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細胞の作製方法および該作製方法で作製された細胞

国内特許コード P170013655
整理番号 14081
掲載日 2017年1月25日
出願番号 特願2015-080648
公開番号 特開2016-198044
出願日 平成27年4月10日(2015.4.10)
公開日 平成28年12月1日(2016.12.1)
発明者
  • 落合 博
  • 山本 卓
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 細胞の作製方法および該作製方法で作製された細胞
発明の概要 【課題】細胞内で重要な役割を担う特定の内在遺伝子の転写をライブイメージングできる細胞を、より簡便に作製できる細胞の作製方法および該作製方法で作製された細胞を提供する。
【解決手段】細胞の作製方法は、エンドヌクレアーゼで細胞内のゲノムにおける目的の遺伝子座を切断する切断工程と、相同組換え修復により前記ゲノムの切断された部位に第1のDNAを挿入する挿入工程と、前記第1のDNAが転写されたmRNAに結合する標識されたタンパク質をコードする第2のDNAを前記細胞内に導入する導入工程と、を含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


再生医療への応用の観点から、人工多能性幹細胞(iPS細胞)および胚性幹細胞(ES細胞)などの多能性幹細胞の多能性維持機構および分化機構の解明が不可欠である。多能性維持機構および分化機構には、特定の遺伝子の働き、特には、遺伝子の発現調節が極めて重要である。



遺伝子の発現は、主に転写の段階で調節される。転写は、遺伝子の上流に存在するプロモーターのみならず、エンハンサーおよびサイレンサーなど種々の因子によって制御されている。このように種々の因子によって複雑に制御される転写の詳細を明らかにする手法として、生きた生体組織または細胞における内在遺伝子の転写のライブイメージングが知られている。



ライブイメージングでは、転写制御を可視化するための蛍光タンパク質などをコードする外来遺伝子を、ゲノムに挿入する遺伝子改変技術が用いられる。外来遺伝子をゲノムに挿入する技術として、相同組換えが知られている。相同組換えでは、外来遺伝子の両側に挿入部位の周辺と相同な塩基配列を有するDNAを細胞に導入することで、相同組換え反応が起こり、外来遺伝子が挿入部位に挿入される。



相同組換え反応の頻度は、生物種あるいは細胞種によって大きく異なる。相同組換え反応の応用は、相同組換え反応の頻度が比較的高い酵母などの単細胞生物またはマウスES細胞に限られていた。しかし、マウスES細胞であっても、相同組換え反応の頻度は極めて低い。しかも二倍体であるマウスES細胞では、両対立遺伝子に外来遺伝子を一度に挿入することは、ほぼ不可能である。また、挿入する外来遺伝子が複雑な繰り返し配列などを含んでいる場合は、挿入の効率が極めて低下する。



外来遺伝子を細胞に導入する技術として、FRT配列とFLPリコンビナーゼとを用いる方法も知られている。例えば、非特許文献1では、FRT配列とFLPリコンビナーゼとを用いてゲノムに挿入したMS2配列とMS2コートタンパク質-緑色蛍光タンパク質(GFP)融合タンパク質との結合を検出することで、哺乳類の細胞におけるサイクリンD1遺伝子の転写制御を解析している。FRT配列とFLPリコンビナーゼを用いる遺伝子の挿入では、ゲノムにFRT配列が組み込まれている細胞に、部位特異的組換え酵素であるFLPを含むプラスミドDNAとFRT配列と目的遺伝子を含んだプラスミドDNAとを導入することで、FRT配列が組み込まれている部位に目的遺伝子を含むプラスミドDNAの塩基配列を挿入することができる。

産業上の利用分野


本発明は、細胞の作製方法および該作製方法で作製された細胞に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エンドヌクレアーゼで細胞内のゲノムにおける目的の遺伝子座を切断する切断工程と、
相同組換え修復により前記ゲノムの切断された部位に第1のDNAを挿入する挿入工程と、
前記第1のDNAが転写されたmRNAに結合する標識されたタンパク質をコードする第2のDNAを前記細胞内に導入する導入工程と、
を含む、
細胞の作製方法。

【請求項2】
前記エンドヌクレアーゼは、
プログラマブルエンドヌクレアーゼである、
請求項1に記載の細胞の作製方法。

【請求項3】
前記プログラマブルエンドヌクレアーゼは、
transcription activator-like effector nucleaseである、
請求項2に記載の細胞の作製方法。

【請求項4】
前記細胞は、
多能性幹細胞である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の細胞の作製方法。

【請求項5】
前記第1のDNAの塩基配列は、
MS2配列が繰り返された塩基配列である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の細胞の作製方法。

【請求項6】
前記タンパク質は、
MS2コートタンパク質である、
請求項5に記載の細胞の作製方法。

【請求項7】
前記遺伝子座は、
Nanog、Oct4、Slc2a3およびStat3からなる群から選択される遺伝子の遺伝子座である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の細胞の作製方法。

【請求項8】
前記第2のDNAは、
トランスポゼースで前記細胞内に導入される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の細胞の作製方法。

【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の細胞の作製方法で作製された、
細胞。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015080648thum.jpg
出願権利状態 公開


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