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2次元フォトニック結晶面発光レーザ

国内特許コード P170013753
掲載日 2017年3月15日
出願番号 特願2015-504246
登録番号 特許第6080941号
出願日 平成26年2月25日(2014.2.25)
登録日 平成29年1月27日(2017.1.27)
国際出願番号 JP2014054429
国際公開番号 WO2014136607
国際出願日 平成26年2月25日(2014.2.25)
国際公開日 平成26年9月12日(2014.9.12)
優先権データ
  • 特願2013-046564 (2013.3.8) JP
発明者
  • 野田 進
  • 沖野 剛士
  • 北村 恭子
  • 田中 良典
  • 梁 永
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 2次元フォトニック結晶面発光レーザ
発明の概要 本発明は、傾斜角を大きくすることができ、光の損失が少ない、傾斜ビームを出射する2次元フォトニック結晶面発光レーザを提供する。板状の母材114に空孔111が2次元的に配置されることで屈折率分布が形成された2次元フォトニック結晶(2DPC)層11と、電流の注入により波長λLの光を生じさせる活性層12とが積層された構成を有し、2DPC層11の法線から傾斜角θの方向にレーザビームを発振するレーザであって、2DPC層11において各空孔111が、2次元定在波を形成することによって波長λLの光の共振状態を形成し且つ該光を外部に出射させないように定められる周期性を持つ基本2次元格子の各格子点において変調して配置されており、該変調の位相Ψが、2DPC層11内における波長λLの光の波数ベクトルk↑=(kx, ky)、2DPC層11の有効屈折率neff、及び基本2次元格子の所定の基準線からの方位角φを用いて表される逆格子ベクトルG'↑=(g'x, g'y)=(kx±|k↑|(sinθcosφ)/neff, ky±|k↑|(sinθsinφ)/neff)と、各格子点の位置ベクトルr↑とを用いて、Ψ=r↑・G'↑で表される。
従来技術、競合技術の概要


半導体レーザは小型、安価、低消費電力、長寿命等の多くの利点を有し、光記録用光源、通信用光源、レーザディスプレイ、レーザプリンタ、レーザポインタ等の幅広い分野で使用されている。レーザディスプレイやレーザプリンタではビームを走査して文字や図形を形成する方式が一般的であるが、現在用いられている半導体レーザのレーザビームは、多角形状反射鏡(ポリゴンミラー)やMEMS(Micro-Electro Mechanical System)マイクロミラー、音響光学素子を用いたものなど、外部に設けた付加的な要素によりレーザビームの出射方向を制御することによって走査が実現されている。しかしながら、このように半導体レーザに走査のための機構を付加すると、小型化、並びに動作速度及び耐久性の向上が困難になるという問題がある。



特許文献1及び非特許文献1には、2次元フォトニック結晶面発光レーザにおいて、レーザビームの出射方向を可変にしたもの(以下、「出射方向可変2次元フォトニック結晶面発光レーザ」と呼ぶ)が記載されている。



出射方向可変2次元フォトニック結晶面発光レーザを説明する前に、まず、一般的な(それ自体では光出射方向が結晶面の法線方向であって、可変ではない)2次元フォトニック結晶面発光レーザについて説明する。一般的な2次元フォトニック結晶面発光レーザは、活性層と、板状の部材内に該部材とは屈折率が異なる領域(「異屈折率領域」と呼ぶ。典型的には空孔。)を周期的に配置した2次元フォトニック結晶層を有する。この2次元フォトニック結晶面発光レーザでは、活性層に電荷を注入することにより、その活性層の材料により定まる波長域の光が発生し、その光のうち、異屈折率領域の周期により定まる所定の波長を有する光が定在波を形成することによって増幅される。このように増幅された光は2次元フォトニック結晶層内において、異屈折率領域により様々な方向に散乱されるが、設定された異屈折率領域の周期によっては、互いに隣接する2個の異屈折率領域によって2次元フォトニック結晶層の法線方向に散乱された2つの光の光路差が波長と一致すると共に、それら散乱光の位相が揃う。この条件を満たす場合に、2次元フォトニック結晶層に垂直な方向にレーザビームが出射される。



