:前記入力トルク指令に対する補正量、D:前記プロペラの直径、M:前記船艇の質量、Δa:前記差分加速度、R:前記船艇の抵抗、v:前記船艇の速度、Kp:前記プロペラのプロペラ係数である。

【請求項26】
請求項14から25いずれかに記載の船艇用モータの制御方法における各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする船艇用モータの制御プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015087669thum.jpg
出願権利状態 公開


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