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診断用組成物 NEW

国内特許コード P170013797
整理番号 (S2013-0432-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-502909
出願日 平成26年2月24日(2014.2.24)
国際出願番号 JP2014054326
国際公開番号 WO2014132919
国際出願日 平成26年2月24日(2014.2.24)
国際公開日 平成26年9月4日(2014.9.4)
優先権データ
  • 特願2013-038304 (2013.2.28) JP
発明者
  • 佐治 英郎
  • 小野 正博
  • 猪原 匡史
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 診断用組成物 NEW
発明の概要 臨床的に実用可能なSPECT用β-アミロイドタンパク質イメージングプローブ及び糖尿病を診断するためのイメージングプローブを提供することを目的として、一般式(I)
【化1】



〔式中、R、R、R、及びRは、いずれか一つが放射性ヨウ素原子を表し、他は水素原子を表し、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メトキシ基、又はヒドロキシ基を表し、XはCH又はNを表す。〕
で表される化合物、又はこれらの化合物の医薬上許容される塩を含有することを特徴とするコンフォメーション病診断用組成物が提供される。
従来技術、競合技術の概要


近年、先進諸国における認知症患者の増加は大きな社会問題となっている。アルツハイマー病(AD)は認知症の中で最も大きな割合を占めており、全世界におけるADの患者数は、2006年の時点で2660万人と推定される。今後、急速に高齢化が進むことに伴い、2050年にはADの患者数が1億680万人に達すると予測されており、その早期診断法および根本治療薬の開発が強く望まれている。



ADは、その発症段階や軽度認知障害(MCI)の段階で、記憶・認知機能の低下などの臨床症状や脳萎縮が認められる。一方、ADの脳内における特徴的病理学的変化である、シート構造をとったβ-アミロイドタンパク質(Aβ)を主構成成分とする老人斑と過剰リン酸化されたタウタンパク質からなる神経原線維変化の蓄積は、認知機能が正常な段階から認められ、臨床症状が認められる時点ではほぼ一定に達していることが知られている。老人斑の沈着はアミロイド前駆タンパク質から、分解酵素であるβ-セクレターゼ、γ-セクレターゼによって順次切り出されたAβ(1-40)、Aβ(1-42)が凝集、線維化することで形成される。また、神経原線維変化は、タウタンパク質が過剰にリン酸化されることで微小管との結合能を失い、遊離したタウタンパク質が互いに凝集することで起こる。特に、Aβ凝集体を主構成成分とする老人斑の沈着はAD発症過程の最も初期段階より始まり、また、疾患特異性が高いことから、AβはADの早期診断法および治療薬の開発における重要な標的分子となっている。



核医学分子イメージング法は、放射線の透過性を活かした、高精度かつ高感度な定量評価を行えることから、ADの早期臨床診断に適した手法であると考えられる。これまでに多くのポジトロン断層撮像法(PET)用Aβイメージングプローブが開発されており、中でも (E)-4-(2-(6-(2-(2-(2-[18F]フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン-3-イル)ビニルl)-N-メチルアニリン(AV-45)は2012年4月にアメリカ食品医薬品局(FDA)に認可され、現在米国において臨床使用が開始されている(Cselenyi Z, Jonhagen ME, Forsberg A, Halldin C, Julin P, et al. (2012) J Nucl Med 53: 415-424)。しかしながら、PET用プローブの問題点として、PET装置を有する施設が少ないことや、使用する放射性核種の物理的半減期が短いことが挙げられる。



