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架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子とその製造方法 NEW

国内特許コード P170013798
整理番号 (S2013-0813-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-508750
出願日 平成26年3月28日(2014.3.28)
国際出願番号 JP2014059082
国際公開番号 WO2014157606
国際出願日 平成26年3月28日(2014.3.28)
国際公開日 平成26年10月2日(2014.10.2)
優先権データ
  • 特願2013-072258 (2013.3.29) JP
発明者
  • 秋吉 一成
  • 田原 義朗
  • 向井 貞篤
  • 澤田 晋一
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子とその製造方法 NEW
発明の概要 本発明は、適切な粒子サイズを有する架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子を提供することを主な課題とする。
斯かる課題を解決する手段として、粒子径が1~100マイクロメートルである、架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子を提供する。
従来技術、競合技術の概要


バイオテクノロジーの発展によって、細胞内のシグナル伝達系に関与するペプチドや、細胞内で生理的に重要な役割を果たすタンパク質や核酸を細胞へデリバリーする試みが盛んに行われている。これらは従来の小分子化合物からなる医薬品では実現不可能な薬理効果を上げることができ、多くの成果が上がっている。代表的なものとしてインスリンやヒト成長ホルモン、モノクローナル抗体、各種サイトカインなどが挙げられ、近年では複雑な高次構造を有するタンパク質や核酸も比較的容易に単離及び精製できるようになったことから、バイオ医薬品は、医療現場において今後ますます普及し、重要視されるものと考えられる。しかしながら、これらのバイオ医薬品は、一般的に安定性が低く、体内での分解や不活化を受けやすいことから、薬としての半減期が非常に短いということが知られている。この短い半減期は、実際の臨床現場において有効に利用する際の最大の問題点である。現状では、抗体やサイトカインなどの多くのタンパク質医薬は、数日から数週間毎の投与を数ヶ月以上の期間で、投与し続けなければならない。多くの場合、点滴などの注射によって行われるこれらの治療法は、患者の生活の質(quality of life, QOL)が高いとは言えず、バイオ医薬品を利用した次世代の先端医療においては、適切なキャリアによって、適切な場所に、望ましい濃度及び時間パターンで送達できるドラッグデリバリーシステムおよび再生医療の開発が切望されている。



一方で、近年、ナノテクノロジーやマテリアルサイエンスの分野より生まれた新規材料をドラッグデリバリーシステムや再生医療へ応用する試みが盛んに行われている。この中で本発明者らは主に多糖によって構成される物理架橋ナノゲルが、タンパク質医薬を封入できるキャリアとして大変有望であることを明らかにしてきた。これまでの研究によって、ナノゲルは分子シャペロン、臨床レベルの癌免疫療法、細胞内導入、経鼻型ワクチンなどにおける重要な材料として利用できることが明らかとなっている。



本発明者らの既存の研究(特許文献1、非特許文献1,2)で、ナノゲルの応用範囲を拡大するために、ナノゲルを架橋点としたゲル(ナノゲル架橋ゲル)の調製を試みた。具体的には、従来のコレステリル基導入プルランにアクリロイル基を修飾し、重合性をもつナノゲルを調製した。この重合性ナノゲルは、チオール基を末端に付与したポリエチレングリコールと反応することによって、ナノゲル架橋ゲルを形成する。このナノゲル架橋ゲルは、内部のナノゲルがタンパク質医薬を封入かつ徐放可能であるという特徴をもち、特に再生医療のための足場材料として多くの成果を上げている(非特許文献2)。



非特許文献3~7のような従来技術によって得られるナノゲル架橋ゲルは、粒子サイズが約100 nmより小さい粒子か、数mm以上の大きな粒子のいずれかであり、サブミクロンからマイクロメートル領域の大きさをもつナノゲル架橋ゲルは得られていなかった。これは約100 nm程度の大きさの粒子では封入可能な医薬品が限られるということや、徐放速度の調整ができないこと、数mm以上の大きさのナノゲル架橋ゲルでは体内への投与方法が外科的埋め込みまたは体表面への貼付けに限られるということを意味している。また架橋剤を用いずにナノゲル同士のみを架橋したナノゲル架橋ゲルも調製できていなかった。

産業上の利用分野


[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年3月29日に出願された、日本国特許出願第2013-072258号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。



本発明は、架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
粒子径が1~100マイクロメートルである、架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項2】
架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子が、架橋性基を有する疎水化多糖ナノゲルと架橋剤を反応させて得られたもの、または架橋性基を有する疎水化多糖ナノゲル同士を反応させて得られたものである、請求項1に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項3】
架橋性基を有する疎水化多糖ナノゲルが、多糖部分、疎水性部分及び架橋性部分を含む、請求項2に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項4】
多糖部分が、プルラン、アミロペクチン、アミロース、デキストラン、ヒドロキシエチルデキストラン、マンナン、レバン、イヌリン、キチン、キトサン、キシログルカンまたは水溶性セルロースである、請求項3に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項5】
疎水性部分が炭素数8~50の炭化水素基またはステリル基を含む、請求項3に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項6】
疎水性部分がコレステリル基を含む、請求項5に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項7】
架橋性部分がアクリロイル、メタアクリロイル、ビニル及びアリルから選択される少なくとも1種の架橋性基を含む、請求項3に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項8】
架橋剤がメルカプトエチルポリエチレングリコール化合物である、請求項2に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項9】
架橋剤がチオール基含有アミノ酸又はチオール基含有アミノ酸残基を含むペプチドとポリエチレングリコール化合物との縮合物である、請求項2に記載の疎水化多糖ナノゲル粒子。

【請求項10】
核酸、薬物及びタンパク質から選択される少なくとも1種を担持する、請求項1~9のいずれか1項に記載の疎水化多糖ナノゲル。

【請求項11】
(1)(i)架橋性基を有する疎水化多糖ナノゲル、架橋剤及び界面活性剤、又は、
(ii)架橋性基を有する疎水化多糖ナノゲル及び界面活性剤を、水及び油相成分を含む溶媒中で混合してW/0型エマルションを調製する工程、並びに、
(2)得られたW/0型エマルションの架橋反応を行い粒子径が1~100マイクロメートルである架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子を得る工程を含む、架橋された疎水化多糖ナノゲル粒子の製造方法。

【請求項12】
工程(1)において、さらに核酸、薬物及びタンパク質から選択される少なくとも1種を添加することを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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