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細胞の培養方法

国内特許コード P170013923
整理番号 (S2015-2056-N0)
掲載日 2017年3月29日
出願番号 特願2015-184755
公開番号 特開2017-055727
出願日 平成27年9月18日(2015.9.18)
公開日 平成29年3月23日(2017.3.23)
発明者
  • 立花 亮
  • 田辺 利住
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 細胞の培養方法
発明の概要 【課題】細胞を3次元培養するための、新規な細胞培養方法を提供することを課題とする。
【解決手段】キトサンをアセチル化剤で処理することによりゲル化させて作製したキチンゲルを培養基材として用いて細胞を培養する、細胞の培養方法、又は、キチンにおけるアミノ基のアセチル化率が90 mol%以上100 mol%未満であるキチンを主成分とするキチンゲルを培養基材として用いて細胞を培養する、細胞の培養方法による。また当該細胞の培養方法に用いるための細胞培養用デバイスによる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


近年、再生組織を構築する研究が盛んに行われており、そのために細胞を3次元培養する技術に注目が集められている。平面培養した場合と3次元培養した場合とでは、細胞機能に差があることが報告されている。3次元培養した細胞は、生体により近い細胞環境にあり、生体内の細胞機能を発揮できると考えられ、再生組織の構築や創薬等の医療分野での応用が見込まれることから、3次元培養方法の開発が望まれている。



従来の3次元培養には、ハンギングドロップ法や、細胞が接着しないような培養基材に微細な接着領域を作製した細胞培養プレートなどが用いられている。ハンギングドロップ法は、シャーレなどのデバイスの天井から液滴をぶら下げ、その中で細胞を培養する方法である。本方法は培養を行う個人の技量が大きく影響するため、多数のサンプルをスクリーニングするなどの目的には不向きである。また微細な接着領域のある細胞培養プレートは、細胞の接着表面を微細加工する技術が必要であることから、一般的に高価である。3次元培養が可能な細胞培養プレートのための、安全かつ安価な材料の開発が求められている。



キチンはエビやカニ等の生物に含まれている天然の素材として知られており、豊富な生物資源である。N-アセチル-D-グルコサミンが数百から数千つながったアミノ多糖である。キチンをアルカリ処理することによりアセチル基が除去され、主としてD-グルコサミン単位からなるキトサンを得ることができる。キチンやキトサンには、近年重要な性質が相次いで見いだされつつあり、食品添加物としての使用や、ドラッグデリバリーシステム等の様々な分野での応用が期待されている(非特許文献3)。



キチンやキトサンを細胞培養基材として応用する試みがいくつか報告されている。例えば非特許文献3には、アルギニン酸アニオンとスクシニル化キトサンにより作製したスポンジにより、肝細胞のスフェロイド形成が観察されたことが記載されている。特許文献1には、キトサンをオリゴ糖酸化物で架橋したゲルを細胞培養や再生組織に血管系を導入するためのスキャホールドとして利用することが提案されている。非特許文献4には、ヒドロキシブチルキトサンを用いてゲルを作製したこと、ゲルを用いてヒト血管内皮細胞の3次元培養を行ったことが開示されている。これらの文献に記載のゲルは、架橋剤や化学的に修飾したキチンを用いるものである。



本発明者らは、無修飾のキトサン溶液を無水酢酸で処理することにより、特に架橋剤を用いずにキチンゲルを作製し得ることを見出し、当該キチンゲルのアミノ基をカルボキシメチル化したカルボキシメチル化キチンゲルをFGF2の徐放システムとして使用可能であることを報告した(非特許文献1及び2)。しかしながら、かかるキチンゲルが細胞培養に応用可能であることの報告はない。

産業上の利用分野


本発明は、キチンゲルを培養基材として用いて細胞を培養する、細胞の培養方法に関する。より具体的には、キトサンをアセチル化剤で処理することによりゲル化させて作製したキチンゲルを用いる細胞の培養方法であり、当該細胞の培養方法により、スフェロイドを形成する方法、および形成されたスフェロイドの利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
キトサンをアセチル化剤で処理することによりゲル化させて作製したキチンゲルを培養基材として用いて細胞を培養する、細胞の培養方法。

【請求項2】
キチンゲルが、キトサンとアセチル化剤を1:1~6:1の容量比で混合することにより作製されたものである、請求項1に記載の細胞の培養方法。

【請求項3】
キトサンが無修飾のキトサンであり、アセチル化剤が無水酢酸である、請求項1又は2に記載の細胞の培養方法。

【請求項4】
キチンにおけるアミノ基のアセチル化率が90 mol%以上100 mol%未満であるキチンを主成分とするキチンゲルを培養基材として用いて細胞を培養する、細胞の培養方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の細胞の培養方法を用いてスフェロイドを形成する方法であって、キチンゲル上に細胞を播種する工程を含む、スフェロイド形成方法。

【請求項6】
キトサンをアセチル化剤で処理することによりゲル化させて作製したキチンゲルを培養基材として含有する、スフェロイドを形成するための細胞培養用デバイス。

【請求項7】
キチンにおけるアミノ基のアセチル化率が90 mol%以上100 mol%未満であるキチンを主成分とするキチンゲルを培養基材として含有する、スフェロイドを形成するための細胞培養用デバイス。

【請求項8】
請求項1~4のいずれか1に記載の細胞の培養方法により形成したスフェロイドの細胞内でタンパク質を発現させる工程、及び、当該発現したタンパク質を回収する工程を含む、タンパク質の製造方法。

【請求項9】
請求項1~4のいずれか1に記載の細胞の培養方法により形成した肝細胞のスフェロイドに被験物質を接触させる工程、及び、肝細胞の生存率を検出する工程を含む、被験物質の毒性を検出する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015184755thum.jpg
出願権利状態 公開


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