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波長変換装置

国内特許コード P170013815
整理番号 (S2013-0339-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2014-554465
出願日 平成25年12月24日(2013.12.24)
国際出願番号 JP2013084536
国際公開番号 WO2014104038
国際出願日 平成25年12月24日(2013.12.24)
国際公開日 平成26年7月3日(2014.7.3)
優先権データ
  • 特願2012-283058 (2012.12.26) JP
発明者
  • 柏木 謙
  • 黒川 隆志
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 波長変換装置
発明の概要 容易に出力波形の特性を変更することが可能で、精確な出力波形を得ることのできる光パルス発生装置を用いた、簡易な構成で、しかも入力信号光に応じて高速に周波数、波長を切り替えることの可能な波長変換装置を提供する。
波長変換装置(90)を、少なくとも一部に一定または略一定の勾配部分を含む波形を有する光パルスからなり、各々の光パルスの波形が同一である光パルス列を生成する光パルス発生装置(12)と、光パルス発生装置(12)から入力された光パルス列の各々の光パルスの勾配の大きさを制御して制御光Pを生成する勾配制御部(14)と、信号光Pおよび制御光Pを入力し、制御光Pの勾配の大きさに応じて信号光Pの各パルスの中心波長をシフトさせ、信号光Pの波長を可変にして出力する波長変換部(16)と、を含むように構成した。
従来技術、競合技術の概要


近年、光伝送システムにおける伝送信号の大容量化に伴い、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)通信システムが発展してきた。ネットワーク網としてWDM通信システムを用いた場合には、異なる経路からの信号光同士の波長が重ならないように波長変換することが要求される。そして、柔軟な光ネットワークを構築するためには、波長変換が高速になされることが肝要である。



その高速波長変換技術の一手法として、非線形光学効果の1種である相互位相変調(Cross Phase Modulation:XPM)を用いたものがある。相互位相変調とは、信号光と制御光とを非線形媒質に入射した場合に、制御光の強度に比例した位相変調量が信号光に与えられる現象である。光周波数は位相変調の微分であるため、信号光に傾きが一定の位相変調を施せば、周波数シフト(波長変換)が実現できる。また、波長シフトの方向は制御光の強度勾配の正負によって決まり、スペクトルシフト量(変換波長幅)は制御光の強度勾配によって決まる。本手法で用いる非線形媒質としては、高非線形ファイバを代表として、特殊ガラスファイバやシリコン細線導波路など、非線形性の高い素子を広く用いることができる。



上記相互位相変調を用いた波長変換の具体的な方法として、信号光パルスと制御光パルスとを時間的に重ね合わせ、非線形媒質中を伝搬させることによって、相互位相変調を介し波長変換する方法がある。そのような波長変換装置の従来例として、制御光にガウシアンパルスを用いる従来例1、および制御光に鋸歯状パルスを用いる従来例2を挙げることができる。



図14に、非特許文献1に開示された従来例1による波長変換装置800を示す。
図14(a)において太線は光ファイバを示しており、波長変換装置800は、高非線形ファイバ802、光フィルタ804、第1の入力ポート810、第2の入力ポート812、および出力ポート814を含んで構成されている。なお、第1の入力ポート810、第2の入力ポート812、および出力ポート814には通常の単一モードファイバが用いられる。



図14(a)において、第1の入力ポート810に波長λの信号光P、第2の入力ポート812にガウシアンパルス型の制御光Pを入力し、時間的に重ね合わせて高非線形ファイバ802中を伝搬させることにより出力ポート814から波長変換された波長λの波長変換装置出力光P(波長変換された信号光P)を得ることができる。



図14(b)には、時間領域における信号光Pおよび制御光Pの波形の変化の一例を示している。同図に示すように、信号光Pと制御光Pとを立ち上がり部分が重なるようにして高非線形ファイバ802中を伝搬させることにより相互位相変調を生じさせている。ガウス波形をした制御光Pの立ち上がり部分の傾きが信号光Pに位相変調を与えるので、その位相変調量に応じ信号光Pの波長を変化させることができる。その結果、周波数領域での信号光Pおよび制御光Pの変化を表した図14(c)に示すように、入力された信号光Pの波長がλからλへと変換され、波長変換装置出力光P(波長変換された信号光P)として出力される。



