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合金接合材による接合層構造と接合方法並びに半導体装置とその製造方法 NEW

国内特許コード P170013688
整理番号 S2015-1613-N0
掲載日 2017年2月2日
出願番号 特願2015-115420
公開番号 特開2017-001049
出願日 平成27年6月8日(2015.6.8)
公開日 平成29年1月5日(2017.1.5)
発明者
  • 大貫 仁
  • 玉橋 邦裕
  • 千葉 秋雄
  • 菅原 良孝
  • 本橋 嘉信
  • 佐久間 隆昭
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 合金接合材による接合層構造と接合方法並びに半導体装置とその製造方法 NEW
発明の概要 【課題】濡れ性を十分に確保しつつ、高温の接合強度が高く、且つ、変態超塑性応力歪緩和機能の利用によって接続信頼性の大幅な向上を図ることができる、合金接合材による接合層構造と接合方法、並びに前記接合層構造を有する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の接合層構造は、被接合材AとBとを合金接合材によって接合した接合部に形成されるものであって、前記合金接合材がZn-Al共析系合金であり、且つ、Alが22質量%以上68質量%未満で、残部がZn及び2質量%未満の微量金属成分を有する組成からなり、変態超塑性応力歪緩和機能を発現する相変態温度を通過させることによって形成される、Al中にZnが片状、棒状及び樹枝状の少なくとも何れかで分散した組織を有することを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


パワー半導体素子のダイボンディングやパワモジュールに搭載される半導体素子の実装基板への接合及び実装基板への放熱板の接合には従来からはんだ接合が使用されている。はんだ材としては、Sn-Pb系等の鉛を含むはんだが周知であるが、近年の環境問題への対応からSn-Si型はんだやSn-In型はんだ等の低温はんだ、Sn-Ag-Cu系はんだやSn-Cu系はんだ等の中温はんだの鉛レスはんだが開発・実用化されている。しかしながら、250℃以上で使用する高温はんだについては適当な鉛レスはんだ材がなく、高鉛はんだが使用されている。この高鉛はんだは、構成成分として85質量%以上の鉛を含有しており、前記Sn-Pb共晶はんだに比べて環境への負荷が大きい。



一方、パワーモジュールやパワーエレクトロニクス製品に使用されるパワー半導体素子としては、近年、従来のSiに代わり、耐熱性に優れ、150~200℃の高温下で性能を安定して発揮できる炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイアモンド(C)及び酸化ガリウム(Ga)等のワイドギャップ半導体への適用が検討されている。製品化が先行するSiC又はGaNの半導体素子は耐熱性に優れるが、それらのワイドギャップ半導体を実装基板等に接合した場合に、耐熱性は半導体素子だけでなく接合材料にも要求される。前記の高鉛はんだ材は高融点を有するものの、環境への負荷が大きく今後の使用が制限されるため、鉛レスの代替はんだの検討が進められている。



鉛レスの代替高温はんだとしては、Au-Sn、Au-Si、Ai-Ge等のAu系はんだ、Bi、Bi-Cu、Bi-Ag等のBi系はんだ、Zn、Zn-Al系はんだ等が報告されている。それらの中で、Zn、Zn-Al系はんだは、より高い融点を有するため、SiC又はGaN等のパワー用ワイドギャップ半導体素子の接合材としての期待が大きい。



Zn-Al系はんだとしては、例えば、特許文献1においてAl:2~9重量%、Ge及び/又はMg:0.05~1重量%、残部をZn及び不可避不純物からなる高温はんだ付用Zn合金が開示されている。前記特許文献1に記載のZn-Al系はんだは、380℃付近の共晶温度を有するZn-Al系共晶合金の融点を適当にさらに下げるために、Ge及び/又はMg、又は更にSn及び/又はInが添加されている。



また、特許文献2には、Alを1.0質量%以上及び15.0質量%以下を含有するZn-Al系はんだにおいて、塑性変形を伴う圧延機を用いて作製したシート状のPbフリーはんだ合金が開示されている。このシート状はんだ合金は、高い伸び率と引張強度を有するため、濡れ性及び信頼性に優れ、特に加工性及び応力緩和性に優れる。本発明者等も、Alを17~30質量%含有するZn-Al共析系合金接合材が所定の温度領域で超塑性現象を発現することに着目し、この超塑性現象を利用することによって加工性や応力緩和性に優れる接合材を特許文献3において提案している。



一方、特許文献4には、Zn/Al/Znクラッド材を用いた接合材料が提案されている。この接合材料は、接続時の加熱によりAl酸化物が溶融部表面に膜を生成することによって起こる濡れ性の低下を抑制するため、Al系合金層がZn系合金層の間に挟まれた構造を有する。前記特許文献4に記載の接合材料は、Zn/Al/Znクラッド材によって良好な濡れ性を確保することができ、接続後にAl系合金層が応力緩衝材として機能するため、高い接続信頼性を得ることができる。



