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光電変換装置、建築物および電子機器 NEW

国内特許コード P170013836
整理番号 (S2013-0054-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2014-542164
出願日 平成25年10月17日(2013.10.17)
国際出願番号 JP2013078139
国際公開番号 WO2014061719
国際出願日 平成25年10月17日(2013.10.17)
国際公開日 平成26年4月24日(2014.4.24)
優先権データ
  • 特願2012-231508 (2012.10.19) JP
発明者
  • 石橋 晃
  • 松岡 隆志
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 光電変換装置、建築物および電子機器 NEW
発明の概要 入射光に対する不感領域をなくすことができ、ステブラー・ロンスキー効果や紫外成分による有機半導体の劣化を抑えることができ、極めて高い光電変換効率を得ることができ、大面積化も極めて容易な、太陽電池などとして用いて好適な光電変換装置を提供する。
光電変換装置は、3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体80と、2次元空間伝播光を導波する面状光導波路20と、この面状光導波路20の端部に設けられた光電変換用の半導体層30とを有する。面状光導波路20の主面に入射した光がその内部を導波されて半導体層30に入射する。面状光導波路20内を導波される光の正味の進行方向と、この面状光導波路20の端面から半導体層30に入射した光によりこの半導体層30の内部に生成されるキャリアの正味の移動方向とのなす角度θがほぼ直角である。
従来技術、競合技術の概要


未来の循環型社会のキーテクノロジーとして、また単に地球温暖化を防止するのみならず、自然環境の調和した緑の地球を次代の人類に手渡すためには、太陽光のより一層の有効利用が望まれる。この観点から世界的に太陽電池が注目され、光電変換効率の向上や製造コストの低減を図るべく盛んに研究開発が行われている。



従来の太陽電池としては、アモルファスまたは結晶シリコンを用いた太陽電池、GaAs結晶を用いた太陽電池、有機半導体を用いた太陽電池などが知られている。これらの太陽電池は、p型半導体層とn型半導体層とからなるpn接合をアノード電極とカソード電極との間に挟んだ構造を有し、pn接合の接合面に太陽光が垂直入射するタイプのものが一般的である(例えば、非特許文献1参照。)。



この従来の太陽電池を図1に示す。図1に示すように、この従来の太陽電池は、p型半導体層151とn型半導体層152とによりpn接合を構成し、p型半導体層151上にアノード電極153を形成し、n型半導体層152上にカソード電極154を形成したものであり、全体として板状の形状を有する。この太陽電池においては、一方の主面155に垂直に入射する光156の進行方向と、この光156の入射によりpn接合中に生成される電子および正孔がドリフトまたは拡散によりそれぞれカソード電極154およびアノード電極153に向かう方向、言い換えるとキャリアの正味の移動方向とが平行になっている。このため、光156の吸収を十分に行うためにp型半導体層151およびn型半導体層152を厚くしようとすると、アノード電極153とカソード電極154との間の距離が大きくなってしまうため、光吸収の増大とキャリアの収集効率の向上とを両立させることは極めて困難であり、ひいてはこれが光電変換効率の向上を妨げていた。即ち、従来の太陽電池においては、吸収光子数およびフォトキャリア収集効率は、共に電極間隔、言い換えればp型半導体層151およびn型半導体層152の合計の厚さdに依存し、トレードオフの関係にあるため、光電変換効率ηはdに対し、図2の太い実線で示すように振舞う。また、従来の太陽電池は、量産性に富むものはその多くが単一のバンドギャップを用いているため、光電変換効率としては、図3の実線で示すように、理論的に最大でも30%程度しか得られない問題があった。これを補うために、太陽電池をスタック構造としたり、マルチ接合構造や互いにバンドギャップが異なる複数種の半導体を用いて太陽電池を構成したりする試みもあるが、これらの太陽電池はいずれも大面積化が容易ではないという問題がある。理論的には、図3に示すように、N=10、即ち10段階のバンドギャップを用いることで約60%の高効率が得られる。



