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ノックインマウス

国内特許コード P170013736
整理番号 (S2013-0541-N0)
掲載日 2017年3月14日
出願番号 特願2015-500322
出願日 平成26年2月14日(2014.2.14)
国際出願番号 JP2014053555
国際公開番号 WO2014126225
国際出願日 平成26年2月14日(2014.2.14)
国際公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
優先権データ
  • 特願2013-026838 (2013.2.14) JP
発明者
  • 森 啓
  • 富山 貴美
  • 梅田 知宙
  • 森田 隆
  • 吉田 佳世
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 ノックインマウス
発明の概要 本発明は、生理的な範囲での遺伝子発現のもとで大阪変異型アルツハイマー病を
発症するノックインマウスを提供することを主な課題とする。
前記課題は下記のノックインマウスにより解決される。
下記(a)又は(b)に示される変異アミロイド前駆体タンパク質(変異APP)遺伝子がノックインされており、且つ、当該変異APP遺伝子をホモで有するノックインマウス:
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるマウス型変異アミロイドβタンパク質をコードする変異APP遺伝子、又は
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、N末端から数えて第5番目のグルタミン残基、第10番目のフェニルアラニン残基、及び第13番目のアルギニン残基以外の領域の1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、マウス体内で発現することによりアルツハイマー病を誘発するポリペプチドをコードする変異APP遺伝子。
従来技術、競合技術の概要


従来、アルツハイマー病は、アミロイドβタンパク質が線維化して蓄積し、老人斑を形成することにより発症すると考えられていた。アミロイドβは、695個又は770個のアミノ酸残基からなるアミロイド前駆タンパク質(APP)の一部がセクレターゼにより切り出されて生成される約40アミノ酸残基からなる凝集性の高いペプチドである。しかし、近年では、老人斑の形成がアルツハイマー病の原因ではなく、アミロイドβタンパク質のオリゴマーがアルツハイマーの真の病因であるとする仮説が注目されている(例えば非特許文献1等を参照)。



本発明者らは、アミロイドβタンパク質のオリゴマー形成が促進される変異を有するタイプのアルツハイマー病患者発見し、これを大阪変異と名付けた(例えば非特許文献2を参照)。大阪変異はアミノ酸42残基又は40残基からなるアミロイドβタンパク質の第22番のグルタミン酸残基が欠失される変異であり、この変異によってアミロイドβタンパク質の線維化が起こりにくくなり、オリゴマー形成が促進されると考えられている。



認知症の主な原因とされているアルツハイマー病患者の増加は、近年、大きな社会的関心事となっており、その治療薬や治療方法の早期の確立が望まれている。特定の疾患の治療薬や治療方法の検討には、その疾患のモデル動物を用いて解析が行われるのが一般的である。そこで本発明者らは、大阪変異を有するヒト型変異APP遺伝子を導入して、大阪変異を有するヒト型アミロイドβタンパク質を過剰に発現するトランスジェニックマウスを作製した。しかし、トランスジェニックマウスにより得られる結果は、導入された遺伝子の過剰発現又は外来遺伝子を導入したことにより生じるアーチファクトである可能性を否定できない。更に、ヒト型のAPP遺伝子がマウスに導入されているため、マウスにおいてヒト型のアミロイドβタンパク質が発現し、異種間相互作用を否定できず正確に病態が反映されていない可能性があった。



このような異種間相互作用の問題は、マウスにおいてマウス型変異アミロイドβタンパク質を生成するアルツハイマー病モデルを作製することにより回避することができる。しかし、従来、マウス型のアミロイドβタンパク質はヒト型とは異なる挙動を示すと一般的に考えられていた。アミロイドβタンパク質は、ヒト型とマウス型では3アミノ酸残基の相違があり、このアミノ酸残基の違いによりアミロイドβタンパク質の蓄積が生じにくいとする実験結果が報告されている(例えば非特許文献3を参照)。また、通常はヒトに対する治療薬や治療方法を検討するためにトランスジェニック動物を利用することから、ヒトの遺伝子を導入するのが当然と理解されており、敢えてマウスにマウス型の変異アミロイドβタンパク質をコードする遺伝子を導入してアルツハイマー病モデルを作製することは検討されていなかった。従って、ヒト遺伝子由来のタンパク質を持たないマウス型遺伝情報、又はマウス型異常たんぱく質単独でのアルツハイマー病モデルマウスは報告なされていないのが現状であった。

