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細胞増殖促進または細胞障害抑制による角膜内皮治療薬 UPDATE

国内特許コード P170013980
整理番号 (S2014-0075-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-547822
出願日 平成26年11月13日(2014.11.13)
国際出願番号 JP2014080831
国際公開番号 WO2015072580
国際出願日 平成26年11月13日(2014.11.13)
国際公開日 平成27年5月21日(2015.5.21)
優先権データ
  • 特願2013-235768 (2013.11.14) JP
発明者
  • 小泉 範子
  • 奥村 直毅
  • 木下 茂
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 細胞増殖促進または細胞障害抑制による角膜内皮治療薬 UPDATE
発明の概要 本発明は、細胞増殖を必要とする角膜内皮障害の治療または予防を提供する。より詳細には本発明は、p38MAPキナーゼ阻害薬を含む、細胞増殖を必要とする角膜内皮障害の治療または予防薬を提供する。好ましい実施形態では、角膜内皮障害は、創傷である。好ましい実施形態では、p38MAPキナーゼ阻害薬は水溶性である。p38MAPキナーゼ阻害薬は4-[4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルフィニルフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル]ピリジン)(SB203580)またはその塩を含みうる。
従来技術、競合技術の概要


視覚情報は、眼球の最前面の透明な組織である角膜から取り入れられた光が、網膜に達して網膜の神経細胞を興奮させ、発生した電気信号が視神経を経由して大脳の視覚野に伝達することで認識される。良好な視力を得るためには、角膜が透明であることが必要である。角膜の透明性は、角膜内皮細胞のポンプ機能とバリア機能により、含水率が一定に保たれることにより保持される。



ヒトの角膜内皮細胞は、出生時には1平方ミリメートル当たり約3000個の密度で存在しているが、一度障害を受けると再生する能力を持たない。角膜内皮変性症や種々の原因による角膜内皮の機能不全によって生じる水疱性角膜症では、角膜が浮腫と混濁を生じ、著しい視力低下をきたす。現在、水疱性角膜症に対しては、角膜の上皮、実質および内皮の3層構造のすべてを移植する全層角膜移植術が行われている。しかし、日本での角膜提供は不足しており、角膜移植の待機患者約2600人に対し、年間に国内で行われている角膜移植件数は1700件程度である。



角膜は眼球の前方に位置し、主に角膜上皮細胞層、角膜実質層、角膜内皮細胞層の3層構造を持った透明な組織である。角膜内皮細胞層は角膜深層部に存在する単層の細胞層であり、バリア機能とポンプ機能を持ち、角膜の水分量を一定に保つことで角膜の透明性を維持する役割を果たしている。また、障害を受けても生体内で増殖しないことが知られており、角膜内皮細胞が外傷や疾患等によって障害されて細胞数が減少することで、重篤な視覚障害が生じることが知られている。



特許文献1は、眼表面の疾患の局所療法の概説である。非特許文献1は、p38の角膜内皮における凍結処置に対する阻害剤の影響を記載する。非特許文献2は、p38MAPキナーゼの、TNFα誘導性の角膜内皮におけるバリア機能(integrety)の損失に対する影響を記載する。非特許文献3および4はp38キナーゼを利用した角膜上皮細胞に関する処置方法を記載する。非特許文献5は、線維性創傷修復過程に関するp38MAPキナーゼシグナルの関与を記載する。非特許文献6は、角膜内皮細胞の遊走とMAPキナーゼとの関係について記載する。非特許文献7は、角膜内皮障害とTGFβとの関連を記載する。非特許文献8は、角膜創傷に関する再生治癒に関するTGFβとの関連を記載する。非特許文献9は、角膜内皮細胞とTGFβとの関連を記載する。

産業上の利用分野


本発明は、角膜内皮細胞を正常な状態で培養するための技術、方法、ならびにそのための薬剤および培地に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
p38MAPキナーゼ阻害薬を含む、細胞増殖、細胞障害抑制または細胞老化抑制を必要とする角膜内皮疾患、障害または状態の治療または予防薬。

【請求項2】
前記角膜内皮障害は、フックス角膜内皮ジストロフィ、角膜移植後の持続する角膜内皮密度減少、外傷、眼科手術、加齢、および角膜内皮炎に関連する障害からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の治療または予防薬。

