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インクセット及び印刷物並びに印刷方法

国内特許コード P170013832
整理番号 (S2013-0436-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-501438
出願日 平成26年2月17日(2014.2.17)
国際出願番号 JP2014053587
国際公開番号 WO2014129416
国際出願日 平成26年2月17日(2014.2.17)
国際公開日 平成26年8月28日(2014.8.28)
優先権データ
  • 特願2013-029862 (2013.2.19) JP
発明者
  • 河合 壯
  • 上野 紘史
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 インクセット及び印刷物並びに印刷方法
発明の概要 本発明のインクセットは、m座の配位子を有する、キラルでない蛍光発光性希土類錯体を含有する第1インク組成物と、該第1インク組成物と接触したときに前記m座の配位子と置換して前記蛍光発光性希土類錯体とは別の円偏光発光性希土類錯体を生じさせるn座のキラル配位子を含有する第2インク組成物とを備え、mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とする。上記インクセットを用いることにより、蛍光発光性を有する印刷物の一部にのみ円偏光発光性を有する領域を形成することができる。このため、円偏光発光性領域の存在が明らかになり難くなり、偽造、変造がされ難い識別マークを提供することができる。
従来技術、競合技術の概要


パスポートや運転免許証、健康保険被保険者証は、氏名、性別、年齢、居住地といった個人を特定する情報が記載された公的な書証であることから、本人確認や本人識別のための身分証明書として利用されている。このため、身分証明書が簡単に偽造、変造、改ざん等されるような場合は、本人確認の信頼性を損なうことになる。また、通貨(紙幣、硬貨)や有価証券、クレジットカード等の偽造、変造は、経済社会に大きな混乱をもたらす。そこで、従来より、これら身分証明書や通貨等の偽造を防止するため、特殊な材料から成る、或いは特殊な構造を有する識別マークを設けることが行われている。



偽造防止という目的を考えると、識別マークはその存在自体が明らかでないことが望ましい。そこで、通常状態では不可視であるが、特定波長の励起光を照射することにより蛍光発光が生じる蛍光材料が識別マークの材料として広く利用されている。蛍光材料を用いた識別マークの存在は、励起光の照射によって生じる蛍光発光やその形状により認識される。



蛍光材料の励起には通常、紫外光が用いられる。ところが、ブラックライト等の紫外光発生装置が広く流通する現在においては、だれでも識別マークの存在を確認することができる。蛍光材料自体の入手は比較的容易であるため、識別マークの存在が明らかになると偽造や変造等の危険性が高まる。



これに対して、円偏光発光性を有する材料を用いた識別マークが提案されている(特許文献1~3参照)。該識別マークでは、励起光を照射したときに発せられる蛍光発光に加えて、該蛍光に含まれる円偏光成分の有無や右円偏光成分と左円偏光成分の強度差に基づき真贋判定を行うことができる。

産業上の利用分野


本発明は、紙幣やパスポート、運転免許証等に偽造防止用の識別マークの印刷を行うためのインクセット及び該インクセットを用いて印刷された印刷物並びに印刷方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) m座の配位子を有する、キラルでない蛍光発光性希土類錯体を含有する第1インク組成物と、
b) 該第1インク組成物と接触したときに前記m座の配位子と置換して前記蛍光発光性希土類錯体とは別の円偏光発光性希土類錯体を生じさせるn座のキラル配位子を含有する第2インク組成物とを備え、
mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とするインクセット。

【請求項2】
a) m座のキラル配位子を有する、円偏光発光性希土類錯体を含有する第1インク組成物と、
b) 該第1インク組成物と接触したときに前記m座の配位子と置換されて、キラルでない蛍光発光性希土類錯体を生じさせるn座のキラルでない配位子を含有する第2インク組成物とを備え、
mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とするインクセット。

【請求項3】
前記第2インク組成物は、前記第1インク組成物よりも低発光性であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。

【請求項4】
前記第1インク組成物を用いて印刷された印刷物と前記第2インク組成物が接触し、熱処理されたときに、前記m座の配位子が前記n座の配位子と置換されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のインクセット。

【請求項5】
前記第1インク組成物と前記第2インク組成物が接触し、熱処理されたときに、前記m座の配位子が前記n座の配位子と置換されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のインクセット。

【請求項6】
前記蛍光発光性希土類錯体及び前記円偏光発光性希土類錯体を、該蛍光発光性希土類錯体の励起波長で励起したときの蛍光発光強度の比が、0.7:1~1:0.7であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。

