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生体情報取得装置

国内特許コード P170013918
整理番号 (S2015-1688-N0)
掲載日 2017年3月29日
出願番号 特願2015-156793
公開番号 特開2017-035174
出願日 平成27年8月7日(2015.8.7)
公開日 平成29年2月16日(2017.2.16)
発明者
  • 徳田 崇
  • 太田 淳
  • 笹川 清隆
  • 野田 俊彦
  • 竹原 宏明
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 生体情報取得装置
発明の概要 【課題】複雑な3次元曲面形状を有する脳の表面への接触性を改善し、脳の広い範囲に対し高い空間分解能で脳機能情報を取得可能な生体情報取得装置を提供する。
【解決手段】脳表面から電気信号を拾う電極11、脳へ刺激光を与えるLED13、それに対する散乱光等を検出するPD14などをリジッド基板10上に搭載した上面視六角形形状の計測サブユニット1を2次元ハニカム状に多数配置しユニット1同士をFPC基板である連結部17で接続する。多数の計測サブユニット1の電極11等で得られた信号はバスライン方式で送られるので、一つの計測サブユニット1に繋がる複数の連結部17は同じ信号を送受し、制御ユニットへ信号を送るケーブル線4が接続されている計測サブユニットに繋がる一つの経路を確保すれば適宜の連結部17を切断でき、計測サブユニット1の動きの自由度が増し、各計測サブユニット1の電極11、12を脳表面に良好に密着させる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


近年の脳科学や医療用計測技術の進展は目覚ましく、脳機能関連情報を収集するための各種のセンシングデバイスや新しい脳機能イメージング技術が実現されている。脳機能関連情報計測用のデバイスは、大別して侵襲型と非侵襲型とに区分される。侵襲型とは電極などを直接的に脳に接触させるために、被検体の頭皮や頭蓋骨の切開など、何らかの外科的手術をも伴うものである。これに対し、非侵襲型とは被検体の頭部の外側から間接的に(つまり頭皮や頭蓋骨などを通して)脳にアクセスし、何らかの脳機能関連情報を取得するものである。



非侵襲型装置は生体に対する損傷を与えない又は抑えられるという点で優れているものの、取得可能な情報の種類や精度等にはかなりの制約がある。そのため、高い精度、高い分解能で脳機能関連情報を得るため、或いは、通常の活動を行っている状態の被検体の脳機能関連情報を或る程度長期間に亘り取得するためには、少なくとも装置の一部を被検体の脳に接触させる侵襲型脳計測が必要である。



侵襲型脳機能計測デバイスとしては、大別して、脳表型計測を行うものと脳刺入型計測を行うものとがある。脳刺入型のデバイスは文字通り、針状電極を脳内に刺入して脳内の比較的深い部分の電気信号を取得可能としたものであるのに対し、脳表型デバイスは脳の表面に密着するように電極等を配置して電気信号を取得するものである。こうした脳表型デバイスとしてはECoG電極と呼ばれるものが知られており、我が国において、てんかんなどの臨床治療用として認可されているユニークメディカル社の頭蓋内電極がある(非特許文献1参照)。脳表型デバイスは脳刺入型と比べると空間分解能は劣るものの、脳に与えるダメージが少なく性能の経時劣化も小さくて済む。また、広範囲の計測にも向いている。こうしたことから、被検体の自由な活動を阻害せずに、比較的長期間に亘り安定した脳機能関連情報を取得するには、脳表型計測が有利であるといえる。



上述したように被検体の自由な活動を阻害することなく比較的長期間計測を継続するには、被検体の体内と外部との接続は無線方式があることが望ましい。こうした観点から、本願発明者らは特許文献1において、脳表面に接触する電極、脳に対し光学的な刺激を与えるLED、該LEDからの照射光に対し脳から得られた散乱光や反射光などを検出する光センサなどが搭載された体内ユニットと、体外に設置される体外ユニットとの間で信号の送受を無線で行う脳機能計測装置を提案している。この装置では、体内ユニットは被検体の頭蓋骨(又は人工頭蓋骨)の外側に装着され、棒状の電極が頭蓋骨や人工頭蓋骨に穿設された穴に挿通されてその先端部が脳表面に接触するように構成されている。



一方、本願発明者らは、分散型アーキテクチャによるフレキシブル脳計測・脳刺激デバイスの研究・開発を長年に亘り続けている。これは、CMOS集積回路による小型の神経刺激用及び計測用のチップをフレキシブル基板上に複数搭載したものであり、該デバイスを被検体の脳表面に接触するように配置する(非特許文献2参照)。そして、複数のチップを協調して動作させることで、脳の広い範囲の活動電位計測を行えるようにしている。



こうした脳機能計測装置において計測の空間分解能を上げるには、電極サイズを小さくし、それを高い密度で2次元的に配置する必要がある。また、脳の活動や機能についての有用な情報を得るには、脳のできるだけ広い範囲をカバーする計測を行うことが望ましい。こうした計測を行うために従来の装置では次のような問題がある。