一方、特許文献1に記載の出射方向可変2次元フォトニック結晶面発光レーザは、活性層と、異屈折率領域の周期が互いに異なる2層の2次元フォトニック結晶層を有する。これにより、2つの2次元フォトニック結晶層では、異屈折率領域の周期に対応した互いに異なる波長の光が、定在波を形成することによって増幅される。そして、それらの定在波の周波数差によって、うなりが空間的に生じることにより、出射されるレーザビームは2次元フォトニック結晶層の法線に対して傾斜した方向を向く。このような方向に出射するレーザビームを、以下では「傾斜ビーム」と呼ぶ。2次元フォトニック結晶層の法線に対する傾斜ビームの角度(傾斜角)は、上記周波数差が大きくなるほど大きくなる。そして、少なくとも一方の2次元フォトニック結晶層における異屈折率領域の周期を、面内の位置によって異なるように形成することで、活性層に電荷を注入する位置(レーザ発振させる面内位置)によって傾斜角の異なる傾斜ビームを出射させることが可能となる。



また、非特許文献1に記載の出射方向可変2次元フォトニック結晶面発光レーザは、活性層と、正方格子と斜方格子を重ね合わせた格子点に異屈折率領域が配置された1層の2次元フォトニック結晶層を有する。正方格子は、活性層で生成された光の共振状態を2次元フォトニック結晶層内において形成する役割を有し、斜方格子は共振状態の光を2次元フォトニック結晶層の法線から傾斜した方向に出射させる役割を有するとされている。

産業上の利用分野


本発明は、2次元フォトニック結晶面発光レーザに関し、より詳しくは、レーザビームを結晶面の法線から傾斜した方向に出射する2次元フォトニック結晶面発光レーザに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電流が注入されることにより波長λLの光を生じさせる活性層と、板状の母材に、該母材とは屈折率が異なる異屈折率領域が2次元的に配置されることにより屈折率分布が形成されて成る2次元フォトニック結晶層とが積層された構成を有し、該2次元フォトニック結晶層の法線から傾斜角θの方向にレーザビームを発振するレーザであって、
該2次元フォトニック結晶層において各異屈折率領域が、2次元定在波を形成することによって前記波長λLの光の共振状態を形成し且つ該波長λLの光を外部に出射させないように定められる周期性を持つ基本2次元格子の各格子点において変調して配置されており、
前記各格子点における変調位相Ψが、前記2次元フォトニック結晶層内における前記波長λLの光の波数ベクトルk↑=(kx, ky)、前記2次元フォトニック結晶層の有効屈折率neff、及び前記基本2次元格子の所定の基準線からの方位角φを用いて表される逆格子ベクトルG'↑=(g'x, g'y)=(kx±|k↑|(sinθcosφ)/neff, ky±|k↑|(sinθsinφ)/neff)と、前記各格子点の位置ベクトルr↑とを用いて、Ψ=r↑・G'↑で表されることを特徴とする2次元フォトニック結晶面発光レーザ。

【請求項2】
各格子点において前記異屈折率領域が該格子点から同一の距離だけずれて配置されており、該ずれの方向を表す、基本2次元格子の所定の基準線との成す角度が前記変調位相Ψで変調されていることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザ。

【請求項3】
各格子点において前記異屈折率領域が該格子点から同一方向にずれて配置されており、該ずれの距離dの絶対値がゼロと最大値dmaxの間で、変調位相Ψで変調されていることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザ。

【請求項4】
前記異屈折率領域が各格子点に配置されており、各異屈折率領域の面積Sが最小値(S0-S')と最大値(S0+S')の間で、変調位相Ψで変調されていることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザ。

【請求項5】
前記活性層中に電流を注入する電流注入位置を制御する電流注入位置制御手段を有し、
前記電流注入位置からの発光が増幅される領域である、前記2次元フォトニック結晶層における変調領域毎に、各格子点の変調位相Ψが異なる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザ。

【請求項6】
前記電流注入位置制御手段が、
前記活性層及び前記2次元フォトニック結晶層を挟むように対をなす電極であって、該対の電極の一方又は両方が該活性層及び該2次元フォトニック結晶層に平行に2次元状に複数配置された電極と、
該複数の電極のうち該活性層に電流を注入する電極を切り換える切替手段を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の2次元フォトニック結晶面発光レーザ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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