産業上の利用分野


本発明は、生理的な範囲での遺伝子発現のもとでアルツハイマー病を発症するノックインマウスに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(a)又は(b)に示される変異アミロイド前駆体タンパク質(変異APP)遺伝子がノックインされており、且つ、当該変異APP遺伝子をホモで有するノックインマウス:
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるマウス型変異アミロイドβタンパク質をコードする変異APP遺伝子、又は
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、N末端から数えて第5番目のグリシン残基、第10番目のフェニルアラニン残基、及び第13番目のアルギニン残基以外の領域の1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、マウス体内で発現することによりアルツハイマー病を誘発するポリペプチドをコードする変異APP遺伝子。

【請求項2】
アルツハイマー病の予防及び/又は治療薬のスクリーニング方法であって、
請求項1に記載のノックインマウス又はその生体の一部に被検物質を適用する工程、及び前記ノックインマウス又はその生体の一部におけるアルツハイマー病の症状の改善の有無を調べ、アルツハイマー病の症状を改善した被検物質を選択する工程、を含むスクリーニング方法。

【請求項3】
アルツハイマー病の症状が、アミロイドβタンパク質の蓄積、アミロイドβオリゴマーの形成、タウタンパク質のリン酸化、シナプス消失、グリア細胞の活性化、神経脱落及び学習記憶障害からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のスクリーニング方法。

【請求項4】
アルツハイマー病の予防及び/又は治療薬の薬効評価方法であって、
請求項1に記載のノックインマウス又はその生体の一部に被検物質を適用する工程、及び前記ノックインマウス又はその生体の一部におけるアルツハイマー病の症状の改善効果を調べる工程、を含む薬効評価方法。

【請求項5】
アルツハイマー病の症状が、アミロイドβタンパク質の蓄積、アミロイドβオリゴマーの形成、タウタンパク質のリン酸化、シナプス消失、グリア細胞の活性化、神経脱落及び学習記憶障害からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の薬効評価方法。

【請求項6】
下記(a)又は(b)に示される変異アミロイド前駆体タンパク質(変異APP)遺伝子の、アルツハイマー病のモデル動物の製造のための使用:
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるマウス型変異アミロイドβタンパク質をコードする変異APP遺伝子、又は
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、N末端から数えて第5番目のグリシン残基、第10番目のフェニルアラニン残基、及び第13番目のアルギニン残基以外の領域の1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、マウス体内で発現することによりアルツハイマー病を誘発するポリペプチドをコードする変異APP遺伝子。

【請求項7】
アルツハイマー病の症状が、アミロイドβタンパク質の蓄積、アミロイドβオリゴマーの形成、タウタンパク質のリン酸化、シナプス消失、グリア細胞の活性化、神経脱落及び学習記憶障害からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の使用。

【請求項8】
請求項1に記載のノックインマウス又はその生体の一部の、アルツハイマー病の予防及び/又は治療薬のスクリーニングのための使用。

【請求項9】
アルツハイマー病の症状が、アミロイドβタンパク質の蓄積、アミロイドβオリゴマーの形成、タウタンパク質のリン酸化、シナプス消失、グリア細胞の活性化、神経脱落及び学習記憶障害からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の使用。

【請求項10】
請求項1に記載のノックインマウス又はその生体の一部の、アルツハイマー病の予防及び/又は治療薬の薬効評価のための使用。

【請求項11】
アルツハイマー病の症状が、アミロイドβタンパク質の蓄積、アミロイドβオリゴマーの形成、タウタンパク質のリン酸化、シナプス消失、グリア細胞の活性化、神経脱落及び学習記憶障害からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項10に記載の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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