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赤外線放射率測定装置および赤外線放射率測定方法 NEW

国内特許コード P170013668
整理番号 14009
掲載日 2017年2月1日
出願番号 特願2015-061134
公開番号 特開2016-180690
出願日 平成27年3月24日(2015.3.24)
公開日 平成28年10月13日(2016.10.13)
発明者
  • 大高 雅彦
  • 近澤 佳隆
  • 加藤 篤志
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 赤外線放射率測定装置および赤外線放射率測定方法 NEW
発明の概要 【課題】構造が簡単で、小型、軽量な赤外線放射率測定装置を提供する。
【解決手段】測定する波長が異なる3つの赤外線センサ2(第1の赤外線センサ、第2の赤外線センサならびに第3の赤外線センサ)と、記憶部15と、演算部16を備え、記憶部15に第1の赤外線センサと第2の赤外線センサからの波長差に対する赤外線強度の勾配と測定対象物体の表面温度の関係が記憶され、演算部16は、第1の赤外線センサと第2の赤外線センサからの波長差に対する赤外線強度の勾配に基づいて、記憶されている赤外線強度の勾配と測定対象物体の表面温度の関係から表面温度を求め、第3の赤外線センサの出力信号から測定対象物体の全放射エネルギーEを演算し、測定対象物体の表面温度から黒体の全放射エネルギーEbを演算し、測定対象物体の放射率(E/Eb)を演算する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


ナトリウム冷却高速炉の液体ナトリウムを収容したプラント機器類でカバーガス中にある機器内表面は、プラント運転中にはナトリウム蒸気が付着・堆積して、ほぼ未酸化で鏡面の溶融ナトリウムで覆われる状態になる。



このような機器類、特に安全上重要な機器類の熱設計をする場合、機器類が接する雰囲気の対流熱伝達による熱の授受のほか、輻射による放熱や入熱も計算で考慮する必要が有り、そのためには物性値として放射率が必要となる。



一般に放射率は物質の表面性状(例えば金属では酸化の程度など)に影響されるため、液体ナトリウム表面のように雰囲気条件で酸化状態が影響を受ける場合、プラント運転条件と同等な雰囲気条件で(例えば数%以下の酸素濃度の不活性雰囲気)で、放射率を測定する必要がある。



このためには、可能な限りプラント運転状態を模擬した不活性雰囲気中でナトリウムの表面状態を模擬して放射率を測定する装置が必要となる。



従来の測定方法では、試料作成のため所望の条件でナトリウム蒸気に暴露させたのち、測定のため窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気の容器内に一旦入れて封止する。



そして、放射率を測定する機器類(赤外線測定器や赤外線分光器)を設置している試料室内を不活性ガス雰囲気にし、その試料室内に試料をセットして測定する必要があった。



この場合、試料の作成から測定までに要する時間内に、試料に付着したナトリウムは若干ながら生じる雰囲気の変化により性状が変化(温度変化による凝固や微量な酸素による酸化)して、所望の条件における放射率の測定が困難であった。



これを解消するため、従来の測定装置では試料性状の変化を避けるのに、試料作成と同じ不活性ガス雰囲気内で測定を行っていた。



具体的には、赤外線の光路を切り替えるための赤外線導入装置と、黒体炉と、雰囲気管理用のグローブボックス(G.B.)と、赤外分光光度計が用いられ、前述の赤外線導入装置と黒体炉がG.B.の内部に設置され、前述の赤外分光光度計がG.B.の外部に設置されている。



G.B.内にある赤外線導入装置ならびに黒体炉とG.B.外にある赤外分光光度計は、G.B.の周壁部を貫通する信号線束により接続されている。また、G.B.の外部には、G.B.内のガスの状態を管理するためのG.B.管理操作部が設置されている。



そして、不活性ガス雰囲気状態が管理されたG.B.内の試料台に試料をセットして、放射率の測定を行っていた。



この種技術に関する先行技術文献としては、例えば特開平6-137953号公報(特許文献1)などを挙げることができる。



この特許文献1に記載の赤外線センサによる温度測定方法は、温度Tの物体から放射される赤外線のうち、異なった波長λ1、λ2におけるそれぞれの放射エネルギーE(λ1)、E(λ2)の比であるE(λ1)/E(λ2)は、温度Tに対して単調減少関数となるという考えに基づいたものである。



