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非相反伝送線路装置

国内特許コード P170013752
掲載日 2017年3月15日
出願番号 特願2015-504253
出願日 平成26年2月25日(2014.2.25)
国際出願番号 JP2014054552
国際公開番号 WO2014136621
国際出願日 平成26年2月25日(2014.2.25)
国際公開日 平成26年9月12日(2014.9.12)
優先権データ
  • 特願2013-042156 (2013.3.4) JP
発明者
  • 上田 哲也
  • アンドレイ・ポロフニュク
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 非相反伝送線路装置
発明の概要 順方向で伝搬する第1のモードの位相定数をβとし、逆方向で伝搬する第2のモードの位相定数をβとしたとき、各スタブ導体(13A,13B)の各電気長La及びLbは、位相定数βと動作角周波数との関係を示す分散曲線と、位相定数βと動作角周波数との関係を示す分散曲線との交点の近傍において、動作角周波数に対する非相反移相量βNR=(β-β)/2の関数が、非相反伝送線路装置(70F)から放射される電磁波の放射方向が周波数に応じて変化する現象であるビームスクイントが発生しないときの、動作角周波数に対する非相反移相量βNRの関数に近接するように設定される。
従来技術、競合技術の概要


メタマテリアルの一つとして右手/左手系複合伝送線路(以下、CRLH(Composite Right/Left-Handed)伝送線路という。)が知られている。CRLH伝送線路は、所定の周波数帯域で負の実効透磁率及び負の実効誘電率を有するように、波長に比べて十分に小さい間隔で、線路の直列枝に容量素子を実質的に周期的に挿入し、シャント枝に誘導性素子を実質的に周期的に挿入して構成される。最近、CRLH伝送線路に対して非可逆伝送の機能を付加した非可逆(非相反ともいう。)移相CRLH伝送線路が提案されている(例えば、特許文献1~3参照。)。非可逆移相CRLH伝送線路は、同一の周波数を有する電磁波が順方向に伝搬するときは正の屈折率を示し、逆方向に伝搬するときは負の屈折率を示すことができる。



非可逆移相CRLH伝送線路を用いて伝送線路共振器を構成すると、共振周波数を変えることなく共振器サイズを自由に変えることができる。さらに、共振器上の電磁界分布は、進行波共振器の電磁界分布と同様である。このため、非可逆移相CRLH伝送線路を用いた伝送線路共振器を用いて、電磁界の振幅が一様でありかつ電磁界の位相が線路に沿って一定の勾配で直線的に変化する擬似進行波共振器を構成することができる。このとき、共振器上の電磁界分布の位相勾配は、共振器を構成する伝送線路の非可逆移相特性によって決まる。以下、非可逆移相CRLH伝送線路を用いた伝送線路装置を、非可逆伝送線路装置又は非相反伝送線路装置という。



メタマテリアルはここ十数年、アンテナへの応用の分野で大変興味深い重要なテーマとなっている。これまでにも、非相反CRLHメタマテリアルが、CRLH伝送線路を用いた指向性漏れ波アンテナへの応用を目的として提案されている。また、最近は、0次共振器から大きく発展した擬似進行波共振器に基づくアンテナ(例えば、非特許文献1参照。)が提案され、従来の漏れ波アンテナに比べて、コンパクトであるにもかかわらず利得と指向性を増加させている。



これまでに提案されている非相反伝送線路装置の多くは、従来のマイクロストリップ線路からなる右手/左手系複合伝送線路装置の中央のストリップ線路下に、垂直に磁化されたフェライトロッドを埋め込んだ構造を採用している。このとき、非相反伝送線路装置からなる擬似進行波共振器を備えたアンテナ装置からの放射ビーム方向は、共振器上の電磁界分布の位相勾配によってきまる。また、フェライトが軟磁性体であれば、外部印加磁界の大きさあるいは向きを変えることにより、線路の非可逆移相特性が変化し、その結果ビーム走査をすることができる。



例えば、非特許文献1において、非相反伝送線路装置を備えた擬似進行波共振器をビーム走査アンテナに応用することが提案されている。擬似進行波共振器を備えたビーム走査アンテナは、動作帯域が狭いという欠点を有するものの、従来の漏れ波アンテナに比べて非常に高い放射効率を有する。さらに、伝搬信号の周波数変化に伴って放射ビーム方向が変化する現象であるビームスクイントが発生するという問題も大幅に軽減される。



