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フェルスター共鳴エネルギー移動用ポリペプチド NEW

国内特許コード P170013839
整理番号 (S2013-0857-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2015-511267
出願日 平成26年4月8日(2014.4.8)
国際出願番号 JP2014060185
国際公開番号 WO2014168143
国際出願日 平成26年4月8日(2014.4.8)
国際公開日 平成26年10月16日(2014.10.16)
優先権データ
  • 特願2013-080738 (2013.4.8) JP
発明者
  • 大場 雄介
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 フェルスター共鳴エネルギー移動用ポリペプチド NEW
発明の概要 本発明の目的は、FRETの評価ができない細胞を減少させ、効率のよいチロシンキナーゼ活性の測定方法を提供することである。
前記課題は、フェルスター共鳴エネルギー移動を誘導するドナー及びアクセプターが結合した、(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、91番~97番の少なくとも1つのアミノ酸及び/又は201番~222番の少なくとも1つのアミノ酸が置換されているアミノ酸配列からなるポリペプチド、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、カルボキシル末端側から1~81個のアミノ酸が欠失しており、且つ91番~97番の少なくとも1つのアミノ酸及び/又は201番~222番の少なくとも1つのアミノ酸が置換されているアミノ酸配列からなるポリペプチド、によって解決することができる。
従来技術、競合技術の概要


白血病は、これを放置すると重大な合併症により死に至る血液腫瘍性疾患である。白血病の一種である慢性骨髄性白血病(CML)及び一部の急性リンパ性白血病(ALL)においては、9・22番染色体の相互転座により生じる特徴的なフィラデルフィア(Ph)染色体転座によりbcr-abl融合遺伝子が形成され、この遺伝子から恒常的なチロシンキナーゼ活性をもつ細胞質タンパク質(BCR-ABL)が発現されること、そしてこのBCR-ABLのチロシンキナーゼ活性によって種々のタンパク質がリン酸化されることが発症に関連していること、等が知られている。



白血病の治療法としては、一般に、抗癌剤等の投与による薬学的治療又は造血幹細胞移植等の移植治療のいずれか、あるいはその両方が選択される。特に、CMLの薬学的治療は、2-フェニルアミノピリミジン系化合物であるチロシンキナーゼ阻害剤の投与を中心に行われており、現在では、登録商標名「イマチニブ」(imatinib、STI-571又は登録商標名グリーベック(Gleevec)とも呼ばれる)の投与が標準的な薬学的治療法となりつつある。



イマチニブは、BCR-ABLのキナーゼドメインにおけるATP結合部位を標的とする、選択性の高い分子標的薬物の一種である。一般に、分子標的薬物の使用は、その特異性から高い安全性と効果が期待される、理想の治療法の一つである。しかし同時に、分子標的薬物の使用は、突然変異を有する標的分子を持つ患者に対してはその期待される薬効が発揮され難いという問題を伴うことが多く、イマチニブを代表とするBCR-ABLを標的分子とした2-フェニルアミノピリミジン系化合物であるチロシンキナーゼ阻害剤もその例外ではない。



従って、BCR-ABLのキナーゼドメインの変異により、イマチニブ(チロシンキナーゼ阻害剤)などの効果が得られない患者を発見するために、薬剤耐性を検査することは重要である。従来、白血病患者のイマチニブ耐性の検査は、主に、患者のbcr-abl遺伝子の塩基配列を決定してBCR-ABLの変異の種類を確認する方法(例えば非特許文献1)又はBCR-ABLの基質タンパク質であるCrkLのリン酸化をイムノブロッティングで検出する方法(例えば非特許文献2)によって、行われていた。