具体的には、次の手順で測定対象物体の温度Tを求めるものである。
(手順1):測定対象の物体から放射される赤外線のうち、異なった波長λ1、λ2におけるそれぞれの放射エネルギーE(λ1)、E(λ2)を測定する。
(手順2):その測定結果に基づいて、放射エネルギー比であるE(λ1)/E(λ2)を算出する。
(手順3):算出した放射エネルギー比の値を、予め算出して記憶している放射エネルギー比の値と温度Tの対応関係に当てはめて、測定対象の温度Tを求めるものである。

産業上の利用分野


本発明は、赤外線放射率(以下、単に放射率と略記する場合もある)測定装置および赤外線放射率測定方法に係り、特に測定対象物体自体が高温で、かつその測定対象物体が高温雰囲気内にあるような条件において使用するのに適した非接触による赤外線放射率測定装置および赤外線放射率測定方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象物体から放射される赤外線に対して測定する波長が異なる少なくとも第1の赤外線センサ、第2の赤外線センサならびに第3の赤外線センサと、
各種情報などを記憶する記憶部と、
前記第1、第2ならびに第3の赤外線センサの出力信号を処理する演算部を備え、
前記記憶部には、前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサからの波長差に対する赤外線強度の勾配と、前記測定対象物体の表面温度の関係が予め記憶されており、
前記演算部は、
前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサからの波長差に対する赤外線強度の勾配に基づいて、前記記憶部に記憶されている赤外線強度の勾配と測定対象物体の表面温度の関係から当該測定対象物体の表面温度を求め、
前記第3の赤外線センサの出力信号から、前記測定対象物体の全放射エネルギーEを演算して、
前記測定対象物体の表面温度から、黒体の全放射エネルギーEbを演算して、
前記測定対象物体の放射率(E/Eb)を演算する構成になっていることを特徴とする赤外線放射率測定装置。

【請求項2】
請求項1に記載の赤外線放射率測定装置において、
前記測定対象物体は、液体金属が付着する物体または金属膜が形成される物体であることを特徴とする赤外線放射率測定装置。

【請求項3】
請求項1に記載の赤外線放射率測定装置において、
前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサと第3の赤外線センサが併設されて1つのマトリクス構成要素となり、そのマトリクス構成要素がX-Y方向に多数並べられてマトリクス状の平面放射率測定装置を構成していることを特徴とする赤外線放射率測定装置。

【請求項4】
テスト用測定対象物体の表面温度毎に、測定する波長が異なる第1の赤外線センサと第2の赤外線センサで前記テスト用測定対象物体から放射される赤外線強度を測定して、前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサからの波長差に対する赤外線強度の勾配と前記テスト用測定対象物体の表面温度の関係をまとめて記憶する第1のステップと、
測定する測定対象物体から放射される赤外線強度を前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサで測定して、前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサからの波長差に対する赤外線強度の勾配を求める第2のステップと、
前記記憶されている赤外線強度の勾配とテスト用測定対象物体の表面温度の関係から、前記求められた勾配に対応する測定対象物体の表面温度を求める第3のステップと、
前記第1の赤外線センサならびに第2の赤外線センサとは異なる第3の赤外線センサの出力信号から、前記測定対象物体の全放射エネルギーEを演算する第4のステップと、
前記測定対象物体の表面温度から、黒体の全放射エネルギーEbを演算する第5のステップと、
前記測定対象物体の放射率(E/Eb)を演算する第6のステップを有することを特徴とする赤外線放射率測定方法。

【請求項5】
請求項4に記載の赤外線放射率測定方法において、
前記測定対象物体は、液体金属が付着する物体または金属膜が形成される物体であることを特徴とする赤外線放射率測定方法。

【請求項6】
請求項4に記載の赤外線放射率測定方法において、
前記第1の赤外線センサと第2の赤外線センサと第3の赤外線センサが併設されて1つのマトリクス構成要素となり、そのマトリクス構成要素がX-Y方向に多数並べられてマトリクス状の平面放射率測定装置を構成していることを特徴とする赤外線放射率測定方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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