今後、一層の患者数の増加が予測されるADの診断に対応するために、PETに比べ、施設数が多く、物理的半減期の長い放射性核種を使用できるという点で汎用性に優れるシングルフォトン断層撮像法 (SPECT)の利用が期待されている。これまでに放射性ヨウ素を含む化合物や99mTcで標識された化合物が、SPECT用Aβイメージングプローブとして開発されてきた。[123I]6-ヨード-2-(4'-ジメチルアミノ)フェニル-イミダゾ[1,2-a]ピリジン(IMPY)は、ヒトで試験された最初のSPECT用Aβイメージングプローブである(Kung MP, Hou C, Zhuang ZP, Zhang B, Skovronsky D, et al. (2002) Brain Res 956: 202-210、Kung MP, Hou C, Zhuang ZP, Cross AJ, Maier DL, et al. (2004) Eur J Nucl Med Mol Imaging 31: 1136-1145、Newberg AB, Wintering NA, Plossl K, Hochold J, Stabin MG, et al. (2006) J Nucl Med 47: 748-754)。この化合物は、合成されたAβペプチドの凝集体に対し親和性を示し、AD患者の脳切片においてアミロイドプラークに選択的に結合したが、AD患者と健常者間で、生体分布に有意な差を示さなかった(Newberg AB, Wintering NA, Plossl K, Hochold J, Stabin MG, et al. (2006) J Nucl Med 47: 748-754)。この原因は、IMPYの親油性が高いことや生体内での安定性が低いことによると考えられる。このように、SPECT用Aβイメージングプローブは既に幾つか開発されているが、現在のところ、臨床的に実用化されたものは存在しない。



最近、本発明者らは、18Fで標識されたピリジルベンゾフラン誘導体(非特許文献1)やピリジルベンゾオキサゾール誘導体(非特許文献2)がPET用Aβイメージングプローブとして利用できることを報告している。しかし、これらの誘導体をSPECT用Aβイメージングプローブとして利用することについての報告はない。



上記のようにAβは疾患と関連する代表的なアミロイドであるが、Aβ以外にも疾患と関連するアミロイドは数多く知られている。例えば、二型糖尿病の患者の膵臓ランゲルハンス島にも、アミロイドが沈着することが知られている(Opie E, J. Exp. Med., 5:527-541, 1991)。このアミロイドの主要構成成分は、アミリンと呼ばれるペプチドであり、ヒトのアミリンは、アミロイドとして沈着するのに重要な構造であるβ-sheet構造を持っている(Glenner GG, Eanes ED, Wiley CA, Biochem. Biophys. Res. Comm., 155:608-614, 1988)。



ADだけでなく、糖尿病についても、PETやSPECTにより、診断する試みは以前からなされている。例えば、膵臓のβ細胞に分布するGLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)と結合するペプチドを元にイメージングプローブを作製し、このプローブにより、膵島量を測定し、糖尿病を診断する方法が報告されている(特許文献1)。しかし、上述したアミリンを標的とするイメージングプローブや糖尿病の診断法は、これまでに報告されていない。

産業上の利用分野


本発明は、アルツハイマー病などのコンフォメーション病を診断するための組成物に関し、特に、シングルフォトン断層撮像法に用いられる組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)
【化1】


〔式中、R、R、R、及びRは、いずれか一つが放射性ヨウ素原子を表し、他は水素原子を表し、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メトキシ基、又はヒドロキシ基を表し、XはCH又はNを表す。〕
で表される化合物、又はこれらの化合物の医薬上許容される塩を含有することを特徴とするコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項2】
一般式(I)におけるRが放射性ヨウ素原子であり、R、R、及びRが水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項3】
一般式(I)におけるRがアミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基であり、R、R、及びRが水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項4】
放射性ヨウ素原子が、123I又は125Iであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項5】
シングルフォトン断層撮像法に用いられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項6】
コンフォメーション病が、アルツハイマー病である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項7】
コンフォメーション病が、二型糖尿病である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物。

【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物を動物に投与し、その動物の脳の画像を撮影し、画像における一般式(I)で表される化合物の状態に基づいて、アルツハイマー病の診断を行うことを特徴とするアルツハイマー病の診断方法。

【請求項9】
請求項1乃至4のいずれかに一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物を動物に投与し、その動物の膵臓の画像を撮影し、画像における一般式(I)で表される化合物の状態に基づいて、二型糖尿病の診断を行うことを特徴とする二型糖尿病の診断方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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