図15に、非特許文献2に開示された従来例2による波長変換装置900を示す。
図15(a)において太線は光ファイバを示しており、波長変換装置900は、高非線形ファイバ902、第1の入力ポート910、第2の入力ポート912、出力ポート914、サーキュレータ916、およびSSFBG(Super Structured Fiber Bragg Grating:超構造ファイバブラッググレーティング)918を含んで構成されている。なお、第1の入力ポート910、第2の入力ポート912、および出力ポート914には通常の単一モードファイバが用いられる。



図15(a)において、第1の入力ポート910に波長λの信号光P、第2の入力ポート912にSSFBG918で生成された鋸歯状のパルスである制御光Pを入力し、時間的に重ね合わせて高非線形ファイバ902中を伝搬させることにより出力ポート914から波長変換された波長λの波長変換装置出力光P(波長変換された信号光P)を得ることができる。



SSFBGとは、光ファイバ型の帯域反射フィルタであるFBG(Fiber Bragg Grating:ファイバブラッググレーティング)を周期的に配置し、その間の位相を調整した素子である。本従来例2では、第2の入力ポート912から所定の光パルスP’をSSFBG918に入射させることにより、鋸歯状パルスを形成するのに必要な周波数成分を反射させて合成することにより鋸歯状パルスを生成している。



図15(b)には、時間領域における各信号の波形の変化の一例を示している。同図に示すように、信号光Pに制御光Pの立ち上がり部分が重なるようして高非線形ファイバ902中を伝搬させることにより相互位相変調を生じさせている。鋸歯状の波形をした制御光Pの立ち上がり部分の傾きが信号光Pに位相変調を与えるので、その位相変調量に応じて信号光Pの波長を変化させることができる。その結果、周波数領域での信号光Pおよび制御光Pの変化を表した図15(c)に示すように、入力された信号光Pの波長がλからλへと変換され、波長変換装置出力光P(波長変換された信号光P)として出力される。

産業上の利用分野


本発明は、波長変換装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
信号光パルス列および制御光パルス列を時間的に重ね合わせて入力することにより、信号光パルス列の波長を変換する装置において、
少なくとも一部に一定または略一定の勾配部分を含む波形を有する光パルスからなり、各々の光パルスの波形が同一である光パルス列を生成する光パルス発生装置と、
前記光パルス発生装置から入力された前記光パルス列の各々の光パルスの前記勾配の大きさを制御して制御光パルス列を生成する勾配制御装置と、
信号光パルス列および前記制御光パルス列を入力し、前記制御光パルス列の勾配の大きさに応じて信号光パルス列の各パルスの中心波長をシフトさせ、前記信号光パルス列の波長を可変にして出力する波長変換部と、
を含む波長変換装置。

【請求項2】
前記信号光パルス列が複数のチャネルの光信号を時分割多重した光信号であり、
前記チャネルごとに変換すべき波長を決定し、当該波長のシフト量に応じた勾配を有し、かつ前記チャネルの数を周期とする制御光パルス列が生成されるように前記勾配制御装置を制御する制御装置をさらに含み、
前記波長変換部は、前記信号光パルス列の波長を前記チャネルごとにシフト量を異ならせて変換し出力光信号として出力する
請求項1に記載の波長変換装置。

【請求項3】
前記信号光パルス列の先頭位置を検出する検出装置と、
前記検出装置から入力された前記信号光パルス列および前記勾配制御装置から入力された前記制御光パルス列の少なくとも一方を遅延させ、前記信号光パルス列の先頭位置と前記制御光パルス列の先頭位置との時間差を調整する可変遅延装置と、をさらに含み、
前記制御装置は、前記信号光パルス列と前記制御光パルス列との時間的な重なりが、前記波長変換部において波長変換を生じさせるように前記可変遅延装置を制御して前記時間差を調整する
請求項2に記載の波長変換装置。

【請求項4】
前記波長変換部から出力された前記出力光信号を入力する入力端と、前記出力光信号に含まれる前記チャネルを前記波長に応じて分離し出力する複数の出力端を有する分光素子をさらに含む
請求項2または請求項3に記載の波長変換装置。

【請求項5】
前記複数の出力端が各々異なる送信先に接続され、
前記制御装置は、前記チャネルの送信先の変更に伴い、当該チャネルの光信号が出力される出力端が変更後の送信先に接続された出力端となるように、前記勾配制御装置を制御して、当該チャネルに対応する制御光パルス列の各々の光パルスの勾配を変更後の出力端に対応する波長に応じた勾配に変更する
請求項4に記載の波長変換装置。

