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テラヘルツ波帯用の偏光子 NEW

国内特許コード P170013932
整理番号 (S2015-1988-N28)
掲載日 2017年3月29日
出願番号 特願2015-162773
公開番号 特開2017-040803
出願日 平成27年8月20日(2015.8.20)
公開日 平成29年2月23日(2017.2.23)
発明者
  • 鈴木 健仁
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 テラヘルツ波帯用の偏光子 NEW
発明の概要 【課題】 透過波の周波数特性に極力リップルが生じることなく平坦化できるテラヘルツ波帯用の偏光子を提供する。
【解決手段】 金属製とされた細長い矩形状のメタルプレート10a~10dを平行に重なるように配置して偏光子1が形成されている。メタルプレート10a~10dはz-y平面に平行に配置され、z方向が幅方向とされている。偏光子1への入射波Inにおける進行方向k’は、メタルプレート10a~10dの配置されたz-y平面のz軸方向に対して角度θだけ傾斜している。角度θは、偏光子1のブリュースター角θBとされており、テラヘルツ波帯において偏光子1の透過電力の周波数特性に極力リップルが生じることなく平坦化することができる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


テラヘルツ波帯は周波数が0.1~10THz(波長が30μm~3000μm)の電磁波とされており、波長が遠赤外~ミリ波領域とほぼ一致する。テラヘルツ波帯は、「光」と「ミリ波」に挟まれた周波数領域に存在しているため、テラヘルツ電磁波は光と同様に高い空間分解能でものを見分ける能力と、ミリ波と同様の物質を透過する能力を併せ持っている。テラヘルツ波帯はこれまで未開拓電磁波であったが、この周波数帯の電磁波の特徴を生かした時間領域分光、イメージング及びトモグラフィーによる材料のキャラクタリゼーションへの応用などが検討されてきている。テラヘルツ電磁波を用いると、物質透過性と直進性を兼ね備えるためX線に替わる安全かつ革新的なイメージングが可能になったり、数100Gbps級の超高速無線通信を可能とすることができる。



従来、主にテラヘルツ波帯の偏光や検光等にはワイヤーグリッドを用いる偏光子が提案されており、このワイヤーグリッドの実現に向けて研究が進められている。
従来の自立型ワイヤーグリッドの一例は、直径5μm~50μm程度の金属細線を、1本づつ設定された間隔で平行に並べ、金属枠に接着剤で貼り付けて作成されている。この自立型ワイヤーグリッドは、適用可能な周波数に限界があり、概ね1.5THz以上の偏光子に適用可能な構造とすると、微細な構造になってしまうことから実現することが困難とされている。



テラヘルツ波帯の偏光子に適用可能なワイヤーグリッド用金属板が特許文献1に開示されており、このワイヤーグリッド用金属板101の構成を示す平面図を図14に、ワイヤーグリッド用金属板101の一部の拡大平面図を図15に、図15の一部を更に拡大して示す平面図を図16(a)に、そのA-A線で切断した断面図を図16(b)に示す。



ワイヤーグリッド用金属板101は例えば直径20mm~100mm程度のニッケルの円板形状とされ、図14~図16(a)(b)に示すように、縦方向に桟状(細線状)に延びる複数の縦桟部111と、各縦桟部111にほぼ直交する少なくとも1つの横桟部112とを有し、縦桟部111及び横桟部112は、それぞれの両端部が円形又は矩形のフランジ部113につながっている。
縦桟部111の幅(ワイヤー幅)や間隔は、ワイヤーグリッド用金属板101の性能を決定するパラメータであり、適用する光の周波数に応じて定まる。そして、ワイヤーグリッド用金属板101は、1.5THz以上のテラヘルツ波帯にも適用可能な構造とすることができ、縦桟部111の幅Waは1.5μm~50μmとすることができる。



ワイヤーグリッド用金属板101においては、横桟部112が、少なくとも所定幅以上であって縦桟部111の幅以上に幅広とされている。これにより、幅Waが1.5μm~50μmの細線構造の縦桟部111を製造可能となる。また、ワイヤーグリッド用金属板101の板厚は、基板からの引き剥がし等における物理的強度や透過光特性の劣化を考慮して定める必要があり、板厚は10μmとされている。
なお、縦桟部111の幅Waはワイヤーグリッド用金属板101の性能を決定するパラメータとして一義的に定まるが、横桟部112の幅Wbや間隔(個数)等は、主にワイヤーグリッド用金属板101の強度を確保する観点から定まる。このため、横桟部112の幅Wbは、縦桟部111の幅以上の幅広に形成されている。具体的には、縦桟部111の幅Waを1.5μm~50μmとし、横桟部112を15μm以上であって縦桟部111より幅広に形成する。