また、特許文献5には、接続に用いる最表面をZn系層にするとともに、前記特許文献4に記載の接合材料では大きな塊として存在していたAl層を複数の小さなAl相に分割することによって、濡れ性が確保でき、耐熱性が高く、応力緩衝機能を有する高信頼な接続材料が提案されている。前記特許文献5に記載の接続材料は、複数のAl系相の粒が浮島状に点在しており、Al系相の平均径を50μm以上にすることが好ましいと記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、高温の接合強度が高く、変態超塑性応力歪緩和機能の利用によって接続信頼性の大幅な向上を図ることができる、合金接合材による接合層構造と接合方法並びに前記接合層構造を有する半導体装置とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被接合材AとBとを合金接合材によって接合し形成される接合層の構造であって、
前記合金接合材がZn-Al共析系合金であり、且つ、
前記被接合材A及びBと前記合金接合材との接合部は、Alが22質量%以上68質量%未満で、残部がZn及び2質量%未満の微量金属成分を有する組成からなり、変態超塑性応力歪緩和機能を発現する相変態温度を通過させることによって形成される、Al中にZnが片状、棒状及び樹枝状の少なくとも何れかの形状で分散した組織を有することを特徴とする合金接合材による接合層構造。

【請求項2】
前記接合層が有する組織において、断面を電子顕微鏡を用いて500倍で観測したときのAlの面積比が18%を超え70%未満であることを特徴とする請求項1に記載の合金接合材による接合層構造。

【請求項3】
前記接合層が、22質量%以上68質量%未満のAl-0~1.5質量%Cu-0~0.05質量%Mg-Zn系からなる組成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合金接合材による接合層構造。

【請求項4】
被接合材AとBとの間に、Al-Zn共析系合金接合材を介在させ、加圧又は加圧しない状態で前記接合材を、変態超塑性応力歪緩和機能を発現する相変態温度の高温側の温度(T)より高い温度で加熱し、Alが22質量%以上68質量%未満で、残部がZn及び2質量%未満の微量金属成分を有する組成からなる半溶融状態又は固相状態の接合層を形成した後、前記相変態温度を通過させる操作を行うことを特徴とする合金接合材による接合方法。

【請求項5】
前記Tより高い温度で半溶融状態又は固相状態の接合層を形成し、前記相変態温度の低温側の温度(T)より低い温度に冷却した後、
前記Tより低い温度から固相状態で前記Tより高い温度に加熱する工程、及び前記Tより高い温度から前記Tより低い温度に冷却する工程からなる加熱・冷却工程を1回又は2回以上繰り返すことにより、前記相変態温度を通過させる操作を行うことを特徴とする請求項4に記載の合金接合材による接合方法。

【請求項6】
前記Tより高い温度で半溶融状態又は固相状態の接合層を形成し、前記Tより低い温度として30℃以下に冷却した後、前記加熱・冷却工程を1回又は2回以上繰り返すことを特徴とする請求項5の記載の合金接合材による接合方法。

【請求項7】
前記変態超塑性応力歪緩和現象を発現する温度が270℃を超え360℃未満であることを特徴とする請求項4~6の何れかに記載の合金接合材による接合方法。

【請求項8】
前記接合層が22質量%以上68質量%未満のAl-0~1.5質量%Cu-0~0.05質量%Mg-Zn系からなる組成であることを特徴とする請求項4~7の何れかに記載の合金接合材による合金接合材による接合方法。

【請求項9】
前記被接合材AとBとの間に介在させた接合材を前記Tより高い温度に加熱した状態で所望の時間保持する操作の前に、超塑性現象を発現する温度領域に加熱した状態で所望の時間保持する操作を行うことを特徴とする請求項4~8の何れかに記載の合金接合材による接合方法。

【請求項10】
前記超塑性現象を発現する温度が200~410℃であることを特徴とする請求項9に記載の合金接合材による接合方法。

【請求項11】
請求項4~10の何れかに記載の接合方法であって、前記被接合材AとBとの間に、Alが9質量%を超え68質量%未満で、残部がZn及び2質量%未満の微量金属成分を有するZn-Al共析系合金接合材を介在させ、加圧又は無圧の状態で前記接合材を前記Tより高い温度に加熱し、前記被接合材AとBとの間に、Alが22質量%以上68質量%未満で、残部がZn及び2質量%未満の微量金属成分を有する組成からなる半溶融状態又は固相状態の接合層を形成することを特徴とする合金接合材による接合方法。

【請求項12】
半導体基体、該半導体基体に直接又はセラミック基板を介して接合層によって接合された金属基板を備え、前記接合層が請求項1~3の何れかに記載の構造を有することを特徴とする半導体装置。

【請求項13】
前記半導体基体がワイドギャップ半導体であることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。

【請求項14】
半導体基体、該半導体基体に直接又はセラミック基板を介して接合層によって接合された金属基板を備え、前記接合層の構造が請求項4~11の何れかに記載の接合方法によって形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【請求項15】
前記半導体基体がワイドギャップ半導体であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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