TOP > 国内特許検索 > 光アップコンバージョン発光体

光アップコンバージョン発光体

国内特許コード P170013767
整理番号 (S2013-0703-N0)
掲載日 2017年3月15日
出願番号 特願2015-504251
出願日 平成26年2月25日(2014.2.25)
国際出願番号 JP2014054546
国際公開番号 WO2014136619
国際出願日 平成26年2月25日(2014.2.25)
国際公開日 平成26年9月12日(2014.9.12)
優先権データ
  • 特願2013-043145 (2013.3.5) JP
発明者
  • 鎌田 賢司
  • 小林 健二
出願人
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 国立大学法人静岡大学
発明の名称 光アップコンバージョン発光体
発明の概要 【課題】高い光アップコンバージョン収率を有する新規な有機系光アップコンバージョン発光体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物からなる、光アップコンバージョン発光体。
【化1】



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


従来、長波長光を短波長光に変換する光アップコンバージョン発光体が知られている。光アップコンバージョン発光体としては、希土類元素などを用いた無機系光アップコンバージョン発光体が知られている。無機系光アップコンバージョン発光体は、赤外レーザー光を可視光に変換するIRカードなどに応用され、既に実用化されている。



一方、有機化合物を用いた有機系光アップコンバージョン発光体では、有機化合物が有する強くて幅広い吸収スペクトルを用いることにより、無機系光アップコンバージョン発光体よりも、幅広い波長かつ低い入射パワーでの光アップコンバージョンが可能となることが知られている。有機系光アップコンバージョン発光体の用途としては、例えば、有機太陽電池などが挙げられる。有機太陽電池において、太陽光から自由電荷担体を発生させるのは紫外光及び青色光である。そこで、有機太陽電池に有機系光アップコンバージョン発光体を用いることにより、緑色、赤色などの長波長光を青色光などの短波長光に変換し、有機太陽電池の光電変換効率を高めることなどが期待されている。このように、近年、有機系光アップコンバージョン発光体が注目を集めてきている(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2を参照)。



有機系光アップコンバージョン発光体は、一般に、光増感剤と共に用いられ、有機系光アップコンバージョン材料として使用される。現在知られている有機系光アップコンバージョン材料における光アップコンバージョンの機構としては、例えば次のような機構が挙げられる。まず、基底状態にある光増感剤分子(1A)が、光エネルギーを吸収して励起一重項状態(1*)へと遷移する(1A+hν→1*)。次に、速やかに励起三重項状態(3*)へと系間交差を起こし(1*3*)、光増感剤分子の励起三重項状態から発光体分子にエネルギーが受け渡される。これにより、光増感剤分子はエネルギーを失ってその基底状態に戻る。一方、基底状態にあった発光体分子(1E)が、励起三重項(3*)へと変化する(三重項-三重項エネルギー移動:3*1E→1A+3*)。励起三重項状態へ変化した発光体分子の濃度が高まると、励起三重項状態へ変化した発光体分子同士の相互作用が効率よく起きるようになり、励起三重項状態へ変化した一方の発光体分子から他方の発光体分子にエネルギーが移動する。このとき、励起三重項状態へ変化した一方の発光体分子は基底状態に戻り、他方は励起一重項状態へと変化する(三重項-三重項消滅過程:3*3*1E+1*)。そして、この励起一重項状態へ変化した発光体分子から、蛍光として、アップコンバージョンされた発光(1*1E+hνf)が生じる。このような機構は、「三重項-三重項アップコンバージョン」、「光化学アップコンバージョン」などと呼ばれている。



以上のような機構を考慮すると、有機系光アップコンバージョン材料では、発光体の励起三重項状態のエネルギーが励起一重項状態のエネルギーの半分程度である必要性がある。このため、発光体としては、芳香環骨格をもつ分子などが用いられている。また、光増感剤としては、高効率に励起三重項状態を生成する有機金属錯体などが用いられている。



例えば、青色発光領域の光アップコンバージョン発光体として、アントラセン、9,10-ジフェニルアントラセンなどが知られている。しかしながら、これらの発光体を用いた光アップコンバージョン収率(長波長光から短波長光への変換収率)は、3~5%程度と低く、より高い光アップコンバージョン収率を有する新規な有機系光アップコンバージョン材料の開発が求められている。

産業上の利用分野


本発明は、長波長光を短波長光に変換する光アップコンバージョン発光体、及びこれを含む光アップコンバージョン材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物からなる、光アップコンバージョン発光体。
【化1】


[一般式(1)中、基Aは、置換基を有することがある縮合環数が3~5の多環芳香族化合物の2価の残基を示す。
基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(2a)または(2b)で表される3価の基を示す。
【化2】


[一般式(2a)及び(2b)中、基Zが基Aと結合しており、残りの2つの結合手がそれぞれ基X1及び基X2と結合しており、基Zは、単結合、または飽和もしくは不飽和であり、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。Rn2は、0~3個の置換基であって、ベンゼン環上の水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]
基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数2以上の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を示す。]

【請求項2】
一般式(1)において、基Aが、下記一般式(A1)~(A23)で表される多環芳香族化合物残基のいずれかである、請求項1に記載の光アップコンバージョン発光体。
【化3】


[一般式(A1)~(A23)中、2価の結合手は、それぞれ芳香環上の水素原子と置換可能な任意の位置に存在する。Rn1は、0個以上の置換基であって、それぞれ芳香環に結合した水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]

【請求項3】
一般式(1)において、基Aが、下記一般式(A1-1)、(A1-2)、(A2-1)、(A3-1)、(A4-1)、(A5-1)、(A5-2)、(A6-1)、(A9-1)、(A9-2)、(A9-3)、(A9-4)、(A14-1)、(A14-2)、(A14-3)、及び(A14-4)で表される多環芳香族化合物残基のいずれかである、請求項1または2に記載の光アップコンバージョン発光体。
【化4】


[一般式(A1-1)、(A1-2)、(A2-1)、(A3-1)、(A4-1)、(A5-1)、(A5-2)、(A6-1)、(A9-1)、(A9-2)、(A9-3)、(A9-4)、(A14-1)、(A14-2)、(A14-3)、及び(A14-4)中、Rn1は、上記の一般式(A1)~(A23)と同様である。]

【請求項4】
基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(3a-1)~(3a-4)で表される3価の基のいずれかである、請求項1~3のいずれかに記載の光アップコンバージョン発光体。
【化5】


[一般式(3a-1)~(3a-4)中、Rn2は、一般式(2a)と同様である。]

【請求項5】
一般式(1)において、基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数が5~10の直鎖のアルキレン基である、請求項1~4のいずれかに記載の光アップコンバージョン発光体。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の光アップコンバージョン発光体と、光増感剤とを含む、光アップコンバージョン材料。

【請求項7】
溶媒、樹脂、またはガラスをさらに含む、請求項6に記載の光アップコンバージョン材料。

【請求項8】
請求項6または7に記載の光アップコンバージョン材料に光を照射することにより、前記照射した光よりも短波長の光を発光させる、光波長の変換方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2015504251thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close