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糖タンパク質の糖鎖を遊離させる活性を有する酵素およびその製造方法、該酵素を用いる糖鎖の遊離方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P170013690
整理番号 (2012-033,S2013-0214-N0)
掲載日 2017年2月2日
出願番号 特願2014-548618
出願日 平成25年11月21日(2013.11.21)
国際出願番号 JP2013081422
国際公開番号 WO2014080991
国際出願日 平成25年11月21日(2013.11.21)
国際公開日 平成26年5月30日(2014.5.30)
優先権データ
  • 特願2012-255631 (2012.11.21) JP
  • 特願2013-108153 (2013.5.22) JP
発明者
  • 伊藤 和央
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 糖タンパク質の糖鎖を遊離させる活性を有する酵素およびその製造方法、該酵素を用いる糖鎖の遊離方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 コンプレックス型糖鎖に作用し、糖タンパク質そのものから糖鎖を直接遊離させる活性を有する酵素を提供することを課題とする。
ラクトバシラス属およびプレボテラ属から選択される微生物に由来するか、または配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9もしくは配列番号11のアミノ酸配列またはこれらの配列のいずれか一つと少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、糖タンパク質の糖鎖を遊離させる活性を有する酵素により上記課題を解決する。
従来技術、競合技術の概要


糖鎖は、タンパク質、デオキシリボ核酸(DNA)に次ぐ第3のバイオポリマーと呼ばれる生体情報分子である。ヒトにおいて、糖鎖はブドウ糖などの約10種類の単糖から構成される樹状分子であり、そのほとんどがタンパク質に結合した糖タンパク質および脂質に結合した糖脂質として存在する。糖鎖は、分泌タンパク質として体液中に存在するか、または膜タンパク質もしくは糖脂質として細胞表面を覆っていることが多い。



最近の研究により、より多様な糖鎖の機能が明らかにされている。具体的には、糖鎖は、がん(転移、腫瘍マーカーなど)、免疫(免疫受容体調節、免疫細胞分化、抗体医薬など)、受精、発生・分化(再生医療など)、感染症(インフルエンザ、ピロリ菌、コレラ毒素など)などにおいて、重要な役割を果たすことが明らかとなっている。現在、糖鎖の構造および機能解析をすることにより、がんまたは免疫疾患の診断、予防または治療方法の開発、ドラッグデリバリーシステムの構築など、様々な分野への応用が期待されている。



糖タンパク質に結合した糖鎖の構造および機能解析のためには、糖鎖を遊離することが必要である。
特許文献1は、糖鎖のアルデヒド基と特異的に結合するヒドラジド基を有する物質を用いて、糖タンパク質から糖鎖を遊離する方法を開示する。しかしながら、この方法では、タンパク質部分が分解されてしまう。また、遊離した糖鎖の構造が部分的に変化してしまう。



糖鎖部分およびタンパク質部分のいずれも変化を受けずに糖タンパク質から糖鎖を遊離させる方法として、酵素を用いる方法も知られている。
具体的には、アスパラギン結合型糖鎖を遊離する酵素で、世界的に利用されているエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(以下、単に「エンド」ともいう)として、ストレプトミセス・プリカツス(Streptomyces plicatus)由来のエンドHが挙げられる。しかし、エンドHは、酵母および糸状菌の糖タンパク質の糖鎖に特徴的なハイマンノース型およびハイブリッド型のアスパラギン結合型糖鎖に作用するが、ヒトなどの高等動物の糖タンパク質に特徴的なコンプレックス型糖鎖に作用しない。



最近市販されるようになったムコア・ヒエマリス(Mucor hiemalis)由来のエンドMは、エンドHと同様に、ハイマンノース型およびハイブリッド型糖鎖によく作用する。エンドMは、2本鎖コンプレックス型糖鎖に作用するその性質により、配糖体合成に利用されている。しかし、その作用は、ハイマンノース型に対する作用に比べて低い。また、糖鎖部分とジアセチルキトビオース部分との間にフコースを含む糖タンパク質の糖鎖および3~5本鎖分岐のコンプレックス型糖鎖には作用しにくい。さらに、糖鎖を遊離するためには、タンパク質部分を消化し、糖ペプチドまたは糖アスパラギンとすることが必要である。よって、このエンドMを用いても、糖タンパク質そのものから糖鎖を直接遊離することは難しい。

産業上の利用分野


本願は、日本国特許出願2012-255631号(出願日:2012年11月21日)および日本国特許出願2013-108153号(出願日:2013年5月22日)に基づく優先権を主張する。これらの日本国特許出願は、それらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。



本発明は、糖タンパク質の糖鎖を遊離させる活性を有する酵素およびその製造方法、該酵素を用いる糖鎖の遊離方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ラクトバシラス属およびプレボテラ属から選択される微生物に由来するか、または配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9もしくは配列番号11のアミノ酸配列またはこれらの配列のいずれか一つと少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、糖タンパク質の糖鎖を遊離させる活性を有する酵素。

【請求項2】
前記微生物が、ラクトバシラス・ファーメンタム、プレボテラ・ビビアおよびプレボテラ・メラニノゲニカから選択され、かつ、糖タンパク質の糖鎖を遊離させる活性を有する請求項1に記載の酵素。

【請求項3】
前記酵素が、膜貫通領域を除去されている請求項1に記載の酵素。

【請求項4】
前記糖タンパク質が、脊椎動物を含む動物に由来する糖タンパク質である請求項1に記載の酵素。

【請求項5】
前記糖鎖が、前記糖タンパク質のタンパク質部分のアスパラギンのアミノ基にジアセチルキトビオース部分を介して結合している糖鎖である請求項1に記載の酵素。

【請求項6】
前記糖鎖が、2~5本鎖分岐のコンプレックス型の糖鎖である請求項5に記載の酵素。

【請求項7】
前記糖タンパク質が、糖鎖部分の根元の糖とジアセチルキトビオース部分との間に、フコースを更に含む請求項1に記載の酵素。

【請求項8】
前記糖鎖が、その末端側にシアル酸を含む請求項1に記載の酵素。

【請求項9】
請求項1に記載の酵素をコードする遺伝子を含む組換えベクター。

【請求項10】
前記遺伝子が、膜貫通領域をコードする領域を除去されている請求項9に記載の組換えベクター。

【請求項11】
請求項9に記載の組換えベクターにより形質転換された宿主細胞。

【請求項12】
請求項11に記載の細胞を培養することにより、培養物を得る工程と、
得られた培養物を精製することにより、請求項1に記載の酵素を得る工程と
を含む酵素の製造方法。

【請求項13】
請求項1に記載の酵素と、糖タンパク質を含む試料とを接触させることにより、前記糖タンパク質の糖鎖を遊離させる糖鎖の遊離方法。

【請求項14】
請求項11に記載の宿主細胞を含む培養物。

【請求項15】
請求項14に記載の培養物の処理物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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