他方、光電変換効率の大幅な向上を図ることを目的として、最近、pn接合の接合面に平行に太陽光が入射するタイプの太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この太陽電池は、アノード電極とカソード電極とが、間にp型半導体層とn型半導体層とからなるpn接合を挟んで渦巻き状に形成されたもので、全体として薄い円板の形状を有する。p型半導体層およびn型半導体層のバンドギャップEg は、光入射面から円板の厚さ方向にn段階(n≧2)に段階的に減少しており、光入射面側から順にEg1、Eg2、…、Egn(Eg1>Eg2>…>Egn)となっている。



図4は、ロールツーロールプロセスで製造された、特許文献1に記載の太陽電池の一例を示し、円板の直径方向の断面を示す。この太陽電池を製造するには、透明な樹脂製のベースフィルムを用いて、その上に太陽電池のアノード電極、半導体層およびカソード電極を形成し、ベースフィルムを巻き込みながら渦巻き構造を形成する。図4に示すように、この太陽電池では、ベースフィルム201の幅方向(円板の厚さ方向)に順にアノード電極202、203、204、205が形成されている。これらのアノード電極202、203、204、205はベースフィルム201の長手方向に細長く延びて形成されている。これらのアノード電極202、203、204、205の上にバンドギャップEg がそれぞれEg1、Eg2、Eg3、Eg4(Eg1>Eg2>Eg3>Eg4)の半導体からなる領域206、207、208、209が形成されている。これらの領域206、207、208、209のアノード電極202、203、204、205とは反対側の面には全面電極であるカソード電極210が形成されている。ここで、領域206、207、208、209の円板の厚さ方向の幅は典型的には数十μm程度、円板の直径方向の幅は典型的には150nm程度である。これに対し、図4においては図示の都合上ベースフィルム201の厚さは極端に小さく描かれているが、ベースフィルム201の厚さは例えば約100μm程度であり、領域206、207、208、209の円板の直径方向の幅に比べて3桁程度大きい。



なお、光電変換材料に単一物質を用いた太陽電池に関するものであるが、集光システムを使わず、光の伝播を考えて光電変換効率の向上を目指した報告がある(非特許文献2、3参照。)。また、レンズ等を用いた集光システムを使うと、太陽光を受ける面積に対し、素子の面積を小さくすることができ、また、集光による光子数の増大により光電変換効率が向上することが知られているが、集光により太陽電池の温度も上昇してしまうため、光電変換効率の低下に繋がっていた。

産業上の利用分野


この発明は、光電変換装置、建築物および電子機器に関し、例えば、ビルの窓や各種の電子機器のディスプレイなどに設置して太陽電池として用いて好適な光電変換装置ならびにこの光電変換装置を用いた建築物および電子機器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体と、
上記2次元空間伝播光を導波する面状光導波路と、
上記面状光導波路の端部に設けられた光電変換用の半導体層とを有し、
上記面状光導波路の主面に入射した光が上記面状光導波路内を導波されて上記半導体層に入射するように構成され、
上記面状光導波路内を導波される光の正味の進行方向と、上記面状光導波路の端面から上記半導体層に入射した光により上記半導体層中に生成されるキャリアの正味の移動方向とのなす角度θがほぼ直角であることを特徴とする光電変換装置。

【請求項2】
上記3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体が、互いに屈折率が異なる帯状の第1の部分および帯状の第2の部分が交互に周期的に、または一定間隔で、配列された構造を有することを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。

