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ネクロプトーシス関連疾患の治療用医薬組成物及びその有効成分のスクリーニング方法 NEW

国内特許コード P170013837
整理番号 (S2013-0574-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-500272
出願日 平成26年2月13日(2014.2.13)
国際出願番号 JP2014053263
国際公開番号 WO2014126127
国際出願日 平成26年2月13日(2014.2.13)
国際公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
優先権データ
  • 特願2013-025522 (2013.2.13) JP
発明者
  • 阿部 理一郎
  • 齋藤 奈央
  • 清水 宏
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 ネクロプトーシス関連疾患の治療用医薬組成物及びその有効成分のスクリーニング方法 NEW
発明の概要 本発明の目的は、重症の粘膜疹及び皮膚の紅斑、体表のびらん、水疱、及び表皮剥離が発生するメカニズムを解析し、それらの症状に対する根本的な治療用医薬組成物を提供することである。また、前記医薬組成物の有効成分をスクリーニングする方法を提供することである。
前記課題は、ホルミルペプチド受容体1及びアネキシンA1の結合により誘導されるネクロプトーシスを抑制する物質を有効成分として含む、ホルミルペプチド受容体1誘導性ネクロプトーシス関連疾患の予防用又は治療用医薬組成物、及びホルミルペプチド受容体1及びアネキシンA1の結合により誘導されるネクロプトーシスを抑制する物質のスクリーニング方法によって解決することができる。
従来技術、競合技術の概要


薬疹とは、薬物に反応してできる皮疹をいい、すべての薬物は薬疹を引き起こす可能性がある。薬疹によって生命に危険を及ぼすような重症な薬疹を重症薬疹といい、その最重症型であるスティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson Syndrome;以下、SJSと称することがある)及び中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal necrolysis;以下、TENと称することがある)は、高熱と広範な表皮細胞の壊死を特徴とする、非常に予後の悪い疾患である。SJSでは、口唇、眼粘膜、外陰部などの皮膚粘膜移行部で重症の粘膜疹及び皮膚の紅斑が見られ、体表のびらん、水疱、表皮剥離は体表面積の10%以下である。SJSは、薬物以外のウイルスが原因のものもあると言われているが、その多くは薬物を原因とするものである。TENにはSJSから移行したサブタイプも含まれ、その症状はSJSと類似であるが全体としてSJSより重篤であり、体表面積の10%以上でびらん、水疱、表皮剥離が見られる。また、皮膚や粘膜だけではなく目にも症状が現れ、失明することもあり、TENの致死率は20~25%とされている(非特許文献1)。



SJS及びTENの原因となる薬剤としては、セフェム系の抗生物質であるセフジニル、抗てんかん薬(例えば、ゾニサミド、カルバマゼピン、及びフェノバルビタール)、又は非ステロイド性抗炎症薬が挙げられるが、これら以外にも原因となる薬物は1100種類以上あるといわれている。



SJS及びTENの治療としては、発熱や発疹等の初期症状を認めた場合に、原因と推定される医薬品の投与を直ちに中止することが最も重要で最良の治療法であるといわれている。しかしながら、SJS及びTENの初期症状は、皮疹のみ出現する通常薬疹の症状と似ており、SJS及びTENと診断されない場合、薬物の投与中止が遅れ、症状が重篤になることもある。そして、原因の医薬品の投与を中止した後の治療方法としては、副腎皮質ホルモン剤の全身投与、血漿交換療法、又は免疫グロブリンの投与、及び皮膚面に対しては外用抗生物質製剤、外用副腎皮質ホルモン製剤が用いられている。しかしながら、これらの治療方法は対症療法であり、SJS及びTENの根本的な治療ではなかった。

産業上の利用分野


本発明は、ホルミルペプチド受容体1誘導性ネクロプトーシス関連疾患の予防用又は治療用医薬組成物に関する。本発明によれば、ホルミルペプチド受容体1誘導性ネクロプトーシス関連疾患、特にはスティーブンス・ジョンソン・シンドローム、又は中毒性表皮壊死症を治療することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
ホルミルペプチド受容体1及びアネキシンA1の結合により誘導されるネクロプトーシスを抑制する物質を有効成分として含む、ホルミルペプチド受容体1誘導性ネクロプトーシス関連疾患の予防用又は治療用医薬組成物。

【請求項2】
前記抑制物質が、アネキシンA1阻害物質、ホルミルペプチド受容体1阻害物質、RIP(Receptor-interacting protein)1阻害物質、RIP(Receptor-interacting protein)3阻害物質、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される物質である、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
前記ネクロプトーシス関連疾患が、スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson Syndrome)又は中毒性表皮壊死症である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。

