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遺伝子発現の制御方法、目的物質の製造方法、および、それらに用いるDNA配列、発現ベクター、並びに、シアノバクテリア NEW

国内特許コード P170013821
整理番号 (S2013-1030-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-519881
出願日 平成26年5月27日(2014.5.27)
国際出願番号 JP2014064017
国際公開番号 WO2014192765
国際出願日 平成26年5月27日(2014.5.27)
国際公開日 平成26年12月4日(2014.12.4)
優先権データ
  • 特願2013-115822 (2013.5.31) JP
発明者
  • 阿部 公一
  • 早出 広司
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 遺伝子発現の制御方法、目的物質の製造方法、および、それらに用いるDNA配列、発現ベクター、並びに、シアノバクテリア NEW
発明の概要 シアノバクテリア中の目的遺伝子の発現を強化および/または抑制することのできる制御方法を提供すること。
本発明に係る目的遺伝子の発現の制御方法の一態様は、シアノバクテリアを宿主として目的遺伝子を発現する方法であって、プロモーターとして機能する塩基配列の下流側であって、前記目的遺伝子の開始コドンの上流側に、12塩基以上50塩基以下の発現調節配列を挿入することを含む。
従来技術、競合技術の概要


近年、生物により、持続的なエネルギー供給を目指したバイオ燃料関連化合物等の有用な物質生産を行うシステムが注目されている。シアノバクテリア等の光合成を行う原核生物は、このようなシステムにおける宿主生物として有用と目され、研究が盛んである。特に、シアノバクテリアのうち、Synechocystis sp. PCC6803なる株は、早期(5番目)にゲノムが解析された生物であり、その生化学的解析が進んでいるため、多くの研究者がバイオ燃料生産用の宿主として注目している。



宿主として大腸菌を利用する場合には、プロモーターとして、ラクトースで誘導可能なlacプロモーター(Plac)、アラビノース誘導型のaraBADプロモーター等が用いられる。一方、Synechocystis sp. PCC6803等のシアノバクテリアを宿主として利用する場合には、プロモーターの選択の幅は制限される。例えば、Huangらによって、通常大腸菌で使われるプロモーターである、Placプロモーター、Ptetプロモーター、PRプロモーターは、シアノバクテリアであるSynechocystis sp. PCC6803中では機能しないことが示されている(非特許文献1)。



また同文献においてHuangらは、誘導プロモーターPtrcプロモーターがシアノバクテリア中で機能することを見出しているが、誘導剤非存在下での発現レベルが高いことを問題として挙げている。さらにシアノバクテリアは、ラクトース、IPTG(イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド)、アラビノース等の糖または糖の誘導体をほとんど取り込まないため、非誘導時と比べた際の誘導時の発現レベルも低いことが示唆されている。



Synechosystis sp. PCC6803中で機能するプロモーターとしては、Ni2+によって誘導可能なプロモーターが報告されている(非特許文献2)。しかし、Ni2+は重金属であるため、バイオ燃料生産を指向した大規模な培養を目標とする場合には、必ずしも適切な誘導剤とは言えない。



シアノバクテリアは光合成を効率的に行うために、様々な光を受容し、遺伝子発現制御を行うシステムを有している。KehoeらはFremyella diplosiphonが有する赤色と緑色の光で遺伝子発現を受容するRcaE(センサーヒスチジンキナーゼ)を利用した発現制御システムを開示している(特許文献1)。また、Synechocystis sp. PCC6803中でも、多くの光センサータンパク質が報告されており、Hiroseらによって2008年に緑色光を受容するセンサータンパク質CcaS(センサーヒスチジンキナーゼ)が報告されている(非特許文献3)。同文献では、CcaSは、緑色光を受容することで自己リン酸化し、CcaR(レスポンスレギュレーター)にリン酸基を転移させる。そして、係るリン酸化されたCcaRがDNA結合能を獲得し、cpcG2のプロモーターの下流の遺伝子の発現を促すことができる旨示唆されている。



この出願は、平成23年度、独立行政法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願である。

産業上の利用分野


本発明は、遺伝子発現の制御方法、目的物質の製造方法、および、それらに用いるDNA配列、発現ベクター、並びに、シアノバクテリアに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シアノバクテリアを宿主として目的遺伝子を発現する方法であって、プロモーターとして機能する塩基配列の下流側であって、前記目的遺伝子の開始コドンの上流側に、12塩基以上50塩基以下の発現調節配列を挿入することを含む、前記目的遺伝子の発現の制御方法。

【請求項2】
請求項1において、
前記プロモーターは、光応答性プロモーターである、制御方法。

【請求項3】
請求項2において、
前記光応答性プロモーターが、配列番号1の1番目~237番目で表される塩基配列と90%以上の相同性を有する配列を有する、制御方法。

【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項において、
前記発現調節配列は、フィコシアニンβサブユニット(cpcB)の開始コドンから上流の5'非翻訳領域の塩基配列と、90%以上の相同性を有する、制御方法。

【請求項5】
請求項4において、
前記発現調節配列は、配列番号2で表される塩基配列と90%以上の相同性を有する塩基配列である、制御方法。

【請求項6】
請求項4または請求項5において、
前記シアノバクテリアが、さらに、外因性遺伝子を含むDNA配列を保持し、
前記外因性遺伝子、および、前記目的遺伝子を共発現させる、制御方法。

【請求項7】
請求項6において、
前記外因性遺伝子は、ccaRである、制御方法。

【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項において、
前記シアノバクテリアは、Synechocystis sp. PCC6803、Nostoc punctiforme PCC 73102、Synechococcus sp. NKBG15041c、Synechococcus sp. PCC7002、Synechococcus elongatus PCC7942、Thermosynechococcus elongatus BP-1、およびSynechococcus sp. JA-3-3Abからなる群より選択される少なくとも1種である、制御方法。

【請求項9】
配列番号1で表される、DNA配列。

【請求項10】
プロモーターとして機能する塩基配列の下流側であって、目的遺伝子の開始コドンの上流側に、12塩基以上50塩基以下の発現調節配列が挿入された配列を含み、シアノバクテリアに用いられる、発現ベクター。

【請求項11】
請求項10に記載の発現ベクターで形質転換されたシアノバクテリア。

【請求項12】
目的物質を産生する能力を有するシアノバクテリアを培地中に、緑色光および赤色光の照射により培養し、当該目的物質を生成させ、当該目的物質を採取することを含む、当該目的物質の製造方法であって、
前記シアノバクテリアが、請求項10に記載のDNA配列を保持し、
前記目的遺伝子の発現が調節される、製造方法。

【請求項13】
請求項12において、
前記シアノバクテリアが、さらに、外因性遺伝子を含むDNA配列を保持し、
前記外因性遺伝子、および、前記目的遺伝子を共発現させる、製造方法。

【請求項14】
請求項13において、
前記外因性遺伝子は、ccaRである、製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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