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迅速アレルギー検査方法 UPDATE

国内特許コード P170013869
整理番号 (S2013-0321-N0)
掲載日 2017年3月17日
出願番号 特願2015-500271
登録番号 特許第6108570号
出願日 平成26年2月13日(2014.2.13)
登録日 平成29年3月17日(2017.3.17)
国際出願番号 JP2014053259
国際公開番号 WO2014126125
国際出願日 平成26年2月13日(2014.2.13)
国際公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
優先権データ
  • 特願2013-025991 (2013.2.13) JP
発明者
  • 芝口 浩智
  • 安高 勇気
  • 二神 幸次郎
出願人
  • 学校法人福岡大学
発明の名称 迅速アレルギー検査方法 UPDATE
発明の概要 アレルギー反応を迅速にかつ高精度に検査するアレルギー検査方法を提供する。
検査対象患者の体液、血液などの検体またはアレルギー誘発性物質で刺激した検体中の走化性因子により惹起される、健常者などから分離した白血球または樹立細胞株の遊走について、移動速度、移動距離、方向性など細胞動態を解析することによって、検査対象患者のアレルギーの有無またはアレルギー誘発性物質のアレルギー誘発性(アレルギー反応性)を検査することができる。
従来技術、競合技術の概要


アレルギーとは、特定のアレルギー誘発性物質、つまりアレルゲンと呼ばれる抗原に対して、生体が免疫反応を過剰に発現することをいう。生活環境において曝露される多種多様な環境由来の外来物質がアレルギーを引き起こすアレルゲン(アレルギー誘発性物質)となりえる。花粉、食物、動物の体成分・排泄物、カビ、化学物質、薬剤などの様々な外来物質により誘発される代表的なアレルギー性疾患としては、例えば、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、薬剤アレルギーなどが挙げられる。



これらのアレルギー性疾患は、上記のようなアレルギー誘発性物質が、それ自体がアレルゲンとして、あるいはそれ自体は抗原とはならないが、生体内のタンパク質などの高分子と結合してアレルゲンとなり、過剰な免疫反応を惹起しアレルギーを起こすことによって発症する。



これらのアレルギー性疾患のうち、特に薬剤アレルギーには、比較的軽度な薬疹や血液障害をはじめ、Stevens-Johnson症候群(SJS)や中毒性皮膚壊死融解症(TEN)、薬剤過敏性症候群(DIHS)として知られる重症薬疹、あるいは肝臓や肺、消化管などの臓器障害やアナフィラキシーショックのように後遺症が問題となるものや場合によっては死に至るような重篤なものまである。



薬剤アレルギー発現による投薬の中止は、原疾患の治療の中断となるため、予防的措置により回避することが望ましい。



しかしながら、薬剤に対する反応性は個人差が大きいうえに併用薬による影響など複合的な要因があり、また、現在行われているアレルギー検査のうち、事前に行う皮内テストやパッチテストなどでは、薬剤アレルギーの発現予測は必ずしも正確でなく、さらに、薬剤の負荷試験ではアレルギー誘発時に患者への負担が大きく、ショックなどの危険性も増すため望ましくないなど、予防的措置には限界がある。



したがって、薬剤アレルギー発現時には、慎重かつ迅速な起因薬剤の検出/同定が求められる。



薬剤アレルギー起因薬の検出法としては、drug-induced lymphocyte stimulation test(DLST)、leukocyte migration test(LMT)などのほか、疑わしい薬剤の投薬中止といった時間のかかる消去法によって検出/同定を行っているのが現状である。



このうち、DLSTやLMTは患者から採血をして行う検査であり、血液採取後は患者自身(の反応)を必要としないため安全性という面からも有用な手段であるが、検査に被検薬当たり約10ml程度の患者血液を必要とする点や検査結果の判明までに一週間程度の時間を要することが、偽陽性の問題とともに欠点として挙げられる。



薬剤アレルギーは、I~IVすべての型の発現機序で起こりうるが、患者に発現した症状が免疫反応を介した薬剤アレルギーなのか、免疫反応を介さない(アレルギーとはいえない)副作用(擬似反応)なのか、という確定診断は治療や症状の緩和を考える上で重要である。



