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幹細胞の増殖と分化の光遺伝学的制御方法

国内特許コード P170013966
整理番号 (S2013-1320-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-537928
出願日 平成26年9月17日(2014.9.17)
国際出願番号 JP2014074458
国際公開番号 WO2015041219
国際出願日 平成26年9月17日(2014.9.17)
国際公開日 平成27年3月26日(2015.3.26)
優先権データ
  • 特願2013-193582 (2013.9.18) JP
発明者
  • 影山 龍一郎
  • 磯村 彰宏
  • 今吉 格
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 幹細胞の増殖と分化の光遺伝学的制御方法
発明の概要 本発明は、光遺伝学的な遺伝子発現調節系を用いて、光照射によって神経分化決定因子の発現を調節することにより、神経前駆(NPC)細胞を増殖・維持させるか、神経幹細胞から神経系細胞への分化を誘導するかを制御する方法を提供する。本発明は、Ascl1、Hes1、Olig2等の神経分化因子は、NPCでは周期的に発現振動しているが、運命決定の際にはそれらのいずれかの発現が支配的になることの発見と、標的遺伝子の発現を周期的に発現振動させ得る遺伝子発現系の構築に基づくものである。即ち、本発明は、青色光に応答して活性化(二量化)する転写活性化因子(GAL4-Vivid-p65 fusion protein; GAVPO)をコードする核酸と、該転写活性化因子が結合するシス配列を含むプロモーターの下流に標的神経分化決定因子をコードするDNA及びmRNAを不安定化する3’-UTRを繋いだ核酸とをNPCに導入し、該NPCに青色光を、周期を変えて短時間照射することにより、標的因子を発現振動させてNPCを維持増幅するか、あるいは標的因子の持続的発現を誘導して該因子により運命づけられる神経系細胞への分化を誘導する方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要


塩基性ヘリックス-ループ-ヘリックス(bHLH)型転写因子であるAscl1/Mash1(以下、「Ascl1」と表記する。)、Hes1及びOlig2は、神経幹/前駆細胞からそれぞれ神経細胞、アストロサイト及びオリゴデンドロサイトへの分化を誘導する。一方で、これらの因子は神経幹/前駆細胞で共発現しており、神経幹/前駆細胞の増殖・維持にも関与している。しかし、この相反する機能がどのように制御されているのかはこれまで不明であった。



本発明者らは以前、Hes1の発現が、神経幹/前駆細胞を含む多くの細胞で、ネガティブフィードバックにより2-3時間周期で振動しているのに対して、分化しつつある神経細胞では発現が消失していることを見出した(非特許文献1、2)。しかしながら、Ascl1等の他の神経分化決定因子の発現が、神経幹/前駆細胞や分化細胞でどのような発現パターンを示すかについては知られておらず、これらの因子の発現がどのように関連して、神経幹/前駆細胞の維持増殖と、神経幹/前駆細胞から各種神経系細胞への分化が制御されているかについては不明のままであった。

産業上の利用分野


本発明は、幹細胞の増殖と分化を光遺伝学的に制御する方法に関する。より詳細には、本発明は、幹細胞における分化決定因子の発現を人為的に操作し、発現振動させるか、あるいは持続発現させるかによって、幹細胞を維持増殖させるか、あるいは幹細胞から分化細胞を誘導するかを制御する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
維持・増殖又は所望の細胞への分化を光制御し得る幹細胞であって、
1)転写因子のDNA結合領域、特定波長の光により二量化するタンパク質及び転写因子の転写活性化領域が連結された融合タンパク質をコードするDNAを含む発現ベクター、及び
2)発現振動することにより該幹細胞の未分化状態を維持し、持続的に発現することにより所望の細胞への分化を誘導する標的タンパク質をコードするDNAと、該DNAの上流に配置した上記DNA結合領域が結合し得るシス配列及び上記転写活性化領域の作用により転写活性を発揮する基本プロモーターと、標的タンパク質をコードするDNAの下流に配置した該DNAから転写されたmRNAを不安定化する3’非翻訳領域とを含む発現ベクター、
が導入された該幹細胞。

【請求項2】
前記融合タンパク質において、転写因子のDNA結合領域が酵母GAL4由来であり、特定波長の光により二量化するタンパク質がアカパンカビ由来のVividであり、転写因子の転写活性化領域がNF-κB p65である、請求項1記載の幹細胞。

【請求項3】
融合タンパク質をコードするDNAのコドンが、幹細胞の由来する哺乳動物において使用頻度の高いコドンに置換されている、請求項1又は2記載の幹細胞。

【請求項4】
幹細胞が神経幹/前駆細胞である、請求項1~3のいずれか一項に記載の幹細胞。

【請求項5】
標的タンパク質がAsclファミリー、Hesファミリー又はOligファミリーのメンバーである、請求項4記載の幹細胞。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の幹細胞に、該幹細胞に内在の標的タンパク質の発現振動周期と同等の時間間隔をおいて、前記特定波長の光を照射することにより、前記標的タンパク質の発現を振動させることを特徴とする、該幹細胞の維持・増幅方法。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の幹細胞に、前記特定波長の光を1時間以下の間隔をおいて照射することにより、前記標的タンパク質を持続的に発現させることを特徴とする、該幹細胞から所望の細胞への分化誘導方法。

【請求項8】
特定波長の光が約400~約500nmの波長の青色光である、請求項6又は7記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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