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核酸抽出用デバイス及び該デバイスの製造方法、並びに核酸抽出方法及び核酸配列解析方法

国内特許コード P170013844
整理番号 (S2013-0128-N0)
掲載日 2017年3月16日
出願番号 特願2014-543259
出願日 平成25年10月17日(2013.10.17)
国際出願番号 JP2013078203
国際公開番号 WO2014065192
国際出願日 平成25年10月17日(2013.10.17)
国際公開日 平成26年5月1日(2014.5.1)
優先権データ
  • 特願2012-236451 (2012.10.26) JP
発明者
  • 安井 隆雄
  • 柳田 剛
  • 加地 範匡
  • 川合 知二
  • 馬場 嘉信
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 核酸抽出用デバイス及び該デバイスの製造方法、並びに核酸抽出方法及び核酸配列解析方法
発明の概要 細胞等を前処理することなく、細胞等から簡単且つ迅速に核酸を抽出することができるデバイスを提供する。基板上に設けたマイクロ流路上に、マイクロ流路表面から折れ曲がって成長、又は放射状に成長したナノワイヤを設けた核酸抽出用デバイス。
従来技術、競合技術の概要


近年、分子生物学の進歩により、病院等の医療機関の現場では、遺伝子欠失や薬剤感受性SNP(Single Nucleotide Polymorphism)などの遺伝子診断、病原菌等による感染症の診断やアレルゲンの診断等、遺伝子解析に基づく診断等が広がりつつあり、細胞等から遺伝子である核酸を効率的且つ簡便な操作で抽出する方法が求められている。



核酸を含有する細胞等から核酸を分離、抽出する方法としては、例えば、フェノール・クロロホルム抽出法、核酸含有溶液をエタノール溶液で沈殿して核酸を分離する方法、酵素を用いて細胞等を溶解して核酸を分離する方法、磁気ビーズを用いた核酸抽出方法、フィルターを用いた核酸抽出方法等、様々な方法が知られている。



しかしながら、フェノール・クロロホルム抽出法では、フェノール・クロロホルムを用いてタンパク質や脂質など細胞等の水に難溶性の成分を変性させることで除去しているが、核酸の抽出には遠心分離工程を繰り返す等、操作に時間がかかるとともに手技を習得する必要がある上、核酸の抽出には危険な試薬を必要とする問題がある。また、エタノール溶液で沈降する方法も、酵素を用いる方法も、何れも核酸を抽出するには操作に時間がかかるという問題がある。更に、磁気ビーズを用いた方法においても、磁気ビーズが精製物に混入するといった問題や、核酸が吸着するビーズの表面積が小さく核酸収量が低い等の問題がある。



一方、抽出された核酸の解析は、酵素法、化学分解法等が知られており、現在はこれらの原理を使用した自動シークエンスキット等も販売されている。



ところで、DNA塩基配列の超高速解析、ウィルスの超微量かつ超高速検出、花粉などのアレルゲンの超高感度かつ超高速検出などは、安心、安全、健康な社会実現のためには必要不可欠な技術である。しかしながら、従来の技術では解析すべきDNAのPCR等を用いた増幅工程が必要であり、迅速にDNA解析をすることができなかった。その問題点を解決するため、ナノポアシーケンサにより1本のDNAから塩基識別できる1分子解析技術(非特許文献1「M. Tsutsui et al.,“Identifying single nucleotides by tunnelling current”, Nat. Nanotech., 2010,5,286-290.」参照)が知られている。また、前記1分子解析のサンプルとして使用するために、長鎖DNAを一本のDNAに伸長させるDNA伸長技術も知られている(非特許文献2「安井等、「ナノ構造体を用いたDNA解析」、NEW GLASS、2009、Vol.24、No.1、p22-27」参照)。



前記伸長技術は、石英ガラス上のナノ流路に電子線リソグラフィとフォトリソグラフィとを組み合わせて、ナノピラーと呼ばれる直径が約500nm、高さが約4000nmのSiO2からなる竹林のような形状のものを微細加工技術(トップダウン方式)で形成する。そして、細胞等から抽出した長鎖DNAをナノピラーの間を通過させることで、上記1分子解析に使用することが可能となる伸長したDNAを得る技術である。



しかしながら、上記伸長技術に用いられるDNAは、従来のフェノール・クロロホルム抽出法等の従来法により抽出されたDNAであり、細胞等から超高感度かつ超高速でDNA配列を解析するためには、依然として時間がかかるという問題がある。