【請求項4】
前記抑制物質が、アネキシンA1阻害物質である場合には抗アネキシンA1抗体であり、ホルミルペプチド受容体1阻害物質である場合にはホルミルペプチド受容体1抗体であり、抗RIP1阻害物質である場合にはネクロスタチン1であり、そしてRIP3阻害物質である場合にはsiRNAである、請求項2又は3に記載の医薬組成物。

【請求項5】
ホルミルペプチド受容体1と結合し、ネクロプトーシスを誘導する物質を有効成分として含む、ネクロプトーシス誘導剤。

【請求項6】
前記誘導物質が、fMLPである、請求項5に記載のネクロプトーシス誘導剤。

【請求項7】
ホルミルペプチド受容体1又はその改変体とホルミルペプチド受容体1のリガンド又はアゴニストとを試験物質の存在下で接触させる工程と、前記受容体又はその改変体と前記リガンド又はアゴニストとの結合に対する前記試験物質の阻害活性を検出する工程若しくはホルミルペプチド受容体1及びアネキシンA1の結合により誘導されるネクロプトーシスに対する前記試験物質の誘導阻害活性を検出する工程、とを含む、ホルミルペプチド受容体1及びアネキシンA1の結合により誘導されるネクロプトーシスを抑制する物質のスクリーニング方法。

【請求項8】
前記ホルミルペプチド受容体1又はその改変体が、細胞に発現したものである、請求項7に記載のスクリーニング方法。

【請求項9】
(1)ホルミルペプチド受容体1又はその改変体と、試験物質とを接触させる工程、及び
(2)ホルミルペプチド受容体1又はその改変体によって誘導されるネクロプトーシスを検出する工程、
を含むホルミルペプチド受容体1誘導性ネクロプトーシスの誘導物質のスクリーニング方法。

【請求項10】
前記ホルミルペプチド受容体1又はその改変体が、細胞に発現したものである、請求項9に記載のスクリーニング方法。

【請求項11】
前記ホルミルペプチド受容体1改変体が、
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質の部分ペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含むポリペプチド若しくはその部分ペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が80%以上であるアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその部分ペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、又は(4)前記(1)~(3)のいずれか1つのポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導する融合ポリペプチド、
である、請求項7~10のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。

【請求項12】
前記細胞が、
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又はその部分ペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含むポリペプチド若しくはその部分ペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が80%以上であるアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその部分ペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(4)前記(1)~(3)のいずれか1つのポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、アネキシンA1と結合することによりネクロプトーシスを誘導する融合ポリペプチド、
のいずれかをコードするポリヌクレオチド、を含む請求項8又は10に記載のスクリーニング方法。

【請求項13】
前記ホルミルペプチド受容体1のリガンド若しくはアゴニストが、fMLP若しくはその誘導体、又はアネキシンA1若しくはその変異体であって、前記アネキシンA1変異体が
(1)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質の部分ペプチドであって、ホルミルペプチド受容体1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1~10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含むポリペプチド若しくはその部分ペプチドであって、ホルミルペプチド受容体1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、(3)配列番号4で表されるアミノ酸配列との相同性が80%以上であるアミノ酸配列からなるペプチド若しくはその部分ペプチドであって、ホルミルペプチド受容体1と結合することによりネクロプトーシスを誘導するポリペプチド、又は(4)前記(1)~(3)のいずれか1つのポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、ホルミルペプチド受容体1と結合することによりネクロプトーシスを誘導する融合ポリペプチドである、請求項7又は8に記載のスクリーニング方法。

【請求項14】
ホルミルペプチド受容体1及びアネキシンA1の結合により誘導されるネクロプトーシスを抑制する物質の、ホルミルペプチド受容体1誘導性ネクロプトーシス関連疾患の予防用又は治療用医薬の製造への使用。

【請求項15】
前記抑制物質が、アネキシンA1阻害物質、ホルミルペプチド受容体1阻害物質、RIP(Receptor-interacting protein)1阻害物質、RIP(Receptor-interacting protein)3阻害物質、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される物質である、請求項14に記載の使用。

【請求項16】
前記ネクロプトーシス関連疾患が、スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson Syndrome)又は中毒性表皮壊死症である、請求項14又は15に記載の使用。

【請求項17】
前記抑制物質が、アネキシンA1阻害物質である場合には抗アネキシンA1抗体であり、ホルミルペプチド受容体1阻害物質である場合にはホルミルペプチド受容体1抗体であり、抗RIP1阻害物質である場合にはネクロスタチン1であり、そしてRIP3阻害物質である場合にはsiRNAである、請求項14又は15に記載の使用。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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