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一次樹洞営巣鳥類用の人工巣 NEW

国内特許コード P170013922
整理番号 (S2015-2053-N0)
掲載日 2017年3月29日
出願番号 特願2015-182097
公開番号 特開2017-055688
出願日 平成27年9月15日(2015.9.15)
公開日 平成29年3月23日(2017.3.23)
発明者
  • 高木 昌興
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 一次樹洞営巣鳥類用の人工巣 NEW
発明の概要 【課題】環境に負荷を与えることなく一次樹洞営巣鳥類、特に、キツツキ類よりも穴を掘る能力の低いカワセミ類の繁殖、誘致に好適な人工巣を提供する。
【解決手段】内部に空洞が形成されるようにその空洞を囲む外殻を備え、前記外殻は、空洞の側部に、天然の木材よりも柔らかくかつ生分解性の材質で形成された巣口穿孔部と空洞の底部から巣口穿孔部の下端へ立ち上がる立ち上がり部とを有し、前記巣口穿孔部は立ち上がり部に比べて、より薄く形成されているか、より柔らかく形成されているか、より薄くかつより柔らかく形成されている一次樹洞営巣鳥類用の人工巣。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


人工巣は、鳥類(主として野鳥)に繁殖場所を提供して繁殖を促すことを目的とし、人間が作って自然界に設置する人工の巣穴である。
一般に鳥類の人工巣としては、箱に丸や四角の穴が開いた巣箱がよく知られている。しかし、穴が開いた巣箱による繁殖誘致は二次樹洞営巣種と呼ばれる鳥類(以下、二次樹洞営巣鳥類ともいう)に限定される。
二次樹洞営巣鳥類は、一次樹洞営巣鳥類(主に樹木に自ら穴を掘りその樹洞で営巣する鳥類)が開けて使用した後の巣穴(樹洞)や岩の隙間にある穴などで繁殖する。
即ち、自らが作った樹洞で営巣する鳥類を一次樹洞営巣鳥類と呼ぶ。これに対して、自らは樹洞を作らないが樹洞等で営巣する鳥類を二次樹洞営巣鳥類と呼ぶ。



一次樹洞営巣鳥類としては、キツツキ類やカワセミ類がよく知られている。たたし、カワセミ類であってもすべての鳥が一次樹洞営巣種とは限らない。カワセミ類の中でよく知られているのはカワセミであるが、カワセミは土手に巣を作る習性があるので一次樹洞営巣種ではない。これに対して、同じカワセミ類に属するアカショウビン、アオショウビン、ヤマショウビン、ナンヨウショウビンなどは一次樹洞営巣種である。
キツツキ類には、アカゲラ、コゲラ、ヤマゲラなどが含まれ、これらは一次樹洞営巣種を代表する鳥類といえる。樹に穴を開ける能力が高く、生木を叩いて穴を開けることができる程強力なくちばしを持っている。これに対してカワセミ類は、キツツキ類よりも樹に穴を掘る力が弱く、また、巧緻性が低い(巣穴を上手に掘って産座を成型する能力が劣る)ために朽ちていない生木には上手く穴を掘れない。



キツツキ類用の人工巣箱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の人工巣箱は入り口の開口部を有し、巣箱内部に接着剤である程度の硬さに固着したおが屑を充填したものである。
また、出入口と底部出入口が設けられたキツツキ類のねぐら用の底無型巣箱が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらは、何れも当初から穴が形成されている点で二次樹洞営巣鳥類用の巣箱に近い形態であるともいえる。



さらに、天然の丸太において、キツツキ類が自身で出入口を掘れるように出入口無しの壁部を残し、内部をくり抜いて空洞を形成した人工営巣木が提案されている(例えば、特許文献3参照)。これらの人工営巣木は、キツツキ類を対象としているが、前述のようにキツツキ類よりも樹に穴を掘る力が弱く巧緻性が低いカワセミ類は、朽ちていない生木には上手く穴を掘れない。カワセミ類に穴を掘らせるには朽ちかけた木を用いる必要があるが、それを当該地域で調達できるのであれば、自然に存在する朽ちかけた木にカワセミ類が営巣し得るので、わざわざ人工営巣木を設置する必要性は小さいともいえる。一方、朽ちかけた木を他の地域から調達すると、それに付着している虫や菌類などを持ち込むことになる点で好ましくない側面がある。



一次樹洞営巣鳥類は自ら掘った穴でないと営巣しない性質があるが、この性質を考慮して一次樹洞営巣鳥類用の巣箱として空洞のない発泡スチロールの筒を設置した事例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。カワセミ類のアカショウビンが、発泡スチロールの筒に巣穴を掘って営巣したことが報告されている。しかし、発泡スチロールのカスが周囲に撒き散らかされるため、環境負荷の点で問題が指摘されていた。
以上のように、二次樹洞営巣種に適した人工巣はよく知られているが、一次樹洞営巣鳥類、特にキツツキ類よりも穴を掘る力が弱く巧緻性が低いカワセミ類の生態系に適合した人工巣はあまり知られていない。

産業上の利用分野


この発明は、一次樹洞営巣鳥類用の人工巣に関し、一次樹洞営巣鳥類の中でもキツツキ類に比べると穴を掘る力が弱く巧緻性が低いカワセミ類であってもその繁殖および誘致に適した人工巣に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
内部に空洞が形成されるようにその空洞を囲む外殻を備え、
前記外殻は、空洞の側部に、天然の木材よりも柔らかくかつ生分解性の材質で形成された巣口穿孔部と空洞の底部から巣口穿孔部の下端へ立ち上がる立ち上がり部とを有し、
前記巣口穿孔部は立ち上がり部に比べて、より薄く形成されているか、より柔らかく形成されているか、より薄くかつより柔らかく形成されている一次樹洞営巣鳥類用の人工巣。

【請求項2】
前記立ち上がり部は、巣口穿孔部との間に厚さの違いによる段差を有する請求項1に記載の人工巣。

【請求項3】
前記立ち上がり部は、空洞の底部から巣口穿孔部下端に向けて空洞の内壁が上方に傾斜している請求項1に記載の人工巣。

【請求項4】
前記巣口穿孔部が、コルク材、パルプモールド材、段ボール材または生分解性樹脂の何れかの材質で形成されている請求項1~3の何れか一つに記載の人工巣。

【請求項5】
前記外殻は、巣口穿孔部以外の部分が、コルク材、パルプモールド材、段ボール材または生分解性樹脂の何れかの材質で形成されている請求項1~4の何れか一つに記載の人工巣。

【請求項6】
前記外殻は、巣口穿孔部以外の少なくとも一部がコルク材、パルプモールド材、段ボール材または生分解性樹脂の何れか一つから選択される材質であるが、前記巣口穿孔部と異なる材質で形成されている請求項1~5の何れか一つに記載の人工巣。

【請求項7】
前記外殻は、空洞の底部と外部とを連通させる水抜き穴をさらに備える請求項1~6の何れか一つに記載の人工巣。

【請求項8】
前記一次樹洞営巣鳥類が、カワセミ類である請求項1~7の何れか一つに記載の人工巣。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015182097thum.jpg


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