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超伝導ケーブル

国内特許コード P170013992
整理番号 (S2013-1218-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-535412
出願日 平成26年8月19日(2014.8.19)
国際出願番号 JP2014071626
国際公開番号 WO2015033768
国際出願日 平成26年8月19日(2014.8.19)
国際公開日 平成27年3月12日(2015.3.12)
優先権データ
  • 特願2013-185044 (2013.9.6) JP
発明者
  • 松下 照男
  • 小田部 荘司
  • 木内 勝
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 超伝導ケーブル
発明の概要 縦磁界効果を利用して大電流を流すことができると共に、過大電流が生じた場合に、限流するための機能をケーブル自体で実現することができる超伝導ケーブルを提供する。縦磁界効果を利用して直流電流を通電する内側導体3と、内側導体3における縦磁界が増加するように内側導体と逆方向に直流電流を通電するシールド層5とを有する超伝導ケーブル1であって、シールド層5の電流容量が内側導体3の電流容量より小さくなっており、シールド層5が、シールド層5に流れる電流がシールド層5の電流容量を超えた場合に、電流が分流するための外側導電層6bを有し、内側導体3が、内側導体3に流れる電流が内側導体3の電流容量を超えた場合に、電流が分流するための内側導電層6aを有し、外側導電層6b及び内側導電層6aに電流が通電される場合に、当該電流により縦磁界が減少するように外側導電層6b及び内側導電層6aが形成されている。
従来技術、競合技術の概要

縦磁界効果を利用してフォースフリー状態又はフォースフリー状態に近い状態を実現する超伝導ケーブルとして、発明者らにより開発された特許文献1に示す技術が知られている。特許文献1に示す技術は、超伝導体を用いて電力を送電する超伝導ケーブルにおいて、超伝導ケーブルの長手方向を基準方向とし、基準方向に対して正、又は負のいずれか一の角度で螺旋状に配設される超伝導材からなる導電部を備え、導電部が複数の層からなり、最内層から最外層に向かって、螺旋の角度が基準方向に対して順次異なる角度であり、導電部に流れる電流により当該電流の流れと同方向に磁界を生じさせるものであり、前記導電部で形成される層を内側層とし、前記超伝導材からなる導電部で形成され、当該導電部が前記基準方向に対して、前記内側層に配設される導電部の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される外側層と、前記内側層と外側層の間に配設された絶縁層とを備える直流の超伝導往復送電ケーブルである。


この特許文献1に示すフォースフリー超伝導電力ケーブルは、縦磁界下で臨界電流密度が大幅に増加するという縦磁界効果を直流用超伝導電力ケーブルに応用したものである。図4(A)は、金属系超伝導体の横磁界下(白丸)及び縦磁界下(黒丸)における臨界電流密度の違いであり、フォースフリー超伝導電力ケーブルでは、この縦磁界下の特性を利用する。そのため、図4(B)に示すような構造とし、帰路の外側遮蔽超伝導体を流れる電流が内側の超伝導体に縦磁界を与えるように一の方向に捻る。一方、こうした縦磁界下において、内側導体で局所的な電流の方向(巻く超伝導材の方向)と磁界とが平行になるフォースフリー状態(Lorentz力が働かない状態)が達成されるよう、特殊な超伝導線の巻き方を施す。こうした構造にすることで、通常の超伝導ケーブルに比べて大幅な電流容量の増大を可能としている。図4(C)は計算例であり、ケーブル内の導体層の数の増加と共に飛躍的に電流容量が増大することを示している。


ところで、再生可能エネルギーを利用した太陽光や風力による発電の普及の障害の一つになっているのが余剰電力の処理であり、そのためには、高価なエネルギー貯蔵装置の設置しなくても、広範囲に電力網を広げて過不足と不足をならすことによって地域的な安定化を図ることが有効である。このような安定な電力供給のために電力ネットワークを整備することが望まれているが、現状では短絡事故や落雷などによる過大電流が問題となり、十分な電力ネットワークが形成されていない。こうした広域電力ネットワークの構築のためには、事故時の過大電流を阻止できる限流器の設置が重要であり、特に欧米では限流器の開発が急ピッチで行われている。


超伝導を利用した限流器として、(1)抵抗遷移型、(2)インダクタンス型がよく知られている。(1)抵抗遷移型は、超伝導体が常伝導状態に転移して生じる高い電気抵抗を利用して限流するものであり、(2)インダクタンス型は、巻線数の多い変流器の2次側が常伝導状態に転移したときに1次側から見たインピーダンスが極めて大きくなることを利用して限流するものであり、交流専用となる。これ以外にも、例えば、(2)を利用して超伝導変圧器に限流機能を持たせたものがある。


上記に関連する技術として、例えば特許文献2に示す技術が開示されている。特許文献2に示す技術は、超伝導ケーブルの冷却媒体流通路と流通可能な状態となるように超伝導ケーブルの端末に接続される低温容器と、低温容器に液体窒素を循環供給するための冷却システムと、低温容器内に配設されて液体窒素に埋没状態に浸漬され、かつ電流リードを介して常伝導機器に電気的に接続される超伝導限流素子とを備えるものである。

