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生体における酸化還元反応を検出する方法 NEW

国内特許コード P170013814
整理番号 (S2013-1054-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-519947
出願日 平成26年5月29日(2014.5.29)
国際出願番号 JP2014064341
国際公開番号 WO2014192894
国際出願日 平成26年5月29日(2014.5.29)
国際公開日 平成26年12月4日(2014.12.4)
発明者
  • 内海 英雄
  • 兵藤 文紀
  • 伊藤 慎治
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 生体における酸化還元反応を検出する方法 NEW
発明の概要 【課題】 脂溶性部位における分子の酸化還元反応を検出し、且つ視覚化する方法を提供すること。
【解決手段】 脂質環境下でラジカル反応を行う分子の酸化還元反応を検出する方法であって、測定対象となる生体またはサンプルに磁気共鳴法を適用して、前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子のプロトン画像を得る工程と、前記プロトン画像における前記生体またはサンプルの画像強度を測定する工程とを有する方法。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


現在、種々の疾患を診断し、または治療するために画像診断が用いられている。この画像診断は癌や脳梗塞などの病変部位を特定するものであり、疾患による形態的な変化を画像化し、その画像の特徴を読み取り、疾患の診断や治療に役立てている。一方、多くの疾患ではその症状として形態的な変化が伴うよりも前に、細胞レベルで慢性炎症による体内機能の変化を伴う。特にユビキノンやビタミンKなどのラジカル中間体を形成する生体内因性分子は生体内で恒常性の維持(ホメオスタシス)のため重要な役割を担っている分子であるため、疾患においてもその動態や挙動に変化が多く見られる。



例えば、ユビキノンはすべての細胞が持つミトコンドリアの内膜や原核生物の細胞膜に存在する電子伝達体の1つであり、ミトコンドリア機能の保持に深く関与する。このため、ユビキノンは細胞内のミトコンドリア機能の改善、抗酸化効果、抗アルドステロン効果が期待され心機能補助役等としても用いられている。ユビキノンはミトコンドリア呼吸鎖I~IIIにおいてQサイクルと呼ばれる電子の授受に関わる分子であり、電子伝達系において呼吸鎖複合体IとIIの電子を仲介し、その代謝過程でセミキノンフリーラジカルを生成する。このようなフリーラジカルは生体レドックス反応に関係する。生体レドックス反応とは、酸化還元反応を介した生理機能発現及びそれに伴う活性種産生、産生された活性種と生体分子との代謝・反応の全体を表す概念であり、多くの生理現象やがん・糖尿病をはじめとする生体レドックス疾患に密接に関与することが示唆されている。



従って、ユビキノン等の生体内因性分子の酸化還元反応の挙動や状態を直接視覚化する方法があれば、様々な疾病において、生体内因性分子の情報から病気のメカニズム解明や診断・治療が可能となると考えられる。



ところで、このような生体内の画像化をおこなう方法としては、従来、X線CTやCT、磁気共鳴(MRI)等があり、空間情報の画像化を行う形態画像化が主として行われてきた。また近年では形態画像化に加え、PET等による生体内の機能・現象を可視化する機能画像化が行われるようになってきている。



例えば、摘出臓器から調製した溶液中に生成するフリーラジカルを電子スピン共鳴法等で計測し、そのスペクトル波形・強度変化から機能解析をした例がある。この方法は、試験管レベルでの解析はできるものの、疾病に生体内物質がいつ、どこで、どのように関与するかを知ることはできなかった。



また、生体内の酸化還元反応を検出・解析する方法としては、合成ニトロキシルラジカル化合物をプローブ(造影剤)として体内に投与し、当該化合物の酸化還元反応を指標に検出・解析する方法が知られている。しかし、この方法ではニトロキシルラジカルのラジカル消失を検出しているのみであるため、生体内の酸化還元反応を合成ニトロキシルラジカル化合物の反応を指標に検出・解析しているに過ぎない。そのため、生体内因性分子の酸化還元反応を直接的に検出・解析しているわけではなかった。また、このニトロキシルラジカルは有機溶媒中ではOMRIなどの画像共鳴法で十分な画像強度を得るのが困難であった。



また本発明者らは水溶性環境下においては生体内因性分子を画像共鳴法で視覚化することに成功している(特許文献1)。しかし、脂溶性環境下においては効率的な視覚化ができなかった。

産業上の利用分野


本発明は、生体における酸化還元反応を検出する方法に関し、より詳細には、脂質環境下でラジカル反応を行う分子の酸化還元反応を検出する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
脂質環境下でラジカル反応を行う分子の酸化還元反応を検出する方法であって、
測定対象となる生体またはサンプルに磁気共鳴法を適用して、前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子のプロトン画像を得る工程と、
前記プロトン画像における前記生体またはサンプルの画像強度を測定する工程と
を有する方法。

【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記プロトン画像を得る工程は、2若しくはそれ以上のプロトン画像を経時的に得るものであり、
この方法は、さらに、前記プロトン画像における前記生体またはサンプルの画像強度の経時的変化を比較する工程を有するものである、方法。

【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記磁気共鳴法はオーバーハウザーMRIであり、前記プロトン画像を得る工程は、前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子の電子スピンが励起されたプロトン画像を得るものである、方法。

【請求項4】
請求項3記載の方法であって、さらに、
前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子の電子スピンが励起されていないプロトン画像を得る工程と、
前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子の電子スピンが励起されたプロトン画像と、前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子の電子スピンが励起されていないプロトン画像とを比較し、当該2枚の画像における前記生体またはサンプルの画像強度の差分または割合を算出する工程と
を有する、方法。

【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子はキノン骨格を有する分子である、方法。

【請求項6】
請求項5記載の方法において、前記キノン骨格を有する分子は、ユビキノン(CoQ10)、リボフラビン、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、1,4-ベンゾキノン(p-キノン)、2,6-ジクロロ-p-キノン、1,4-ナフトキノン、及びセラトロダストから成る群から選択されるものである、方法。

【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記プロトン画像を得る工程は、2若しくはそれ以上の前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子のプロトン画像を得るものである、方法。

【請求項8】
請求項1記載の方法であって、さらに、水性環境下でラジカル反応を行う分子のプロトン画像を得る工程を有する、方法。

【請求項9】
請求項1記載の方法において、前記生体またはサンプルは酸化還元物質が予め投与されているものである、方法。

【請求項10】
請求項9記載の方法において、前記生体またはサンプルは前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子が予め投与されているものである、方法。

【請求項11】
請求項9記載の方法において、前記酸化還元物質はNaOH、NADH、KO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものである、方法。

【請求項12】
請求項1記載の方法において、前記脂質環境下でラジカル反応を行う分子はエタノール、メタノール、DMSO、アセトン、ヘキサン、クロロホルム、アルカリ溶液、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される溶媒に溶解しているものである、方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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