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インスリンの検出方法、および、インスリンの検出キット

国内特許コード P170013660
整理番号 14053-1
掲載日 2017年1月25日
出願番号 特願2015-158455
公開番号 特開2016-109666
出願日 平成27年8月10日(2015.8.10)
公開日 平成28年6月20日(2016.6.20)
優先権データ
  • 特願2014-239348 (2014.11.26) JP
発明者
  • 舟橋 久景
  • 重藤 元
  • 黒田 章夫
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 インスリンの検出方法、および、インスリンの検出キット
発明の概要 【課題】簡便にインスリンを検出できるインスリンの検出方法、および、インスリンの検出キットを提供する。
【解決手段】インスリンレセプターのα-CTセグメントに連結された発光物質または蛍光物質と、インスリンレセプターのL1ドメインに連結された蛍光物質または発光物質との間で生じる発光共鳴エネルギー転移によって発生する蛍光を検出することによって、インスリンを検出する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


インスリンは、血中のグルコース濃度(血糖値)を制御するペプチドホルモンである。食後などに上昇する血糖値に呼応して膵臓のβ細胞からインスリンが分泌されると、筋肉細胞や脂肪細胞などがインスリンを感知し、これらの細胞によってグルコースが吸収される。そして、その結果、血糖値が低下する。



生体内におけるインスリンのシグナル伝達機構については多くの研究がなされており、インスリンの構造や、インスリンが結合するインスリンレセプターの構造について、様々なことが明らかになっている。



インスリンレセプターは、2つのαサブユニット、および、2つのβサブユニットを含むタンパク質である。更に詳細に、αサブユニットの各々は、細胞の外側に配置される領域であるとともに、インスリンが結合する領域である。また、αサブユニットの各々は、α-CTセグメント、および、L1ドメインを含み、これらの2つのドメインが、インスリンに結合する。一方、βサブユニットの各々は、細胞の内側に配置される領域であるとともに、インスリンがαサブユニットに結合した時に、細胞内で様々なシグナルを発生させる領域である。また、βサブユニットの各々は、膜貫通領域と、細胞外ドメインの一部とを含んでおり、当該膜貫通領域の作用によって、インスリンレセプターは、細胞内で膜タンパク質として存在することができる(例えば、非特許文献1、および、図8参照)。



糖尿病の患者は、インスリンの分泌量が減少したり、インスリンの効果が低下したりすることによって、血糖値の制御を十分に行うことができない状態にある。それ故に、糖尿病の治療法の開発のため、および、健康維持のために、インスリンを検出するための技術、および、インスリンの濃度を測定するための技術の開発が進められている。



例えば、このような技術として、ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay:固相酵素免疫検定法)を利用した技術を挙げることができる(例えば、非特許文献2~4参照)。しかしながら、ELISAを利用した技術は、洗浄などの煩雑な操作が必要である、および、抗体を作製する必要がある、等の多くの問題を抱えており、薬剤開発におけるハイスループット検出や、POCT(Point of Care Testing:その場における検査)には不向きである。また、洗浄などの操作を必要としないホモジニアスアッセイ法も開発されているが、当該方法は、事前に、抗インスリン抗体とシグナル生産部位とを化学的に結合し、当該結合体を精製する必要があるという問題を抱えている。それ故に、より簡便な技術の開発が求められている。



このような状況下にあって、LRET(luminescence resonance energy transfer:発光共鳴エネルギー転移)、より具体的にはBRET(Bioluminescence Resonance Energy Transfer:生物発光共鳴エネルギー転移)を利用して、インスリンレセプターの活性化(換言すれば、インスリンレセプターとインスリンとの結合)を検出する技術の開発が進められている(例えば、非特許文献5~7参照)。



非特許文献5~7に記載の技術では、2つのαサブユニット、および、2つのβサブユニットを有する、完全な形態のインスリンレセプターを用いている。そして、一方のβサブユニットにはRLuc(Renilla Luciferase)が連結され、他方のβサブユニットにはYFP(Yellow Fluorescent Protein)が連結されており、αサブユニットにインスリンが結合すると、RLucとYFPとの間で発光共鳴エネルギー転移が生じ、その結果、YFPが蛍光を発する。そして、当該蛍光を検出することによって、インスリンレセプターの活性化(換言すれば、インスリンレセプターとインスリンとの結合)が検出される。

産業上の利用分野


本発明は、インスリンの検出方法、および、インスリンの検出キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
試料と、インスリンレセプターのα-CTセグメントを含み、かつ、インスリンレセプターのβサブユニットを含まない第1のポリペプチドに、発光物質または蛍光物質を連結させた第1の複合体と、インスリンレセプターのL1ドメインを含み、かつ、インスリンレセプターのβサブユニットを含まない第2のポリペプチドに、発光物質または蛍光物質を連結させた第2の複合体と、を含む溶液から、上記発光物質と上記蛍光物質との間で生じる発光共鳴エネルギー転移によって発生する蛍光を検出する蛍光検出工程を含み、
上記第1のポリペプチドに発光物質が連結されている場合には、上記第2のポリペプチドに蛍光物質が連結されており、上記第1のポリペプチドに蛍光物質が連結されている場合には、上記第2のポリペプチドに発光物質が連結されていることを特徴とするインスリンの検出方法。

【請求項2】
上記溶液における、上記第1の複合体の濃度(M1)、および、上記第2の複合体の濃度(M2)が、50≦M2/M1≦200の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のインスリンの検出方法。

【請求項3】
上記第1の複合体は、上記第1のポリペプチドのアミノ末端に上記発光物質または上記蛍光物質が連結されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のインスリンの検出方法。

【請求項4】
上記第2の複合体は、上記第2のポリペプチドのカルボキシル末端に上記発光物質または上記蛍光物質が連結されたものであることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のインスリンの検出方法。

【請求項5】
上記第1の複合体、および、上記第2の複合体は、リンカーによって互いに結合して、第3の複合体を形成していることを特徴とする請求項1、3または4に記載のインスリンの検出方法。

【請求項6】
上記第3の複合体は、支持体の表面に結合していることを特徴とする請求項5に記載のインスリンの検出方法。

【請求項7】
インスリンレセプターのα-CTセグメントを含み、かつ、インスリンレセプターのβサブユニットを含まない第1のポリペプチドに、発光物質または蛍光物質を連結させた第1の複合体と、インスリンレセプターのL1ドメインを含み、かつ、インスリンレセプターのβサブユニットを含まない第2のポリペプチドに、発光物質または蛍光物質を連結させた第2の複合体と、を備えており、
上記発光物質および上記蛍光物質は、当該発光物質と当該蛍光物質との間で生じる発光共鳴エネルギー転移によって蛍光を発生させるものであり、
上記第1のポリペプチドに発光物質が連結されている場合には、上記第2のポリペプチドに蛍光物質が連結されており、上記第1のポリペプチドに蛍光物質が連結されている場合には、上記第2のポリペプチドに発光物質が連結されていることを特徴とするインスリンの検出キット。

【請求項8】
上記第1の複合体、および、上記第2の複合体は、リンカーによって互いに結合して、第3の複合体を形成していることを特徴とする請求項7に記載のインスリンの検出キット。

【請求項9】
上記インスリンの検出キットは、上記第3の複合体が表面に結合している支持体を備えていることを特徴とする請求項8に記載のインスリンの検出キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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