TOP > 国内特許検索 > 同位体を含有するリン酸の製造方法

同位体を含有するリン酸の製造方法

国内特許コード P170013641
整理番号 14051
掲載日 2017年1月25日
出願番号 特願2014-217664
公開番号 特開2016-082912
出願日 平成26年10月24日(2014.10.24)
公開日 平成28年5月19日(2016.5.19)
発明者
  • 黒田 章夫
  • 本村 圭
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 同位体を含有するリン酸の製造方法
発明の概要 【課題】同位体を含有するリン酸の安全な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の同位体を含有するリン酸の製造方法は、酵素によって、同位体を含有する水と、亜リン酸、リン酸、または、ポリリン酸とを反応させることにより、同位体を含有するリン酸を合成する工程、または、酵素によらず、同位体を含有する水と、ポリリン酸とを反応させることにより、同位体を含有するリン酸を合成する工程、を有する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


地球上のリン酸には限りがあるため、特に農業分野などでは、肥料等として使用されるリン酸を効率よく利用および再利用する技術に注目が集まっている。



リン酸を効率よく利用および再利用するためには、肥料として土壌に加えたリン酸の何割が生体内に取り込まれるか、換言すれば、肥料として土壌に加えたリン酸の何割が生体内に取り込まれずに残留するのか、を知る必要がある。



例えば、何らかの標識されたリン酸を、所定の量(以下、初期量と呼ぶ)だけ土壌へ加えた後、当該土壌を用いて所望の植物を栽培する。次いで、栽培終了後に、土壌中に残留している標識されたリン酸の量(以下、残留量と呼ぶ)を測定する。このとき、初期量から残留量を引いた量が、植物に取り込まれた量となる。



一般に、農地に撒布された肥料中のリンの多くは、農作物に吸収されずに、土壌中に存在する鉄やアルミなどと結合して、農作物に利用されない不活性なリンとして固定される。なお、土壌や肥料の形態にもよるが、日本の一般的な土壌の場合、撒布されたリンの約80%が、不活性なリンとして固定されると言われている。



リン肥料の効果を評価するためには、農作物に利用能な可溶性リン酸を、どれだけ土壌に供給できるのかを、科学的に定量する技術が必要である。これまで、トルオーグ法などを用いて土壌中の可溶性リン酸の存在量が評価されてきたが、土壌へ投入される肥料中のリン酸と、元々土壌中に存在するリン酸と、を区別できないという問題があった。



リンの放射性同位体は存在するが、当該放射性同位体の野外での使用は制限される。リンの安定同位体は存在しないが、酸素の安定同位体(例えば、18O)は、自然界にも0.2%の存在比で含まれており、生体や環境への有害な影響はない。従って、安定同位体(例えば、18O)でリン酸を標識すれば、当該リン酸を、質量分析計で区別、および、追跡できる。また、農業分野(具体的には、肥料)に限らず、畜産分野、食品・医薬品分野、環境分野など、リン酸の生物学的利用能の評価や動態モニタリングが重要な意味をもつ広範な産業分野で、安定同位体で標識されたリン酸が、活用され得る。



それ故に、現在、酸素の安定同位体が導入されたリン酸、および、当該リン酸の合成方法の開発が進められている。



例えば、非特許文献1には、同位体(例えば、18O)を含有する水と、五塩化リン(PCl)とを反応させることによって、同位体を含有するリン酸を製造する技術が開示されている。



また、特許文献1には、同位体(例えば、18O)を含有する酸化剤で3価リン化合物を酸化することによって、上記同位体を含有する5価のリン酸化合物を合成する酸化工程を含む、同位体含有リン酸化合物の製造方法が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、同位体を含有するリン酸の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
酵素によって、所定の同位体を含有する水と、亜リン酸、リン酸、または、ポリリン酸とを反応させることにより、上記同位体を含有するリン酸を合成する酵素反応工程、または、
酵素によらず、所定の同位体を含有する水と、ポリリン酸とを反応させることにより、上記同位体を含有するリン酸を合成する加水分解反応工程、
を有することを特徴とする同位体を含有するリン酸の製造方法。

【請求項2】
上記同位体は、酸素の安定同位体であることを特徴とする請求項1に記載の同位体を含有するリン酸の製造方法。

【請求項3】
上記同位体は、17O、または、18Oであることを特徴とする請求項2に記載の同位体を含有するリン酸の製造方法。

【請求項4】
上記酵素反応工程に亜リン酸を用いる場合、当該酵素反応工程に用いられる上記酵素は、亜リン酸デヒドロゲナーゼであり、
上記酵素反応工程にリン酸を用いる場合、当該酵素反応工程に用いられる上記酵素は、ピロホスファターゼであり、
上記酵素反応工程にポリリン酸を用いる場合、当該酵素反応工程に用いられる上記酵素は、ポリホスファターゼであることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の同位体を含有するリン酸の製造方法。

【請求項5】
上記加水分解反応工程では、pH3以下の酸性条件下、または、70℃以上の温度条件下で、所定の同位体を含有する水と、ポリリン酸とを反応させることにより、同位体を含有するリン酸を合成することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の同位体を含有するリン酸の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close