一般に、アレルギー診断の血液検査では、好酸球やIgEなどが測定されるが、これらの多くはI型アレルギーなどでアレルギー状態の把握や参考指標にはなるものの普遍的な指標ではなく、まして確定診断に用いるものではない。



さらに、DLSTなどでの陽性率は決して高くなく(非特許文献1、2)、これは薬剤アレルギーではない擬似反応を排除できていないことも原因の一つと考えられる。



一方、通風治療薬のアロプリノールや抗てんかん薬のカルバマゼピンの服用時に、特に漢民族をはじめとする南アジア人において、しばしば見られる重篤なSJSやTENの発症に、特定のヒト組織適合性抗原(HLA)遺伝子型の危険因子として関与することが最近明らかになった(非特許文献3、4)。このことから、HLA遺伝子解析を上記薬剤服用前の危険性予測の参考にする方法が開発された(非特許文献5)が、あくまで危険性の回避にとどまり、未だ十分な検査方法とは言い難い。



したがって、薬剤アレルギーを精度良く検査すること、また、原疾患を治療するための代替薬選択を目的に薬剤アレルギーを誘発する薬剤を効率的かつ高感度に検査/同定することを可能とする方法が望まれている。

産業上の利用分野


本出願は、2013年2月13日に出願された日本出願(出願番号:特願2013-025991)に基づく優先権を主張し、引用によりその全ての記載内容が本明細書に組み込まれる。



本発明は、アレルギー疾患の診断方法、アレルギー誘発性物質または抑制性物質の検出方法、それら方法を利用したアレルギー疾患の処置または予防方法、それら方法に使用するキット等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(i)被験者由来の血清により惹起された細胞遊走の移動距離が、健常人由来の血清により惹起された細胞遊走の移動距離に比較し長いとき、被験者がアレルギー疾患を罹患している、またはアレルギーを発症しているとし;または
(ii)被験者由来の血清により惹起された細胞遊走の移動距離が、健常人由来の血清により惹起された細胞遊走の移動距離と同じとき、被験者がアレルギー疾患を罹患していない、またはアレルギーを発症していないとする基準にしたがい、アレルギー疾患の診断、またはアレルギー疾患の発症の判定をすための方法であって、
(1)被験者由来の血清の濃度勾配を作成し、該血清の濃度勾配の存在下で走化性細胞の遊走を惹起する工程;および
(2)遊走した細胞の移動距離を測定する工程
を含む、in vitroで実施され、走化性細胞が健常人由来の白血球細胞または樹立細胞株である、方法であり、
さらに、陰性対照として、被検者由来の血清の代わりに健常人由来の血清を用いて前記工程(1)および(2)を行、方法。

【請求項2】
(i)被験者由来の血清により惹起された細胞遊走の移動速度が、健常人由来の血清により惹起された細胞遊走の移動速度に比較し速いとき、被験者がアレルギー疾患を罹患している、またはアレルギーを発症しているとし;または
(ii)被験者由来の血清により惹起された細胞遊走の移動速度が、健常人由来の血清により惹起された細胞遊走の移動速度と同じとき、被験者がアレルギー疾患を罹患していない、またはアレルギーを発症していないとする基準にしたがい、アレルギー疾患の診断、またはアレルギー疾患の発症の判定をすための方法であって、
(1)被験者由来の血清の濃度勾配を作成し、該血清の濃度勾配の存在下で走化性細胞の遊走を惹起する工程;および
(2)遊走した細胞の移動速度を測定する工程
を含む、in vitroで実施され、走化性細胞が健常人由来の白血球細胞または樹立細胞株である、方法であり、
さらに、陰性対照として、被検者由来の血清の代わりに健常人由来の血清を用いて前記工程(1)および(2)を行、方法。

