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真空アーク推進機 NEW

国内特許コード P170013686
整理番号 S2015-1618-N0
掲載日 2017年2月2日
出願番号 特願2015-118889
公開番号 特開2017-002851
出願日 平成27年6月12日(2015.6.12)
公開日 平成29年1月5日(2017.1.5)
発明者
  • 豊田 和弘
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 真空アーク推進機 NEW
発明の概要 【課題】本願発明は,電源に高電圧太陽電池を使用して陰極を固体推進剤で構成して小型軽量化を達成した真空アーク推進機を提供する。
【解決手段】この真空アーク推進機を構成する電気回路1は,陽極6に絶縁体8を介在させて陰極7を対向配設し,陰極7側に初期放電誘発用絶縁体15を設ける。宇宙空間のプラズマ14中で,電気回路1のスイッチ3をONし,陰極7における導体9と初期放電誘発用絶縁体15との間に静電放電を発生させ,該静電放電によって陽極6と陰極7との極間にアーク放電を発生させ,該アーク放電によって陰極7と初期放電誘発用絶縁体15を溶かして発生する噴射ジェットにより推進機に推力を発生させる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年,人工衛星は,大型化から小型化へと開発が進んでおり,特に,超小型人工衛星に注目が集まっており,その開発が盛んになってきた。超小型の人工衛星には,ボンベ,バルブ,配管等の部品を必要とするガスを推進剤とする推進機を搭載するのが困難である。即ち,従来の100kg級の小型の人工衛星や宇宙機には,各種の機器を搭載するスペースが限られており,上記のような各部品を必要とする推進機を搭載させることは極めて困難である。



従来,宇宙飛翔体用推進システムとして推進剤にガスを使用するものが知られている。該宇宙飛翔体用推進システムは,バルブ等の開閉でガスを放出して推進するものであり,電源として点火用スイッチを使用している。上記推進システムは,推進剤ガスを通過して電流路を形成する電極を採用することにより,エネルギーが推進剤に伝達される形態を有している。上記システムの単一の電源は,接続される全ての推進装置が放電を開始し始める時に,活動するように構成されている。推進剤が電流伝達回路の部分を形成しているので,推進剤を受け入れる推進装置のみが電流を伝達することができ,推進装置が電力を引き出すものであり,複数の推進装置に対して単一の電源を使用することを可能にしている(例えば,特許文献1参照)。



また,宇宙飛翔体用推進装置としてガスを用いるアーク推進装置が知られている。該アーク推進装置は,陽極および膨張ノズルとして形成されたケーシングと該ケーシング内に中央に保持されて電気的に絶縁された棒状の陰極とを備えている。陰極は,燃焼室内に配置され,該燃焼室には,ガス状のアンモニアが燃料として噴射される。陰極の尖端部は,膨張ノズルの狭められた横断面から小さな空隙を有するよう離隔されている。陽極と陰極の間において,ガス流過時に,アーク放電が行われ,該アーク放電から燃料が付加的な熱エネルギーを受け取る。燃焼室の手前に,アンモニアを触媒的及び/又は熱的な方法で水素と窒素の成分に分解するための装置が設けられている(例えば,特許文献2参照)。



また,ガスを使用するアークジェット推進機として直流アークジェット推進機が知られている。該直流アークジェット推進機は,アーク放電が不安定とならず,常に推進剤の流量,電流量に対応した最適なアーク放電の実現を可能にしたものである。該直流アークジェット推進機は,ノズル部が陽極を形成し,陰極がその中心軸上に配設され,第1の絶縁部材を介してノズル部が固定され,上記第1の絶縁部材に推進剤投入口が設けられたものであり,ノズル部が軸方向に分割された複数の分割陽極により形成され,それぞれの分割陽極がそれぞれのスイッチを介して直流電源のプラス側に接続されている(例えば,特許文献3参照)。