産業上の利用分野

本発明は、縦磁界効果を利用した限流機能付きの超伝導ケーブルに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
縦磁界効果を利用して直流電流を通電する内側層と、当該内側層を被覆する絶縁層と、当該絶縁層の外側に前記内側層における縦磁界が増加するように前記内側層と逆方向に直流電流を通電する外側層とを有する超伝導ケーブルであって、
前記外側層の電流容量が前記内側層の電流容量より小さくなっており、
前記外側層の最外層に、当該外側層に流れる電流が当該外側層の電流容量を超えた場合に、電流が分流するための導電層を有し、
前記導電層に電流が通電される場合に、当該電流により縦磁界が減少するように前記導電層が形成されていることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項2】
請求項1に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記超伝導ケーブルの長手方向を基準方向とし、
前記内側層が、前記基準方向に対して正、又は負のいずれか一の角度で螺旋状に配設される超伝導部材からなる複数の超伝導層を有し、当該複数の超伝導層の最内層から最外層に向かって、螺旋の角度が前記基準方向に対して順次大きくなる角度であり、
前記外側層が、前記基準方向に対して、前記内側層に有する超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される超伝導部材からなる超伝導層を有し、
前記導電層が、前記外側層が有する前記超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される導電部材からなることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項3】
請求項2に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記導電層に流れる電流の方向が前記外側層に流れる電流の方向と同方向であることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項4】
縦磁界効果を利用して直流電流を通電する内側層と、当該内側層を被覆する絶縁層と、当該絶縁層の外側に前記内側層における縦磁界が増加するように前記内側層と逆方向に直流電流を通電する外側層とを有する超伝導ケーブルであって、
前記外側層の電流容量が前記内側層の電流容量より小さくなっており、
前記内側層の最外層であって前記絶縁層の内側に、前記内側層に流れる電流が当該内側層の電流容量を超えた場合に、電流が分流するための導電層を有し、
前記導電層に電流が通電される場合に、当該電流により縦磁界が減少するように前記導電層が形成されていることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項5】
請求項4に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記超伝導ケーブルの長手方向を基準方向とし、
前記内側層が、前記基準方向に対して正、又は負のいずれか一の角度で螺旋状に配設される超伝導部材からなる複数の超伝導層を有し、当該複数の超伝導層の最内層から最外層に向かって、螺旋の角度が前記基準方向に対して順次大きくなる角度であり、
前記外側層が、前記基準方向に対して、前記内側層に有する超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される超伝導部材からなる超伝導層を有し、
前記導電層が、前記内側層が有する前記超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される導電部材からなることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項6】
請求項5に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記導電層に流れる電流の方向が前記内側層に流れる電流の方向と同方向であることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項7】
縦磁界効果を利用して直流電流を通電する内側層と、当該内側層を被覆する絶縁層と、当該絶縁層の外側に前記内側層における縦磁界が増加するように前記内側層と逆方向に直流電流を通電する外側層とを有する超伝導ケーブルであって、
前記外側層の電流容量が前記内側層の電流容量より小さくなっており、
前記外側層の最外層に、当該外側層に流れる電流が当該外側層の電流容量を超えた場合に、電流が分流するための外側導電層を有し、
前記内側層の最外層であって前記絶縁層の内側に、前記内側層に流れる電流が当該内側層の電流容量を超えた場合に、電流が分流するための内側導電層を有し、
前記外側導電層及び前記内側導電層に電流が通電される場合に、当該電流により縦磁界が減少するように前記外側導電層及び前記内側導電層が形成されていることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項8】
請求項7に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記超伝導ケーブルの長手方向を基準方向とし、
前記内側層が、当該基準方向に対して正、又は負のいずれか一の角度で螺旋状に配設される超伝導部材からなる複数の超伝導層を有し、当該複数の超伝導層の最内層から最外層に向かって、螺旋の角度が前記基準方向に対して順次大きくなる角度であり、
前記外側層が、前記基準方向に対して、前記内側層に有する超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される超伝導部材からなる超伝導層を有し、
前記外側導電層が、前記外側層が有する前記超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される導電部材からなり、前記内側導電層が、前記内側層が有する前記超伝導層の螺旋方向と逆方向の螺旋方向に配設される導電部材からなることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項9】
請求項8に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記外側導電層に流れる電流の方向が前記外側層に流れる電流の方向と同方向であり、前記内側導電層に流れる電流の方向が前記内側層に流れる電流の方向と同方向であることを特徴とする超伝導ケーブル。

【請求項10】
請求項8又は9に記載の超伝導ケーブルにおいて、
前記外側導電層及び前記内側導電層の前記基準方向に対する螺旋角度が、それぞれ25°以上、60°以下であることを特徴とする超伝導ケーブル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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