即ち、一般に、脳の表面は複雑な曲面形状であり、ほぼ平面であるとみなせる程度の狭い範囲であれば、複数の電極を脳表面に密着させることは容易である。しかしながら、脳全体やその大部分に及ぶような広い範囲において、複数の電極を脳表面に密着させることは難しい。また、上述したように頭蓋骨や人工頭蓋骨に穿設された穴に電極が挿通される構成であれば、頭蓋骨や人工頭蓋骨に対し電極の位置は正確に決まるが、回路基板上に電極を搭載し、該回路基板を脳表面と頭蓋骨や人工頭蓋骨との間の間隙に配置する構成では、回路基板の位置がずれて電極での計測位置が変化するおそれがある。また、脳表面と頭蓋骨や人工頭蓋骨との間の距離が経時的に変化すると、脳表面への電極の密着性が低下するおそれがある。さらにまた、脳表面と頭蓋骨や人工頭蓋骨との間に配置されるデバイスに搭載可能な回路の規模は、頭蓋骨や人工頭蓋骨の外側に配置されるユニットに比べてかなり限定される。一方で、電極やLED、光センサなどの数を増やすと処理すべき信号の量も増大するため、そうした多量の信号を頭蓋骨や人工頭蓋骨の内側に配置されるICチップ等で処理するのは困難であるという問題もある。

産業上の利用分野


本発明は、各種の実験動物や人間(ヒト)等の生体における様々な生体関連情報を取得するための生体情報取得装置に関し、さらに詳しくは、少なくとも一部が、生体の外表面や生体内の臓器等の特定の部位の表面に接触するように取り付けられ、その生体外表面や生体内部位の表面を通して生体関連情報を取得する生体情報取得装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
各種の実験動物やヒトを含む生体の表面又は該生体内部の特定部位の表面から電気的及び/又は光学的に生体情報を収集する生体情報取得装置であって、
a)それぞれが生体表面又は生体内部の特定部位の表面に接触するように設けられ、電気的に生体情報を取得する電極部、及び/又は、光学的に生体情報を取得する受光部、を含む略平板状である複数の計測サブユニットと、
b)2次元的に配置されてなる前記複数の計測サブユニットがその位置関係を維持し得るように一つの計測サブユニットとその周囲に配置されている他の計測サブユニットとを繋ぐようにその間にそれぞれ設けられ、一つの計測サブユニットと隣接する他の計測サブユニットとを電気的に接続する信号線を含むフレキシブル基板による複数の連結部と、
c)前記複数の計測サブユニットのうちの一つに接続され、その複数の全ての計測サブユニットの電極部及び/又は受光部で得られた生体情報を反映した信号を外側へ取り出すための取り出し配線部と、
を有する計測ユニットを少なくとも一つ備え、該計測ユニットにあって、任意の一つの計測サブユニットとその周囲に配置されている他の複数の計測サブユニットとの間にそれぞれ設けられている複数の前記連結部の信号線は同じ電気信号を送受するように構成されていることを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項2】
請求項1に記載の生体情報取得装置であって、
前記計測ユニットに含まれる全ての連結部に含まれる信号線を共通のバスラインとし、前記計測サブユニットに搭載されている電気回路はそれぞれ共通のバスラインに接続されることを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項3】
請求項1に記載の生体情報取得装置であって、
前記連結部は、外部から力を加えない状態で略U字状に屈曲した状態を保つように立体形状加工されたフレキシブル基板からなることを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の生体情報計測装置であって、
被検体の脳の表面から電気的及び/又は光学的に生体情報を収集する装置であり、
被検体の頭蓋骨の一部に代えて該頭蓋骨に装着される人工頭蓋骨の内側に前記計測ユニットを保持する保持部を設け、該保持部により前記計測ユニットを人工頭蓋骨と脳との間の間隙に保持するようにしたことを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項5】
請求項4に記載の生体情報取得装置であって、
前記連結部はU字状に立体形状加工されたフレキシブル基板から成り、該U字状の突部が人工頭蓋骨の内面に向くように該連結部を設け、該U字状の突部を前記保持部で保持するようにしたことを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項6】
請求項4又は5に記載の生体情報取得装置であって、
前記人工頭蓋骨の所定位置に形成された開口に挿通され、その内側に向いた面が前記計測サブユニットに当接する押圧部を複数備え、人工頭蓋骨の外側から押圧部を挿入する長さを調整することで該押圧部による前記計測サブユニットの押し付け状態を調整し、該計測サブユニットに含まれる電極部と脳表面との密着性を確保するようにしたことを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項7】
請求項4又は5に記載の生体情報取得装置であって、
前記人工頭蓋骨の内部に液体が流通する又は貯留される通液路を形成するととともに、該人工頭蓋骨と前記計測サブユニットとの間に、前記通液路中の液体によって押圧される柔軟性を有する押圧部を設け、前記通液路に流す又は溜める液体の液圧を調整することで該押圧部による前記計測サブユニットの押し付け状態を調整するようにしたことを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項8】
請求項4~7のいずれか1項に記載の生体情報取得装置であって、
前記人工頭蓋骨は被検体の頭蓋骨に固定されるホルダに対して装着され、該人工頭蓋骨の外側に重ねた制御ユニット用ハウジングを前記ホルダに対し装着し、該制御ユニット用ハウジングの内部に、少なくとも前記計測ユニットに搭載された電気回路を制御する回路及び被検体の体外に設置された体外ユニットとの間での無線での信号送受を行う回路を含む制御ユニットを配設することを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の生体情報取得装置であって、
前記連結部が切断されたときに、その切断を検知可能な切断検知部を備えることを特徴とする生体情報取得装置。

【請求項10】
各種の実験動物やヒトを含む生体の表面又は該生体内部の特定部位の表面から生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
a)生体表面又は生体内部の特定部位の表面に密着するように設けられる可撓性を有するメッシュ状部材であって、そのメッシュを構成する各線状部材が導電性線材を含む表面被覆部と、
b)前記表面被覆部の導電性線材の切断を検知する切断検知部と、
を備えることを特徴とする生体情報取得装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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