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電気力/磁気力顕微鏡および電場/磁場同時測定方法

国内特許コード P170014005
整理番号 (S2014-0359-N0)
掲載日 2017年4月7日
出願番号 特願2015-560054
出願日 平成27年1月30日(2015.1.30)
国際出願番号 JP2015052766
国際公開番号 WO2015115622
国際出願日 平成27年1月30日(2015.1.30)
国際公開日 平成27年8月6日(2015.8.6)
優先権データ
  • 特願2014-016131 (2014.1.30) JP
発明者
  • 齊藤 準
  • 吉村 哲
  • 木下 幸則
出願人
  • 国立大学法人秋田大学
発明の名称 電気力/磁気力顕微鏡および電場/磁場同時測定方法
発明の概要 ソフト磁性探針112を有する探針部材11と;探針部材11を励振させる探針励振部12と;周波数が異なる交流電場と交流磁場とをソフト磁性探針112に印加する交流電場印加部131及び交流磁場印加部132と;交流電場印加部131及び交流磁場印加部132を駆動する交流電場駆動部141及び交流磁場駆動部142と;探針部材11の振動を検出し、振動検出信号VIBを生成する探針振動検出部15と;ソフト磁性探針112により試料SMPLを走査する探針走査部16と;振動検出信号VIBを取得し、試料SMPLとソフト磁性探針112との間に生じた交流電気力および交流磁気力を復調する復調部17と;復調された交流電気力を用いて、試料SMPLから生じる電場を測定する電場測定部181と;復調された交流磁気力を用いて、試料SMPLから生じる磁場を測定する磁場測定部182と、を備える電気力/磁気力顕微鏡1。
従来技術、競合技術の概要


試料の直流磁場を測定する技術として、図1(A)に示す磁気力顕微鏡(MFM8)が知られている(特許文献1:WO2013/047537参照)。
このMFM8では、先端に探針チップ811が設けられた探針部材81(カンチレバー)が励振される。そして、バネ振動している探針チップ811により、試料82の表面を走査し、前記探針チップ811の振動を検出することで、試料82の表面の磁場を測定することができる。



試料82の下方には交流磁場発生用のコイル84が設けられており、探針チップ811には、試料82が生成する直流磁場H_DCSMPLと、コイル84が生成する交流磁場H_ACとの重畳磁場が印加される。
レーザ(LASER)831とフォトダイオード(PD)832とからなる振動検出器により、探針部材81の振動(みかけ上のバネ定数が変化することによって生じた振動変調)が検出され、図示しない直流磁場測定部により試料82の表面の直流磁場が測定される。
なお、探針チップ811は、錐形のSiにソフト磁性体(例えばFe-Co、Fe-Co-B、パーマロイ(Ni-Fe)、Co-Zr-Nb等。)の薄膜を形成することで作製される。



図1(A)に示した従来の磁気力顕微鏡(MFM8)の動作原理を説明する。
直流磁場勾配(∂H_DCSMPL/∂z)の計測は、試料82上の、探針チップ811に空間的に一様な交流磁場を印加して、探針チップ811の磁気モーメントを周期的に変化させることで可能となる。
図1(B)に、探針チップ811に使用されるソフト磁性体のM-H特性の一例を示す。
図1(B)では交流磁場の印加による磁化Mの時間変化を併せて示してある。
探針チップ811に、交流磁場により探針の共振周波数と異なる、非共振の交番磁気力が与えられたときのカンチレバー(探針部材81)の運動方程式は、式(1)で表される。



【数1】


z(t):ソフト磁性探針(探針チップ811)の変位の時間変化(ここで、z方向は、試料面に垂直な方向にとり、探針の振動方向とする)
ω0:加振角周波数
ωm:交流磁気力の角周波数
m:ソフト磁性探針(探針チップ811)の等価質量
γ:減衰係数
0:カンチレバー(探針部材81)固有のバネ定数
Δk:カンチレバー(探針部材81)のバネ定数のみかけ上の周期的変化の振幅
Δk≪k0であるので、式(1)の解は式(2)で与えられる。



【数2】




非共振の交流磁場をソフト磁性探針(探針チップ811)に印加することにより、探針部材81のバネ定数は、式(3)のように周期的に時間変化する項を含む。
Δk(t)={qtipdc+qtipaccos(ωmt)}
・[(∂H_DCSMPL/∂z)
+(∂H_AC/∂z)cos(ωmt)] (3)
H_DCSMPL:試料から発生する直流磁場
H_AC:ソフト磁性探針(探針チップ811)に印加する交流磁場の振幅
tipac:振幅がH_ACの交流磁場により探針チップ811に生じた交流磁荷(以下、「交流磁極」と言う)の振幅
tipdc:直流電場E_DCSMPLにより探針チップ811に生じた直流の磁荷(以下、「磁極」と言う)