【請求項7】
前記蛍光発光性希土類錯体が、下記一般式(6)
【化6】


(式中、L1~L3は同一又は異なる水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1~C20の基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、シリル基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表す。)
で表されるアセチルアセトン誘導体の配位子を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のインクセット。

【請求項8】
前記蛍光発光性希土類錯体が、下記一般式(7)
【化7】


(式中、Ln(III)は3価の希土類イオン、L1~L3は同一又は異なる水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1~C20の基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、シリル基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表す。)
で表される構造を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のインクセット。

【請求項9】
前記蛍光発光性希土類錯体が、下記一般式(8)
【化8】


(式中、Ln(III)はEu又はTbを表す。)
で表される構造を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のインクセット。

【請求項10】
前記キラル配位子が、下記一般式(9)
【化9】


(式中、Xは同一又は異なる水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1~C6の直鎖状或いは分枝状の基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表し、Y及びZは5員の芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表し、R1は同一又は異なるC1~C6の直鎖状或いは分枝状の基、水素原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表し、R2は同一又は異なるC1~C6の直鎖状或いは分枝状の基、水素原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表す。)
で表されることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のインクセット。

【請求項11】
前記キラル配位子が、下記式(10)
【化10】


で表されることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のインクセット。

【請求項12】
前記第1インク組成物が、下記一般式(11)
【化11】


(式中、R3は同一又は異なる水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1~C20の基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表し、Tは2つのフェニル基を連結する単結合もしくは原子団であって2つのベンゼン環を炭素原子2個と同等もしくはそれ以下の距離をへだてて配置せしめる原子団を表す。)
で表されるホスト材料に前記蛍光発光性希土類錯体を分散させて成ることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のインクセット。

【請求項13】
前記第2インク組成物が、下記一般式(11)
【化11】


(式中、R3は同一又は異なる水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、C1~C20の基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ホスホン酸基、ジアゾ基、メルカプト基のいずれかを表し、Tは2つのフェニル基を連結する単結合もしくは原子団であって2つのベンゼン環を炭素原子2個と同等もしくはそれ以下の距離をへだてて配置せしめる原子団を表す。)
で表されるホスト材料に前記キラル配位子を分散させて成ることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載のインクセット。

【請求項14】
前記原子団は、下記の式(12)
【化12】


で表される原子団のいずれかであることを特徴とする請求項12又は13に記載のインクセット。

【請求項15】
前記蛍光発光性希土類錯体が、下記一般式(13)
【化13】


(式中、Ln(III)はEu又はTbを表す。)
で表され、
前記キラル配位子が、下記式(14)
【化14】


で表され、
前記円偏光発光性希土類錯体が、下記一般式(15)
【化15】


(式中、Ln(III)はEu又はTbを表す。)
で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。

【請求項16】
m座の配位子を有する、キラルでない蛍光発光性希土類錯体を第1ホスト材料に分散させて成る第1インク組成物で形成された薄膜の上に、n座のキラル配位子を第2ホスト材料に分散させて成る第2インク組成物で印字し、熱処理を行うことにより形成される印刷物であって、mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とする印刷物。

【請求項17】
m座のキラル配位子を有する、円偏光発光性希土類錯体を第1ホスト材料に分散させて成る第1インク組成物で形成された薄膜の上に、n座のキラルでない配位子を第2ホスト材料に分散させて成る第2インク組成物で印字し、熱処理を行うことにより形成される印刷物であって、mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とする印刷物。

【請求項18】
m座の配位子を有する、キラルでない蛍光発光性希土類錯体を第1ホスト材料に分散させてなる第1インク組成物で薄膜を形成し、
該薄膜の上に、n座のキラル配位子を第2ホスト材料に分散させて成る第2インク組成物で印字し、
熱処理を行うことにより印刷物を形成する方法であって、
mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とする印刷方法。

【請求項19】
m座のキラル配位子を有する、円偏光発光性希土類錯体を第1ホスト材料に分散させてなる第1インク組成物で薄膜を形成し、
該薄膜の上に、n座のキラルでない配位子を第2ホスト材料に分散させて成る第2インク組成物で印字し、
熱処理を行うことにより印刷物を形成する方法であって、
mが1~3の整数、nが2~4の整数で且つmよりも大きいことを特徴とする印刷方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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