産業上の利用分野


この発明は,例えば,小型人工衛星等の宇宙機に搭載して該宇宙機の軌道変更,推進,姿勢変更等の作動を制御することができる真空アーク推進機に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コントローラの指令でON・OFFされるスイッチが設けられた電気回路を備えており,前記電気回路は,電源,該電源に結線されたプラスラインに設けられた陽極,前記電源に結線されたマイナスラインに設けられ且つ前記陽極に対向して配設された陰極,前記陰極と前記陽極との極間に設けられた絶縁体,前記陰極側に設けられた初期放電誘発用絶縁体,前記プラスラインに設けられた電子コレクタ,及び前記プラスラインと前記マイナスラインとの間に結線されたコンデンサを有しており,
前記電気回路を宇宙空間のプラズマ中で前記コントローラの指令で前記スイッチをONさせて前記陰極の導体と前記初期放電誘発用絶縁体との間に静電放電を発生させ,前記静電放電によって前記陽極と前記陰極との極間にアーク放電を発生させ,前記アーク放電によって前記陰極及び前記初期放電誘発用絶縁体を溶かして発生する噴射ジェットにより推力を得ることを特徴とする真空アーク推進機。

【請求項2】
前記陰極は,前記導体と前記導体と混合している前記初期放電誘発用絶縁体から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空アーク推進機。

【請求項3】
前記陰極は,前記導体を構成する炭素繊維と前記初期放電誘発用絶縁体を構成するプラスチックから成るCFRPで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の真空アーク推進機。

【請求項4】
前記プラズマと前記陰極の前記初期放電誘発用絶縁体とを干渉させて前記初期放電誘発用絶縁体を帯電させ,前記陰極の前記初期放電誘発用絶縁体と前記導体との間に前記静電放電を発生させ,前記静電放電が引き金になって前記陽極と前記陰極とによる主放電を誘発することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空アーク推進機。

【請求項5】
前記電源は,高電圧太陽電池で構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の真空アーク推進機。

【請求項6】
前記陰極に水分を含ませたマイクロシリカを含有させて前記陽極と前記陰極による放電頻度を高めることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の真空アーク推進機。

【請求項7】
前記プラズマ中で前記電気回路の前記スイッチをONさせることによって,前記電子コレクタに前記プラズマ中に存在する電子を収集させると共に,前記プラズマに対して前記陰極に負の電位を持たせて前記陰極が前記プラズマ中から前記イオンを集め,前記初期放電誘発用絶縁体が前記イオンにより帯電して前記プラズマの電位となって前記初期放電誘発用絶縁体が前記陰極の前記導体に対して正に帯電し,前記初期放電誘発用絶縁体と前記導体との間に電位差が生じて前記初期放電誘発用絶縁体と前記導体との間で前記静電放電が発生し,次いで,前記初期放電誘発用絶縁体と前記導体との前記静電放電が,前記陽極と前記陰極との間に前記主放電を誘発して前記主放電が繰り返されることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の真空アーク推進機。

【請求項8】
前記コンデンサが放電する前記陽極と前記陰極との間の真空アーク放電によって前記導体と前記初期放電誘発用絶縁体が蒸発して,前記陰極の蒸気が前記陰極の面から垂直方向にジェットとして噴射されることによって前記陰極に推力が発生して前記推進機に推力が発生することを特徴とする請求項7に記載の真空アーク推進機。

【請求項9】
前記導体及び前記初期放電誘発用絶縁体から成る前記蒸気は,アーク付着点での熱入力により発生し,前記アークが前記陰極面に垂直な方向に前記噴射ジェットとして噴射されて前記推力になることを特徴とする請求項8に記載の真空アーク推進機。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2G084AA22
  • 2G084BB01
  • 2G084BB35
  • 2G084BB37
  • 2G084CC02
  • 2G084CC23
  • 2G084CC25
  • 2G084CC33
  • 2G084DD11
  • 2G084DD22
  • 2G084DD63
  • 2G084EE21
  • 2G084EE24
  • 2G084EE25
画像

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JP2015118889thum.jpg
出願権利状態 公開
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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