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ナノ粒子の製造方法、ナノ粒子およびナノ粒子溶液

国内特許コード P170013637
整理番号 (S2015-0980-N0)
掲載日 2017年1月19日
出願番号 特願2016-000646
公開番号 特開2016-204746
出願日 平成28年1月5日(2016.1.5)
公開日 平成28年12月8日(2016.12.8)
優先権データ
  • 特願2015-085323 (2015.4.17) JP
発明者
  • 真下 茂
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 ナノ粒子の製造方法、ナノ粒子およびナノ粒子溶液
発明の概要 【課題】合成の容易な2成分以上の元素材料を含む合金もしくは化合物のナノ粒子だけでなく、合成の容易ではない2成分以上の元素材料を含む合金もしくは化合物のナノ粒子についても、製造することの可能なナノ粒子の製造方法、ならびにその製造方法によって製造されたナノ粒子およびナノ粒子溶液を提供する。
【解決手段】本技術のナノ粒子の製造方法は、液体材料に浸した2つの電極間で液中繰り返しパルス放電を行うことによりナノ粒子を形成する製造方法である。この製造方法において、各電極は、少なくとも1成分が貴金属元素である2成分以上の元素からなる合金材料もしくは混合材料によって構成されており、各電極を構成する、少なくとも1成分が貴金属元素である2成分以上の元素がナノスケールで混ざった合金もしくは化合物のナノ粒子を形成する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


金属や半導体、化合物のナノ粒子は、触媒、光触媒、磁性材料、電池材料、光電材料、医療材料として、環境、IT、印刷、医療などさまざまな分野で産業化が進められている材料である。金属ナノ粒子は、バルク体、粉体に比べて、表面積、反応性、触媒特性、磁性などに優れている。2成分以上の元素材料を含む金属や半導体、化合物のナノ粒子は単元素からなるナノ粒子と同等又はそれ以上の有用な性質を表すことが期待される。特に、貴金属類は希少かつ高価であるが、触媒や電子材料、医療材料分野で他に替わることができない性質を持つので、その合金系で有用なナノ結晶が製造できれば、付加価値の高いナノ粒子の実用化に繋がる。合金系とは、例えば、固溶体や、分離系、共晶、金属間化合物、規則合金などを含む概念である。固溶体とは、複数の元素が1種類の結晶の中に混在するものを指す。共晶とは、2種類以上の結晶に分離した状態のものを指す。金属間化合物とは、元の金属とは全く異なる結晶構造を持ち、簡単な整数比の組成を持つものである。



貴金属元素に分類される金 (Au)、銀 (Ag)、白金 (Pt)、パラジウム (Pd)、ロジウム (Rh)、イリジウム (Ir)、ルテニウム (Ru)、オスミウム (Os)などは触媒として広く利用されている。特に、排ガス触媒としてはPt、PdおよびRuが用いられ、排ガス触媒、燃料電池触媒としてはPtやその合金が用いられ、合成化学では水素反応、酸化反応でもPt、Pd、Rh、Ruなどが用いられる。特にd,fバンドにフェルミレベルが存在するRh、Pt、Irなどが注目されている。しかしながら、例えばNO触媒などに使われるRhは他の貴金属に比べて突出して手に入れることが難しくなっている。従って、これらの貴金属元素からなる合金系の触媒の合成が重要になっている。もし、単体にはない電子構造を持つ固溶体合金で任意の組成を持つナ粒子を合成することができれば高性能で低コストな触媒を開発できる可能性がある。このような観点から、最近、液相還元法によるPd-Ru、Rh-Ag系固溶体ナノ粒子の合成が注目されている。



2000年にIBM社が化学反応による合成を発表して以来、L10型強磁性規則合金ナノ粒子は、世界中の研究者に次世代の磁気記録媒体として期待され、様々な開発研究が行われている。ナノ粒子1個を記録に使うことで、テラビットすなわち現在の3桁の容量アップが可能であり、実用化によりこの分野に革新がもたらされると言われている。特に、L10型規則合金のFePtナノ磁性粒子は高価なPtを含むが、107J/m3オーダーの高い磁気異方定数と、化学的不活性、高延性を有し、ミクロ電子・機械システム、腐食性環境における次世代の磁気記録媒体、歯治療用材料などとして期待されている。これまでに化学合成法、真空蒸着法、気相蒸着法、物理蒸着法や溶液法などの方法を用いたナノ磁性粒子の合成が試みられている。しかしながら、すぐれた磁気特性、耐酸性を持つもので、よく分散した均一組成・均一粒子サイズのナノ磁性粒子の製造技術は確立されていない。特にCVD、PVDなどでは、凝集体が生成し、その抑制が困難である。