【請求項3】
前記p38MAPキナーゼ阻害薬は水溶性である、請求項1に記載の治療または予防薬。

【請求項4】
前記p38MAPキナーゼ阻害薬は、4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-イミダゾール(SB-202190)、trans-4-[4-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メトキシ-4-ピリミジニル)-1H-イミダゾール-1-イル]シクロヘキサノール(SB-239063)、4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルフィニルフェニル)-5-(4-ピリジル)-1H-イミダゾール(SB-203580)、4-(4-フルオロフェニル)-5-(2-メトキシピリミジン-4-イル)-1-(ピペリジン-4-イル)イミダゾール(SB-242235)、4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-1-ブチニル)-1-(3-フェニルプロピル)-5-(4-ピリジル)イミダゾール(RWJ-67657)、4-(4-フルオロフェニル)-1-(ピペリジン-4-イル)-5-(4-ピリジル)イミダゾール(HEP-689)、(S)-2-(2-アミノ-3-フェニルプロピルアミノ)-1-メチル-5-(2-ナフチル)-4-(4-ピリジル)ピリミジン-6-オン(AMG-548)、2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-メチルアニリノ)-2’-メチルベンゾフェノン(EO-1606)、3-(4-クロロフェニル)-5-(1-ヒドロキシアセチルピペリジン-4-イル)-4-(ピリミジン-4-イル)ピラゾール(SD-06)、5-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニルチオ)ピリミド[3,4-b]ピリダジン-6-オン(VX-745)、4-アセチルアミノ-N-tert-ブチルベンズアミド(CPI-1189)、N-[3-tert-ブチル-1-(4-メチルフェニル)ピラゾール-5-イル]-N’-[4-(2-モルホリノエトキシ)-1-ナフチル]ウレア(ドラマピモド(Doramapimod(BIRB796)))、2-ベンズアミド-4-[2-エチル-4-(3-メチルフェニル)チアゾール-5-イル]ピリジン(TAK-715)、タルマピモド(Talmapimod;SCIO-469)、1-(カルバモイル-6-(2,4-ジフルオロフェニル)ピリジン-2-イル)-1-(2,6-ジフルオロフェニル)尿素(VX-702;2-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)ウレイド)ニコチンアミド)、ジルマピモド(dilmapimod;GSK-681323)、4-(5-(シクロプロピルカルバモイル)-2-メチルフェニルアミノ)-5-メチル-N-プロピルピロロ(1,2-f)(1,2,4)トリアジン-6-カルボキサミド(PS-540446)、抗FGF-7抗体(SC-80036)、AVE-9940、[5-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾル-4-イル][3-(3-アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]メタノン(RO-320-1195)、1-(1,3-ジヒドロキシプロプ-2-イル)-4-(4-フルオロフェニル)-5-[2-フェノキシピリミジン-4-イル]イミダゾール(SB-281832)、2-[5-({4-[(4-フルオロフェニル)メチル]ピペリジン-1-イル}カルボニル)-6-メトキシ-1-メチル-1H-インドル-3-イル]-N,N’-ジメチル-2-オキソアセトアミド(SCIO-323)、2-(5-tert-ブチル-2-m-トリル-2H-ピラゾル-3-イル)-2-ヒドロキシイミド-N-[4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ナフタレン-1-イル]-アセトアミド(KC-706)、N,N’-ビス[3,5-ビス[1-(2-アミジノヒドラゾノ)エチル]フェニル]デカンジアミド、N,N’-ビス[3,5-ビス[1-[2-(アミノイミノメチル)ヒドラゾノ]エチル]フェニル]デカンジアミド(セマピモド(Semapimod))、および3-(3-ブロモ-4-((2,4-ジフルオロベンジル)オキシ)-6-メチル-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)-N,4-ジメチルベンズアミド(PH-797804)、および5-(2-(tert-ブチル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-4-イル)-3-ネオペンチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2-アミン(LY2228820)からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の治療または予防薬。

【請求項5】
前記p38MAPキナーゼ阻害薬は4-[4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルフィニルフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル]ピリジン)(SB203580)またはその塩を含む、請求項1に記載の治療または予防薬。

【請求項6】
前記p38MAPキナーゼ阻害薬は4-[4-(4-フルオロフェニル)-2-(4-メチルスルフィニルフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル]ピリジン)(SB203580)塩酸塩を含む、請求項1に記載の治療または予防薬。

【請求項7】
細胞増殖を必要とする角膜内皮障害の治療または予防のためのp38MAPキナーゼ阻害物質。

【請求項8】
p38MAPキナーゼ阻害薬の有効量をそれを必要な被験体に投与する工程を含む、細胞増殖を必要とする角膜内皮障害の治療または予防のための方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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