【請求項3】
(i)被験者由来の血清により惹起された細胞遊走の移動距離が、phytohemagglutininで刺激した白血球細胞の培養上清により惹起された細胞遊走の移動距離に比較し同じまたは長いとき、被験者がアレルギー疾患を罹患している、またはアレルギーを発症しているとし;および/または
(ii)被験者由来の血清により惹起された細胞遊走の移動速度が、phytohemagglutininで刺激した白血球細胞の培養上清により惹起された細胞遊走の移動速度に比較し同じまたは速いとき、被験者がアレルギー疾患を罹患している、またはアレルギーを発症しているとする基準にしたがい、アレルギー疾患の診断、またはアレルギー疾患の発症の判定をすための方法であって、
(1)被験者由来の血清の濃度勾配を作成し、該血清の濃度勾配の存在下で走化性細胞の遊走を惹起する工程;および
(2)遊走した細胞の移動距離および/または移動速度を測定する工程
を含む、in vitroで実施され、走化性細胞が健常人由来の白血球細胞または樹立細胞株である、方法であり、
さらに、陽性対照として、被験者由来の血清の代わりにphytohemagglutininで刺激した白血球細胞の培養上清を用いて前記工程(1)および(2)を行、請求項1または請求項2に記載の方法。

【請求項4】
検体において、被験者のアレルギー誘発性物質を同定または検出する方法であって、
(1)被験者由来の白血球細胞を、検体を添加した培地で培養する工程;
(2)培養上清を回収する工程;
(3)培養上清の濃度勾配を作成し、培養上清の濃度勾配の存在下で走化性細胞の遊走を惹起する工程;および
(4)遊走した細胞の移動距離および/または移動速度を測定する工程
を含み、走化性細胞が健常人由来の白血球細胞または白血球系細胞株である、方法であり、
さらに、陽性対照として検体の代わりにphytohemagglutininを用いて前記工程(1)-(4)を行い、
(i)検体を試験したときの細胞遊走の移動距離が、phytohemagglutininを試験したときの細胞遊走の移動距離に比較し同じまたは長いとき、検体がアレルギー誘発性物質である、または検体にアレルギー誘発性物質が検出されると判定し;および/または
(ii)検体を試験したときの細胞遊走の移動速度が、phytohemagglutininを試験したときの細胞遊走の移動速度に比較し同じまたは速いとき、検体がアレルギー誘発性物質である、または検体にアレルギー誘発性物質が検出されると判定する、方法。

【請求項5】
アレルギー発症前に検体が被験者に対しアレルギー誘発性物質であるか否かを事前に検査する方法であって、
(1)被験者由来の白血球細胞を、検体を添加した培地で培養する工程;
(2)培養上清を回収する工程;
(3)培養上清の濃度勾配を作成し、培養上清の濃度勾配の存在下で走化性細胞の遊走を惹起する工程;および
(4)遊走した細胞の移動距離および/または移動速度を測定する工程
を含み、走化性細胞が健常人由来の白血球細胞または白血球系細胞株である、方法であり、
さらに、陰性対照として被験者由来の白血球細胞の代わりに健常人由来の白血球細胞を用いて前記工程(1)-(4)を行い、
(i)被験者由来の白血球細胞を用いたときの方が、健常人由来の白血球細胞を用いたときに比較し、細胞遊走の移動距離が長いとき、検体がアレルギー誘発性物質であると判定し;および/または
(ii)被験者由来の白血球細胞を用いたときの方が、健常人由来の白血球細胞を用いたときに比較し、細胞遊走の移動速度が速いとき、検体がアレルギー誘発性物質であると判定する、方法。

【請求項6】
走化性細胞がヒトT細胞系細胞株である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
走化性細胞がヒト前骨髄性細胞株である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の方法。

【請求項8】
走化性細胞がJurkat細胞である、請求項6に記載の方法。

【請求項9】
走化性細胞がHL-60細胞である、請求項7に記載の方法。

【請求項10】
細胞の移動を経時的に記録し、その記録に基づいて細胞の移動距離および移動速度を決定する、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の方法。

【請求項11】
アレルギーが、花粉、化学物質、薬剤または食物アレルギーである、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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