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抗微生物活性を有するコラーゲン様ペプチド及びその組成物

国内特許コード P170013718
整理番号 S2015-1676-N0/1687
掲載日 2017年2月16日
出願番号 特願2015-130295
公開番号 特開2017-014126
出願日 平成27年6月29日(2015.6.29)
公開日 平成29年1月19日(2017.1.19)
発明者
  • 小出 隆規
  • 増田 亮
  • 工藤 正和
  • 太宰 結
  • 美間 健彦
出願人
  • 学校法人早稲田大学
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 抗微生物活性を有するコラーゲン様ペプチド及びその組成物
発明の概要 【課題】 体内で分解を容易に受けることなく、強い抗微生物活性を有するコラーゲン様ペプチドを提供する。
【解決手段】 塩基性と三重らせん構造をもち、塩基性残基と疎水性残基の種類を変えたペプチドをスクリーニングしたところ、細菌に対する抗微生物活性をもつペプチドとして、R3Css-Fを得た。そこで、R3Css-Fをリード化合物として、各種コラーゲン様ペプチドを作製し、抗微生物活性に必要なコラーゲン様ペプチドの構造を明らかにすることにより、体内で分解を容易に受けることなく、強い抗微生物活性を有するコラーゲン様ペプチドを提供できる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


多種の基本骨格及び作用機序を有する抗微生物活性を有する化合物が既に医療に提供されている。しかし、これらの化合物の長年の使用から、現在、多剤耐性菌が認められている。多剤耐性菌は様々な作用機序によってはたらく種々の抗生物質に対して耐性を持つことから、既存の抗生物質による治療が困難であり、医療の現場で問題視されている。そこで現在、多剤耐性菌に対する新薬として抗微生物活性を有するペプチドの利用が期待されている。抗微生物ペプチドの多くは、既存の低分子量の抗微生物化合物とは異なった作用機序を持つと考えられ、多剤耐性菌に抗微生物活性を示す可能性を秘めている。既存の抗微生物化合物が核酸合成阻害、細胞壁合成阻害などの方法によって抗微生物活性を示すのに対し、抗微生物ペプチドは細菌膜破壊や細菌の分裂阻害によって抗微生物活性を示すと考えられている。



一方、天然のコラーゲンの特徴的な構造と特性を有する人工的なコラーゲン様ペプチドが、製造され、種々の分野でその応用が検討されている(特許文献1~3)。そして、膜破壊作用に基づく抗微生物活性が期待されるコラーゲン様ペプチドが提案されている(特許文献1)。



また、一般に、ペプチドを体内に投与した場合、体内のプロテアーゼにより容易に加水分解され、体内で生理活性を発揮することはできなかった。本発明者は、剛直な三重らせん構造を形成するコラーゲン様ペプチドを静注すると、血中でプロテアーゼに分解されることなく未変化体として定量的に尿中に排泄されることを見出した(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、抗微生物活性を有するコラーゲン様ペプチド及びその組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
三重らせん構造を有する3本鎖ペプチドであって、
該3本鎖ペプチドは、15~30個の任意のアミノ酸残基からなる同一のアミノ酸配列を有するペプチド鎖の3本から形成され、
各ペプチド鎖は、-(Xaa-Yaa-Gly)-を基本単位として少なくとも5回の連続した繰り返し構造を有するペプチド基を含み、
Xaa及びYaaは、それぞれ独立して、プロリン(Pro又はP)残基、ヒドロキシプロリン(Hyp又はO)残基、アルギニン(Arg又はR)残基、リシン(Lys又はK)残基、バリン(Val又はV)残基、ロイシン(Leu又はL)残基、イソロイシン(Ile又はI)残基、セリン(Ser又はS)残基、トレオニン(Thr又はT)残基、アラニン(Ala又はA)残基、グリシン(Gly又はG)残基、フェニルアラニン(Phe又はF)残基、メチオニン(Met又はM)残基、グルタミン酸(Glu又はE)残基、アスパラギン酸(Asp又はD)残基、アスパラギン(Asn又はN)残基、グルタミン(Gln又はQ)残基、ヒスチジン(His又はH)残基、トリプトファン(Trp又はW)残基又はチロシン(Tyr又はY)残基から選択され、プロリン残基はアミノ基又はフッ素原子で修飾されていてもよく、Xaa位及びYaa位にはN-イソブチル基グリシン残基を用いてもよく、
前記ペプチド鎖のカルボキシ末端は、アミド化されていてもよく、
前記ペプチド鎖は、アミノ末端から、
(i) Xaa若しくはYaaがアルギニン(Arg)残基である-(Xaa-Yaa-Gly)-が連続して3回以上繰り返す繰り返し構造を有する、又は
(ii) -(Arg-Arg-Gly)-が連続して2回以上繰り返す繰り返し構造を有する
ことを特徴とする、3本鎖ペプチド。

【請求項2】
請求項1に記載の3本鎖ペプチドであって、
前記ペプチド鎖は、カルボキシ末端から1~10個のアミノ酸残基に、少なくとも2個のシステイン残基を含むペプチド基を含み、該システイン残基によるジスルフィド結合により、三重らせん構造を形成する他のペプチド鎖と酸化架橋されてなることを特徴とする、3本鎖ペプチド。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の3本鎖ペプチドであって、
抗微生物活性を有することを特徴とする、3本鎖ペプチド。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の3本鎖ペプチドであって、
下記式(1)~(10)で表されることを特徴とする、3本鎖ペプチド。
【化1】