なお、基板上に設けたナノワイヤに細胞等を擦り付けるように移動させることで、薬品や酵素等を使用しなくても、細胞等を破砕できることは知られている(非特許文献3「Jung Kim et al., “Nanowire-integrated microfluidic devices for facile and reagent-free mechanical cell lysis”, Lab on Chip,2012, 12, 2914-2921」参照)。しかしながら、非特許文献3に記載されている技術では、単に細胞等を破砕するにとどまり、細胞等から選択的に核酸を抽出することは確認されていない。

産業上の利用分野


本発明は、核酸抽出用デバイス及び該デバイスの製造方法、並びに核酸抽出方法及び核酸配列解析方法に関する。特に、ナノワイヤを用いて細胞、ウィルス、菌等(以下「細胞等」と記載することもある。)に孔をあけ、電場を印加して前記孔から漏出したDNA及びRNA(以下「核酸」と記載することもある。)を回収することで、細胞等の溶解等の前処理をすることなく、細胞等そのものから迅速且つ簡便に核酸を抽出することができる核酸抽出用デバイス及び該デバイスの製造方法、並びに核酸抽出方法及び核酸配列解析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に設けたマイクロ流路上に、マイクロ流路表面から折れ曲がって成長、又は放射状に成長したナノワイヤを設けた核酸抽出用デバイス。

【請求項2】
前記ナノワイヤが、触媒を用いてボトムアップで成長したコアナノワイヤの表面に、被覆層が形成されたナノワイヤである請求項1に記載の核酸抽出用デバイス。

【請求項3】
前記ナノワイヤが、細胞、ウィルス、または菌から選ばれるサンプルに孔をあける請求項1又は請求項2に記載の核酸抽出用デバイス。

【請求項4】
前記マイクロ流路の一端にサンプル投入部、他端に核酸回収部が形成され、前記サンプル投入部及び前記核酸回収部の間に前記ナノワイヤが成長した核酸抽出部が形成されている請求項1~請求項3の何れか一項に記載の核酸抽出用デバイス。

【請求項5】
前記サンプル投入部と前記核酸抽出部との間のマイクロ流路に、他端に残渣回収部を有するマイクロ流路の一端が接続している請求項4に記載の核酸抽出用デバイス。

【請求項6】
前記サンプル投入部、前記核酸回収部、及び前記残渣回収部に電極が形成されている請求項4又は請求項5に記載の核酸抽出用デバイス。

【請求項7】
基板上にマイクロ流路を形成する工程、前記マイクロ流路にチドリ状もしくは等間隔に触媒を堆積、又は前記マイクロ流路全体に触媒を堆積する工程、前記触媒からコアナノワイヤを放射状又は折れ曲がって成長させる工程、及び前記コアナノワイヤに被覆層を設ける工程を含む核酸抽出用デバイスの製造方法。

【請求項8】
基板上に、サンプル投入部、核酸回収部、及び残渣回収部を形成する工程を更に含む請求項7に記載の核酸抽出用デバイスの製造方法。

【請求項9】
前記サンプル投入部、前記核酸回収部、及び前記残渣回収部に電極を形成する工程を更に含む請求項8に記載の核酸抽出用デバイスの製造方法。

【請求項10】
細胞、ウィルス、または菌から選ばれるサンプルからの核酸抽出方法であって、
基板上に形成されたマイクロ流路表面から折れ曲がって成長、又は放射状に成長したナノワイヤを含む核酸抽出用デバイスのマイクロ流路の一端にサンプルを注入する工程、
前記マイクロ流路のサンプル注入側をマイナス、前記ナノワイヤを挟んでサンプル注入側と反対側をプラスになるように電場を印加する工程、
マイクロ流路をプラスに印加した側から伸長した核酸を回収する工程、
を含む核酸抽出方法。

【請求項11】
細胞、ウィルス、または菌から選ばれるサンプルからの核酸配列解析方法であって、
基板上に形成されたマイクロ流路表面から折れ曲がって成長、又は放射状に成長したナノワイヤを含む核酸抽出用デバイスのマイクロ流路の一端にサンプルを注入する工程、
前記マイクロ流路のサンプル注入側をマイナス、前記ナノワイヤを挟んでサンプル注入側と反対側をプラスになるように電場を印加する工程、
マイクロ流路をプラスに印加した側から伸長した核酸を回収する工程、
前記伸長した核酸からナノポアシーケンサを用いて核酸配列を解析する工程、
を含む核酸配列解析方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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