産業上の利用分野


本発明は、フェルスター共鳴エネルギー移動用ポリペプチド及びそれを用いたチロシンキナーゼ阻害剤に対する抵抗性確認方法に関する。本発明によれば、プロテアーゼにより切断されないため、解析した細胞のほとんどをFRETの評価に用いることができ、従って効率のよいチロシンキナーゼ活性の測定が可能である。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、91番~97番の少なくとも1つのアミノ酸及び/又は201番~222番の少なくとも1つのアミノ酸が置換されているアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、カルボキシル末端側から1~81個のアミノ酸が欠失しており、且つ91番~97番の少なくとも1つのアミノ酸及び/又は201番~222番の少なくとも1つのアミノ酸が置換されているアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は
(3)前記ポリペプチド(1)又はポリペプチド(2)のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、しかもフェルスター共鳴エネルギー移動を誘導するドナー及びアクセプターが結合した場合に、BCR-ABLによるリン酸化に伴いフェルスター共鳴エネルギー移動を誘導する活性を示すポリペプチド、
であって、91番~97番及び201番~222番のアミノ酸が置換されていないポリペプチドと比較して切断が抑制されるポリペプチド。

【請求項2】
前記91番~97番のアミノ酸の置換が、94番のアミノ酸の置換である、請求項1に記載のポリペプチド。

【請求項3】
前記91番~97番のアミノ酸の置換が、94番のアスパラギン酸からアラニンへの置換である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。

【請求項4】
フェルスター共鳴エネルギー移動を誘導するドナー及びアクセプターが結合した、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリペプチド。

【請求項5】
前記ドナーとして蛍光タンパク質若しくは生物発光タンパク質が、又は前記ドナーの結合タグとして蛍光化合物結合ポリペプチドが、前記ポリペプチドのN末端又はC末端の一方に結合し、そして前記アクセプターとして蛍光タンパク質が、又は前記アクセプターの結合タグとして蛍光化合物結合ポリペプチドが、前記ポリペプチドのN末端又はC末端の他方に結合している、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリペプチド。

【請求項6】
前記ドナー及びアクセプターの蛍光タンパク質がGFP、eGFP、YFP、CFP、DsRed、MiCy、mKO、及びそれらの変異体からなる群から選択される、請求項5に記載のポリペプチド。

【請求項7】
核外搬出シグナルを更に含む、請求項5又は6に記載のポリペプチド。

【請求項8】
配列番号4、6、8、又は19で表されるアミノ酸配列からなる請求項5又は6に記載のポリペプチド。

【請求項9】
配列番号4で表されるアミノ酸配列における545番~547番の少なくとも1つのアミノ酸、配列番号6で表されるアミノ酸配列における464番~466番の少なくとも1つのアミノ酸、配列番号8で表されるアミノ酸配列における464番~466番の少なくとも1つのアミノ酸、又は配列番号19で表されるアミノ酸配列における468番~470番の少なくとも1つのアミノ酸が置換されている請求項8に記載のポリペプチド。

【請求項10】
請求項4~9のいずれか一項に記載のポリペプチドと、患者由来の細胞とを接触させる工程、及び
前記アクセプターの蛍光発光、又はアクセプターの蛍光発光及びドナーの生物発光若しくは蛍光発光を検出する工程、
を含む、チロシンキナーゼ活性の測定方法。

【請求項11】
前記チロシンキナーゼ活性が、BCR-ABL、c-Abl、又は上皮増殖因子受容体のチロシンキナーゼ活性である、請求項10に記載の方法。

【請求項12】
前記細胞が腫瘍細胞である、請求項10又は11に記載の方法。

【請求項13】
チロシンキナーゼ阻害剤、請求項4~9のいずれか一項に記載のポリペプチドと、患者由来の細胞とを接触させる工程、及び
前記アクセプターの蛍光発光、又はアクセプターの蛍光発光及びドナーの生物発光若しくは蛍光発光を検出する工程、
を含む、前記細胞のチロシンキナーゼ阻害剤に対する抵抗性を確認する方法。

【請求項14】
前記細胞が腫瘍細胞である、請求項13に記載の方法。

【請求項15】
試験化合物の存在下で、請求項4~9のいずれか一項に記載のポリペプチドと、BCR-ABL、c-Abl、若しくは上皮増殖因子受容体とを接触させる工程、及び
前記アクセプターの蛍光発光、又はアクセプターの蛍光発光及びドナーの生物発光若しくは蛍光発光を測定する工程、
を含む、チロシンキナーゼ活性に対する阻害剤をスクリーニングする方法。

【請求項16】
前記ポリペプチド、及びBCR-ABL、c-Abl、若しくは上皮増殖因子受容体の接触が、細胞内で行われる請求項15に記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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