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成形品の製造方法

国内特許コード P170013743
整理番号 (S2013-0041-N0)
掲載日 2017年3月14日
出願番号 特願2014-540883
出願日 平成25年10月10日(2013.10.10)
国際出願番号 JP2013077554
国際公開番号 WO2014058003
国際出願日 平成25年10月10日(2013.10.10)
国際公開日 平成26年4月17日(2014.4.17)
優先権データ
  • 特願2012-226349 (2012.10.11) JP
発明者
  • 田嶋 邦彦
  • 富田 直秀
  • 植月 啓太
  • 川崎 亮
  • 岩出 尚
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 成形品の製造方法
発明の概要 超高分子量ポリエチレンとビタミンEを含有する成形品に、0℃以下の温度で放射線を照射して超高分子量ポリエチレンを架橋させることによって、照射直後の成形品に含まれるビタミンEラジカルを減少させることができるので、その後にそれが分子内で転位することによって発生するトコフェロールキノンの生成を抑制することができ、成形品の生体に対する安全性を向上させることができる。また、放射線を照射した後に、0℃以下の温度で1日以上保存することによって、放射線照射で発生したビタミンEラジカルやアルキルラジカルの減少速度を小さくすることができる。このようにして得られた成形品は、耐酸化性に優れ、かつ生体に対する安全性にも優れているので、医療用インプラントとして好適に用いられる。
従来技術、競合技術の概要


近年、関節リウマチや変形性関節症などの疾患により損傷した関節を、人工関節により置換する治療が広く行われている。そのような人工関節の摺動部材として主に用いられている材料が、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であり、金属材料と組み合わせて用いられている。超高分子量ポリエチレンからなる摺動部材は、耐摩耗性、耐衝撃性、自己潤滑性及び耐薬品性に優れているが、その耐久性については未だ不十分な面があり、改善が求められている。



特に、長期間にわたって使用する際の耐摩耗性は重要である。関節内に超高分子量ポリエチレン製の摺動部材を埋め込んだ場合、長期間の使用によって、摩耗粉が発生することが避けられない。ところがこの摩耗粉は、生体内でマクロファージに貪食されて、炎症性のサイトカインの産出を引き起こすとされている。そして、そのようなサイトカインによって活性化された破骨細胞が骨吸収を促進させる結果、インプラントが緩むという問題が生じている。



特許文献1及び2、並びに非特許文献1及び2には、超高分子量ポリエチレンとビタミンEを含む人工関節用摺動部材が記載されている。超高分子量ポリエチレンにビタミンEを配合することにより、成形品の耐酸化性が改善されるとともに耐摩耗性も改善され、結果として成形品の生体反応性が抑制される。このとき、ポリエチレン結晶の粒界にビタミンEが存在することによって成形性が改善され、デラミネーション破壊が抑制できるとされている。そして、これらの文献には、ビタミンEが配合された超高分子量ポリエチレンに対して、ガンマ線や電子線などの放射線を照射することにより、ポリエチレンを架橋させたり、滅菌処理を施したりすることが記載されている。ポリエチレンを架橋させることによって、硬度が上昇し、クリープ量が低減するなど、成形品の力学特性が改善される。そして、耐摩耗性がさらに改善され、長期間の耐久性に優れた人工関節用摺動部材が得られるとされている。



しかしながら、ビタミンEを含む成形品に放射線を照射すると、ビタミンEの水酸基の水素ラジカルが引き抜かれ、ビタミンEラジカル(トコフェロール又はその誘導体のラジカル)が発生することが避けられない。そして、ビタミンEラジカルは、その後の反応によって、二量体、三量体あるいはキノン体などに変化することが知られている。このようにして生成する副生物は、ビタミンEが本来有する効果を奏さないため、その添加効果である抗酸化作用や生体反応性抑制効果が低減してしまう。さらに、放射線のエネルギーがビタミンEのラジカル化に消費されたり、ポリエチレン鎖に生じたラジカルがビタミンEラジカルと反応して消費されることによって、ポリエチレン鎖同士の架橋反応が進行しにくくなるという問題もあった。現在、γ-トコフェロールのキノン体は生体毒性を有することが知られており、それが成形品に含まれることは望ましくない。また、α-トコフェロールキノンやそのヒドロキノン体についても、その関節内における生理作用は未だ不明であり、安全性に不安が残っている状況にある。このようなトコフェロールキノンは、ビタミンEラジカルが分子内で転位して生成するものである。



一方、特許文献3には、予め架橋された超高分子量ポリエチレンの成形品に対して、ビタミンEを拡散させる方法が記載されている。しかしながら、滅菌などの目的で放射線を照射する場合にも、ビタミンEラジカルが発生し、その後の反応によって、二量体、三量体あるいはキノン体などに変化する。

産業上の利用分野


本発明は、超高分子量ポリエチレンとビタミンEを含有する成形品の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
超高分子量ポリエチレンとビタミンEを含有する成形品に、0℃以下の温度で放射線を照射することを特徴とする成形品の製造方法。

【請求項2】
ドライアイスを用いて冷却しながら放射線を照射する請求項1に記載の成形品の製造方法。

【請求項3】
放射線を照射した後に、0℃以下の温度で1日以上保存する請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。

【請求項4】
超高分子量ポリエチレンとビタミンEを含有する成形品に、放射線を照射した後に、0℃以下の温度で1日以上保存する成形品の製造方法。

【請求項5】
超高分子量ポリエチレンを97~99.99質量%、及びビタミンEを0.01~3質量%含有する成形品に放射線を照射する請求項1~4のいずれかに記載の成形品の製造方法。

【請求項6】
照射する放射線が電子線である請求項1~5のいずれかに記載の成形品の製造方法。

【請求項7】
放射線の照射量が2~1000kGyである請求項1~6のいずれかに記載の成形品の製造方法。

【請求項8】
前記成形品が医療用インプラントである請求項1~7のいずれかに記載の成形品の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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