外部から印加する交流磁場H_ACが空間的に一様な場合、
|∂H_AC/∂z|≪1
となり、Δk(t)は、式(4)で表される。
Δk(t)≒qtipac(∂H_DCSMPL/∂z)cos(ωmt) (4)
tipacの値は、H_ACの値を一定にすることで一定となるので、Δk(t)のcos(ωmt)で時間変化する成分を検出することで、試料82の表面の直流磁場の勾配を知ることができる。

産業上の利用分野


本発明は、試料から発生する電場と磁場とを同時に測定することができる、電気力/磁気力顕微鏡および電場/磁場同時測定方法に関する。
本発明では、周波数が異なる交流電場と交流磁場とを、励振している導電性のソフト磁性探針に印加し、前記ソフト磁性探針の振動を検出することで、前記試料から発生する電場と磁場とが同時に測定される。

特許請求の範囲 【請求項1】
励振している探針部材の先端に設けた導電性のソフト磁性探針に周波数が異なる交流電場と交流磁場とを印加し、前記ソフト磁性探針により試料を走査し、前記探針部材の振動を検出することで、前記試料から発生する電場と磁場とを同時に測定する電気力/磁気力顕微鏡であって、
前記探針部材と、
前記探針部材を励振させる探針励振部と、
前記交流電場を発生し当該交流電場を前記ソフト磁性探針に印加する交流電場印加部と、
前記交流磁場を発生し当該交流磁場を前記ソフト磁性探針に印加する交流磁場印加部と、
前記交流電場印加部を駆動する交流電場駆動部と、
前記交流磁場印加部を駆動する交流磁場駆動部と、
前記探針部材の振動を検出し、振動検出信号を生成する探針振動検出部と、
前記ソフト磁性探針により前記試料を走査するために、前記探針部材を空間駆動する探針走査部と、
前記振動検出信号を取得し、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた交流電気力および交流磁気力を復調する復調部と、
前記復調部により復調された前記交流電気力を用いて、前記試料から発生する前記電場を測定する電場測定部と、
前記復調部により復調された前記交流磁気力を用いて、前記試料から発生する前記磁場を測定する磁場測定部と、
を備えたことを特徴とする電気力/磁気力顕微鏡。

【請求項2】
試料から発生する時間変化しない直流電場と直流磁場とを同時に測定するための請求項1に記載の電気力/磁気力顕微鏡であって、
前記電場測定部は、
前記試料と前記導電性のソフト磁性探針との間に生じた前記交流電気力を測定する交流電気力測定部と、
前記交流電気力測定部により測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加部が印加する交流電場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流電場を測定する直流電場測定部と、
を備え、
前記磁場測定部は、
前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流磁気力を測定する交流磁気力測定部と、
前記交流磁気力測定部により測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加部が印加する交流磁場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流磁場を測定する直流磁場測定部と、
を備えたことを特徴とする電気力/磁気力顕微鏡。

【請求項3】
試料から発生する周期的に時間変化する交流電場と交流磁場とを同時に測定するための請求項1に記載の電気力/磁気力顕微鏡であって、
前記電場測定部は、
前記試料と前記導電性のソフト磁性探針との間に生じた前記交流電気力を測定する交流電気力測定部と、
前記交流電気力測定部により測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加部が印加する交流電場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流電場を測定する交流電場測定部と、
を備え、
前記磁場測定部は、
前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた交流磁気力を測定する交流磁気力測定部と、
前記交流磁気力測定部により測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加部が印加する交流磁場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流磁場を測定する交流磁場測定部と、
を備えたことを特徴とする電気力/磁気力顕微鏡。

【請求項4】
試料から発生する時間変化しない直流電場と直流磁場、および前記試料から発生する周期的に時間変化する交流電場と交流磁場を同時に測定するための請求項1に記載の電気力/磁気力顕微鏡であって、
前記電場測定部は、
前記試料と前記導電性のソフト磁性探針との間に生じた前記交流電気力を測定する交流電気力測定部と、
前記交流電気力測定部により測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加部が印加する交流電場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流電場を測定する直流電場測定部と、
前記交流電気力測定部により測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加部が印加する交流電場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流電場を測定する交流電場測定部と、
を備え、
前記磁場測定部は、
前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流磁気力を測定する交流磁気力測定部と、
前記交流磁気力測定部により測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加部が印加する交流磁場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流磁場を測定する直流磁場測定部と、
前記交流磁気力測定部により測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加部が印加する交流磁場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流磁場を測定する交流磁場測定部と、
を備えたことを特徴とする電気力/磁気力顕微鏡。

【請求項5】
前記交流電場印加部が前記試料に印加する前記交流電場の周波数ωeと、前記交流磁場印加部が前記試料に印加する前記交流磁場の周波数ωmとが、1以上のいかなる整数nについてもωm≠nωeかつnωm≠ωeをみたす、請求項1~4のいずれかに記載の電気力/磁気力顕微鏡。