【請求項3】
上記間隔が互いに異なる複数の値に設定されたことを特徴とする請求項2記載の光電変換装置。

【請求項4】
上記3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体が、上記面状光導波路の主面または上記面状光導波路内に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項5】
上記3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体が、上記面状光導波路の主面または上記面状光導波路内に設けられた回折格子であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項6】
上記面状光導波路と上記半導体層とが互いに一体に設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項7】
上記半導体層の互いに対向する第1の面および第2の面にそれぞれ第1の電極および第2の電極が設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項8】
上記半導体層は無機半導体または有機半導体からなることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項9】
上記半導体層はp型半導体層とn型半導体層とからなるpn接合であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項10】
上記半導体層のバンドギャップまたはHOMO-LUMOギャップが光の進行方向に順に段階的および/または連続的に減少するように構成されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項11】
上記半導体層はバンドギャップまたはHOMO-LUMOギャップが光の進行方向に順に段階的に減少した複数の領域からなり、上記第1の電極および上記第2の電極のうちの少なくとも一方は各領域間で互いに分離して設けられていることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項12】
上記面状光導波路は四角形の形状を有し、上記面状光導波路の互いに対向する一対の辺のうちの少なくとも一方の辺に相当する上記面状光導波路の端部に上記半導体層が設けられ、上記面状光導波路の上記互いに対向する一対の辺と異なる一対の辺のうちの少なくとも一方の辺に相当する上記面状光導波路の端部に光反射機構が設けられていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項13】
上記面状光導波路は、上記面状光導波路内を導波される光が上記面状光導波路のうちの上記半導体層と接触する部分に集光される屈折率分布を有することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項14】
上記3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体上に光波進行方向変換シートが設けられていることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項15】
上記面状光導波路の主面に光が入射する際に上記半導体層に光が直接入射しないように構成されていることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項16】
上記半導体層はバンドギャップまたはHOMO-LUMOギャップが光の進行方向に順に段階的に減少した複数の領域からなり、各領域の光の進行方向の幅が、各領域のバンドギャップまたはHOMO-LUMOギャップと等しいエネルギーを有する光の各領域における吸収係数の逆数以上であることを特徴とする請求項1~15のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項17】
上記半導体層はアモルファス半導体、多結晶半導体または単結晶半導体からなることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項18】
上記半導体層は、光の進行方向に順に、Six 1-x (0<x<1)からなる領域、Siからなる領域およびSiy Ge1-y (0<y<1)からなる領域を有することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項19】
上記半導体層は、光の進行方向に順に、Six 1-x (0<x<1)からなる領域、Siからなる領域およびマイクロクリスタルSiy Ge1-y (0<y<1)からなる領域を有することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項20】
上記半導体層は、光の進行方向に順に、AlGaN、GaNおよびIGZOからなる群より選ばれた少なくとも一つの半導体を含む領域、Six 1-x (0<x<1)からなる領域、Siからなる領域およびSiy Ge1-y (0<y<1)からなる領域を有することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項21】
上記半導体層は、光の進行方向に順に、Six 1-x (0<x<1)からなる領域、Siからなる領域、Siy Ge1-y (0<y<1)からなる領域およびGeからなる領域を有することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項22】
上記光電変換装置は太陽電池であることを特徴とする請求項1~21のいずれか一項記載の光電変換装置。

【請求項23】
少なくとも一つの光電変換装置を有し、
上記光電変換装置が、
3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体と、
上記2次元空間伝播光を導波する面状光導波路と、
上記面状光導波路の端部に設けられた光電変換用の半導体層とを有し、
上記面状光導波路の主面に入射した光が上記面状光導波路内を導波されて上記半導体層に入射するように構成され、
上記面状光導波路内を導波される光の正味の進行方向と、上記面状光導波路の端面から上記半導体層に入射した光により上記半導体層中に生成されるキャリアの正味の移動方向とのなす角度θがほぼ直角であることを特徴とする建築物。

【請求項24】
上記面状光導波路の主面に光が入射する際に上記半導体層に光が直接入射しないように上記半導体層が上記建築物の陰の部分に配置されていることを特徴とする請求項23記載の建築物。

【請求項25】
外面に取り付けられた少なくとも一つの光電変換装置を有し、
上記光電変換装置が、
3次元空間伝播光を2次元空間伝播光に変換する構造体と、
上記2次元空間伝播光を導波する面状光導波路と、
上記面状光導波路の端部に設けられた光電変換用の半導体層とを有し、
上記面状光導波路の主面に入射した光が上記面状光導波路内を導波されて上記半導体層に入射するように構成され、
上記面状光導波路内を導波される光の正味の進行方向と、上記面状光導波路の端面から上記半導体層に入射した光により上記半導体層中に生成されるキャリアの正味の移動方向とのなす角度θがほぼ直角であることを特徴とする電子機器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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