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麻酔深度測定法、麻酔深度測定装置及び使用

国内特許コード P170013879
整理番号 (S2013-0861-N0)
掲載日 2017年3月21日
出願番号 特願2015-523969
出願日 平成26年6月12日(2014.6.12)
国際出願番号 JP2014065545
国際公開番号 WO2014208343
国際出願日 平成26年6月12日(2014.6.12)
国際公開日 平成26年12月31日(2014.12.31)
優先権データ
  • 特願2013-133871 (2013.6.26) JP
  • 特願2013-199987 (2013.9.26) JP
発明者
  • 林 和子
  • 佐和 貞治
出願人
  • 京都府公立大学法人
発明の名称 麻酔深度測定法、麻酔深度測定装置及び使用
発明の概要 本発明は、ポワンカレプロット分布の長軸方向への先鋭度を定量化する工程、前記先鋭度に基づき脳波に含まれる乱雑性を評価して麻酔深度を判定する工程を含む、麻酔深度測定法を提供する。
従来技術、競合技術の概要


麻酔法の進歩に伴い術中覚醒が社会的問題となり、BISモニター、Cerebral State Index、AEPモニターなどの脳波由来の麻酔鎮静モニターがガイドライン等で推奨され世界で使用されている。また、的確な麻酔深度を維持することは、術後の認知機能低下を防ぐ上でも有用であり、麻酔深度モニタリングはこのような術後の高次認知機能障害を予防する立場からも推奨される(非特許文献1,2)。



一方で、これらのモニターは術中覚醒を防ぐには十分でなく、また有用性に懐疑的な報告が多くある(非特許文献3~8)。いずれのモニターも麻酔深度推定に長時間の脳波信号を要し解析に時間がかかるため遅延が生じ、リアルタイムに麻酔深度を感知できないことが主要な原因の一つである(非特許文献9~10)。例えばBISモニターは最短でも60秒以上の遅延が生じる。



臨床では、麻酔薬濃度が一定に維持されているにもかかわらず、術操作に伴う侵害刺激が加わることで、突如、麻酔深度が相対的に浅くなる状況に多々遭遇する。このような術侵襲に伴う急激な麻酔深度の変化には、現存の麻酔モニターでは直ちに追随できず、これが術中覚醒の主要な原因の一つである。一方で術中覚醒がおきても30秒以上持続しなければ記憶に残らない(非特許文献4)ことが知られる。従って麻酔深度変化を遅延なく感知できれば、このような術中覚醒の問題の多くは回避できるはずである。今後の麻酔深度モニターは、深度変化に俊敏に遅延なく反応できる性能が求められる。



Poincare plot(ポアンカレプロット)は、低次元の2次元状態空間での簡易な非線形解析法であり、従来心電図のRR間隔を用いた心拍変動解析、自律神経機能解析での研究には用いられている(特許文献1)

産業上の利用分野


本発明は、麻酔深度測定法、麻酔深度測定装置及び麻酔深度判定のための使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ポワンカレプロット分布の長軸方向への先鋭度を定量化する工程、前記先鋭度に基づき脳波に含まれる乱雑性を評価して麻酔深度を判定する工程を含む、麻酔深度測定法。

【請求項2】
以下の工程を含む、麻酔深度測定法
(1)脳波計により全身麻酔患者の脳波を測定する工程
(2)前記脳波をフィルタリング処理とアナログ/デジタル変換して、脳波時系列信号を出力する工程(但し、アナログ/デジタル変換及びフィルタリング処理の順序は問わない)
(3)前記脳波時系列信号と前記脳波時系列信号の遅延時系列信号を、ある時間での脳波電圧Axと前記ある時間から所定時間の遅延後の脳波電圧Ayのペア(Ax, Ay)でxy平面上にプロットする工程、
(4)前記xy平面上にプロットされた前記脳波電圧Ayの前記ペア(Ax, Ay)を2つの直交する軸からの変位で定量化し、前記2つの直交する軸に対する前記ペア(Ax, Ay)のそれぞれの変位L1、変位L2に基づいて、前記ペア(Ax, Ay)の前記2つの直交する軸に対する距離に関係づけられた量であるちらばり度V1、ちらばり度V2をそれぞれ求めるちらばり度算出工程、
(5)前記ちらばり度V1と前記ちらばり度V2との比に基づき、麻酔深度を判定する工程。

【請求項3】
前記直交する軸は、前記xy平面上のそれぞれ長軸(式y=xで表される軸)と短軸(式y=xで表される軸に直交する軸)とである、請求項2に記載の麻酔深度測定法。

【請求項4】
前記変位L1を前記短軸方向の変位とし、前記変位L2を前記長軸方向の変位とし、前記ちらばり度算出工程は、前記変位L1と前記変位L2を以下の式に従い算出するL1・L2算出工程を含み、L1とL2の比(L1/L2もしくはL2/L1)に基づいて麻酔深度を判定する、請求項2又は3に記載の麻酔深度測定法
【数1】



【請求項5】
前記変位L1を前記短軸方向の変位とし、前記変位L2を前記長軸方向の変位とし、前記ちらばり度算出工程は、前記変位L1と前記変位L2を以下の式に従い算出するL1・L2算出工程と
【数2】


前記変位L1の標準偏差SD1と前記変位L2の標準偏差SD2とを求めるSD1・SD2算出工程とを含み、
前記ちらばり度V1、前記ちらばり度V2は、それぞれ前記SD1または前記SD2であり、
SD1/SD2またはSD2/SD1に基づいて、麻酔深度を判定する、請求項2又は3に記載の麻酔深度測定法。