【化2】



【化3】



【化4】



【化5】



【化6】



【化7】



【化8】



【化9】



【化10】



[式(1)~(10)において、各式に記載のアミノ酸配列を有するペプチド基のカルボキシ末端がアミド化されたペプチド鎖の3本が、らせん構造を有する3本鎖を形成し、さらに、各ペプチド鎖に含まれるCys残基が他のペプチド鎖のCys残基とジスルフィド結合で架橋されていることを表す。]


【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の3本鎖ペプチド又はその塩を、有効成分として含有することを特徴とする、組成物。


【請求項6】
請求項5に記載の組成物であって、
前記組成物は、抗微生物用であることを特徴とする、組成物。


【請求項7】
請求項6に記載の組成物であって、
前記組成物は、感染症の予防又は治療のための医薬組成物であることを特徴とする、組成物。


【請求項8】
請求項5~7に記載の組成物であって、
前記組成物は、多剤耐性菌に対する抗微生物用であることを特徴とする、組成物。


【請求項9】
ペプチド鎖であって、
任意のアミノ酸残基からなり、-(Xaa-Yaa-Gly)-を基本単位として5~10回の連続した繰り返し構造を有するペプチド基を含むペプチド鎖であり、
該ペプチド鎖は、-(Xaa-Yaa-Gly)-を基本単位として少なくとも5回の連続した繰り返し構造を有するペプチド基を含み、
Xaa及びYaaは、それぞれ独立して、プロリン(Pro又はP)残基、ヒドロキシプロリン(Hyp又はO)残基、アルギニン(Arg又はR)残基、リシン(Lys又はK)残基、バリン(Val又はV)残基、ロイシン(Leu又はL)残基、イソロイシン(Ile又はI)残基、セリン(Ser又はS)残基、トレオニン(Thr又はT)残基、アラニン(Ala又はA)残基、グリシン(Gly又はG)残基、フェニルアラニン(Phe又はF)残基、メチオニン(Met又はM)残基、グルタミン酸(Glu又はE)残基、アスパラギン酸(Asp又はD)残基、アスパラギン(Asn又はN)残基、グルタミン(Gln又はQ)残基、ヒスチジン(His又はH)残基、トリプトファン(Trp又はW)残基又はチロシン(Tyr又はY)残基から選択され、プロリン残基はアミノ基又はフッ素原子で修飾されていてもよく、Xaa位及びYaa位にはN-イソブチル基グリシン残基を用いてもよく、
前記ペプチド鎖のカルボキシ末端は、アミド化されていてもよく、
前記ペプチド鎖は、アミノ末端から、
(i) Xaa若しくはYaaがアルギニン(Arg)残基である-(Xaa-Yaa-Gly)-が連続して3回以上繰り返す繰り返し構造を有する、又は
(ii) -(Arg-Arg-Gly)-が連続して2回以上の繰り返し構造を有する
ことを特徴とする、ペプチド鎖。


【請求項10】
請求項9に記載のペプチド鎖であって、
前記ペプチド鎖は、カルボキシ末端から1~10個のアミノ酸残基に、少なくとも2個のシステイン残基を含むペプチド基を含むことを特徴とする、ペプチド鎖。


【請求項11】
請求項9又は10に記載のペプチド鎖であって、
前記ペプチド鎖は、アミノ酸配列が配列番号3~11又は19で表されることを特徴とする、請求項9又は10に記載のペプチド鎖。


【請求項12】
請求項1に記載の3本鎖ペプチドの製造方法であって、
15~30個の任意のアミノ酸残基からなる同一のアミノ酸配列を有するペプチド鎖であり、
各ペプチド鎖は、-(Xaa-Yaa-Gly)-を基本単位として少なくとも5回の連続した繰り返し構造を有するペプチド基を含み、
Xaa及びYaaは、それぞれ独立して、プロリン(Pro又はP)残基、ヒドロキシプロリン(Hyp又はO)残基、アルギニン(Arg又はR)残基、リシン(Lys又はK)残基、バリン(Val又はV)残基、ロイシン(Leu又はL)残基、イソロイシン(Ile又はI)残基、セリン(Ser又はS)残基、トレオニン(Thr又はT)残基、アラニン(Ala又はA)残基、グリシン(Gly又はG)残基、フェニルアラニン(Phe又はF)残基、メチオニン(Met又はM)残基、グルタミン酸(Glu又はE)残基、アスパラギン酸(Asp又はD)残基、アスパラギン(Asn又はN)残基、グルタミン(Gln又はQ)残基、ヒスチジン(His又はH)残基、トリプトファン(Trp又はW)残基又はチロシン(Tyr又はY)残基から選択され、プロリン残基はアミノ基又はフッ素原子で修飾されていてもよく、Xaa位及びYaa位にはN-イソブチル基グリシン残基を用いてもよく、
前記ペプチド鎖のカルボキシ末端は、アミド化されていてもよく、
前記ペプチド鎖は、アミノ末端から、
(i) Xaa若しくはYaaがアルギニン(Arg)残基である-(Xaa-Yaa-Gly)-が連続して3回以上繰り返す繰り返し構造を有する、又は
(ii) -(Arg-Arg-Gly)-が連続して2回以上繰り返す繰り返し構造を有するペプチド鎖を溶媒に溶解し、自己集合させることにより三重らせん構造を形成させる工程を含むことを特徴とする、製造方法。

【請求項13】
請求項12に記載の製造方法であって、
さらに、各ペプチド鎖を相互に酸化架橋する工程を含むことを特徴とする、製造方法。

【請求項14】
請求項12又は13に記載の製造方法で製造されることを特徴とする、3本鎖ペプチド。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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