図17に、縦桟部111の幅Waが20μm、縦桟部111の間隔が60μm、横桟部112の幅Wbが20μm、横桟部112の間隔が5mm、厚みが50μmとされたワイヤーグリッド用金属板101を使用した場合の特性を示す。図17を参照すると、透過配置の特性線α2および阻止配置の特性線β2の周波数特性から、周波数0.1~1.5THzのテラヘルツ光に対して偏光子として動作していることが分かる。この場合、テラヘルツ光の電場の振幅方向が縦桟部111の延伸方向である縦方向と直交する場合に透過配置となり、テラヘルツ光の電場の振幅方向が縦桟部111の延伸方向である縦方向の場合に阻止配置となる。

産業上の利用分野


この発明は、テラヘルツ波帯の偏光や検光等に主に用いられる偏光子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定間隔をもって平行に配置した金属製の細長い複数のメタルプレートが入射光の光軸に対して、所定角度傾斜している偏光子であって、
前記メタルプレートが傾斜している前記所定角度が、前記メタルプレートの厚さと前記所定間隔とで決定されるブリュースター角とされていることを特徴とするテラヘルツ波帯用の偏光子。

【請求項2】
両側に支持部が形成され、該支持部の間に所定幅のプレート部が形成されている金属製のグリッド板と、
前記グリッド板の両側の前記支持部の間に挿入される所定の厚さのスペーサとを備え、
前記グリッド板の両側の前記支持部の間に前記スペーサを挿入して、複数の前記グリッド板を積層していくことにより、前記プレート部が所定間隔をもって平行に配置されたグリッド板積層体が構成され、該グリッド板積層体における前記プレート部が、前記グリッド板の厚さと前記スペーサの厚さとで決定されるブリュースター角だけ傾斜して配置されて、該プレート部が入射光の光軸に対してブリュースター角だけ傾斜していることを特徴とするテラヘルツ波帯用の偏光子。

【請求項3】
上基台と、所定角度傾斜して形成された平面状の下面を有する下基台とを、さらに備え、
前記上基台と前記下基台との間に、前記グリッド板積層体が挟持され、前記上基台と前記プレート積層体と前記下基台とが固着手段により固着されており、前記所定角度は、前記プレート部が入射光の光軸に対して前記ブリュースター角だけ傾斜する角度とされていることを特徴とする請求項2に記載のテラヘルツ波帯用の偏光子。

【請求項4】
細長い矩形状の金属薄板が一面のほぼ中央に形成されている矩形状のフィルムからなるフィルム基板と、
平面状の下面が所定角度傾斜した底部と、該底部の上面から立設した複数本の立設柱とを有する基台と、
前記基台の前記立設柱の位置が切り欠かれた前記フィルム基板を複数枚積層することにより、前記金属薄板が所定間隔をもって平行に配置されたフィルム基板積層体と、
平面状の平板部と、該平板部において前記基台の前記立設柱の位置が切り欠かれている押さえ板とを備え、
前記フィルム基板積層体が前記複数本の立設柱により位置合わせされて前記基台に収納され、該フィルム基板積層体の上に前記押さえ板が載置されて、該押さえ板に挿通されたネジが前記基台に螺着されており、前記所定角度は、前記金属薄板の厚さと前記フィルム基板の厚さとで決定されるブリュースター角だけ、前記金属薄板が入射光の光軸に対して傾斜する角度とされていることを特徴とするテラヘルツ波帯用の偏光子。

【請求項5】
所定間隔をもって平行に配置された多数のスリットが貫通して形成され、所定の奥行きを有する直方体状とされた導電性の枠体からなり、前記スリットが入射光の光軸に対して、所定角度傾斜している偏光子であって、
前記スリットが多数形成されることにより、前記スリット間に前記所定角度傾斜した多数のグリッドが形成され、前記傾斜角度が、前記グリッドの厚さと前記所定間隔とで決定されるブリュースター角とされていることを特徴とするテラヘルツ波帯用の偏光子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015162773thum.jpg
出願権利状態 公開
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