【請求項6】
励振している探針部材の先端に設けた導電性のソフト磁性探針に、周波数が異なる交流電場と交流磁場とを印加し、前記ソフト磁性探針により試料を走査し、前記ソフト磁性探針の振動を検出することで、前記試料から発生する電場と磁場を同時に測定する電場/磁場同時測定方法であって、
探針励振部により、前記探針部材を励振させる探針励振ステップと、
交流電場印加部により、前記交流電場を発生し、当該交流電場を前記ソフト磁性探針に印加するとともに、交流磁場印加部により、前記交流磁場を発生し、当該交流磁場を前記ソフト磁性探針に印加する交流電場/交流磁場印加ステップと、
探針振動検出部により、前記探針部材の振動を検出し振動検出信号を生成する探針振動検出ステップと、
探針走査部により、前記探針部材を空間駆動し、前記ソフト磁性探針により前記試料を走査する探針走査ステップと、
復調部により、前記振動検出信号を用いて前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた交流電気力および交流磁気力を復調する復調ステップと、
電場測定部により、前記復調ステップにおいて復調された前記交流電気力を用いて、前記試料から発生する前記電場を測定する電場測定ステップと、
磁場測定部により、前記復調ステップにおいて復調された前記交流磁気力を用いて、前記試料から発生する前記磁場を測定する磁場測定ステップと、
を有することを特徴とする電場/磁場同時測定方法。

【請求項7】
試料から発生する時間変化しない直流電場と直流磁場とを同時に測定するための請求項6に記載の電場/磁場同時測定方法であって、
前記電場測定ステップは、
交流電気力測定部により、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流電気力を測定する交流電気力測定ステップと、
直流電場測定部により、前記交流電気力測定ステップにおいて測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加ステップにおいて印加された交流電場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流電場を測定する直流電場測定ステップを有し、かつ、
前記磁場測定ステップは、
交流磁気力測定部により、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流磁気力を測定する交流磁気力測定ステップと、
直流磁場測定部により、前記交流磁気力測定ステップにおいて測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加ステップにおいて印加された交流磁場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流磁場を測定する直流磁場測定ステップと、
を有する、
ことを特徴とする電場/磁場同時測定方法。

【請求項8】
試料から発生する周期的に時間変化する交流電場と交流磁場とを同時に測定するための請求項6に記載の電場/磁場同時測定方法であって、
前記電場測定ステップは、
交流電気力測定部により、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流電気力を測定する交流電気力測定ステップと、
交流電場測定部により、前記交流電気力測定ステップにおいて測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加ステップにおいて印加された交流電場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流電場を測定する交流電場測定ステップと、
を含み、かつ、
前記磁場測定ステップは、
交流磁気力測定部により、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流磁気力を測定する交流磁気力測定ステップと、
交流磁場測定部により、前記交流磁気力測定ステップにおいて測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加ステップにおいて印加された交流磁場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流磁場を測定する交流磁場測定ステップと、
を含むことを特徴とする電場/磁場同時測定方法。

【請求項9】
試料から発生する、時間変化しない直流電場と直流磁場および周期的に時間変化する交流電場と交流磁場を同時に測定するための請求項6に記載の電場/磁場同時測定方法であって、
前記電場測定ステップは、
交流電気力測定部により、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流電気力を測定する交流電気力測定ステップと、
直流電場測定部により、前記交流電気力測定ステップにおいて測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加ステップにおいて印加された交流電場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流電場を測定する直流電場測定ステップと、
交流電場測定部により、前記交流電気力測定ステップにおいて測定した前記交流電気力から、前記交流電場印加ステップにおいて印加された交流電場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流電場を測定する交流電場測定ステップと、を含み、かつ、
前記磁場測定ステップは、
交流磁気力測定部により、前記試料と前記ソフト磁性探針との間に生じた前記交流磁気力を測定する交流磁気力測定ステップと、
直流磁場測定部により、前記交流磁気力測定ステップにおいて測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加ステップにおいて印加された交流磁場の周波数に等しい周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する時間変化しない前記直流磁場を測定する直流磁場測定ステップと、
交流磁場測定部により、前記交流磁気力測定ステップにおいて測定した前記交流磁気力から、前記交流磁場印加ステップにおいて印加された交流磁場の周波数の2倍以上の周波数成分を抽出することにより、前記試料から発生する周期的に時間変化する前記交流磁場を測定する交流磁場測定ステップと、
を含むことを特徴とする電場/磁場同時測定方法。

【請求項10】
前記交流電場印加部が前記試料に印加する前記交流電場の周波数ωeと、前記交流磁場印加部が前記試料に印加する前記交流磁場の周波数ωmとが、1以上のいかなる整数nについてもωm≠nωeかつnωm≠ωeをみたす、請求項6~9のいずれかに記載の電場/磁場同時測定方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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