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ヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物及びその製造方法

国内特許コード P170013727
整理番号 AF12P030
掲載日 2017年3月9日
出願番号 特願2015-532834
出願日 平成26年8月13日(2014.8.13)
国際出願番号 JP2014071379
国際公開番号 WO2015025786
国際出願日 平成26年8月13日(2014.8.13)
国際公開日 平成27年2月26日(2015.2.26)
優先権データ
  • 特願2013-170414 (2013.8.20) JP
発明者
  • 宇田 泰三
  • 一二三 恵美
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物及びその製造方法
発明の概要 本発明のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物は、ヒト抗体κ型軽鎖と、第10族元素、第11族元素、及び第12族元素からなる群より選択される1種以上の金属イオンとが結合した複合体を含み、前記ヒト抗体κ型軽鎖は二量体であって、2つの前記ヒト抗体κ型軽鎖のC末端のシステインが、前記金属イオンを介して結合しており、前記ヒト抗体κ型軽鎖1モル当たり、前記金属イオンが0.1モル以上結合している。
従来技術、競合技術の概要


抗体は、重鎖(H鎖:Heavy chain)及び軽鎖(L鎖:Light chain)から構成されている。重鎖及び軽鎖は、可変領域(VR:Variable Region)及び定常領域(CR:Constant Region)から構成されており、可変領域は、超可変領域(CDR:Complimentarity Determining Region)を有している。さらに、抗体の軽鎖は、κ型及びλ型に分類される。



近年、酵素様活性をもつ抗体、即ち、抗体酵素が注目を集めている。抗体酵素は、抗体の高い分子認識能と酵素活性とを併せ持つため、医療、化学工業、食品工業等といった、多くの面で応用が期待されている。特に、標的分子への特異性が高く、かつ酵素活性によって標的分子に対する障害性を発揮し得る抗体酵素は、副作用の少ない優れた抗がん剤となることが期待される。特にヒト型の抗体酵素は、人体に投与した際の副作用が少ないと予想されるために、国内外の製薬会社などは、有用なヒト型の抗体酵素が開発されることを待ち望んでいる。



本発明者らは、これまで、抗体酵素に関して種々の独創的な研究を行ってきている(例えば、特許文献1を参照のこと)。中でも、特許文献2において、狂犬病ウィルスやインフルエンザウィルス等に対する抗ウィルス活性を有するヒト抗体κ型軽鎖からなる抗体酵素を報告している。

産業上の利用分野


本発明は、活性が高く、安定性に優れたヒト抗体κ型軽鎖を含有する組成物、及びその製造方法に関する。
本願は、2013年8月20日に、日本に出願された特願2013-170414号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒト抗体κ型軽鎖と、第10族元素、第11族元素、及び第12族元素からなる群より選択される1種以上の金属イオンとが結合した複合体を含み、
前記ヒト抗体κ型軽鎖は二量体であって、2つの前記ヒト抗体κ型軽鎖のC末端のシステインが、前記金属イオンを介して結合しており、
前記ヒト抗体κ型軽鎖1モル当たり、前記金属イオンが0.1モル以上結合していることを特徴とする、ヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物。

【請求項2】
前記金属イオンが、銅イオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン、金イオン、銀イオン、及び白金イオンからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物。

【請求項3】
前記ヒト抗体κ型軽鎖が、
(1)可変領域が配列番号1のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(2)可変領域が配列番号3のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(3)可変領域が配列番号5のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(4)可変領域が配列番号7のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(5)可変領域が配列番号9のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(6)可変領域が配列番号11のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(7)可変領域が配列番号13のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(8)可変領域が配列番号15のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(9)可変領域が配列番号17のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(10)可変領域が配列番号19のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(11)可変領域が配列番号21のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(12)可変領域が配列番号23のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(13)可変領域が配列番号25のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(14)可変領域が配列番号27のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(15)配列番号2のアミノ酸配列中の219番目のシステインがアラニンに置換されたアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(16)可変領域が配列番号29のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(17)可変領域が配列番号31のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(18)可変領域が配列番号33のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(19)可変領域が配列番号35のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(20)可変領域が配列番号37のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(21)可変領域が配列番号39のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(22)可変領域が配列番号41のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(23)可変領域が配列番号43のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(24)可変領域が配列番号45のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(25)可変領域が配列番号47のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
(26)可変領域が配列番号49のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、及び
(27)可変領域が配列番号51のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列によって示されるポリペプチド、
からなる群より選択される、請求項1又は2に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物を有効成分とすることを特徴とする、医薬用組成物。

【請求項5】
抗がん剤である、請求項4に記載の医薬用組成物。

【請求項6】
C末端にシステイン残基を有するヒト抗体κ型軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む発現用ベクターを用いて、細胞内又は細胞外発現系によって、前記ヒト抗体κ型軽鎖を発現させる発現工程と、
前記発現工程で得られた発現産物から、前記ヒト抗体κ型軽鎖を精製する精製工程と、を有し、(a)前記発現工程において、第10族元素、第11族元素、及び第12族元素からなる群より選択される1種以上の金属イオンの存在下で前記ヒト抗体κ型軽鎖を発現させる、又は(b)前記発現工程で得られた発現産物に、第10族元素、第11族元素、及び第12族元素からなる群より選択される1種以上の金属イオンを添加し、得られた混合物から、前記ヒト抗体κ型軽鎖を精製することを特徴とする、ヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物の製造方法。

【請求項7】
前記(b)において、前記混合物を30分間~48時間インキュベートした後に、当該混合物からヒト抗体κ型軽鎖を精製する、請求項6に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物の製造方法。

【請求項8】
前記精製工程が、
前記発現工程で得られた発現産物から、第1の充填剤を含むカラムを用いたカラムクロマトグラフィー法により、前記ヒト抗体κ型軽鎖を含む粗精製物を得る第1の精製工程と、
前記第1の精製工程により得られた粗精製物から、第2の充填剤を含むカラムを用いたカラムクロマトグラフィー法により、前記ヒト抗体κ型軽鎖の精製物を得る第2の精製工程と、
からなり、前記金属イオンを、前記第1の精製工程後、前記第2の精製工程前に、前記粗精製物に添加する、請求項6又は7に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物の製造方法。

【請求項9】
前記第2の精製工程前に、前記金属イオンを添加した前記粗精製物を、30分間~48時間インキュベートする、請求項8に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物の製造方法。

【請求項10】
前記金属イオンを、前記発現工程において前記発現系内に添加し、さらに、前記第1の精製工程後前記第2の精製工程前に前記粗精製物に添加する、請求項8又は9に記載のヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物の製造方法。

【請求項11】
ヒト抗体κ型軽鎖を、第10族元素、第11族元素、及び第12族元素からなる群より選択される1種以上の金属イオンを含む溶液中でインキュベートすることにより、2つの前記ヒト抗体κ型軽鎖のC末端のシステイン残基が前記金属イオンを介して結合している複合体を含む組成物を製造することを特徴とする、ヒト抗体κ型軽鎖複合体含有組成物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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