TOP > 国内特許検索 > RNA干渉剤、その製造方法及びその利用

RNA干渉剤、その製造方法及びその利用 NEW コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P170013692
整理番号 (GI-H23-45)
掲載日 2017年2月2日
出願番号 特願2014-549919
出願日 平成25年11月29日(2013.11.29)
国際出願番号 JP2013082179
国際公開番号 WO2014084354
国際出願日 平成25年11月29日(2013.11.29)
国際公開日 平成26年6月5日(2014.6.5)
優先権データ
  • 特願2012-261730 (2012.11.29) JP
発明者
  • 北出 幸夫
  • 中島 礼美
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 RNA干渉剤、その製造方法及びその利用 NEW コモンズ 新技術説明会
発明の概要 簡易な構成でオフ・ターゲット効果の抑制効果が得られるRNA干渉剤を提供する。このため、本開示は、3’末端にPAZドメイン低親和性ユニットを1又は2以上を備える、一本鎖オリゴヌクレオチドをパッセンジャー鎖として備えるRNA干渉剤とする。
従来技術、競合技術の概要


RNAiは、配列特異的にmRNAの分解を生じさせ、ターゲットとなる遺伝子の発現を抑制することができる。RNAiを引き起こすsiRNAやmiRNAは、技術としての簡便性及びその高い遺伝子抑制効果の観点から、遺伝子の機能解析や臨床応用が期待されている。



RNAi経路では、通常、細胞内で二本鎖siRNA又はmiRNAがRISCと呼ばれるタンパク質複合体に取り込まれ、一本鎖に解離する。そのままRISC中に残されて遺伝子発現に関与する鎖をガイド鎖(アンチセンス鎖)といい、他方、RISCから放出される他方の鎖をパッセンジャー鎖(センス鎖)という。siRNAの場合には、ガイド鎖が正しくRISCに取り込まれると、ガイド鎖を含むRISC複合体は、ガイド鎖と相補的な配列を有するターゲットmRNAを認識し、ago2のスライサー活性によって標的mRNAを切断する。また、miRNAの場合には、標的mRNAを認識し、翻訳過程を抑制する。こうした結果、ターゲット遺伝子の発現が抑制されると考えられている。



RISCがこれら二本鎖のうちどのような機構で一方の鎖をガイド鎖として認識するかについては、二本鎖両末端の熱力学的安定性に起因すると推測されている。



ここで、パッセンジャー鎖があたかもガイド鎖のように取り込まれうる場合もある。こうした場合には、いわゆるオフ・ターゲット効果が生じてしまう。オフ・ターゲット効果とは、ターゲット遺伝子以外の本来意図していない他の遺伝子を抑制してしまう現象をいう。RNAiにおいては、パッセンジャー鎖がRISCに取り込まれることで、パッセンジャー鎖の有する塩基配列(ガイド鎖と相補的である)が本来のターゲット遺伝子でない他の遺伝子のmRNAに対して作用して、その発現を抑制してしまうことが生じうる。



こうしたオフ・ターゲット効果を抑制するための試みとして、パッセンジャー鎖に修飾ヌクレオチドを導入することが開示されている(特許文献1)。また、パッセンジャー鎖に不連続部位を設けることが開示されている(特許文献2)。さらに、センス鎖(パッセンジャー鎖)の一又は両方の末端のヌクレオチドの2’位の水酸基にメチル基等で修飾することで、アンチセンス鎖(ガイド鎖)の取り込をRISCへの取り込みを促進することなどが開示されている(特許文献3)。



また、RISCのPAZ(Piwi/Argonaute/Zwille)ドメインは、普遍的に疎水性ポケットを有することがわかっており、この疎水性ポケットにガイド鎖の3’-末端が相互作用することでガイド鎖-RISC複合体が形成されることがわかっている(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本明細書は、RNA干渉(以下、単に、RNAiともいう。)剤、その製造方法及びその利用等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
3’末端にPAZドメイン低親和性ユニットを1又は2以上を備える、一本鎖オリゴヌクレオチド。

【請求項2】
前記PAZドメイン低親和性ユニットは、以下の式(1)で表される、請求項1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【化16】


(ただし、Xは、酸性基又は塩基性基又はこれらを有する連結基であり、Yは、炭素数が2以上の基を表し、nは1又は2以上の整数を表す。)

【請求項3】
Yは炭素数が2の基を表す、請求項2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。

【請求項4】
前記式(1)は、以下の式で表される、請求項2又は3に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【化17】



【請求項5】
前記PAZドメイン低親和性ユニットを2個備える、請求項1~4のいずれかに記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。

【請求項6】
標的遺伝子の所定の塩基配列に対するアンチセンス部位を有するガイド鎖オリゴヌクレオチドと、
請求項1~5のいずれかに記載の一本鎖オリゴヌクレオチドであって前記アンチセンス部位に特異的にハイブリダイズするパッセンジャー鎖オリゴヌクレオチドと、
を備える、RNA干渉剤。

【請求項7】
前記ガイド鎖オリゴヌクレオチドの3’末端には、PAZドメイン高親和性ユニットを備える、請求項6に記載のRNA干渉剤。

【請求項8】
前記PAZドメイン高親和性ユニットは、以下の式で表される、請求項7に記載のRNA干渉剤。
【化18】


[式中、Aは独立して以下のいずれかの式を表し、mは1又は2以上の整数を表す。]
【化19】



【請求項9】
RNA干渉剤の製造方法であって、
3’末端にPAZドメイン低親和性ユニットを1又は2以上を備える、一本鎖オリゴヌクレオチドであるパッセンジャー鎖とガイド鎖とを準備し、ハイブリダイゼーションにより二重鎖RNAを形成する工程、
を備える、製造方法。

【請求項10】
以下の式で表される、オリゴヌクレオチド合成試薬。
【化20】


(式中、Yは、炭素数が1以上4以下のアルキレン基を表し、W1は、水素原子又はヒドロキシル保護基を表し、W2は、水素原子、ホスホルアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。)

【請求項11】
遺伝子の機能の評価方法であって、
前記遺伝子を標的遺伝子として、請求項6~8のいずれかに記載のRNA干渉剤を準備する工程と、
前記遺伝子を保持する細胞に前記RNA干渉剤を導入して、前記細胞における変化を評価する工程、
を備える、評価方法。

【請求項12】
RNA干渉剤のスクリーニング方法であって、
標的遺伝子の1又は2以上の異なる所定の塩基配列に対するアンチセンス部位候補をそれぞれ有する1又は2以上の請求項6~8のいずれかに記載のRNA干渉剤を準備する工程と、
前記1又は2以上のRNA干渉剤を前記標的遺伝子を保持する細胞に導入して前記細胞における前記標的遺伝子の発現状態を評価する工程と、
を備える、スクリーニング方法。

【請求項13】
RNA干渉剤のスクリーニング方法であって、
標的遺伝子の所定の塩基配列に対するアンチセンス部位を有するガイド鎖と、3’末端に1又は2以上のPAZドメイン低親和性ユニット候補を有するパッセンジャー鎖と、を有する1又は2以上のRNA干渉剤を準備する工程と、
前記1又は2以上のRNA干渉剤を前記標的遺伝子を保持する細胞に導入して前記細胞における変化を評価する工程と、
を備える、スクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2014549919thum.jpg
出願権利状態 公開
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close