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発現カセット UPDATE

国内特許コード P170013987
整理番号 (S2014-0444-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-560046
出願日 平成27年1月30日(2015.1.30)
国際出願番号 JP2015052727
国際公開番号 WO2015115610
国際出願日 平成27年1月30日(2015.1.30)
国際公開日 平成27年8月6日(2015.8.6)
優先権データ
  • 特願2014-016814 (2014.1.31) JP
  • 特願2014-016816 (2014.1.31) JP
発明者
  • 間世田 英明
  • 上手 麻希
出願人
  • 国立大学法人徳島大学
発明の名称 発現カセット UPDATE
発明の概要 本発明は、式(1):X-Y-X-Y-X (1)[式中、X及びYは塩基数が1以上の異なる塩基配列を示す。]、又は式(2):X-Y-X (2)[式中、X及びYは前記に同じ。]で示される塩基配列を含む新規発現カセット、並びにこれを用いた発現誘導システム、及び薬剤耐性化抑制剤の候補物質のスクリーニング方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要


現在、多様な分野において組換えタンパク質の発現技術が利用されている。例えば、医薬分野においては、インスリン等のタンパク質製剤を、大腸菌や酵母に導入した遺伝子から発現させることによって生産している。また、抗体作製、タンパク質の機能解析、タンパク質の立体構造解析等に用いられるタンパク質の調製にも、組換えタンパク質の発現技術が利用されている。



ただ、目的タンパク質を例えば大腸菌等の細菌内で発現させる場合、該タンパク質の機能により細胞の増殖が阻害され、結果として効率的に目的タンパク質を得られないことがある。したがって、通常、ある程度細菌が増殖した段階で目的タンパク質の発現が誘導されるようなシステムを利用する(非特許文献1)。



例えば、細菌の対数増殖期にIPTGを添加することにより、IPTG応答性のプロモーター(lacプロモーター等)を活性化させ、タンパク質の発現を誘導するというシステムが知られている。また、別の例としては、2種類の炭素源を含む培地で培養することによって、細菌の増殖に伴う利用炭素源の切替えによってタンパク質の発現が誘導されるというシステムが知られている。



上記各種発現誘導システムそれぞれは、その原理が異なるが故に、発現の誘導時期、誘導される細菌の割合、発現誘導が細菌の増殖に与える影響等が異なる。例えば、IPTGによる発現誘導システムは、IPTG添加により培養中の細菌全てにおいて一斉にタンパク質の発現が誘導されるので、誘導が比較的急激に起こる。また、利用炭素源の切り替えによる発現誘導システムは、利用炭素源の切り替えが起こった細菌から順次タンパク質の発現が誘導されるので、誘導が比較的緩やかに起こる。このような各発現誘導システムの特徴は、目的タンパク質の最終的な収率や、変性しない状態で回収できるか等に影響を与えると考えられる。



一方、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は、自然環境中に存在する常在菌であり、日和見感染症の原因菌である。消毒剤や抗生物質等の薬剤に対する抵抗性が元来高いことが知られており、このため、緑膿菌に対して抗菌効果を発揮する薬剤の種類は、他の細菌に比べて少ない。具体的には、ペニシリンやセフェム系などのβラクタム系抗菌薬は、緑膿菌に対しては抗菌効果を発揮しないことが知られている。



緑膿菌は、薬剤への曝露により容易に高度に耐性化することが知られている。例えば、野生株には抗菌効果を発揮するニューキノロン系抗菌薬、クロラムフェニコール、イミペネム等に対して耐性を示す変異株の存在、さらにはこれらの3種の抗菌薬全てに対して耐性を示す多剤耐性株(NfxC型変異株)の出現が問題となっている。このような薬剤の開発とそれに対する耐性菌の出現といういわゆる“イタチごっこ”の問題は、元来有効な薬剤が少ない緑膿菌においては極めて深刻な問題である。



NfxC型変異株は、欧米人の2500人に1人が有する遺伝病である嚢胞性線維症(CF:Cystic Fibrosis)の患者からしばしば分離される耐性菌の1つである。NfxC型変異株は、RND型薬剤排出ポンプ(MexEF-OprN)を発現しており、その結果薬剤耐性能を獲得することが知られている。該変異株においては、mexT遺伝子のORFが8 bp欠失してフレームシフトしており、その結果発現する活性型MexTタンパク質(転写因子)が、RND型薬剤排出ポンプの発現を活性化している(非特許文献2)。



しかしながら、該8 bpの欠失がランダムに起こる欠失によるものなのか否かについては全く知られていなかった。さらに、何らかの配列が関与しているとしても、該8 bpの欠失にどのような配列が寄与しているのか、該欠失が他の生物でも起こる現象なのか、さらには該欠失に寄与する配列を有してさえいれば欠失が起こるのか等の、薬剤耐性化機構の詳細については全く知られていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、新規発現誘導システムを可能にする発現カセット、並びにこれを利用したタンパク質の発現方法、及び薬剤耐性化抑制剤の候補物質のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(1):X-Y-X-Y-X (1)[式中、X及びYは塩基数が1以上の異なる塩基配列を示す。]、又は式(2):X-Y-X (2)[式中、X及びYは前記に同じ。]で示される塩基配列を含む発現カセット。