ナノ粒子を作製する従来の技術としては、化学合成法、レーザー蒸発法、アーク放電法、イオン注入法、プラズマ照射法、アトマイズ法、ゾルゲル、射出、メカニカルミルイング、CVD、PVDなどが用いられている。しかし、これらの方法では、ナノ粒子が凝集し易い欠点があった。この問題に対しては、例えば、特許文献1に記載されているような液中放電を用いることが考えられる。

産業上の利用分野


本技術は、液中繰り返しパルス放電により形成された、2成分以上の元素材料を含む合金もしくは化合物のナノ粒子の製造方法、ならびにその製造方法によって製造されたナノ粒子およびナノ粒子溶液に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液体材料に浸した2つの電極間で液中繰り返しパルス放電を行うことによりナノ粒子を形成する製造方法であって、
各前記電極は、少なくとも1成分が貴金属元素である2成分以上の元素からなる合金材料もしくは混合材料によって構成されており、
各前記電極を構成する、少なくとも1成分が貴金属元素である2成分以上の前記元素がナノスケールで混ざった合金もしくは化合物の前記ナノ粒子を形成する
ナノ粒子の製造方法。

【請求項2】
各前記電極は、融解凝固、焼結または射出成型によって形成された、ミリオーダまたはマイクロメータオーダの結晶粒が分布したバルク体である
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項3】
前記ナノ粒子は、各前記電極の組成比に応じた組成比となっている
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項4】
前記ナノ粒子は、各前記電極の組成比と同じもしくは略同じ組成比となっている
請求項3に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項5】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、PdおよびRuによって構成されている
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項6】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、Pt、PdおよびRhによって構成されている
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項7】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、FeおよびPtによって構成されている
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項8】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、貴金属材料と、第一遷移金属材料、第二遷移金属材料および第三遷移金属材料のうち少なくとも1つとによって構成されている
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項9】
前記ナノ粒子を、アニールする
請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項10】
液体材料に浸した2つの電極間で液中繰り返しパルス放電を行うことによりナノ粒子を形成する製造方法であって、
各前記電極は、2成分以上の元素からなる合金材料もしくは混合材料によって構成されており、
各前記電極を構成する2成分以上の前記元素がナノスケールで混ざった合金もしくは化合物の前記ナノ粒子を形成する
ナノ粒子の製造方法。

【請求項11】
各前記電極は、融解凝固、焼結または射出成型によって形成された、ミリオーダまたはマイクロメータオーダの結晶粒が分布したバルク体である
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項12】
前記ナノ粒子は、各前記電極の組成比に応じた組成比となっている
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項13】
前記ナノ粒子は、各前記電極の組成比と同じもしくは略同じ組成比となっている
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項14】
各前記電極を構成する2成分以上の前記元素を含む合金もしくは化合物の固溶体の前記ナノ粒子を形成する
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項15】
各前記電極を構成する2成分以上の前記元素と、前記液体材料を構成する元素とからなる合金もしくは化合物の前記ナノ粒子を形成する
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項16】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、状態図において常温で分離系の合金もしくは化合物、または、状態図において常温で部分的に分離系の合金もしくは化合物である
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項17】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、状態図において常温で規則合金系の材料、状態図において常温で金属間化合物系の材料、状態図において常温で固溶体の合金もしくは化合物、または、状態図において常温で部分的に固溶体の合金もしくは化合物である
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項18】
各前記電極に含まれる前記合金材料もしくは前記混合材料は、状態図において常温でL10型磁性規則合金となり得る2成分以上の材料である
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項19】
前記ナノ粒子を、アニールする
請求項10に記載のナノ粒子の製造方法。

【請求項20】
請求項1ないし請求項19のいずれか一項に記載の製造方法によって形成された
ナノ粒子。

【請求項21】
請求項1ないし請求項19のいずれか一項に記載の製造方法によって形成された前記ナノ粒子が前記液体材料に分散された状態の溶液である
ナノ粒子溶液。

【請求項22】
前記溶液の上澄み液である
請求項21に記載のナノ粒子溶液。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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