ビームスクイントは、従来のフェーズドアレイアンテナにおいては良く知られた現象であり、ビームの放射角が周波数により変動する現象のことである。これによって動作帯域幅が抑制されてしまう(例えば、非特許文献6参照。)。通常のアレーアンテナでは、ビームスクイントの主な原因は、遅延素子の分散性にあり、これを解消する方法の一つとしては、非特許文献8記載のアクティブなCRLH遅延素子のように、チューナブルな時間遅延素子を用いることが挙げられる。CRLHメタマテリアルの場合、このような補償回路は意味を成さず、ビームスクイントを低減することは、直列枝の直列共振周波数とシャント枝の並列共振周波数の双方の上側帯域においてのみ可能であった(例えば、非特許文献7参照。)。

産業上の利用分野


本発明は、順方向の伝搬定数と逆方向の伝搬定数とが互いに異なる非相反伝送線路装置及び当該非相反伝送線路装置を備えたアンテナ装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
マイクロ波の伝送線路部分と、容量性素子を等価的に含む直列枝の回路と、上記伝送線路部分からそれぞれ分岐して設けられかつ誘導性素子を等価的に含む第1及び第2の並列枝の回路とを有する少なくとも1つの単位セルを、第1と第2のポートの間で縦続接続して構成され、順方向の伝搬定数と逆方向の伝搬定数とが互いに異なる非相反伝送線路装置において、
上記各単位セルの伝送線路部分は、上記マイクロ波の伝搬方向に対して異なる方向に磁化されてジャイロ異方性を有するように自発磁化を有するか又は外部磁界により磁化され、
上記第1の並列枝の回路は、第1の電気長を有する第1のスタブ導体であり、
上記第2の並列枝の回路は、第1の電気長より短い第2の電気長を有する第2のスタブ導体であり、
上記順方向で伝搬する第1のモードの位相定数をβとし、上記逆方向で伝搬する第2のモードの位相定数をβとしたとき、上記第1の電気長及び上記第2の電気長は、位相定数βと動作角周波数との関係を示す分散曲線と、位相定数βと動作角周波数との関係を示す分散曲線との交点の近傍において、動作角周波数に対する非相反移相量βNR=(β-β)/2の関数が、上記非相反伝送線路装置から放射される電磁波の放射方向が周波数に応じて変化する現象であるビームスクイントが発生しないときの、動作角周波数に対する非相反移相量βNRZの関数に近接するように設定されたことを特徴とする非相反伝送線路装置。

【請求項2】
上記関数は、動作角周波数に比例する関数であることを特徴とする請求項1記載の非相反伝送線路装置。

【請求項3】
上記第1のスタブ導体は第1のアドミタンスを有し、
上記第2のスタブ導体は第2のアドミタンスを有し、
上記第1及び第2の電気長は、
(a)上記交点における動作角周波数より低い所定の動作角周波数において、上記第1のアドミタンスが上記第2のアドミタンスに実質的に一致し、かつ
(b)上記所定の動作角周波数において、上記第1及び第2のアドミタンスの各虚部が負であることを特徴とする請求項2記載の非相反伝送線路装置。

【請求項4】
上記第1のスタブ導体は短絡スタブでありかつ上記第1の電気長は管内波長の1/2より長いように設定され、
上記第2のスタブ導体は短絡スタブでありかつ上記第2の電気長は上記管内波長の1/4より短いように設定されたことを特徴とする請求項3記載の非相反伝送線路装置。

【請求項5】
上記第1のスタブ導体は開放スタブでありかつ上記第1の電気長は管内波長の1/4より長いように設定され、
上記第2のスタブ導体は短絡スタブでありかつ上記第2の電気長は上記管内波長の1/4より短いように設定されたことを特徴とする請求項3記載の非相反伝送線路装置。

【請求項6】
上記各第1のスタブ導体の間に設けられ、上記各第1のスタブ導体間を遮蔽する接地導体をさらに備えたことを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか1つに記載の非相反伝送線路装置。

【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載の非相反伝送線路装置を備えたことを特徴とするアンテナ装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015504253thum.jpg
出願権利状態 公開
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