【請求項2】
前記式(1)中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3n+1又は3n+2(ただし、nは整数)であり、前記式(2)中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3p+1又は3p+2(ただし、pは整数)である、請求項1に記載の発現カセット。

【請求項3】
前記式(1)又は前記式(2)で示される塩基配列の5’側に開始コドン及び/又はプロモーターが配置されている、請求項1又は2に記載の発現カセット。

【請求項4】
5’側から順に、プロモーター、開始コドン、前記式(1)又は前記式(2)で示される塩基配列が配置されている、請求項1~3のいずれかに記載の発現カセット。

【請求項5】
前記式(1)又は前記式(2)で示される塩基配列を含むプロモーターを含む、請求項1に記載の発現カセット。

【請求項6】
前記プロモーターが刺激応答性プロモーターである、請求項3~5のいずれかに記載の発現カセット。

【請求項7】
前記式(1)又は前記式(2)で示される塩基配列の3’側にORFが配置されている、請求項1~6のいずれかに記載の発現カセット。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の発現カセットを含む、発現ベクター。

【請求項9】
5’側から順に、式(1):X-Y-X-Y-X (1)[式中、X及びYは塩基数が1以上の異なる塩基配列を示す。]、又は式(2):X-Y-X (2)[式中、X及びYは前記に同じ。]で示される塩基配列、ORFが配置されている発現カセットを含む形質転換体を培養する工程を含むタンパク質発現方法。

【請求項10】
前記発現カセットが5’側から順にプロモーター、開始コドン、式(1)又は式(2)で示される塩基配列、ORFが配置されている発現カセットであって、
式(1)で示される塩基配列が配置されている場合は、
前記開始コドンと前記ORFの間の塩基配列の塩基数が3m+1(但し、mは3以上の整数)であり、且つ前記式(1)で示される塩基配列中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3n+1(ただし、nは整数)であるか、或いは
前記開始コドンと前記ORFの間の塩基配列の塩基数が3m+2(但し、mは3以上の整数)であり、且つ前記式(1)で示される塩基配列中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3n+2(ただし、nは整数)であり、
式(2)で示される塩基配列が配置されている場合は、
前記開始コドンと前記ORFの間の塩基配列の塩基数が3m+1(但し、mは3以上の整数)であり、且つ前記式(2)で示される塩基配列中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3p+2(ただし、pは整数)であるか、或いは
前記開始コドンと前記ORFの間の塩基配列の塩基数が3m+2(但し、mは3以上の整数)であり、且つ前記式(2)で示される塩基配列中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3p+1(ただし、pは整数)である、
請求項9に記載のタンパク質発現方法。

【請求項11】
前記発現カセットが、5’側から順に、式(1)又は式(2)で示される塩基配列を含むプロモーター、ORFが配置されている発現カセットであって、
該プロモーターが、前記式(1)で示される塩基配列中のX-Yで示される塩基配列が欠失することにより、又は前記式(2)で示される塩基配列の5’側に隣接してX-Yで示される塩基配列が挿入されることにより、転写活性が変化するプロモーターである、
請求項9に記載のタンパク質発現方法。

【請求項12】
請求項9~11のいずれかに記載の方法で発現させたタンパク質を回収する工程を含む、タンパク質の製造方法。

【請求項13】
(工程a)5’側から順に、式(1):X-Y-X-Y-X (1)[式中、X及びYは塩基数が1以上の異なる塩基配列を示す。]、又は式(2):X-Y-X (2)[式中、X及びYは前記に同じ。]で示される塩基配列、ORFが配置されている発現カセットを含む形質転換体と、被検物質とを接触させる工程、
(工程b)被検物質と接触させた形質転換体(被検形質転換体)、及び被検物質を接触させない形質転換体(対照形質転換体)における、前記式(1)で示される塩基配列中のX-Yで示される塩基配列の欠失率、又は前記式(2)で示される塩基配列の5’側に隣接してX-Yで示される塩基配列が挿入される率(挿入率)を測定する工程、及び
(工程c)被検形質転換体における欠失率又は挿入率が、対照形質転換体における欠失率又は挿入率よりも低い場合に、前記被検物質を薬剤耐性化抑制剤候補物質として選択する工程、
を含む薬剤耐性化抑制剤の候補物質のスクリーニング方法。

【請求項14】
前記発現カセットが、5’側から順にプロモーター、開始コドン、式(1)又は式(2)で示される塩基配列、ORFが配置されている発現カセットであって、前記式(1)中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3n+1又は3n+2(ただし、nは整数)であり、前記式(2)中のX-Yで示される塩基配列の塩基数が3p+1又は3p+2(ただし、pは整数)である、請求項13に記載のスクリーニング方法。

【請求項15】
前記発現カセットが、5’側から順に、式(1)又は式(2)で示される塩基配列を含むプロモーター、ORFが配置されている発現カセットである、請求項13に記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015560046thum.jpg
出願権利状態 公開


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