【請求項6】
前記信号光パルス列が時系列で配置された複数のパケットからなる光信号であり、
前記パケットごとに変換すべき波長を決定し、当該波長のシフト量に応じた勾配を有し、かつ前記パケットに含まれるビットの数を周期とする制御光パルス列が前記パケットごとに生成されるように前記勾配制御装置を制御する第2の制御装置をさらに含み、
前記波長変換部は、前記信号光パルス列の波長を前記パケットごとにシフト量を異ならせて変換し出力光信号として出力する
請求項1に記載の波長変換装置。

【請求項7】
前記パケットごとにその先頭位置を検出する検出装置と、
前記検出装置から入力された前記信号光パルス列および前記勾配制御装置から入力された前記制御光パルス列の少なくとも一方を遅延させ、前記信号光パルス列の先頭位置と前記制御光パルス列の先頭位置との時間差を調整する可変遅延装置と、をさらに含み、
前記第2の制御装置は、前記信号光パルス列と前記制御光パルス列との時間的な重なりが、前記波長変換部において波長変換を生じさせるように前記可変遅延装置を制御して前記時間差を調整する
請求項6に記載の波長変換装置。

【請求項8】
前記波長変換部から出力された前記出力光信号を入力する入力端と、前記出力光信号に含まれる前記パケットを前記波長に応じて分離し出力する複数の出力端を有する分光素子をさらに含む
請求項6または請求項7に記載の波長変換装置。

【請求項9】
前記複数の出力端が各々異なる送信先に接続され、
前記第2の制御装置は、前記パケットの送信先の変更に伴い、当該パケットの光信号が出力される出力端が変更後の送信先に接続された出力端となるように、前記勾配制御装置を制御して、当該パケットに対応する制御光パルス列の各々の光パルスの勾配を変更後の出力端に対応する波長に応じた勾配に変更する
請求項8に記載の波長変換装置。

【請求項10】
前記制御光パルス列の各々の光パルスの波形が、立ち上がり部および立ち下がり部の少なくとも一方に、一定または略一定の勾配を有する波形である
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の波長変換装置。

【請求項11】
前記制御光パルス列の各々の光パルスの波形が、立ち上がり部に一定または略一定の勾配を有するとともに立ち下がり部が速やかに立ち下がる鋸歯状波形、または、立ち下がり部に一定または略一定の勾配を有するとともに立ち上がり部が速やかに立ち上がる鋸歯状波形である
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の波長変換装置。

【請求項12】
前記勾配制御装置は、入力された光パルス列に含まれる各々の光パルスの強度を制御して前記勾配の大きさを制御する
請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の波長変換装置。

【請求項13】
前記波長変換部が非線形ファイバまたは非線形光学結晶を含む非線形光学素子を用いて構成される
請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の波長変換装置。

【請求項14】
前記光パルス発生装置が、出力の一部を分岐し、光スペクトラムアナライザを介して測定された光スペクトル、および、光サンプリングオシロスコープを介して測定されたパルス波形をフィードバックして制御することにより前記パルス波形が同一である光パルス列を生成する光パルスシンセサイザである
請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の波長変換装置。

【請求項15】
前記光パルス発生装置が、パルス光源、前記パルス光源から入力された光パルスの強度および位相を制御して一定または略一定の正の勾配部分を含む波形を有する光パルスを生成し出力する第1の光パルス整形器、前記パルス光源から入力された光パルスの強度および位相を制御して一定または略一定の負の勾配部分を含む波形を有する光パルスを生成し出力する第2の光パルス整形器、および、前記第1の光パルス整形器の出力および前記第2の光パルス整形器の出力のいずれか一方を選択して前記波形が同一である光パルス列として出力する光スイッチを含んで構成される
請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の波長変換装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2K102AA10
  • 2K102AA22
  • 2K102BA01
  • 2K102BA18
  • 2K102BA19
  • 2K102BA21
  • 2K102BB02
  • 2K102BB04
  • 2K102BC02
  • 2K102BD01
  • 2K102BD02
  • 2K102DA01
  • 2K102DA06
  • 2K102DD05
  • 2K102EA21
  • 2K102EB06
  • 2K102EB20
画像

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出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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