【請求項6】
前記SD1/SD2または前記SD2/SD1と他の麻酔深度の解析手段を組み合わせて前記麻酔深度を判定する、請求項5に記載の麻酔深度測定法。

【請求項7】
前記他の麻酔深度の解析手段が、前記脳波の周波数解析、バイスペクトラル解析、スペクトラル解析、エントロピー解析、聴覚誘発電位による解析手段、又はこれらの解析手段の2種以上の組み合わせである、請求項6に記載の麻酔深度測定法。

【請求項8】
全身麻酔患者の脳波を測定する脳波計と、
前記脳波のアナログ/デジタル(A/D)変換手段と、
A/D変換後、またはA/D変換前の脳波をフィルタリング処理するフィルタリング手段と、
前記脳波をフィルタリング処理して得られる脳波時系列信号と前記脳波時系列信号の遅延時系列信号を、ある時間での脳波電圧Axと前記ある時間から所定時間の遅延後の脳波電圧Ayのペア(Ax, Ay)でxy平面上にプロットし、
前記xy平面上にプロットされた前記脳波電圧Ayの前記ペア(Ax, Ay)を2つの直交する軸からの変位で定量化し、
前記2つの直交する軸に対する前記ペア(Ax, Ay)のそれぞれの変位V1、変位V2に基づいて、前記ペア(Ax, Ay)の前記2つの直交する軸に対する距離に関係づけられた量であるちらばり度V1、ちらばり度V2をそれぞれ求めてちらばり度を算出する演算手段と、
前記ちらばり度V1と前記ちらばり度V2との比に基づき、麻酔深度を判定する麻酔深度判定手段と、
前記判定結果を表示する表示手段と、
を備えた麻酔深度測定装置。

【請求項9】
前記直交する軸は、前記xy平面上のそれぞれ長軸(式y=xで表される軸)と短軸(式y=xで表される軸に直交する軸)とであって、
前記変位L1を前記短軸方向の変位とし、前記変位L2を前記長軸方向の変位とし、
前記変位L1と前記変位L2を以下の式に従い算出し、
【数3】


前記変位L1の標準偏差SD1と前記変位L2の標準偏差SD2とを求め、
前記ちらばり度V1、前記ちらばり度V2は、それぞれ前記SD1または前記SD2であり、
SD1/SD2またはSD2/SD1に基づいて、麻酔深度を判定する麻酔深度判定手段と、
を備えた請求項8に記載の麻酔深度測定装置。

【請求項10】
前記麻酔深度判定手段が、前記SD1/SD2または前記SD2/SD1と他の麻酔深度の解析手段を組み合わせて前記麻酔深度を判定する手段である、請求項9に記載の麻酔深度測定装置。

【請求項11】
前記他の麻酔深度の解析手段が、前記脳波の周波数解析、バイスペクトラル解析、スペクトラル解析、エントロピー解析、聴覚誘発電位による解析手段、又はこれらの解析手段の2種以上の組み合わせである、請求項10に記載の麻酔深度測定装置。

【請求項12】
ちらばり度V1と前記ちらばり度V2との比の麻酔深度判定のための使用であって、脳波計により全身麻酔患者の脳波を測定し、
前記脳波をアナログ/デジタル変換後フィルタリング処理して脳波時系列信号を出力し、
前記脳波時系列信号と前記脳波時系列信号の遅延時系列信号を、ある時間での脳波電圧Axと前記ある時間から所定時間の遅延後の脳波電圧Ayのペア(Ax, Ay)でxy平面上にプロットし、
前記xy平面上にプロットされた前記脳波電圧Ayの前記ペア(Ax, Ay)を2つの直交する軸からの変位で定量化し、
前記2つの直交する軸に対応する前記ペア(Ax, Ay)のそれぞれの変位L1、変位L2に基づいて、前記ペア(Ax, Ay)の前記2つの直交する軸に対する距離に関係づけられた量であるちらばり度V1、ちらばり度V2をそれぞれ求めてちらばり度V1と前記ちらばり度V2との比を算出することを含む、使用。

【請求項13】
前記直交する軸は、前記xy平面上のそれぞれ長軸(式y=xで表される軸)と短軸(式y=xで表される軸に直交する軸とであって、
前記変位L1を前記短軸方向の変位とし、前記変位L2を前記長軸方向の変位とし、
前記変位L1と前記変位L2を以下の式に従い算出し、
【数4】


前記変位L1の標準偏差SD1と前記変位L2の標準偏差SD2とを求め、
前記ちらばり度V1、前記ちらばり度V2は、それぞれ前記SD1または前記SD2である、
SD1/SD2またはSD2/SD1の麻酔深度判定のための請求項12に記載の使用。

【請求項14】
前記SD1/SD2または前記SD2/SD1を、脳波の周波数解析、バイスペクトラル解析、スペクトラル解析、エントロピー解析、聴覚誘発電位による解析手段からなる群から選ばれる少なくとも1種と組み合わせて麻酔深度の判定を行う、請求項13に記載の使用。

【請求項15】
前記SD1/SD2または前記SD2/SD1を麻酔深度の測定のためのアルゴリズムと組み合わせて麻酔深度の判定を行う、請求項13に記載の使用。
国際特許分類(IPC)
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JP2015523969thum.jpg
出願権利状態 公開


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