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抗アセチル化ヒストンH4抗体

国内特許コード P170013950
整理番号 (K102P14)
掲載日 2017年3月29日
出願番号 特願2015-169223
公開番号 特開2017-043579
出願日 平成27年8月28日(2015.8.28)
公開日 平成29年3月2日(2017.3.2)
発明者
  • 梅原 崇史
  • 若森 昌聡
  • 蓑田 亜希子
  • 坂本 健作
  • 松田 貴意
  • 横山 茂之
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 抗アセチル化ヒストンH4抗体
発明の概要 【課題】Lys5とLys8の両方がアセチル化されたヒストンH4を識別して認識する抗体の提供。
【解決手段】ヒストンH4のLys5及びLys8がアセチル化されたアセチル化ヒストンH4を認識し、重鎖可変部及び/又は軽鎖可変部を含み、前記重鎖可変部が、特定のアミノ酸配列からなるCDRH1と、特定のアミノ酸配列からなるCDRH3を有しており、前記軽鎖可変部が、特定のアミノ酸配列からなるCDRL2と、特定のアミノ酸配列からなるCDRL3を有していることを特徴とする、抗アセチル化ヒストンH4抗体。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ヒトを始めとする真核生物では、細胞種ごとにゲノムDNAの凝集構造体であるクロマチンの化学修飾情報(エピジェネティクス情報)が異なっており、これが個体の発生・分化・癌化・老化を制御していることが知られている。個々の細胞においてどのようなエピジェネティクス修飾情報を有しているかについては不明な点も多いが、遺伝子発現とエピジェネティクス修飾の関係について研究が進んでいる。例えば、真核生物の遺伝子発現制御において、ヒストンのリジン残基のアセチル化が重要な役割を果たしていることが知られている。また、遺伝子発現が活性なクロマチン領域は、ヒストン、特にヒストンH4のN末端領域の4つのリジン残基(Lys5、Lys8、Lys12、Lys16)が高アセチル化されていることが知られている。



近年、ヒストンH4のアセチル化のうち、Lys5とLys8の2箇所が両方ともアセチル化されている状態が、BET型ブロモドメインタンパク質(BRD4、BRDT等)によって認識され、これが遺伝子発現の引き金となっていることが報告された(例えば、非特許文献1参照。)。BET型ブロモドメインタンパク質は、各種がんで発現が亢進されていたり、機能が活発になっており、その阻害又は検出が、がんの治療や診断に有効であることが期待されている。



クロマチンのエピジェネティクス修飾情報を解析する方法として、クロマチン免疫沈降塩基配列決定法(Chromatin Immunoprecipitation-sequencing;ChIP-seq)がある。ChIP-seqは、ChIP(クロマチン免疫沈降法)と塩基配列解析を組み合わせた方法であり、特にクロマチンのアセチル化状態の解析によく用いられている。転写活性因子がクロマチンに結合すると、ヒストンに対するアセチル基転移酵素活性を有する転写共役因子がリクルートされる結果、転写活性因子が結合した領域及びその周辺のヒストンがアセチル化される。そこで、細胞からDNAを抽出する前にタンパク質をゲノムDNAに固定化しておき、抽出したDNAを断片化した後に転写活性因子やアセチル化ヒストンを識別する抗体を用いて免疫沈降させ、得られた沈降物中のDNAを解析することにより、アセチル化ヒストンが巻き付いているゲノムDNA上にコードされている遺伝子を解析することができる。

産業上の利用分野


本発明は、Lys5(5番目のリジン残基)とLys8(8番目のリジン残基)の両方がアセチル化されたヒストンH4を識別して認識する抗体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒストンH4のLys5及びLys8がアセチル化されたアセチル化ヒストンH4を認識し、重鎖可変部及び/又は軽鎖可変部を含み、
前記重鎖可変部が、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるCDRH1と、配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるCDRH3を有しており、
前記軽鎖可変部が、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなるCDRL2と、配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるCDRL3を有していることを特徴とする、抗アセチル化ヒストンH4抗体。

【請求項2】
前記重鎖可変部が、さらに、配列番号6で表されるアミノ酸配列又は配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるCDRH2を有しており、
前記軽鎖可変部が、さらに、配列番号9で表されるアミノ酸配列又は配列番号10で表されるアミノ酸配列からなるCDRL1を有している、請求項1に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体。

【請求項3】
前記重鎖可変部が、配列番号1若しくは2で表されるアミノ酸配列、又は、配列番号1若しくは2で表されるアミノ酸配列のうち、第26~35番目及び第98~100番目のアミノ酸残基以外の領域において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列と80%以上100%未満の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、
前記軽鎖可変部が、配列番号3若しくは4で表されるアミノ酸配列、又は、配列番号3若しくは4で表されるアミノ酸配列のうち、第50~56番目及び第89~96番目のアミノ酸残基以外の領域において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列と80%以上100%未満の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体。

【請求項4】
前記重鎖可変部が、配列番号1若しくは2で表されるアミノ酸配列、又は、配列番号1若しくは2で表されるアミノ酸配列のうち、第26~35番目、第50~66番目、及び第98~100番目のアミノ酸残基以外の領域において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列と80%以上100%未満の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、
前記軽鎖可変部が、配列番号3若しくは4で表されるアミノ酸配列、又は、配列番号3若しくは4で表されるアミノ酸配列のうち、第24~34番目、第50~56番目、及び第89~96番目のアミノ酸残基以外の領域において1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加、若しくは欠失したアミノ酸配列と80%以上100%未満の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体。

【請求項5】
さらに、重鎖定常部及び/又は軽鎖定常部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体。

【請求項6】
免疫グロブリン、Fabフラグメント抗体、F(ab')フラグメント抗体、又は一本鎖抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体。

【請求項7】
クロマチンを含む被検試料に対して、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体を用いてクロマチン免疫沈降塩基配列決定法を行うことにより、一のヌクレオソーム中のヒストンH4のLys5とLys8の2箇所が共にアセチル化された状態のクロマチン領域を検出することを特徴とする、クロマチンの解析方法。

【請求項8】
被検者から採取されたクロマチンを含む被検試料に対して、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体を用いてクロマチン免疫沈降塩基配列決定法を行うことにより、一のヌクレオソーム中のヒストンH4のLys5とLys8の2箇所が共にアセチル化された状態のクロマチン領域を検出し、当該クロマチン領域に含まれるゲノムDNA上にコードされている遺伝子を検出することを特徴とする、がんの検出方法。

【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の抗アセチル化ヒストンH4抗体からなる、がんマーカー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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